( ^ω^)机は繋がり僕らは出逢うようです。
- 74: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/15(金) 21:47:34.30 ID:+WqRDSZD0
- 《そのなな 起点わすれもの。》
『2年で進路ガイダンスは少し気が早いような気がするお! 疲れたお…』
【私は三年だから頻繁にあるがな、今の内に真剣になった方がいい】
【あのらくがき、どうやって書くんだ?
やろうと思っても上手く書けないんだが……】
『なにこのモッコスww えっと、コツはまず体を書いてから……』
『そろそろ文化祭の時期だお! そっちはどう?』
【三年は劇と決まっているからな……準備が大変だよ】
『いまから楽しみだお!』
【――そうだな。】
そうやって僕らは、交信の回数を重ねて行った。
普通の会話ならばすぐ忘れてしまうような言葉のやりとり。
それでも何故か、彼女の文字は、彼女の言葉は僕の心に深く浸透した。
この数奇なシュチュエーションだからだろうか。なんて思い出した、
これはそんな矢先のこと。
- 75: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/15(金) 21:49:56.91 ID:+WqRDSZD0
「文化祭の準備で大変なのはわかるが、机の中に置き勉などはしないように。
盗難があっても責任はとれんからな。あと、最近注意された服装の乱れだが……」
担任の声が教室に響いていた。
ひそひそと放課後の予定を話あうクラスメートや、
机に置いた鞄の上に腕まくらで寝はじめるクラスメート。
よくある終礼の一コマの中。
( ^ω^)「あれ……? おっおー……」
自分の鞄の中を忙しなく物色する最後列の廊下側。
*(‘‘)*「ちょっと。なにやってんの内藤」
( ^ω^)「おっ。保護者用の文化祭案内プリントが見つかんないんだお」
隣の席だったヘリカルから質問があがる。
そちらを向く事なく答え、続けて鞄の中を漁る。やはりない。
*(‘‘)*「そんなもん口頭で言えば言いだけの話でしょ。ってかホラ」
( ^ω^)「お?」
肩を叩かれ、顔を弾きあげた。
*(‘‘)*「空気嫁」
ヘリカルの声。
- 77: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/15(金) 21:50:49.36 ID:+WqRDSZD0
- 担任だけではなく、クラスメートの大半が僕の方を抗議の眼差しで見ていた。
教室を見渡せば、みんな立っている。……起立っていつ言った?
( ^ω^)「サーセンwwwww」
立ち上がれば、大袈裟な音を立てて僕の椅子が倒れた。
「「「「「………………」」」」」
教室に充満する微妙な空気。
はぁ。誰かのため息と、こほん。教師の咳払い。
( ^ω^)「サーセンww」
「……委員長、号令」
「礼っ」
机を引きずる甲高い音が、教室に響いた。
/
- 78: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/15(金) 21:52:43.06 ID:+WqRDSZD0
- 噛み殺す事もせずに大あくび。
微妙な空気で終った昨日の学校だけど、一日寝れば大抵のことはリセットされる。
昨日の朝の風景と寸分違わない教室内の様子に、もう一度出たあくび。
从 ゚∀从「おはようバカ面」
( ´ω`)「お前は開口一番それかお……」
こいつに関してのため息は出尽くしただろう。
朝一番に人を罵倒しに来た高岡に苦笑いが漏れた。
从 ゚∀从「で、今日の返信はどんな感じなんだよ」
( ^ω^)「なんでお前に見せなきゃなんないんだおwww」
从 ゚∀从「あん?」
( ^ω^)「いえいえ、どうぞどうぞ」
両手で僕の机を指す。ふんと高岡が鼻でそれをあしらった。
僕の日課が机の上のメッセージの返信になってから、
ハインリッヒの日課もまた机の上のメッセージ確認になった。
本人曰くおもしろいから。
本当こいつショボンの爪の垢でもせんじてのめばいいのに。
- 81: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/15(金) 21:54:00.37 ID:+WqRDSZD0
- 从 ゚∀从「…………」
なにやらハインリッヒが微妙な顔で僕の顔を覗き込んできた。
( ^ω^)「……どうかしたかお?」
从 ゚∀从「お前、これはどう言うことだ?」
お……?
眉間にしわを寄せて、ハインリッヒ机の上を指す。
それに導かれるように、僕も机の上を見た。そこにかかれていたメッセージ、
【平成19年……? 今年は16年じゃないのか?】
至極真面目な文字が、机の上に踊っていた。
《そのなな 起点わすれもの。》終
そのはちに続く!
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