( ^ω^)とひぐらしのなく頃に。のようです

6: んでは、TIPSからです。 :2007/06/17(日) 20:09:45.04 ID:Bu7Y89p60
【天気】

雨を待っていた。
晴れた空にはもう飽きてしまっているから。

でも、晴れ続きの毎日に大雨・・・なんてものは期待しない。
望みすぎても良いことがないのは分かっていたから。
せめて、下校時の突然の夕立・・・それぐらいは期待してもいいでしょ?

5月もそろそろ終わるかという頃。
転校生の噂が朝から学校中を賑わせていた。

そういえば、そろそろ圭一が引っ越してくる頃か。
確立は高いはずだが、今回も圭一が来てくれてほっとした。

魅音「それでね〜、なんと転校生は2人らしいんだよ!」
レナ「へぇ〜、それは珍しいね。仲良くできるかな、かな?」
沙都子「とりあえず、お手並み拝見ですわ。」

そういって沙都子は転校生用の罠を作っていた。



8: 頑張って、昨日よりは長め・・・かな? :2007/06/17(日) 20:11:04.25 ID:Bu7Y89p60
皆におかしく思われないように、表情は平然を装っていた。
だが、私の心臓はこれ異常ないほどに大きく鼓動していた。

2人の転校生・・・そんな事は今まで一度もなかった筈だ。
百年近く、この世界を何度もやり直したはずだが、こんな展開は・・・。

でも、これはきっと、明るい兆し。

私は晴れた日に飽きていた。夕立を待っていた。
それすらも叶わないのかと嘆いていた矢先、突然、降ってきた大雨。
これを奇跡と呼ばず何と呼ぼう。

その時、勢いよく開かれたドアに教室はいっそうざわめきたった。

知恵「はいはい!皆静かにHRを始めますよ!」
先生にそう言われては仕方ないと皆、口を閉じた。

しかし、その目はお菓子を前にした子供のように輝いていた。



9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/17(日) 20:12:26.36 ID:Bu7Y89p60
知恵「・・・その様子では皆さん、もう知っているようですね。今日は転校生を2人紹介します。」
再び、ざわめき立つ教室内。

私は、あえて口には出さない。
でも、この中で1番期待を持っているのは私だろうと予測できる。

知恵「それでは・・・ブーン君と圭一君。入ってきてください。」
教室に入ろうとした瞬間、沙都子の罠にかかった2人の少年。

一人は圭一で、もう一人・・・。
この少年はわたしの運命を変えてくれるだろうか。

罠にかかり、戸惑っている少年達。
何をしているのかと知恵に怒られる沙都子を同時に見ながら私は感じていた。

今回は、もしかしたら運命を破られるかなと・・・・。



11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/17(日) 20:13:57.58 ID:Bu7Y89p60
【圭一と誰かの初めて】

魅音「それじゃー、前原圭一と内藤ホライゾン!この二人を我が部活に入ることを許可する!」

圭一「部活・・・?部活って何のことだ?」
( ^ω^)「確かに・・・僕は何も知らないです。」

魅音「部活っていうのはね、伝統あr」
レナ「簡単に言うとね、皆で楽しくゲームして遊ぶんだよ、だよ。」

沙都子「さすがレナさん。見事な、ぶった切りっぷりですわ・・。」
魅音「ていうか、私の扱い酷くない!?」
梨花「魅ぃが、かわいそかわいそなのですよ。にぱ〜☆」



12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/17(日) 20:14:59.99 ID:Bu7Y89p60
沙都子「ちなみに負けたら怖〜い罰ゲームが待ってるんでしてよ。」
圭一「なるほどな!まぁ、この俺が全力をだしたら、お前らなんて一捻りだぜ!」

( ^ω^)「あぅあぅ、圭一が張り切っているのですよ。」
魅音「くっくっく・・・。元気だけじゃ部活に勝てないことを身をもって思いをすることになるよ。覚悟はいい?」

圭一「当たり前だぜ!どんなゲームでもかかってこい!!」
魅音「死に急ぐか・・・、それもよかろう。じゃあ、初めはわかりやすくジジ抜きにしよっか?」

レナ「魅、魅ぃちゃん・・・、それって・・・。」
梨花「レナ、何も言わなくていいのですよ。」
沙都子「梨花はこういうの好きですわね・・・。」



13: 誤字発見。orz :2007/06/17(日) 20:16:22.31 ID:Bu7Y89p60
魅音「・・・というわけで圭ちゃんがビリで罰ゲーム!」
圭一「く、くそ!こんな筈じゃあ・・・。ん?!さてはお前らカードの傷でも覚えているんじゃ・・・!?」

魅音「それぐらい、ゲーム中に見抜いてくれないとねぇ。くっくっく。」
圭一「き、汚ねぇぞ、お前ら・・・。」

沙都子「でも、ブーンさんは見抜いてみたいですわよ?」
レナ「初めてで見抜いちゃうなんて、すごいね!」
( ^ω^)「え、あ、たまたまなのですよ・・・。」

初めてじゃ、ないよ。

梨花「それでは、圭一。罰ゲームなのですよ。」
沙都子「このマジックで・・・!」

圭一「は、離せ!魅音、レナ!や、やめろぉ〜〜・・・。」



15: >>14 ミスです・・・投下しながら見直してたのにorz :2007/06/17(日) 20:18:50.90 ID:Bu7Y89p60
【僕の両親】

( ^ω^)「お父さん!僕、運動会のかけっこで一番速かったんだお!」
「ああ、見てたぞ、ブーン。すごく格好よかったぞ!」

( ^ω^)「お母さん!テストで100点とったんだお!」
「偉いわね。ブーン。今日はブーンの好きなもの作ってあげるわね。」

・・・幸せだった。
小さい頃はこんな毎日がいつまでも続くと当たり前のように思っていた。

でも、あれは中学生の時だったかな。
3年生が部活を引退して、2年生の僕たちが部を引っ張っていく、そんな時だったと思う。



16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/17(日) 20:20:16.09 ID:Bu7Y89p60
「ブーン、お父さんとお母さんはこれから出かけて来るけど、お前もくるか?」
・・・行かせるな。

( ^ω^)「僕はこれから部活だから、二人でデートを楽しんでくるといいお!」
・・・何を言っている昔の僕。その日、部活はなかった。遊びたいだけだろ。

「あらやだ、この子ったら。・・・まぁ、部活なら私たち二人で楽しんできましょうか、お父さん?」
「ああ、そうだな。ブーン。部活、頑張れよ。」
・・・止めろ、止めるんだ。

( ^ω^)「もちろんだお!」
その言葉が、僕が最後に両親の声を聞いた最後だった。
同時に僕が最後に両親に発した、今でも後悔している言葉だった。



17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/17(日) 20:22:26.70 ID:Bu7Y89p60
ひそひそ・・・。
「惜しい人達を亡くしたね。」
「暴走したトラックに轢かれたなんてね・・・可哀想に。」
「そういえば、一人息子のブーン君はまだ中学生だったっけ?誰が面倒みるんだ?」

( ^ω^)「・・・。」
涙は人前では流さない。
これからは親に頼らずに生きていくんだから・・・。

「あの子ったら両親が亡くなったのに涙もみせないなんて・・・悲しくないのかしら?」
「しっ、聞こえるわよ」

僕の心の内も知らずに無神経なババアどもが話している。
今すぐ、そいつの顔面を殴りたい衝動に駆られる。我慢しろ僕。
一人で生きていくなら、他人に関心を持たないのが一番だ。

「ブ、ブーン君?もし良かったら私の家に住む?まだ部屋も余ってr」
( ^ω^)「いえ、近所のワンルームマンションで暮らしたいと思っています。出来れば、その手続きを手伝ってください。」
「そ、そう?それならば、それで良いけど・・・大変よ?」

( ^ω^)「構いません。」

人を信じるな。自分を信じろ。
僕なら出来る。一人で生きていける。

だって皆、言ってるじゃないか。僕は天才だって。



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