( ^ω^)がマジ切れしたようです

1: ◆COOK.INu.. :2007/09/25(火) 22:36:23.24 ID:vJLlQZl00
夏の夜空はどこまでも高い。
あの星にはきっと僕らと違う文明を持つ宇宙人がいて、
いつか僕をこの退屈な世界から連れ出してくれるんだ。

…そんな事を考えていたのはいつまでだっただろう。
気がつけば一人暗い部屋に戻り
缶ビールの代わりにコーラを飲み干して溜息をつく日々。

歳を取るにつれて。
身長が伸びるにつれ。
夢は失われ、自分への言い訳が増え、妄想は妄想の域を出なくなった。

そんな僕にも友達がいる。

目覚めぬ恋人を見舞う青年。

アイドルを目指す少女。

白球を追う青年。

etc etc…。

丁寧に並べられたそれの中から、
一人を手に取りスカートの中を覗き込んだ。

( ・□・)「つーちゃん可愛いよ。ハァハァ」

※推奨ミュージック http://www.youtube.com/watch?v=k22TCwIQVOY



6: ◆COOK.INu.. :2007/09/25(火) 22:38:28.17 ID:vJLlQZl00
僕の友達。
それは、長年かけて集めた【ブーン系小説キャラクターガチャガチャ人形&ジオラマセット】だ。
細部にまでリアルに作りあげたセット上に、
人差し指大の…だが精巧な作りのフィギュアが並べられている。

手に取り眺めるだけで、wktkしながらF5キーを連打した
あの頃の喜び、悲しみ、感動の全てが甦ってくるのだ。

しかし、僕が学校に行っている…良く晴れた日。

その友達に恐怖の魔の手が迫っていようとは…想像できなかった。

















川д川『あの子ったら。ロクに部屋の掃除もしないで…』



17: ◆COOK.INu.. :2007/09/25(火) 22:42:02.72 ID:vJLlQZl00
恐怖の魔の手。
そう、それは【勝手に掃除魔】の異名を持つ者。
母ちゃんだ。

母ちゃんはベット上のハルヒ・シャナの文庫本を本棚に押し込み、
ベット下のイマイチ煮え切らないプレ・エロ本を机の上に積み重ねる。

川д川『全く。いつまでもこんな玩具に夢中だから彼女の一人も出来ないのね』

修学旅行先の日光で買った木刀をクローゼットにしまい、
PC脇で山積みになったエロゲを片そうとした母ちゃんの目に入ったのは、
棚に陳列された僕の宝物。

それを片っ端から大小4つのダンボールに放り込み、空いたスペースに
エロゲを嫌味なほど丁寧に陳列する。

布団を干し、床に掃除機をかけ、カーペットにコロコロローラーまでかけて満足したのか、
母ちゃんは

川д川『うん。キレイになった』

呟くと部屋を出た。



22: ◆COOK.INu.. :2007/09/25(火) 22:44:00.07 ID:vJLlQZl00
当然、帰宅した僕の目に飛び込んだのは全く別世界と化した自分の部屋だ。
僕は夕食の味噌汁を作っている母ちゃんにマジ切れする。

(#・□・)『母ちゃん!! 勝手に部屋に入るなって言っただろ!!』

川д川『だって…何度言っても掃除しないのはアンタじゃない!!』

(#・□・)『明日やろうと思ってたんだよ!! 勝手な事すんなよな!!』

川д川『黙れ小僧。呪うぞ』

(#・□・)『……』

もうすぐ晩御飯だからね。
そう言う母ちゃんに『いらないよ!!』と吐き捨て、僕は部屋に駆け込む。
エロ本見つかった日に母ちゃんと2人で楽しい晩御飯なんて食べられる筈がない。

部屋に戻った僕は制服を脱ぎ捨て、前のめりにベッドに倒れこんだ。
棚にはエロゲが並び、僕の宝物は部屋の隅に積み重なったダンボールに放り込まれている。

( ・□・)『ごめんね…明日元通りにしてあげるからね』

なんとなくその日は何もやる気が起きず、僕は灯りを消した。
そのまま意識が眠りの世界へと落ちていく。

……僕は気付いていなかったんだ。
僕の宝物。人形達の正体を。
真っ暗な部屋の片隅。
ダンボール箱に放り込まれた人形達の身に何が起きているのかを。



33: ◆COOK.INu.. :2007/09/25(火) 22:51:22.44 ID:vJLlQZl00
ベッドに横たわっていた少女の人形が突然跳ね起きた。

ξ゚听)ξ『ちょっと!! ここどこよ!!』

( ^ω^)『ここはレーベの村ですお』

淫靡な表情を浮かべて四つん這いになる男の背後にいた少女の人形が首をかしげる。

ζ゚听)ζ『貧乳とドリルの名にかけて…って、あれ?』

('A`)『アーッ!! そ、そんな太いの入りましぇん!!』

^^ ふっ…貴様の実力はその程度か

从'ー'从 『あれれ〜。私のマイクがないよ〜?』

いきなり火病りだし…。

<ヽ`∀´>『な、なんニダ!! 何が起こったニダ!! 
      謝罪と賠償をってギャァァァァァァァァァァァァァァッ!!』

駆動兵器に押し潰される。

ミセ*゚ー゚)リ『やだ…あたし怖い……つかテメェラごちゃごちゃうるせぇんだよ!!! 埋めんぞコラ!!!!』

(主゚ω゚)『ギアス!!』

意味もなくキれる。



44: ◆COOK.INu.. :2007/09/25(火) 22:54:13.86 ID:vJLlQZl00

                 そう。
              人形達は生きている。
           そして、誰もが寝静まった真夜中。
           人知れず彼らの時間が始まるのだ。

              これから始まるのは
            母ちゃんと言う名の悪魔の手と
            偶然という名の神の手によって
     住む世界も。共に過ごした仲間達も。すぎた時間の流れすらも
      ごちゃ混ぜにされてしまった彼らが贈る珠玉のストーリー。

           しかし、首を捻る必要はありません。
               これらの物語は
            日常に退屈している貴方への
      神様からの小さなプレゼントなのかもしないのですから。




          ( ^ω^)がマジ切れするようです



戻るCグループ プロローグ