( ^ω^)とひぐらしのなく頃に。のようです

131: ◆9d9cVF02x2 :2008/01/27(日) 22:04:33.84 ID:LdiFmqZV0
【あの日】


一人の男が歩いていた。
気品が良いとはとても言えず、雰囲気はチンピラのようである。
ここにいる男が、警官であるなど誰が想像出来ようか。


( ゚∀゚)「あっちぃなぁ〜、アイス食いてぇなぁ」


何とも、ふざけた独り言であることか。
周りの通行人も僅かに距離をとるばかりである。
もっとも、そんな事に彼は気付きもしない。


ただ、この男が情けない人間であること言えばそうではない。


先日も、刃物を持った犯人にその身一つで真っ向から立ち向かった。
愚かに思われることかも知れないが、彼の実力はそんな無謀を可能にする。


想い一つで、人間は変われると男は信じていた。



133: ◆9d9cVF02x2 :2008/01/27(日) 22:05:43.15 ID:LdiFmqZV0
それは自分一人で、気付いたものではない。
神と呼ばれる存在が手助けし、ようやく手に入れたものだ。
言わば、試練により成長した結果と言うのか。


そんな素晴らしい成長を遂げた彼には褒美が訪れるかもしれない。
誰かが渡すものではなく運命がそう作用するのだ。


『奇跡』とは、待っているものではない。


信じる力が引き起こすものなのだ。



(;゚∀゚)「ん?うあ、ついてねぇ!!」


彼が叫び声をあげた理由は一つ。
空から突然訪れる水滴、夕立というやつである。


だが、同時に彼は思う。
そういえば、アイツと出会った日もこんな感じだった。



134: ◆9d9cVF02x2 :2008/01/27(日) 22:06:41.71 ID:LdiFmqZV0





「……雨に濡れるのはお嫌いでしょう?」






『今と全く同じ』、この様に。




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