( ^ω^)とひぐらしのなく頃に。のようです

96: ◆9d9cVF02x2 :2008/01/14(月) 00:05:57.44 ID:wVHWfE8X0
【愛の形】

外部からの音を完全に遮断した部屋に男が一人。
彼がパソコンを操る音と、暖房の無機質な音がそこにはあった。

それだけではない。
時折聞こえる乾いた笑い、それに反したゆったりとした声。
もっとも、それが逆に不気味さを倍増させていた。


彼はこの部屋をコレクションルームと名付けている。

部屋の壁という壁には写真が貼られており、天井もまた同じように。
すべての写真には一人の少女の姿が写されていた。

学校でノートをとっている姿。
笑顔で食事を食べている姿。
泣きながら、服を脱いでいる姿。

日常から非日常、あらゆる姿を彼は写真に収めていた。



98: ◆9d9cVF02x2 :2008/01/14(月) 00:07:36.38 ID:wVHWfE8X0
彼は合成写真を作成していた。
少女の顔と、卑猥な写真集の体を合成させているのである。

「ふふふ、これは会心の出来モナ!
  今度はこんな格好をさせるのも悪くないモナね……。」


彼は作った写真を見て満足する訳ではない。
作った画像と同じ格好を少女にやらせて、それを撮影するのである。

そして、作成した写真と撮影したものを見比べる。
そこで彼は初めて興奮し、出来がよければ良いほど感じる快感もまた至上のものになる。

普通の性行為よりも、こういった事をしながら一人でするのが彼にとっては幸せだった。

だからこそ、少女という玩具の存在を彼は欲していたのだ。
昔のように、逃げられるわけにはいかない。
この撮った写真の数が彼の愛の重みなのである。



99: ◆9d9cVF02x2 :2008/01/14(月) 00:08:04.49 ID:wVHWfE8X0
これが彼の愛の形である。

根元にあるのは確かに愛しいという感情。
しかし、彼はその感情をコントロールすることが出来ない。
ただただ、暴走を繰り返し今回のような惨事を巻き起こす。

世間的に言えば、彼は間違いなく悪である。
ただ、忘れないでほしいのは彼はただ少女を愛しているだけなのだ。


好きだから、独り占めにしたかった。

それが

愛しているのだから、私のものなのだ。


に変わってしまったのだ。
何度でも言おう、彼はただ少女を愛しているだけなのだ。

だからこそ、彼の少女を縛り付ける鎖は計り知れないものである。
しかし、それを打ち砕くのは少女の意志である、他の誰でもなく少女そのものなのだ。

それに気付いてるのは神だけである。
しかし、運命の歯車はゆっくりと回り始めた。
神だけが知る結末に、少しずつ動き始めたのだ。



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