( ^ω^)ブーンはゆとりのようです
- 164: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/10(日) 21:29:17.64 ID:PLah50gG0
(;^ω^)「ヤバス……このままじゃまた怒られちゃうお!」
ガチャン。ガチャン。
(;^ω^)「よし、これくらい出来ればいいお。早く持っていくお!」
ガラガラッ!
ξ゚听)ξ「キャッ! ちょっと危ないじゃない!」
(;^ω^)「すいませんおー!!」
(;^ω^)(それどころじゃねぇぇぇ!)
- 171: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/10(日) 21:32:08.66 ID:PLah50gG0
(;^ω^)「キュウリ持ってきましたお!」
(#・∀・)「お前、昨日俺が言ったこと覚えてるか?
キュウリのテープは何色って言った?」
(;^ω^)「え?」
(#・∀・)「赤だって言ったよな? 何で黄色で止めてるんだ!」
(;^ω^)「アウアウ」
(#・∀・)「そうやってやり直す時間も、時給が動いてるんだからな?
ミスした分だけこっちが払い損になるんdなよ。わかるか?」
(;^ω^)「アウ……」
- 182: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/10(日) 21:35:48.31 ID:PLah50gG0
そして、あわただしいラッシュ時間が終わる。
(;^ω^)「はぁ……」
( ・∀・)「内藤君、一回目のミスは許すけど、同じミスを繰り返さないでね。
学習しなきゃ、いつまでたっても仕事に慣れないぞ?
僕だって、出来れば怒りたくないんだから」
(;^ω^)(そんなこと言われて出来れば苦労しねーお)
(;^ω^)「休憩はいりますおー」
ガチャン
( ^ω^)「あー……きっついお」
ξ゚听)ξ「……」
(;^ω^)(げ、最悪だお。気まずいお)
- 194: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/10(日) 21:39:55.37 ID:PLah50gG0
(;^ω^)「お、お疲れ様でしたお」
ξ゚听)ξ「……お疲れ様」
(;^ω^)「……」
ξ゚听)ξ「……」
ガチャリ
(#・∀・)「……」
(;^ω^)「あ、チーフ」
(#・∀・)「……タイムカード。検品。品だししてから休憩」
(;^ω^)「す、すいませんお」
- 209: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/10(日) 21:44:32.09 ID:PLah50gG0
その日のバイトも終わり、ブーンは帰宅した。
店では従業員がまだ作業をしている。
(´・ω・`)「モララー君、あのバイト使えないね」
( ・∀・)「……そうですね」
(´・ω・`)「クビにして、新しいのを雇おうか? あの調子じゃまた何かやりそうだし」
( ・∀・)「いえ、もう少しだけ待ってくれませんか?
今、あいつをクビにしたらあいつの為にならないと思うんですよ」
(´・ω・`)「うーん……」
( ・∀・)「もう少しだけ、僕に任せてくれませんか?」
(´・ω・`)「そこまで言うなら……君に任せるよ」
- 236: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/10(日) 21:49:46.61 ID:PLah50gG0
同じ頃。
プルルルル……
('A`)「はーい、もっこりもこみち」
( ^ω^)「ドクオかお? バイトだりぃおwwww」
('A`)「あ? もうかよ。はえーな」
( ^ω^)「チーフがまじうざいんだお! おまけにキツイし!」
('A`)「まじで? やめちゃえば?
( ^ω^)「あー、でも、まだ金はいってないし。給料はいったらやめたいおー」
('A`)「もち、バックレ?」
( ^ω^)「いやーwwもう電話してやめます!ガチャン!みたいなー?」
('A`)「ワロスwwwww最悪だなwwww」
〜〜〜〜〜〜〜〜
( ・∀・)(あいつだって、仕事は出来ないけど頑張ってるし)
( ・∀・)「ふぅ、下の面倒を見るってのは大変なんだな……」
- 250: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/10(日) 21:53:00.21 ID:PLah50gG0
内藤ホライゾン。
バイト開始から、2週間経過。
( ^ω^)「あ〜、だるいだるいだるいお〜」
ポイッポイッ
( ^ω^)「かなり仕事に慣れてきたお。あぁだりー」
( ^ω^)「検品めんどいからいいお。どうせ腐ってないお」
ポポイッ
- 263: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/10(日) 21:55:25.47 ID:PLah50gG0
( ^ω^)「大根が少ないですおー」
( ・∀・)「おう、下の店前に積んであるから」
( ^ω^)「わかりましたおー」
ガラガラ
( ・∀・)「あ、内藤。お前最近ミスしないな。
成長したじゃないか」
(;^ω^)「え、あ。ど、どうもですお」
( ・∀・)「この調子で頑張れよ!」
( ^ω^)「はいですお!」
(;^ω^)(怒られるかと思ったお……ふー)
- 270: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/10(日) 21:58:09.65 ID:PLah50gG0
( ^ω^)「大根大根っと」
ヒョイッ
(;^ω^)「相変わらず重いお。めんどいから三箱いっきに持ってくお」
ブーンは大根の入ったダンボールをカートに乗せる。
三個も乗せたので、少し不安定だ。
( ^ω^)「ブーン号発進〜なんつって」
ガコンッ!
( ^ω^)「お?おお?」
( ^ω^)「アッ――!!」
ガッシャァァァァッァァン!!!
カラカラカラ……
カラ……
( ^ω^)「大根オワタ」
- 286: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/10(日) 22:00:52.32 ID:PLah50gG0
店の前でバランスを崩したカートは、大根の入ったダンボールごと路上に転がった。
地面に叩きつけられた大根は、見事に8割がた割れてしまった。
( ^ω^)「これはまずい。汗もかけないほどやばいお」
( ^ω^)(どうするお。どうするお!? 怒られたくないお!)
( ^ω^)「は、はやく、はやく隠すお!」
ヒョイッヒョイッ
- 298: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/10(日) 22:03:17.14 ID:PLah50gG0
( ^ω^)(どうするお、これ商品にならにお!)
( ^ω^)(考えろっ! 僕は……くそっ! なんなんだお! 僕じゃないお!)
( ^ω^)「……大根カット」
ブーンはあることを思い出した。
大根カットという商品がある。
それは、大根を2分の1に切った商品である。
そう、割れた大根をキレイにカットすれば……
( ^ω^)「大根カットに変わるお! 名案だお!」
- 310: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/10(日) 22:05:39.10 ID:PLah50gG0
ブーンは走った。
割れた大根をダンボールに隠し、周りを気にしながらエレベーターへ走った。
恐らく、このバイトを始めて以来最高の集中力が発揮されていただろう。
( ^ω^)(うおおおおっ!)
ウィーン……
( ^ω^)「しめた! チーフがいない! カットするなら今だお!」
- 321: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/10(日) 22:07:50.98 ID:PLah50gG0
( ^ω^)「はいぃぃぃ!!」
ブーンは素早くカット台の上に割れた大根を乗せ、2分の一にカットする。
カットすれば割れた部分がキレイになる。
そう、一目見ただけでは、それが一度割れているなどわからないだろう。
( ^ω^)「よし、よし、いけるお!出来たお!」
ブーンは急いで大根カットを袋に入れ、売り場へと走る。
- 327: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/10(日) 22:09:15.09 ID:PLah50gG0
( ^ω^)「ヤバス。多すぎて入らないお」
(;^ω^)「無理やり入れるお。となりのキャベツのスペース小さくしちゃえ」
(;^ω^)「次は大根を出すお! 早くしないと怒られるお!」
タッタッタ
- 333: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/10(日) 22:11:31.73 ID:PLah50gG0
……
…
( ・∀・)「ふぅ。休憩終わりっと」
(´・ω・`)「モララー君、大根カットがめちゃくちゃ出されてるんだけど、
今日は特売か何かやるのかい?」
( ・∀・)「え? しませんよ?」
(´・ω・`)「え? でも溢れるくらい積んであるんだけど」
( ・∀・)「……」
( ・∀・)「あいつ、まーた勝手なことして……」
- 346: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/10(日) 22:13:49.28 ID:PLah50gG0
( ・∀・)「内藤、お前大根カット補充した?」
( ^ω^)「は、はいですお」
(;^ω^)(ヤバスwwww)
( ・∀・)「あんなに出しても余るだけだから。
今度から一言言ってくれよ」
( ^ω^)「え、あぁ……はい!」
( ・∀・)「まぁ、売り場は埋まってるから、今回はいいよ」
( ^ω^)(ばれてねぇwwwww助かったおwww)
- 357: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/10(日) 22:15:53.46 ID:PLah50gG0
ξ゚听)ξ「あの」
( ・∀・)「ん、どうしたんだい?」
( ^ω^)「休憩はいりますおー」
ガチャン
ξ゚听)ξ「大根なんですけど……内藤君、外で……」
モララーは頭を抱え、大きくため息を吐いた。
( ・∀・)「なんてこった……」
- 370: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/10(日) 22:18:33.77 ID:PLah50gG0
( ^ω^)「ドクオにメールでもするおwww今、休憩だおっと」
ピッ
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(´・ω・`)「モララー君、流石にこれはひどいよ」
( ・∀・)「……」
(´・ω・`)「悪いけど、内藤君は今日限りで――」
( ・∀・)「……本当に、あいつが、やったんですか?」
ξ゚听)ξ「ええ。私、レジから見ました」
( ・∀・)「……」
(´・ω・`)「モララー君!」
- 387: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/10(日) 22:21:37.98 ID:PLah50gG0
( ・∀・)「……俺が、あいつに直接言います」
(´・ω・`)「わかった」
( ・∀・)「……」
(´・ω・`)「仕方ないよ。今の若い世代は、そういうタイプもいる」
( ー∀ー)(あいつの、頑張っている姿はウソだったのか?
声の大きい返事も、全てウソだったのか……?)
( ・∀・)「……あぁ、くそっ!」
- 391: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/10(日) 22:23:13.70 ID:PLah50gG0
ガチャリ
( ^ω^)「休憩オワタお。WAWAWA忘れ物〜」
ξ゚听)ξ「……」
( ・∀・)「……」
(´・ω・`)「……」
(;^ω^)「うおっ……」
- 409: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/10(日) 22:25:54.81 ID:PLah50gG0
モララーは、腕を組んだままブーンに問う。
( ・∀・)「……内藤、正直に答えてくれ」
(;^ω^)「な、なんですかお?」
( ・∀・)「……外の、大根カット。あれは、どうしてカットしたんだ?」
(;^ω^)「え……う……」
沈黙。
ブーンの頭に、ついさっきの行動が過ぎる。
( ・∀・)「頼む、正直に答えてくれ。正直に答えたら、怒らないから。
頼むよ……内藤」
(;^ω^)「え……っと……」
- 422: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/10(日) 22:28:46.70 ID:PLah50gG0
(;^ω^)「ぼ、僕は、その――――」
大根。
落とした。割れた。
そして、そしてそして、怒られたくないから隠した。
( ^ω^)(僕じゃない僕じゃない僕じゃない。悪いのは僕じゃない!)
ξ゚听)ξ「……」
( ・∀・)「……」
(´・ω・`)「……」
( ^ω^)(やめるお。そんな目で見るなお。
悪いのは、悪いのは僕じゃないお!)
( ・∀・)「内藤……」
( ^ω^)「ぼ、僕は・・・・・・その」
( ^ω^)「大根カットが売れると、思って、勝手にカットしましたお。
すいませんお」
- 447: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/10(日) 22:31:27.28 ID:PLah50gG0
その一言で、張り詰めた空気が沈んだ。
皆、落胆したような目でブーンを見ている。
( ^ω^)「あ、あの」
( ・∀・)「もういい」
モララーがブーンの声を遮る。
( ^ω^)「え?」
( ・∀・)「もういいと言ったんだ。お前を信じた俺が馬鹿だった」
( ^ω^)「あ、の。チーフ……」
モララーは、ゆっくりとした口調で
( ・∀・)「もう、明日から……来なくていいから」
そう、告げた。
- 468: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/10(日) 22:34:38.96 ID:PLah50gG0
(;^ω^)「それって、クビですか?」
( ・∀・)「ガッカリだ。最近、お前は頑張っていると思ったんだがな。
裏切られたよ」
(´・ω・`)「……」
(;^ω^)「あ、う」
( ・∀・)「ばれてるからもういいよ。ただ……」
(#・∀・)「舐めるのもいい加減にしろよ! ふざけやがって!
隠してんじゃねえよ! 割った大根代弁償しろ!!」
(;^ω^)「ひぃ!」
- 497: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/10(日) 22:38:42.64 ID:PLah50gG0
(#・∀・)「お前みたいに心底腐ってる奴は初めてだ!
ああ、本当に信じられねえよ! お前の腐った根性がよ!」
( ;ω;)「う……あ……」
ξ゚听)ξ「ハァ……」
(´・ω・`)「モララー君、もういいかい?」
(#・∀・)「……」
( ;ω;)「う……く……」
(´・ω・`)「ふう。それじゃ……」
( ;ω;)「ふざけるな……僕は……ヒクッ! 悪くない!!」
- 529: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/10(日) 22:41:34.63 ID:PLah50gG0
(#・∀・)「……何?」
( ;ω;)「お前らが悪いんだ! ヒクッ……これは侵害だお!
警察に訴えてやるお……ック……」
ξ゚听)ξ「ちょ……何言ってるの? あんたの自業自得でしょ?」
( ;ω;)「うるさいうるさいうるさい!! こんな店潰れろお! お前ら全員消えろお!」
(#・∀・)「……! 内藤ぉぉぉぉ!!!」
バシンッ……!
- 554: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/10(日) 22:44:20.92 ID:PLah50gG0
( ;ω;)「痛……ヒクッ……」
(#・∀・)「お前中心に世界が回ってるとでも考えているのか!?
おい、ふざけんな! てめぇはボコボコにしなきゃ気がすまねぇ!」
(´・ω・`)「モララー。ちょっと落ち着け」
( ;ω;)「あーあー!!殴ったお! 傷害罪だお!犯罪だお!!
……ヒクッ! 絶対、訴えて……ヒクッ! やるお!」
- 573: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/10(日) 22:46:44.56 ID:PLah50gG0
(#・∀・)「てめえ……!」
(´・ω・`)「モララー、もうやめろ。内藤君、もういいから着替えて帰ってくれ。
もう二度とこないでいいから」
( ;ω;)「ふ……ん! 言われなくても……ック……二度と、来ないお!」
ブーンは制服を地面にたたきつけ、さっさと自分の服を手に持つ。
( ;ω;)「お前ら全員しねお!!!バーか!!!!」
バタン!!!
- 594: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/10(日) 22:49:31.36 ID:PLah50gG0
(´・ω・`)「……」
ξ゚听)ξ「……片付け、しましょうか」
(´・ω・`)「……そうだね。モララー。君は休んでていいよ」
(#・∀・)「……すいません」
こうして、ゆとりブーンのバイトは1ヶ月持たずに終わった。
以後、店は起訴されることもなく、平穏に日々が過ぎていった。
そんなある日。
- 613: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/10(日) 22:51:40.50 ID:PLah50gG0
('A`)「……」
(´・ω・`)「えーっと、ドクオ君か。週3回くらい来れる?」
('A`)「へーきッス」
(´・ω・`)「じゃあ、明日から働いてもらうね」
('A`)「はいっす」
( ・∀・)「店長ー」
(´・ω・`)「あ、モララー君。ちょうど良かった。新しいバイトの子だよ」
- 635: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/10(日) 22:53:21.16 ID:PLah50gG0
('A`)「よろしくおねがいしやっす」
( ・∀・)「ああ、よろしくな。それじゃ、明日から青果部門で働いてもらうね」
('A`)「うぃーっす」
ドクオ16歳。
ゆとり高等学校1年3組。
波乱のバイトドラマが、また生まれようとしていた。
fin
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