( ^ω^)とひぐらしのなく頃に。のようです
- 4: ◆9d9cVF02x2 :2007/07/07(土) 20:28:49.22 ID:FULGBmCM0
- 〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
それは私の罪
与えられたのは死という名の罰
それは貴方の罪
与えられたのは死という名の罰
それも私の罪
与えられたのは貴方の優しさ
Frederica Bernkastel
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
- 7: ◆9d9cVF02x2 :2007/07/07(土) 20:29:41.34 ID:FULGBmCM0
( ^ω^)とひぐらしのなく頃に
――――――――――――――――怨返し編
- 8: ◆9d9cVF02x2 :2007/07/07(土) 20:31:02.98 ID:FULGBmCM0
- ふわふわとどこかを漂っていた気がする。
それは何度も何度も、私の身に起きる現象、転生の証。
昭和58年5月22日
?「梨花っ!危ないですわっ!!」
梨花「・・・っつ!?」
誰かの声に意識を戻した私。
しかし、事態が把握できない。
高速で流れる景色。強烈な風。地面に足がついていないような・・・?
梨花「まぁ、これぐらいの急な展開慣れっこってやつよね。」
自転車に乗っていると高速で理解した私は急ブレーキをかける。
ガードレールに激突寸前だった。
沙都子「梨花ぁ、大丈夫でして?」
梨花「みー、大丈夫なのですよ。ちょっとボーッとしてしまっただけなのです。」
ここがアイツと私の違いってやつよね。
・・・あれ?アイツって誰だっけ?
思わず、浮かんできた人物だが、名前が出てこない。
まぁ、きっと圭一かな?
ここでそのまま激突してしまう様な人は。
- 9: ◆9d9cVF02x2 :2007/07/07(土) 20:32:21.32 ID:FULGBmCM0
沙都子「もう、心配かけさせないで欲しいですわ。」
梨花「僕は沙都子と違って考える事が多いので仕方ないのですよ。にぱー。」
沙都子「な、なんですって?梨花、人が心配してますのにー!」
沙都子をからかいながら、記憶の整理をする。
前回は確か・・・『詩音』に殺された。
L5の症状を緩和させる注射器を打とうとして、返り討ち・・・。
だったか?
もう一つ忘れていないか?
何か、何か大事な事を。
何か、何か大事な人を。
- 12: ◆9d9cVF02x2 :2007/07/07(土) 20:34:20.38 ID:FULGBmCM0
思い出そうとした瞬間、耳に走る鈍い音。
頭が砕け散る衝撃と、ずしりと体の奥にまで響くような激痛。
ただの頭痛ではない。これは一度、体験したことがあるような痛み。
つまり・・・これは私の記憶?
鈍器で殺される事なんて無かった筈だ。
だって、バットを扱い狂気を犯すのは圭一。
彼が私を殺す世界なんか体験した事がない。
つまり私は何か、そして『誰か』を忘れている・・・?
沙都子「どうかしまして?」
梨花「・・・何でもないのですよ。」
いや、私の思い違いか。
まだ混乱しているだけなのだろう。
100年を旅してようやく、登場する人物なんて・・・ありえない。
- 13: ◆9d9cVF02x2 :2007/07/07(土) 20:36:19.77 ID:FULGBmCM0
- 梨花「・・・今日は何日ですか?」
沙都子「5月22日ですわよ。梨花でもド忘れするような時があるんですわねぇ。」
5月22日・・・となると日曜日か。
綿流しまでは1ヶ月ほどあるようだな。
沙都子「今日の梨花は妙にぼけっとしてますわね。ひょっとして明日の転校生の事でも考えてたんですの?」
梨花「転校生・・・ああ、『前原屋敷』の息子の事ですか?」
沙都子「そうですわ。それと、『もう一人』も気になりますわねぇ。」
梨花「・・・もう一人?」
もう一人という言葉を聞いた時、私の心臓が大きく鼓動する。
それは期待によるもの。
ありえないと思ったばかりの事が、現実に起きたのだから。
それは不安によるもの。
理由は分からない。でも、これは起きてはいけないように思える。
頭痛が途切れることなく私の心を揺らす。
この出来事を考えるのと比例するように、強く、大きく。
- 15: ◆9d9cVF02x2 :2007/07/07(土) 20:38:02.06 ID:FULGBmCM0
沙都子「・・・あら、暗くなって来ましたわね。そろそろ帰りませんこと?」
梨花「はい、ご飯の支度をしないとですよ。」
先程、気付いたのだが、自転車のかごの中に買い物袋が入っていた。
夕飯の買出しにきていたのだろう。
沙都子「今日は私が当番ですわね。」
梨花「沙都子のお料理楽しみなのですよ〜♪」
沙都子「若干のいやみが入っている様に感じるのは私の気のせいでして・・・?」
もちろん、その通りである。
何度、世界をやり直しても沙都子をからかうのは飽きる気配がない。
それぐらいじゃないと、百年を生きる魔女の親友には不釣合いでしょ?
- 17: ◆9d9cVF02x2 :2007/07/07(土) 20:39:30.15 ID:FULGBmCM0
沙都子とおしゃべりをしながら、帰路につく。
しかし、私の心の中ではいまだに葛藤が続いていた。
もう一人の転校生。
頭痛として甦る謎の記憶。
この二つが一体何を意味するのか。
吉と出るのか、凶と出るのか。
綿流しまで、およそ1月。
それまでに、この妙な世界を把握しておかなければ。
この世界を知らなければ、真実を手に入れることが出来ない。
なにより、この昭和58年という名の迷宮を抜け出すことが出来ない。
私は・・・幸せになりたい。
そんな私の思いを打ち砕くかのように、またしても痛みが私の思考を支配する。
それは、まるで私にこれから起きる出来事の不吉を表しているかのようだった・・。
- 19: ◆9d9cVF02x2 :2007/07/07(土) 20:41:18.12 ID:FULGBmCM0
- ―――――――――。
平成19年5月22日
ジリリリリリリリリリリリリ!
鳴り響く目覚ましの音。カーテンから漏れる太陽の光。
・・・もう朝か。
( ^ω^)「ふあ・・・なんか、まだ疲れがとれてないお・・・。」
学校に行って帰るだけなのに、疲労を感じるのも不自然だが、今朝はそう感じた。
まぁ、そんな事も言っていられない。
ベッドから飛び出し、顔を洗って、朝食を作る。
お日様のような目玉焼き、肉汁滴る厚切りベーコン、こんがり焼けたトースト。
そして、眠気覚ましのコーヒー。
僕の朝はこうして始まる。
・・・なんかちょっぴり、格好よくない?
- 23: ◆9d9cVF02x2 :2007/07/07(土) 20:43:58.07 ID:FULGBmCM0
自分に酔いしれながら、朝の支度を済ます。
べ、別にナルシストって訳じゃないんだからね!
両親が亡くなったばかりの時は、朝の身支度にも相当の時間を費やしていたけど、
一人きりの生活にも、もう慣れっこだ。
( ^ω^)「それじゃ、行ってきますお!」
誰も居ない部屋に向かってそう告げる。
体は疲れているが、妙に心は晴れ晴れとしていた。
・・・でも。
( ^ω^)「でも、何かを忘れている・・・?」
そうなのだ。普段通りの朝のはずが、妙に違和感を覚える。
一人きりの家。
自分で作った朝食とお弁当。
寄り道をせずに向かう学校。
つい最近まで別の日常があった気が・・・。
- 24: ◆9d9cVF02x2 :2007/07/07(土) 20:46:29.09 ID:FULGBmCM0
( ^ω^)「・・・気のせいかお。」
浮かぶ疑問を無理やり心に閉じ込めて家を飛び出す。
5月も終盤にさしかかり、外はじとっとする暑さに包まれている・・・と思っていた。
何故かは分からない。今日の僕には、このぐらいの暑さでは涼しく感じられた。
風邪でもひいたのかな・・・。
頭を悩ませながらも、足を止めるような事はしない。
そして、学校へ来る途中に見かけた八幡神社。
そこには、『いつも通り』のやるせない怒り。
『普段には無い』親しみがあった。
- 26: ◆9d9cVF02x2 :2007/07/07(土) 20:48:16.57 ID:FULGBmCM0
- 学校に着くと、ドクオが今日も気だるそうに携帯をいじくっていた。
こいつ、ツンと僕意外に友達いるのかな・・・。
('A`)「おー、ブーンおはよう。」
( ^ω^)「・・・おはようだお、ドクオ。」
('A`)「ん、どうした?今日はなんか調子悪そうだな?」
( ^ω^)「うーん、そうみたいだお。今日は朝から少し調子悪いお。」
僕がそう言うと、ドクオは驚いた表情を浮かべた。
なんか、変な事言ったかな?
('A`)「うあ、ごめん。・・・ブーンがそんな事言うと思わなくてさ。」
( ^ω^)「僕だって疲れてる時ぐらいあるお?」
('A`)「うん、そうだよな。でも・・・なんか嬉しいんだよ。」
照れくさそうに顔をほころばせるドクオ。
今日はドクオも少しおかしいんじゃないか、と思ったけどドクオはいつも変か。
- 27: ◆9d9cVF02x2 :2007/07/07(土) 20:50:21.65 ID:FULGBmCM0
- ('A`)「へへっ、ブーンの弱音かぁ・・・。」
なんで僕の弱音を聞くと嬉しいんだろう?
僕が問いかけようとした時、後ろから頭を叩かれた。
ξ゚听)ξ「おはよう、ブーンとドクオ。・・・なによ、にやけちゃって気持ち悪い。」
('A`)「あんだと?俺様の素敵スマイルを見ても、まだそれが言えるか?」
ニカッと笑うドクオ。
こんなに輝かしい彼を見るのは久しぶりに感じられる。
・・・どうやら、それはツンも同じの様だ。
ξ゚听)ξ「き、気持ち悪い!鳥肌がっ、鳥肌がっ!!」
(;^ω^)「これに関しては僕も全くの同意見だお・・・。」
('A`)「てめーら・・・。」
笑顔を浮かべたドクオは・・・それはもう不自然で気持ち悪かったという。
By僕。
- 28: ◆9d9cVF02x2 :2007/07/07(土) 20:51:58.81 ID:FULGBmCM0
- 言うだけ言って、ツンは席に戻っていった。
まぁ、口の悪さは超一流だが、整った顔立ち、抜群のプロポーション、頭脳明晰、スポーツ万能・・・。
そんなわけでクラスの男子から猛烈な人気がある。
・・・おかげで、ちょっと仲良くすると逆恨みをくらうんだよなぁ。
('A`)「なぁ、ブーン。ツンの事でちょっと相談があるんだけどよ。」
(;^ω^)「ま、まさかドクオまで、ツンに惚れたのかお!?」
('A`)「ちげーよ。・・・でも、かなり深刻な話だ。」
ドクオの真剣な眼差しに、僕は体を強張らせる。
それとともに真剣な表情も、笑顔でもダメなドクオは可哀想な子だな、とも思った。
('A`)「・・・お前、今すげー失礼な事考えてないか?」
(;^ω^)「気のせいだお!で、一体何の話だお?」
- 30: ◆9d9cVF02x2 :2007/07/07(土) 20:56:12.05 ID:FULGBmCM0
('A`)「ああ、実はな・・・。」
ドクオが口を開くと同時に教室のドアが勢いよく開かれた。
バカ教師がやってきたみたいだ。
( ´∀`)「口を慎みたまえ諸君、君たちは今モナー先生の目の前にいるのだよ。」
騒がしかった教室が一瞬で静かになった。
いや、凍りついたという方が正しいか。
( ´∀`)「まぁ、僕なりのサプライズってやつモナ。さぁ席について〜。」
この先生は年中このような感じである。
どこから仕入れてくるのか分からないようなネタばかり使う。
だが、クラスでの人望は意外と厚い。
教師らしくないのが逆に幸いしているのかもしれない。
ただ、どんな教師と問われれば、皆が口をそろえてウザイと言うだろう。
- 31: ◆9d9cVF02x2 :2007/07/07(土) 20:57:20.63 ID:FULGBmCM0
( ^ω^)「で、何だお?」
('A`)「え、あ・・・。ごめん、先生も来たしな。後ででいいよ。」
( ^ω^)「んー、じゃあ今日の放課後にでもゆっくり聞くお。」
さっきは冗談で言ったけど、もし本当に告白でもする気なら・・・。
うーん、なんだかちょっぴり胸がもやもやする。
( ´∀`)「若いっていいモナ・・・。」
先生が恍惚とした表情で何かを呟いていた。
無視無視。
- 33: ◆9d9cVF02x2 :2007/07/07(土) 20:58:34.65 ID:FULGBmCM0
('A`)「にしてもよ、ブーン何かいい事でもあったのか?」
( ^ω^)「なんでだお?」
('A`)「いや、あからさまにいつもと違うだろ・・・常識的に考えて・・・。」
もちろん、ドクオに言われるまでもなく気付いていた。
僕の心に自分でも驚くような変化が起きている。
・・・僕は自分をつくる。
それは誰にも力を借りないで生きていくと決めた時に身につけた仮面。
一人で生きていく力を込めた誓いが込められている。
表情、仕草、思考、態度、言葉。
全ての僕の行動にはこの仮面がつけられているはずだった。
でも、今、自然に零れ落ちる笑顔は演技なんかじゃない。
偽らざる真の自分。
・・・なんでだろう?
- 35: ◆9d9cVF02x2 :2007/07/07(土) 21:00:02.46 ID:FULGBmCM0
その答えはきっと『幸せ』だからだ。
ドクオとツンという仲間に囲まれて、
絶対に保障された安全の中で生きていて、
恐れるべき敵なんていない、この世界にいるのは味方か、それ以外の第三者だけ。
今更になって気付いた。
そんな当たり前の、極普通の日常が限りなく愛おしい。
( ´∀`)「とりあえず、HR始めるモナー。」
('A`)「まぁ、それについても放課後聞くとするよ。」
( ^ω^)「・・・そうしてくれお。」
そんな望まれるような平和な日常。
それを手にして、僕は一体、何を悩んでいる?
満足出来ない訳じゃない。
でも、僕は誰かに会って伝えなければならない言葉があるんだ。
この幸せを投げ出してでも、言わなければならない大事な言葉が。
- 36: ◆9d9cVF02x2 :2007/07/07(土) 21:02:21.70 ID:FULGBmCM0
それを伝える相手が誰かも分からない。
何を伝えるのかも分からない。
でも、僕は絶対にその人に会わなければいけない。
でなければ、後悔が一生付き纏う事になるだろう。
その為に、その人に会うきっかけとなる何かを逃さないようにしなければならない。
それが何かすらも、全く予想出来ない。
自分でも呆れるくらいの難易度のゲームだ。
そんな無謀な挑戦と言われるようなゲームにでも参加しないと、僕はきっとその人に会えない。
だから、そのきっかけを逃すような事をしてはいけないんだ。
それに、それはきっともうすぐ起きるから。
- 39: ◆9d9cVF02x2 :2007/07/07(土) 21:05:02.97 ID:FULGBmCM0
( ´∀`)「それじゃあ、授業を始めるモナー。」
探せ。
あまりにも小さくて見つけられないかもしれない何かを。
( ´∀`)「教科書の65Pを開くモナー。今日やるのはここの定理だモナー。」
会話だったか?
誰かの行動だったか?
( ´∀`)「この問題はまだ解けないモナね?そこで登場するのがこの定理モナ!」
こんなに身構える必要も無かったんじゃないか?
あたかも、眠りにつくように心が落ち着いていて・・・。
焦る事はない。
僕の第五感とも呼べるようなものが叫んでいる。
次の瞬間にそれは訪れると。
- 42: ◆9d9cVF02x2 :2007/07/07(土) 21:07:30.65 ID:FULGBmCM0
( ´∀`)「だから〜〜〜このbarukisuが〜〜〜」
・・・これか。
思わず失笑してしまう程、日常にありふれた台詞。
頭の中のパズルにピースがパチリと重なる。
デジャビュと言いたいのだが、違う。
間違いなく僕はこの台詞をどこかで聞いた。
そして、一つのピースが合わさると、それに連結して他の欠片も合わさっていく。
次に僕は校舎裏へ向かわなくてはならない。
- 45: ◆9d9cVF02x2 :2007/07/07(土) 21:08:49.58 ID:FULGBmCM0
- 椅子からスッと立ち上がると、皆の視線が一斉に僕に集中する。
( ^ω^)「先生、頭が痛いので保健室に行って来ていいですかお?」
( ´∀`)「モナ?それは一大事だモナ。早く行くといいモナ。」
・・・物分りは良いんだな。
生徒に好かれる理由もちょっと分かる。
( ^ω^)「ドクオ、僕は行ってくるお。」
('A`)「・・・は?あぁ、お大事にな。」
ドクオは分かっていないだろうが、これは謝罪の言葉。
二度と会わないであろう友への別れの言葉。
そして、僕から送る最初で最後の感謝の言葉。
- 49: ◆9d9cVF02x2 :2007/07/07(土) 21:11:07.53 ID:FULGBmCM0
- 教室から出た僕は無意識の内に足を動かす。
向かう先は校舎裏。
理由も分からないままに、ただ、ただ走る。
でも、何かが起こる。
それだけは間違いないんだ。
勘でも予言でもない。
これは間違いなく起こる確定した運命。
誰も居ない廊下を走り抜ける。
階段を3段飛ばしで飛ぶように降りていく。
昂った気持ちが抑えられなくなり、僕は思わず笑ってしまう。
それは、待ちに待ったゲームの発売日が訪れた小学生のような笑い。
自分の幸せを笑顔で破壊する馬鹿がここにいるぞ、とでも言いたげな自虐的な笑い。
- 51: ◆9d9cVF02x2 :2007/07/07(土) 21:12:55.41 ID:FULGBmCM0
- 誰も居ない校舎裏。
少し息が切れた僕の呼吸を整える音だけが、人の存在する証となっている。
しかし、不思議な光の塊だけが、まるで合成写真のように異様な存在感を放っていた。
( ^ω^)「えーと、こんにちわ?だお。」
?「・・・普通、こんな現象が起きていたらまず驚くものじゃない?」
よく考えたら自分でも何でこんなに普通でいられるのか分からない。
それくらい有り得ない出来事が目の前で起きているのだとようやく認識した。
・・・にしても、意外とフレンドリーな事で。
( ^ω^)「うーん、何でか、前にもこんな事があった気がするんだお。まぁ、勘違いだと思うけど。」
?「大丈夫よ。それは間違いなく現実に起こった事だから。」
(;^ω^)「へ?どういう事だお?」
- 56: ◆9d9cVF02x2 :2007/07/07(土) 21:15:26.52 ID:FULGBmCM0
?「簡潔に言うと、あなたは1度死んでもう一度、生き返ったのよ。」
(;^ω^)「・・・日本語でおk。」
?「・・・貴方にとって分かりやすく言うなら、古手梨花と同じ境遇にあると言えばいいかしら?」
つまり、曖昧に甦る記憶は以前の世界のものだということか。
正直、完全に納得した訳ではないが、そうでもないと今の状態に説明がつかない。
そう思った僕は、ある希望を込めて尋ねる。
( ^ω^)「なら、質問があるお。僕はこの世界で死んだのかお?」
?「理解が早くて助かるわ。賢いのはいいものね。
それと、質問の答えはNOよ。あなたは別の世界に私が送り、そこで死んだわ。」
( ^ω^)「・・・別の世界とはどんな世界なんだお?」
?「あなたにとっての夢の世界、雛見沢よ。」
待っていたと言わんばかりの即答。
でも、僕が望んでいた答えでもあった。
- 57: ◆9d9cVF02x2 :2007/07/07(土) 21:17:27.88 ID:FULGBmCM0
( ^ω^)「・・・でも、僕は雛見沢で生きることが出来なかった。」
?「そうね。イレギュラーが起きたという原因もあったけど、あなたは雛見沢のルールXYZの前に破れ、死んだわ。」
( ^ω^)「そう・・・かお。」
?「残念そうにしないで。私はもう一度あなたにチャンスをあげに来ているんだから。」
( ^ω^)「あの世界をまた、救って来いというのかお?」
?「・・・別に私はあの世界を救って欲しい訳じゃないわ。元々、存在しない世界だし。
私は唯、あなたに成長してほしいだけ。」
存在しない?ゲームの世界だからという事なのか?
いまいち、正確に情報を把握できない。
いや、恐らくだが、目の前の光は謎を残すように言葉を選んでいるのだろう。
- 65: ◆9d9cVF02x2 :2007/07/07(土) 21:23:22.90 ID:FULGBmCM0
?「さて、それじゃあ、そろそろ行ってもらうわ。貴方の成長の為にも、私の勝手な願いの為にも。」
(;^ω^)「待って、最後に聞きたいお!・・・あなたは一体何者なんだお?」
?「神様よ。あなたのよく知っているね。」
光が徐々に大きくなっていき、僕の体を包み込んでいく。
優しい力に満ちたその光は、とても温かかった。
視界が完全に白く染まる頃、聞こえた微かな声。
?「この世界では無理ですが、すぐ傍で見守っていますよ。内藤ホライゾン・・・。」
神様と名乗ったその光は、僕の事をまるで自分の息子であるかのようにそう漏らす。
その言葉には、何かの願いが込められていた。
戻る/TIPS/次のページ