( ^ω^)ブーンが諦めたようです
- 38: 壱 :2006/09/26(火) 17:37:16.71 ID:4VQyRxXZO
- ξ゚听)ξ「ふう、やっと帰れる。お疲れ様でしたー」
まだパソコンにかじりついている同僚に声をかけて会社を出る。
ξ゚听)ξ「今日はどこにするかなあ」
この頃の私は、会社帰りの一人飲みを楽しみにしていた。
この日も目に止まったバーにふらりと立ち寄る。
- 39: 壱 :2006/09/26(火) 17:38:08.54 ID:4VQyRxXZO
- 初めて入るバーだったが、黒で統一された落ち着いた内装に、良さそうな店だと安堵する。
カウンターに座ってブルー・ムーンを注文する。
ξ゚ー゚)ξ「おいしい」
カクテルグラスの中の薄紫を見つめながら、しばらくはここを贔屓にしようと思う。
- 40: 壱 :2006/09/26(火) 17:39:02.93 ID:4VQyRxXZO
- ( ゚∀゚)「ブルー・ムーンってさあ、ブルーってついてるクセに紫色なんだよな」
突然の声に驚いて振り向くと、すぐ後ろに長身の若い男の姿があった。
( ゚∀゚)「あ、隣いい?俺マティーニね、ドライで」
ξ;゚听)ξ「え、ちょっと」
男は返事も聞かずにさっさと腰を下ろし注文を済ませる。
ちょっとは遠慮しろと言いたい。
- 41: 壱 :2006/09/26(火) 17:41:48.68 ID:4VQyRxXZO
- ( ゚∀゚)「仕事帰り?」
ξ゚听)ξ「………」
( ゚∀゚)「名前教えてよ」
ξ゚听)ξ「………」
( ゚∀゚)「ねーえー、ちょっとぐらい相手してよう、一人は暇なんだよう」
ξ゚听)ξ「………プッ」
見かけに似合わない口調に、つい吹き出してしまった。
- 42: 壱 :2006/09/26(火) 17:43:14.54 ID:4VQyRxXZO
- ( ゚∀゚)「あ、笑った笑った」
ξ*゚听)ξ「う、うるさいわねっ」
( ゚∀゚)「俺ジョルジュってんだ、よろしくな」
ξ゚听)ξ「……ツンよ」
勝手に名乗らないでよね。
名乗り返さない訳にいかないじゃない。
口には出さずに胸の中で呟く。
最初は無愛想に返事だけを返していた。
だが、ジョルジュの気さくな人柄に次第に警戒が薄れていくのが分かる。
( ゚∀゚)「へー、会社近くなんだ。今度同僚の女の子紹介してよ」
ξ゚听)ξ「いやよ、あんたみたいな不審者」
( ゚∀゚)「うわ、ひどい事言うなあ」
ジョルジュとはいい友達になれる。
そんな気がした。
- 43: 壱 :2006/09/26(火) 17:44:16.39 ID:4VQyRxXZO
- 予感は的中して、私たちは親友と呼べる程の関係になった。
ジョルジュの前ではおよそ女の子らしからぬ事も平気で出来る。
誰かの側にいる事で得られる安心感。
昔空いてしまった心の穴を埋めるように、私は彼に寄り添った。
( ゚∀゚)「俺さあ、おまえの事好きかも」
ξ゚听)ξ「はいはい」
( ゚∀゚)「いや、冗談じゃなくてさ、俺と付き合わない?」
- 44: 壱 :2006/09/26(火) 17:47:07.81 ID:4VQyRxXZO
- その瞬間、ジョルジュとギコ君の姿が重なって、忘れたはずのブーンの顔が頭をよぎる。
だめだ。
思い出しちゃだめだ。
もう関係ないんだから。
ジョルジュならきっと大丈夫、うまくやっていける。
( ゚∀゚)「彼女になってくれる?」
ξ゚听)ξ「……うん」
- 45: 壱 :2006/09/26(火) 17:48:04.52 ID:4VQyRxXZO
- ジョルジュとはそれなりに喧嘩もしたけど、気心の知れた仲だしお互いに不満は無かった。
でも時間が経つにつれて、私の中である疑問が膨らんでいく。
ξ゚听)ξ「ねえ、先週の日曜どこに居たの?」
( ゚∀゚)「家にいたけど……なんだよいきなり」
ξ゚听)ξ「そう、ならいいの。電話しても出なかったから、なんとなく聞いただけ」
( ゚∀゚)「ああ、一日中寝てたからなあ。だいぶ後で気付いたんだよ、悪かったな」
- 46: 壱 :2006/09/26(火) 17:49:43.49 ID:4VQyRxXZO
- 嘘つき。
私が部屋に行った時居なかったじゃない。
ジョルジュは浮気してた。
それもずいぶん前から。
浮気を知った時はショックだったけど、なぜか怒りは感じなかった。
そうなんだ、で済ませてしまえる自分。
私は本当にジョルジュの恋人でいたいんだろうか。
このままでいいのかな……
そして私の心の隙を狙うかのように、再会は突然やってきた。
- 56: 壱 :2006/09/26(火) 18:08:20.84 ID:4VQyRxXZO
- ( ^ω^)「ツン……?」
目の前にブーンがいる。
ξ゚听)ξ「え、あ……内藤?」
なんとなくブーンと呼べなくて、内藤なんて言ってしまう。
ブーンとドクオ。
そしてカウンターの向こうにはショボンの姿がある。
なんとなく入ったけど、ここショボンの店だったんだ。
- 57: 壱 :2006/09/26(火) 18:09:22.30 ID:4VQyRxXZO
- どうしたらいいんだろう。
いきなりこんな展開困る。
( ^ω^)「久しぶりだお。一人で飲みに来たのかお?」
ξ゚听)ξ「えぇ、仕事帰りにちょっと飲みたくなって」
混乱を隠してそう答える。
緊張でうまく動かない体。
それでもなんとかブーンの隣に腰を下ろした。
ξ゚听)ξ「いい感じのお店だなあと思って入ったんだけど、まさかショボンの店だったなんてね」
言いながらそれとなく隣を観察する。
- 58: 壱 :2006/09/26(火) 18:11:24.37 ID:4VQyRxXZO
- ブーン……最後に見た時より太くなってる。
でも相変わらずニコニコしてるし、中身は変わってなさそう。
ちょっと嬉しいな。
バーボンハウスでの突然の再会から数時間。
最初こそ緊張でぎこちなかったが、二杯目のテキーラを飲み干す頃にはすっかり自分のペースを取り戻していた。
そして、三人と別れ帰宅した私は、携帯を見つめながら一人笑みを浮かべていた。
- 59: 壱 :2006/09/26(火) 18:12:39.60 ID:4VQyRxXZO
- またブーンと繋がりができた。
沸き上がる喜びを隠せない。
ξ*゚听)ξ「メール送ってみようかな」
携帯を操作し、登録したばかりのアドレスを呼び出す。
ξ*゚听)ξ「何て送ろう……今日は楽しかった、とか?ん〜、ありきたりかなあ」
あれこれ考えている内に、携帯が聞きなれたメロディで着信を告げる。
- 60: 壱 :2006/09/26(火) 18:16:00.55 ID:4VQyRxXZO
- ξ゚听)ξ「ジョルジュからだ……」
その瞬間、幸せな夢の中から現実に引き戻されたような気がした。
恋人がいながら他の男に淡い想いを抱いたという現実。
でもそこにあるのは、インモラルな感情に対する罪悪感だけで……
私はこの時はっきりと、ジョルジュに対する自分の気持ちを理解した。
ξ;;)ξ「私、やっぱり……」
結局この日、携帯の通話ボタンを押す事は無かった。
- 61: 壱 :2006/09/26(火) 18:17:20.69 ID:4VQyRxXZO
- 突然の再会から数日。
( ゚∀゚)「結構いい店だったな」
ξ゚听)ξ「でしょ?」
ジョルジュにせがまれて、私は何度か彼をバーボンハウスに連れて行った。
その度にショボンが何か言いたそうな目で見ていた気がする。
でもあえて気付かないふりをした。
ショボンは全て解っている。
そんな思いを抱かせる視線だった。
- 62: 壱 :2006/09/26(火) 18:18:26.22 ID:4VQyRxXZO
- 表面上は今まで通りの私たち。
けれど、自分の本当の気持ちに気付いてからは、ジョルジュの事を『恋人』ではなく『友達』としてしか見られなくなっていた。
このままではいけないと分かっている。
でも口にすれば、これまで築き上げてきたものが全て壊れてしまう気がして……
怖かった。
出来るのなら、時間を巻き戻してしまいたい。
私と彼が親友でいられた頃に。
……ううん、違う。
私とアイツが、無邪気に走れたあの頃まで――――
- 63: 壱 :2006/09/26(火) 18:21:19.70 ID:4VQyRxXZO
- (´・ω・`)「ねえねえ、ちょっとお願いがあるんだけど」
私が軽く現実逃避を始めた頃、ショボンがそう話を切り出した。
ξ;゚听)ξ「な、なによいきなり。なんか怖いんだけど」
(´・ω・`)「ん〜怖い事なんかしないよぉ〜」
ξ#゚听)ξ「気持ち悪い声出してないでさっさと言いなさいよ」
(´・ω・`)「(ちっ、小娘が……!) 明日の昼過ぎにさ、ちょっと店に来て欲しいんだ」
ξ゚听)ξ「明日休みだし別に構わないけど、なんで?」
(´・ω・`)「ナ・イ・ショ」
ξ#゚听)ξ「ちっ、くそみそ野郎が……!」
(´;ω;`)ブワッ「僕は声に出さなかったのに……」
- 64: 壱 :2006/09/26(火) 18:23:04.02 ID:4VQyRxXZO
- なんだろう、怖いな。
ショボンのあの視線を思い出す。
なんだか胸の中がざわざわして気持ち悪い。
やだなあ、この感じ。
明日何があるんだろう。
- 65: 壱 :2006/09/26(火) 18:24:13.74 ID:4VQyRxXZO
- 翌日、バーボンハウスの前で空を見上げる。
私の心とは正反対に晴れ渡った空。
見ていると切なくなる気がして、ふっと視線を落とす。
ξ゚听)ξ「……早く行かなきゃね」
言葉とは裏腹に、ゆっくりとドアを開ける。
このドアをくぐり抜けたら、もう戻れない。
そんな気がした。
- 66: 壱 :2006/09/26(火) 18:25:26.69 ID:4VQyRxXZO
- ( ^ω^)「やめてくれお!もうツンに振り回されるのはウンザリなんだお!!」
店内に足を踏み入れた途端、ブーンの怒鳴り声が耳に入る。
ξ;゚听)ξ(え、何?)
驚いて立ちすくむ。
私に気付いたショボンが口に人さし指をあて、静かにしているように伝えてくる。
訳が分からないまま耳を傾ける。
- 67: 壱 :2006/09/26(火) 18:26:33.78 ID:4VQyRxXZO
- (`・ω・´)「逃げたって気持ちの整理なんかつかない。分かってるだろう?君はこれから先も同じ事を繰り返すつもりか?」
( ^ω^)「く、繰り返したりなんかしないお!ツンの事なんか綺麗さっぱり忘れてやるんだお!」
ξ;゚听)ξ(ブーン……?)
一体何が起こってるの?
繰り返す
忘れる
言葉の一つ一つが私の胸を騒がせる。
- 69: 壱 :2006/09/26(火) 18:30:18.14 ID:4VQyRxXZO
- (´・ω・`)「ブーン、いい加減に認めるんだ。君はツンへの気持ちを忘れられない。あの時君は言ったじゃないか……でも、やっぱり僕はツンの事が好きなんだ……って」
( ;ω;)「………!!」
ξ;゚听)ξ(………!!)
ブーンが私の事を好き?
嘘……
だって、私はブーンを傷付けたんだよ?
忘れようとしたんだよ?
そんな事ある訳ないじゃない。
ある訳ない………
- 70: 壱 :2006/09/26(火) 18:31:22.65 ID:4VQyRxXZO
- ―――どうしてそう思うの?
ブーンの事好きなのに。
嬉しいはずなのに。
私の中のもう一つの心が問いかけてくる。
ブーンを信じてないから?
………違う。
怖いの。
またブーンを傷付けてしまわないか。
消える事のなかった過去を繰り返してしまわないか。
- 71: 壱 :2006/09/26(火) 18:32:59.69 ID:4VQyRxXZO
- そうだ。
私はいつでも戻らない時間を悔やんでいた。
過去を、後ろをみていた。
ブーンは私の前を走っているのに。
後ろを向いて立ち止まっている私に、ブーンが見えるはずなかったんだ。
前を向いていれば、すぐそこに、手を伸ばせば届くところに二人はいたのにね。
いつだってブーンは私を待ってくれていたんだから………
- 73: 壱 :2006/09/26(火) 18:34:39.85 ID:4VQyRxXZO
- ('A`)「辛いよな……でもさ、お前は変わらなきゃいけないんだ。逃げてばっかの人生じゃ恥ずかしいだろうが」
ドクオがちらりとこちらを見る。
うん、そうだね。
私も逃げてた。
変わらなきゃいけないのは私なんだ。
(´;ω;`)「……自分が何をすべきか、分かってるね?」
うん。
今なら分かるよ。
ありがとう、ショボン。
- 74: 壱 :2006/09/26(火) 18:35:39.09 ID:4VQyRxXZO
- ( ;ω;)「僕は……僕は………」
( ;ω;)「ツンに…気持ちを伝えるお!振られたっていいんだお!ツンが好きなんだお!!」
ξ゚听)ξ「ブーン……」
ブーンが言ってくれた。
好きだって。
手を差し伸ばしてくれた。
ブーンも苦しかったんだね。
大丈夫だよ。
私ももう逃げたりしないから……
- 75: 壱 :2006/09/26(火) 18:36:39.67 ID:4VQyRxXZO
- ( ;ω;)「ツン……返事、聞かせて欲しいお」
ちゃんと伝えよう。
今の気持ち。
前を向いて。
ξ゚听)ξ「…私……ごめんね………今ね、付き合ってる人がいるの」
ゆっくりでいい。
歩み寄るんだ。
ξ゚听)ξ「だから今はブーンの気持ちに応えてあげられない」
きちんとけじめを付けるまで、私にはブーンを好きだって言う資格はないから。
ξ゚听)ξ「でもね………」
これだけは伝えたいの。
- 76: 壱 :2006/09/26(火) 18:38:37.62 ID:4VQyRxXZO
- ξ;;)ξ「ありがとう。ブーンの気持ち、すごく嬉しかった。ブーンとの思い出、ちゃんと残ってるから。今はまだ無理だけど……必ずブーンの所に戻れる気がするから………」
もう離れたくないから。
ブーンを信じてるから。
必ずあなたが差し出してくれた手を握り返すから。
ξ;;)ξ「わがままだって分かってるけど……待っててくれる……?」
( ;ω;)「待つお。ツンが来てくれるまで何年だって待つお」
ξ;;)ξ「ありがとう、ありがとうブーン………ごめんね……」
ありがとう、ブーン。
- 78: 壱 :2006/09/26(火) 18:42:17.74 ID:4VQyRxXZO
- その日の夜、私はジョルジュの部屋を訪ねた。
けじめを付ける為に。
親友を失ってしまうかもしれない。
それでもこの歩みを止める訳にはいかないんだ。
( ゚∀゚)「話って何?」
ξ゚听)ξ「あのね……私、別れたいと思ってるの」
(;゚∀゚)「別れるって、俺と?」
ξ゚听)ξ「うん……」
(;゚∀゚)「また随分といきなりだな」
ξ゚听)ξ「そう?いつか私がこう言うって分かってたんじゃない?」
( ゚∀゚)「………」
- 79: 壱 :2006/09/26(火) 18:43:30.53 ID:4VQyRxXZO
- ( ゚∀゚)「なんでそう思うんだ?」
ξ゚听)ξ「……ジョルジュ知ってたでしょ、私が浮気に気付いてるって」
( ゚∀゚)「ありゃ」
ジョルジュは煙草に火を付けると、ゆっくり煙を吐き出す。
天井に近付いていく煙を見つめながら言葉を続ける。
( ゚∀゚)「そうだな、知ってたよ。でもこっちから謝るのって難しいというか、さ」
ξ゚听)ξ「待ってた訳ね、私が話切り出すの」
(;゚∀゚)「はは、いや、すまんかった」
- 80: 壱 :2006/09/26(火) 18:44:27.75 ID:4VQyRxXZO
- ξ--)ξ「はあ……」
(;゚∀゚)「溜め息つくなって。悪かったよ」
ξ゚听)ξ「……で、どうするつもり?」
( ゚∀゚)「別れようか」
ξ゚听)ξ「結論早っ」
( ゚∀゚)「ははは、だってさあ、ツンは別れたい訳だろ?」
ξ゚听)ξ「うん……」
( ゚∀゚)「だったらそうするのが一番だろ。このまま続けてもツンが辛いだけだろうし。浮気した俺が言うのもなんだけどな」
ξ゚听)ξ「ジョルジュ……」
- 81: 壱 :2006/09/26(火) 18:45:25.01 ID:4VQyRxXZO
- ( ゚∀゚)「まあ、また一緒に飲みに行こうや。彼氏彼女じゃなくなってもさ、友達までやめたりしないだろ?」
ξ;;)ξ「あっ当たり前じゃない!あんたは私のたった一人の親友なんだから!」
( ゚∀゚)「ごめんな、辛い役目押し付けて」
ξ;;)ξ「ほんとよ!私がどれだけ胃を痛くしたと思ってんのよ」
( ゚∀゚)「ごめんな」
ジョルジュはそう言って私を抱き締めた。
それは恋人同士の抱擁じゃなく、親友としてのぬくもりだった。
- 83: 壱 :2006/09/26(火) 18:49:42.93 ID:4VQyRxXZO
- ξ゚听)ξ「ふう、話し疲れちゃった」
川 ゚ -゚)「そしてその後めでたくブーンと結ばれ今に至る、という訳か」
ξ゚听)ξ「まあ、そういう事」
いつの間にかグラスが空になっている。
長い話の中で飲み干してしまったらしい。
川 ゚ -゚)「ツンもブーンも偉いな、諦めずに想いを貫いて」
ξ゚听)ξ「私は偉くなんかないわ。寄り道してはブーンを傷付けて……」
- 84: 壱 :2006/09/26(火) 18:51:20.56 ID:4VQyRxXZO
- 川 ゚ -゚)「だが、そうして強くなったから今の二人があるんだろう?その強さがあれば、これから先何があっても平気さ」
ξ゚ー゚)ξ「ふふ、クーったら口が上手いんだから」
川 ゚ー゚)「そうかな」
(´・ω・`)「あのう、お話し中申し訳無いんだけど」
- 85: 壱 :2006/09/26(火) 18:53:17.87 ID:4VQyRxXZO
- 僕は恐る恐る、話し込んでいた二人に声を掛ける。
(´・ω・`)「実はツンとブーンにプレゼントがあるんだ」
ξ゚听)ξ「プレゼント?」
(´・ω・`)「うん、ちょっと待っててね」
いそいそとキッチンに入ると、すでにシャキン兄さんがアレを仕上げていた。
(`・ω・´)「よし、完璧だ」
さすが兄さん。
さっきの笑い上戸が嘘のような立ち直り。
(´・ω・`)「それじゃ、持っていくよ」
(`・ω・´)「ああ、頼む」
- 86: 壱 :2006/09/26(火) 18:54:13.05 ID:4VQyRxXZO
- 僕はソレを受け取るとゆっくり運んでいく。
落とさないように気を付けなくちゃ。
(`・ω・´)「ブーン君とドクオ君もこっちに集合!」
先に店内に戻った兄さんが、ブーンとドクオをカウンターに集める。
二人共かなり酔ってたけど大丈夫かなあ。
( *^ω^)「おっおっ、なんだおなんだお」
(*'A`)「ブーン走るなってば」
まあ意識はあるみたいだし大丈夫かな。
- 87: 壱 :2006/09/26(火) 18:55:14.99 ID:4VQyRxXZO
- (`・ω・´)「これは俺とショボンから、二人へのプレゼントだ」
(´・ω・`)「じゃじゃーん」
登場したソレにみんなの視線が注がれる。
( *^ω^)「でっかいケーキだおー!」
ξ*゚听)ξ「すごい!綺麗なデコレーション」
川 ゚ -゚)「まるでウェディングケーキだな」
('∀`)「おっ、ちゃんとブーンとツンが乗っかってるぞ」
(`・ω・´)「マジパンで作ったんだ、そっくりだろう?」
(´・ω・`)「それじゃあ、ケーキカットといこうか」
- 88: 壱 :2006/09/26(火) 18:55:59.43 ID:4VQyRxXZO
- ブーンとツンは少し恥ずかしそうに顔を見合わせると、ゆっくりしっかりと手を繋ぐ。
ケーキの上で微笑み合う、小さな二人のように――――
END
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