戦え!アルバイター達!!   のようです、お客様。

5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/12(火) 17:59:06.32 ID:NraeT84xO





第7シフト
光りながら、ひび割れながら、いつも必死でいたい








6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/12(火) 18:02:33.76 ID:NraeT84xO
観客席がどよめいている。
これからアルバイトバトル決勝戦が始まるのだ。

ζ(゚、゚*ζ「ブーンさんが勝ちます」

白い花、スノードロップ、花言葉『希望』を祈るように軽く握るデレ。

⌒゚川 ゚ -゚)「何を言ってらっしゃるんですか?勝つのはドクオさんに決まっています」

自信満々の笑みで隣の席のデレに語りかける。

ζ(゚、゚*ζ「あら、ブーンさんは天才級のアルバイターですよ」

⌒゚川 ゚ -゚)「ドクオさんは努力家のアルバイターです。ぽっと出の人に負ける訳ありませんよ」

⌒゚川 ゚ ー゚)ζ(゚ー゚*ζ「「ふふふふふ」」

二人には表面では分からないが、険悪なオーラが立ち込めている。
誰か止めてあげて!

(*゚ー゚)「女って怖いわねぇ」

(,,゚Д゚)「今日のお前が言うなスレ確定」



9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/12(火) 18:06:08.72 ID:NraeT84xO
ノハ#゚听)「初戦の恨み!ブーンのガソスタ探し出して毎日通ってやるううぅ!!」

(*´・ω・`)「ふふふ…はにかみトライアングルの続編まで頂けるとは…」

出場者席で各々がこれからのアルバイトバトルに胸を躍らせている。
自分達を倒し、決勝戦まで残った二人がどんな勝負を繰り広げるのか。
見てみたい、そんな風に出場者達は思っていた。

そんな時、闘技場の扉が開いた……!

ゆらりと二人の姿が現れる。

( ^ω^)

('A`)

ζ(゚、゚*ζ「ブーンさん……」

⌒゚川 ゚ -゚)「ドクオさん…頑張って下さいね」



10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/12(火) 18:09:45.76 ID:NraeT84xO
ブーンとドクオが闘技場の真ん中まで並んで歩く。

('A`)「手加減はしねぇぞ」

( ^ω^)「僕もだお!」

二人が決意を言い終えると同時に闘技場の真ん中に着いた。
ブーンはいつも通りの作業着。
ドクオもいつも通りの制服。
ただいつもと違う所があるとすれば、アルバイト武器をフル装備していた。

('∀`)「やる気満々だな!だがそれが良い!」

( ^ω^)「ドクオこそ、凄いアルバイト力を感じるお!」

審判『よろしいですか?それではアルバイトバトル、レディ…ゴー!』
審判なんて居たのか。

(#'A`)「いっくぞおおぉ!!」

( ^ω^)「エンタングル!!」

二人が同時に駆けた。



13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/12(火) 18:13:21.50 ID:NraeT84xO
先手に出たのはドクオだった。
ドクオは走りながら制服の背中の中に手を入れる。
すると、一本のモップが出て来た。

('A`)「電光石火―――お客様、足元にお気を付け下さい」

走りながらモップをブーンに向かい地面に滑らせる。

(;^ω^)「うおっ!?」

ブーンは走っていた勢いで急には止まる事が出来ず、真横に飛び避けた。
ドクオが走り抜けた地面は、モップによりピカピカになっている。
これにはお客様にも御満足頂けるであろう。



14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/12(火) 18:17:35.38 ID:NraeT84xO
(*゚‐゚)「あのアルバイト技は……」

(,,゚Д゚)「知っているのか!しぃ!」

(*゚ー゚)「ええ、あれはアルバイト技の聖奥義―――お持て成し技よ」

(,,゚Д゚)「……お持て成し技?」

首を傾げるギコ。

(*゚ー゚)「そう、私達が今まで使って来た技は内部の破壊を極意とした技」

(*゚ー゚)「お持て成し技はその逆。外部の破壊を極意とした最強奥義」

(*゚ー゚)「あんなのをまともに喰らえば死は免れ無いわ」

(*゚‐゚)「……もしかしたらあの人達、オーラアルバイターかもしれないわ」

淡々と喋っているが、内心恐怖で一杯なしぃ。

(*゚‐゚)「……私が勝てる筈無かったわね」



18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/12(火) 18:20:42.71 ID:NraeT84xO
('A`)「まだまだ!今のは下準備だ!」

ドクオの両手にはバフマシーンのハンドルが握られていた。
スイッチを入れると、バフマシーンがウィーンという音を立てる。

('A`)「コンビニバイトで鍛えられた技を喰らえ!」

('A`)「国士無双―――もう一度、足元にお気を付け下さいませ」

ドクオはバフマシーンを押しながらブーンに向かい突貫する、そして。

―――コツン。

ブーンの足元に凄まじい衝撃が走った。
ふっ飛ばされ、錐揉みしながら地面に叩き付けられる。

(メ^ω^)「ぐはっ!?」

地面に叩き付けられ、血を吐くブーン。

バフマシーンの威力は凄かった。
床を綺麗にし、次からはお客様を快くお出迎え出来るだろう。
その威力に観客席から歓声が上がる。



20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/12(火) 18:23:56.87 ID:NraeT84xO
(メ^ω^)「うぅ……」

地面に倒れ臥すブーン。
その時、声が聞こえた。

『……さん!……って!』

密かに恋心を寄せている愛しい声。

ζ(゚、゚*ζ「ブーンさん!頑張って!」

(メ^ω^)「デレさんが……まだ、まだだおおぉぉ!!」

ブーンが叫びながら立ち上がった。

(;'∀`)「流石…流石だぜ!ブーン!」

(メ^ω^)「凄いアルバイト技だったお……でも次は僕の番だお!」

ブーンがそう言い放つと給油ノズルを構える。
そしてドクオに照準を合わせ、ノズルに付いているレバーを握り締める。
ガチャンという音をした。

(メ^ω^)「花鳥風月―――ハイオクにしますかお?レギュラーにしますかお?」



23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/12(火) 18:28:24.32 ID:NraeT84xO
給油ノズルから射出された大量の液体がドクオに襲いかかる。
ドクオは身を翻したが完全にはかわし切れず、少量が胸元にピチョッとかかってしまった。

(メ'A`)「ぬおおおおぉっ……!」

胸にハンマーで殴られたかのような激痛が走る。

⌒゚川;゚ -゚)「ドクオ!」

あの液体が車に注入されれば、お客様は心地良いドライブを楽しむ事が出来るだろう。
なんて技だ……。
ドクオは嫌な汗をかいた。

(#'A`)「……だがな!お前には負けられねえんだよ!」



24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/12(火) 18:31:47.67 ID:NraeT84xO
(メ^ω^)「はぁはぁ……」

(メ'A`)「ぜぇぜぇ……」

アルバイト聖奥義『お持て成し技』を使い続けた二人の体は傷付き疲弊しきっていた。
後は二人の精神力のみである。

(メ'A`)「ま…だ、全力…出しきってねぇ…だろ?」

(メ^ω^)「ド…クオの方……こそ」

一瞬の沈黙。

(メ'∀`)「……ぶははははははは!!」

(メ^ω^)「……おっおっおっ!」

突然笑い始めた二人。
そして―――。

(メ^ω^)「行くお、僕の真のアルバイト力」

(メ'∀`)「俺も出そうと思ってたんだ、先に言うなよ」



25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/12(火) 18:35:30.87 ID:NraeT84xO
(メ ゚ω゚)「うおおおおおおお!!」

(メ゚A゚)「ぬううううううう!!」

二人の体からオーラが見える……気がする。
ブーンからは青色のオーラ……な気がする。
ドクオからは赤色のオーラ……な気がする。
だってこの人達一般人だもん!
本当にオーラ出たらやばいっしょ!
本格的バトル小説になっちゃうっつーの!

(メ^ω^)「行くお!」

(メ'A`)「来いっ!」

ブーンがオーラアルバイト力を解放する。

(メ^ω^)「五里霧中―――お客様、ゴミの処理はお断り致します」



27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/12(火) 18:40:28.03 ID:NraeT84xO
『お灰皿と…あとゴミの処理もお願いザーマス』
(;^ω^)『お客様、当店はゴミ処理はお断り致しております』
『キー!何てサービスの悪い店なの!もう来ないザマス!』
(;^ω^)『……』

意外と居るのだ。
ガソスタでゴミを捨てたがる人。
ガソスタはゴミ捨て場じゃねえ!!
ガソスタ経営の俺の親もよくぶち切れている。

(;'A`)「くっ、やるな」

正面からオーラアルバイト技を喰らうドクオ。
ドクオもゴミ捨てを頼んだ事があるのだ。
余りの衝撃に倒れそうになるが持ち堪える。

(メ'A`)「もう、足が動かねえ…このまま行くぜ!」



33 :あ!>>27の次!!:2007/06/12(火) 18:56:04.57 ID:NraeT84xO
ドクオはポケットから商品を取り出しバーコードをスキャンする。
すると『ピーッ』というエラー音が鳴った。

(メ'A`)「一期一会―――お客様、申し訳ありません。値段を調べて参ります」

ドクオが得意とする幻術オーラアルバイト技がブーンに牙を剥く。
ブーンの目には値段を調べに行く店員の姿が目に映った。

(;'A`)『少々お待ち下さいませ!』
(;^ω^)『ちょ、後ろに人並んでるんですがお?』
(;'A`)『あれー?これどこに置いてた奴だっけ?』
(;^ω^)(早く早く!後ろの人達の視線が怖いお)
(;'A`)『これじゃねぇな…ここか?』
(;^ω^)『助けてくれお!』

このプレッシャーに筆者は負けた事があり、
『もう、それいらないです……』
と店を出た事がある。
何だあのプレッシャー。



28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/12(火) 18:47:45.14 ID:NraeT84xO
(メ^ω^)「っつ!」

ドクオの幻術アルバイト技に気圧され吹き飛ばされかけるブーン。
しかしブーンも気合いで踏み止まった。

(メ^ω^)「……」

(メ'A`)「……」

互いに黙り見据える二人。
もうどちらも動けない。
体力、精神、アルバイト力、全てを出しきったのだ。

(メ^ω^)「ドクオ……僕の負け…だ…お…」

そう言い終えると、大の字になり仰向けに倒れたブーン。

(メ'∀`)「は…はは…やっと…ブーンに…勝て…た……」

ブーンが倒れたのを確認し、ドクオも大の字になり仰向けに倒れた。



31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/12(火) 18:51:25.03 ID:NraeT84xO
('A`)
空が青い。
熱った体に冬風は気持ち良い。

ああ、勝てた。
ずっと勝てなかったあいつに勝てた。
やっぱり天才は強かったな。
でも俺の勝ちだ、ざまぁみろ。

賞金?そういうのもあったな。
でもそんなのどうでも良いや。
色々な物を手に入れた。
生きる事、頑張る事、好きな人。
それだけで充分だぜ。

あー、一服したい気分だ。
こんな時の煙草はとても美味いだろうな。
煙草、ライター…あったあった。
カチッ!カチッ!
ちっ!付きにくいライターだぜ。
もう一回。
カチッ!

(メ^ω^)「あっ」

はっ?


第7シフト『またのご来店をお待ちしております』



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