( ^ω^)がマジ切れしたようです
- 296: B共通後編 ◆YhrftnhMQI :2007/10/12(金) 01:14:27.11 ID:RdHI7i5K0
10日目。
鮫島ホテルに一同がやってきた日が何日なのか定かではないため、年月日を明記するころはできないが、
ともかく今日が滞在10日目。この世界めぐりの最終日である。
- 300: B共通後編 ◆YhrftnhMQI :2007/10/12(金) 01:18:38.85 ID:RdHI7i5K0
(´・ω・`)「やぁ、おはよう」
从'ー'从「おはようございます」
渡辺が廊下に出ると、対面のショボンも同時に扉を開けたのか、ばったり顔が合った。
从'ー'从「昨日は途中で抜けてしまってすいませんね」
(´・ω・`)「いや、お互い疲れていたしかまわないよ。あの後、結局ドクオやクー、ジャムさんと明け方まで飲んでいたんだ」
そろって食堂に下りていくと、これまでの9日間と同じように人数分の食器がしみ一つないテーブルクロスの上に並んでいた。
そして、いつものようにエプロンドレスを着たツンが礼をする。
ξ゚ -゚)ξ「ショボン様、渡辺様、おはようございます。よく眠れたでしょうか?」
- 302: B共通後編 ◆YhrftnhMQI :2007/10/12(金) 01:20:47.62 ID:RdHI7i5K0
从'ー'从「うん。ツンちゃんも昨日はあんなに世界を回ったのに元気だね」
ξ゚ -゚)ξ「はい。私は酒宴に突入するまえに部屋に戻らせてもらいましたから。
渡辺様のほうこそ、大丈夫なのですか?」
(´・ω・`)「他のみんなはまだ起きてないのかい?」
ξ゚ -゚)ξ「……いえ。ドクオ様とブーン様はまだ来られていません。
クー様は最終日くらい、と厨房を占拠……もとい、料理人達と朝食の準備中です」
从'ー'从「今までツンちゃん達にはお世話になったもんね」
よぉし、とツンが手にしたトレイに手を伸ばす渡辺。
- 306: B共通後編 ◆YhrftnhMQI :2007/10/12(金) 01:24:11.50 ID:RdHI7i5K0
- 从'ー'从「お手伝い。今までさんざん世話になったしね。それに、昨日みたいに『渡辺さん』
でいいよ」
ξ゚ -゚)ξ「「私はここのメイドで給仕です。みなさまのお世話をさせていただくのは当然の事です」
从'ー'从「友達同士、感謝の気持ちだよ。クーも同じ気持ちじゃないかな。お願い、手伝わせて」
そんなにできる事はないんだけど、と苦笑いしながら渡辺は両手を合わせる。
(咒)「これはこれは、お気遣いありがとうございます」
困った顔をしたツンに、どこからともなく姿を現したジャムが助け舟を出した。
(咒)「渡辺様、それではツンが案内しますので飲み物の準備をお手伝いおねがいできませんでしょうか」
- 407: Bグループ共通後編 ◆YhrftnhMQI :2007/10/13(土) 02:09:32.36 ID:ev8uImGO0
ξ゚ -゚)ξ「……ジャム様、いいのですか? 渡辺様は…」
(咒)「お客様を相手にするホテルマンとしてはすべきではない行為ですが、渡辺様達は『お客様(ゲスト)』です。
ありがたく好意を頂戴いたしましょう」
ξ゚ -゚)ξ「……わかりました。それでは渡辺さん、付いてきてもいいんだからね!!」
差し出した渡辺の手をひき、バンケットルームへとツンは戻っていく。
(´・ω・`)「……昨日はいい酒でしたね」
(咒)「はい。わざわざSATUMAから取り寄せたかいがありましたよ。
先ほど新しい紅茶葉がとどいたので、朝食の後デザートとともにお出ししますね」
(´・ω・`)「……ここで出してくれるケーキは甘くなくて嬉しいな。子供の時以来だよ。普通にケーキなんて食べたのは」
(咒)「その感想を料理長に言ってやってください。喜びますよ」
- 408: Bグループ共通後編 ◆YhrftnhMQI :2007/10/13(土) 02:11:17.25 ID:ev8uImGO0
そんな話をしていると、渡辺とツン。でっかい台車をひきずったクーがやってくる。いつのまにか他の二人も現れ、
この旅ではじめて5人はそろって朝食をとることに。
その後はいつものように、昼まで自由行動。
誰もが、淡々としていた。
ドクオも、ショボンも、クーも、渡辺も、あのブーンでさえも。これまでの9日間と同じように過ごしていた。
- 411: Bグループ共通後編 ◆YhrftnhMQI :2007/10/13(土) 02:12:16.77 ID:ev8uImGO0
(咒)「そろそろチェックアウトの時間でございます」
従業員も交えた会食式の昼食も終わりかけた頃、ジャムは誰に言うのでもなくつぶやく。
その一言が、5人のホテル暮らしに幕を引いた。
- 416: Bグループ共通後編 ◆YhrftnhMQI :2007/10/13(土) 02:13:39.99 ID:ev8uImGO0
(´・ω・`)「……あれ?」
気がつくと、他の4人やツン達従業員の姿がない。いつのまにか、ショボンはジャムとふたり、見覚えのない廊下で立っていた。
彼の出で立ちはホテルで用意されていたものではなく、この世界に来たときと同じものになっている。
(´・ω・`)「……これは」
(咒)「……一人だけ、このような形になってしまって申し訳ありません。
皆様と挨拶する時間を創る事も叶わず……侘びのしようもありません」
(´・ω・`)「かまいませんよ。……得に、気の利いた言葉も思いつけなかったでしょうし」
少し自嘲気味にショボンは漏らす。
(´・ω・`)「ところで、幾つか質問があるのだが……やはり答えてはもらえないのだろうか」
(咒)「遺憾ですが、ショボン様がなさろうとしている質問にはおそらく、お答えできません。
それ以前に、質問する事もお勧めしませんよ。下手したらそれだけで戻れなくなるかもしれません」
(´・ω・`)「……厳しいな」
- 417: Bグループ共通後編 ◆YhrftnhMQI :2007/10/13(土) 02:14:51.49 ID:ev8uImGO0
この回答すら予想通りだったのか、ショボンは声のトーンを変えずにつぶやいた。
一度は隕石によって外れたネジはジャムによって完全に填められた。元の世界ではまず外れないとはいう。
(咒)「ありがとうございました。あなたのおかげで、世界は救われます」
(´・ω・`)「こちらこそ。貴重な体験をさせてもらいました。ありがとうございます」
(咒)「………それでは」
(咒)「 」
(´・ω・`)「…………」
(;´・ω・`)「待ってくれ。みんなに…………っ!」
- 419: Bグループ共通後編 ◆YhrftnhMQI :2007/10/13(土) 02:15:48.71 ID:ev8uImGO0
いつのまにか。
目の前を歩いていたジャムの姿はなく
ショボンは元いた世界、元いた場所に戻っていた
(´・ω・`)「………戻ってきたの、か」
- 422: Bグループ共通後編 ◆YhrftnhMQI :2007/10/13(土) 02:18:22.99 ID:ev8uImGO0
小さく嘆息して、この世界独特の懐かしい感覚に浸りながら両の眼を閉じる。
すべてを投げ捨てて“虹”を求めた数年間。幾多の方法を試み、その全てが失敗という同じ結果を繰り返していた同じ色の毎日。
それに比べて、この10日間がいかに色鮮やかだったことか。
(´ ω `)「(聞き取りづらかったが、最後の言葉。あれが彼の…… の譲歩、なのかな)」
虹への手がかりになる「かもしれない」言葉を胸に、再びショボンは眼を開いた。
愉快な旅の仲間たちが各々の世界でそうするように
遠い遠い目標に向かって、歩き続けるために
…………
……
…
- 423: Bグループ共通後編 ◆YhrftnhMQI :2007/10/13(土) 02:19:02.91 ID:ev8uImGO0
- ・
・
・
从'ー'从「あれ……?」
そこはホテルに最初に足を踏み入れたときと同じだった。渡辺、ブーン、クー、ドクオ。服装もかわらない。
今の今まで一緒に食事をしていた従業員達、ジャム、そしてショボンの姿はない。
ξ゚ -゚)ξ「申し訳ありません。少々時間が過ぎました」
('A`)「時間が過ぎた……って?」
(炎^ω^)「……どういう事だお」
ξ゚ -゚)ξ「本当は2時間前がリミットだったんです。世界の調整が終わった以上、これ以上あなたがたを
この世界においておくのは危険だ。そうジャム様から説明を受けていましたが……」
ξ゚ -゚)ξ「すっかり忘れていました。かなり時間が逼迫しています」
- 429: Bグループ共通後編 ◆YhrftnhMQI :2007/10/13(土) 02:22:21.70 ID:ev8uImGO0
川 ゚ -゚)「……この世界が今、まさに終わろうとしている。とでも言うのか?」
(咒)「その通りでございます」
いつのまにかジャムがそこに戻ってきていた。
(咒)「ショボン様はすでに見送ってきました。急になってしまい、申し訳ありません」
从'ー'从「そんな、さよならも行ってないのに……って、ブーン君、ツンちゃん!」
(炎^ω^)「……おっ?」
ξ゚ -゚)ξ「……」
ブーンの体が、ツンの体が、まるで蜃気楼のように揺らいでいる。
- 431: Bグループ共通後編 ◆YhrftnhMQI :2007/10/13(土) 02:24:04.73 ID:ev8uImGO0
ξ゚ -゚)ξ「時間、ですね。礼もまともにできず、申し訳ありません。それでは、さようなら……なんだからね!」
(炎;^ω^)「……えっと、またお越しくださいませー……じゃなくて。バイバイだお!」
瞬間、2人の姿は消えた。元の世界へと戻っていったのだ。
从;'ー'从「ツンちゃん、ブーン君!」
駆け寄る渡辺とドクオ。
カサリ
その背後で何かがおちる音がした。
- 436: Bグループ共通後編 ◆YhrftnhMQI :2007/10/13(土) 02:26:21.92 ID:ev8uImGO0
- ('A`)「ん?」
振り返るとクーも消えていた。便箋が一枚落ちている。
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
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/  ̄ ̄ ̄ ̄ /_____
/ /ヽ__//
/ アリーヴェデルチ / / /
/ (さよならだ) / / /
/ ____ / / /
/ / / /
/ / / /
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/ / /
从;'ー'从「うわ、結構余裕あr」
言葉の途中で渡辺も消えた。
- 439: Bグループ共通後編 ◆YhrftnhMQI :2007/10/13(土) 02:29:03.93 ID:ev8uImGO0
(‘A`)「…………」
(咒)「…………」
ロビーには、ドクオとジャムだけが残された。
(‘A`)「…………」
(咒)「…………ドクオ様」
(咒)「………別れ、とは何をもって別れだと思いますか」
ジャムは、まるで今日は何日かという簡単な質問をしているかのように、涼しげな顔でドクオに問いかける。
- 441: Bグループ共通後編 ◆YhrftnhMQI :2007/10/13(土) 02:33:31.84 ID:ev8uImGO0
(‘A`)「いろいろあるけど……もう二度と会えなくなること、とかですか?」
(咒)「はい。実はこの手法はツンが考え出した、彼女曰く『別れの悲しみをなくす方法』なのだそうです
(咒)「あの子はこれまでずっとこのホテルで生きてきましたからね。10日間、みなさんによくしてもらって
表にはなかなか出さなくてもうれしかったのでしょう。その分、はじめて別れが辛くなるという事に気づいたようです。
別れを有耶無耶にしてくれないか、と今朝提案してきました」
('A`)「……違うだろ、ツンちゃん……」
それは、逃げだ。今だけ楽ならよいという、逃げだ。後で後悔するにきまってる。
(咒)「あの子には、ここが全てですから。後で後悔することがないからですよ。
あなた達みたいに」
- 444: Bグループ共通後編 ◆YhrftnhMQI :2007/10/13(土) 02:37:06.03 ID:ev8uImGO0
視界が断絶する。手足の感覚も聞かない。無味無臭。まるで、異世界へ飛んでいる時のように。
(咒)「クー様、ブーン様、渡辺様の所にも『私』は同じように挨拶に行っていますが、内情を話したのはあなただけです、ドクオ様。
その意味を是非あなたの街に帰ってからもお考えください」
(‘A`)「何で、俺だけに……」
(咒)「年寄りの喋り癖です。この話は、5人の中でドクオ様が必要とされるでしょうから
渡辺さんの世界で、モナー君が言われたのととどのつまりは同じですよ」
ジャムの声が遠のく。
気がつくとドクオは、自分の家の自分のベッドに突っ伏していた。
('A`)「……」
('A`)「明日、と、別れ……」
- 447: Bグループ共通後編 ◆YhrftnhMQI :2007/10/13(土) 02:39:06.76 ID:ev8uImGO0
10日間。頭の片隅でループしていた気持ちがよみがえる。
('A`)「(……もう会えないから強がるのと、また会えるから素直になるのと……)」
おそらく、ドラマなどでは反対なのだろう。もう会うことの無い仲間に想いのすべてをぶつけてみる──定番だ。
だが。
('A`)「(そういうワケにはいかないよな)」
言おう。
今までを捨てて、ちゃんとブーンやショボンと向き合おう。
これからを信じて、この町のギモンと、真っ向から戦ってやる。
決意をかためたドクオの後頭部に、落ちてきた何かが当たった。
- 448: Bグループ共通後編 ◆YhrftnhMQI :2007/10/13(土) 02:40:00.96 ID:ev8uImGO0
- ('A`)「ん……」
そこには付箋のついたエロゲーが転がっていた。
『うふっ、いい女♪(18禁)』(初回限定版:モザイク消去パッチ付)
『餞別だ by 従゚ゝ゚ )』
('∀`)「……なんてGJ!」
とりあえずドクオはこの見慣れぬエロゲをインストールさせるため、ベットから起き上がることにした。
……これもまた、明日への一歩である。
…………
……
…
- 450: Bグループ共通後編 ◆YhrftnhMQI :2007/10/13(土) 02:41:31.77 ID:ev8uImGO0
- 从'ー'从「…………はっ!」
あたしはバーボンハウスの前に立っていた。周りにはあたし以外、誰もいない。
クーも、ドクオ君も、ブーン君も、ショボンさんも、ツンちゃんも、ジャムさんも。
从'ー'从「元の世界に戻ってきたんだ」
CLOSEDの立て札がかかっていたが、鍵は閉まっていない。
何となく店内に入ってみる。
(´・ω・`)「やぁ、誰かと思ったら渡辺か」
从'ー'从「ショボン君、おひさしぶり」
(´・ω・`)「昨日会ったばかりだろう。それより、今日はどうしたんだ? 里帰りするんじゃなかったのかい」
カレンダーを見る。ジャムさんが言ったとおり、日付は鮫島ホテルに出かけた日のままだった。
あたしには10日でも、みんなには1日なんだ。本当、魔法みたいだ。
- 451: Bグループ共通後編 ◆YhrftnhMQI :2007/10/13(土) 02:42:53.30 ID:ev8uImGO0
从'ー'从「あぁ。なんかお母さんが町内会の旅行に出かけたみたいだからやめといたんだ」
(´・ω・`)「そうか。ところで今度はじめる予定のモーニングを用意してるんだけど、試食してくれないか」
从'ー'从「あ、もらうもらう」
食事をした後だというのに、ふんわりとしたオムレツにかかるケチャップがあたしの食欲をそそってたまらない。
鮫島ホテルでの会食では、話すことに集中してあんまり食べれなかったからかな。
从'ー'从「……ねぇ、ショボン君」
(´・ω・`)「何だい」
从'ー'从「ショボン君がひとりで旅行しています。そこでショボン君がピンチになりました」
(´・ω・`)「僕はひとりで旅行なんてしないけどね……いいや。続けて」
- 454: Bグループ共通後編 ◆YhrftnhMQI :2007/10/13(土) 02:44:35.59 ID:ev8uImGO0
从'ー'从「見知らぬ場所でひとりぼっち。ショボン君は寂しくて寂しくてたまりません。
そんな時、ショボン君の大好きな人がかけつけてエールを送ってくれました。『いっしょに行こうよ』って」
(´・ω・`)「うん、いい話じゃないか」
从'ー'从「ショボン君ならどうする?」
(´・ω・`)「どうする、って……そりゃあきっとうれしいさ」
从'ー'从「だよねー」
(´・ω・`)「……? 何がいいたいんだ?」
从'ー'从「ううん、何でもない。それが今のあたしの心の中なんだ」
カランカランと、ベルがなった。
「うぃーっす」
「こんにちは、だモナ」
- 456: Bグループ共通後編 ◆YhrftnhMQI :2007/10/13(土) 02:46:24.02 ID:ev8uImGO0
从'ー'从「モナー君……」
( ´∀`)「渡辺さん、おはようだモナ」
从'ー'从「ただいまっ!」
( ´∀`)「……? おかえり、モナ…」
从'ー'从「へへへっ」
モナー君だけでなく、ショボン君やドクオ君も不思議そうな顔をしてたけど、あたしは気にしなかった。
だって今は、1億と2千年後でも大好きだよ、って言ってくれるような人と一緒だから。
…………
……
…
- 459: Bグループ共通後編 ◆YhrftnhMQI :2007/10/13(土) 02:48:35.39 ID:ev8uImGO0
- シコシコ
('A`)「(あぁ、黒長髪お姉さん萌え〜)」
シコシコシコシコ
('A`)「(声も色っぽくてたまんねぇよなぁー)」
シコシコシコシコシコシコシコ
('A`)「(頭のネジが飛んじまうぜ……って…うっ!)」
ドピュッ
('∀`)「あー、すっきりした」
イカくさいティッシュを始末し、秘蔵のエロ本にしわがつかないよう注意深くページを閉じて
ドクオは勉強机の引き出しを開いた。
- 462: Bグループ共通後編 ◆YhrftnhMQI :2007/10/13(土) 02:50:13.77 ID:ev8uImGO0
↓クー
\ U /
\ U /
/ ̄ ̄ ヽ,
/ ', / _/\/\/\/|_
\ ノ//, {0} /¨`ヽ {0} ,ミヽ / \ /
\ / く l ヽ._.ノ ', ゝ \ < ただいま! >
/ /⌒ リ `ー'′ ' ⌒\ \ / \
(  ̄ ̄⌒ ⌒ ̄ _)  ̄|/\/\/\/ ̄
` ̄ ̄`ヽ /´ ̄
| |
−−− ‐ ノ |
/ ノ −−−−
/ ∠_
−− | f\ ノ  ̄`丶.
| | ヽ__ノー─-- 、_ ) − _
. | | / /
| | ,' /
/ / ノ | ,' \
/ / | / \
/_ノ / ,ノ 〈 \
( 〈 ヽ.__ \ \
ヽ._> \__)
- 465: Bグループ共通後編 ◆YhrftnhMQI :2007/10/13(土) 02:51:33.07 ID:ev8uImGO0
川 ゚ -゚)「引きだしの中から颯爽と登場。アイム・クー」
('A`)「…………クー、終わったのか! 戻ってきたのか!!」
川 ゚ -゚)「あぁ、だから真っ先にドクオに会いにきたんだ」
(‘∀`)「そうか……おかえり」
雰囲気にまかせて抱きしめようと近づいたドクオに、クーはこう言った。
川 ゚ -゚)「銀杏臭いからあっちいけよメーン」
('A`)「…………」
…………
……
…
- 468: Bグループ共通後編 ◆YhrftnhMQI :2007/10/13(土) 02:54:37.60 ID:ev8uImGO0
(炎^ω^)「…とまぁ、これで全部終わりだお」
从'ー'从「へぇ。あの後そんな事があったんだぁ」
アキバハラ。FOXが壊した跡などみじんも残っていない(時間軸的に当然なのだが)このオタクの聖地。
互いの休憩時間を利用し、メイド喫茶『Pure ca@rrot』のテラスでブーンは渡辺綾香とケーキをたべていた。
ちなみに、なぜか彼女は鮫島ホテルでの記憶が残っているらしい。
从'ー'从「あのチアダンスおどったのかぁ……うらやましいなぁ」
( ^ω^)「アキバのステージで何回も踊ってるじゃないかお」
从'ー'从「素直さん家のツンちゃんは踊ってくれないからね。メイド服姿のあのちっちゃなツンちゃんと
一緒にステージやりたかったな……絶対楽しそうだよぉ」
(炎^ω^)「不思議な……楽しい旅だったお」
从'ー'从「本当だね……そうそう。不思議と言えばね…」
- 471: Bグループ共通後編 ◆YhrftnhMQI :2007/10/13(土) 02:56:21.48 ID:ev8uImGO0
从'ー'从「ジャムさんのことなんだけどね。ジャム=メシアだっけ? 本名。
もらった名刺を見てて気づいたんだけどさ、名前をローマ字にして並べてm」
雲ひとつない真っ青な空から唐突に雷が落ちてきて、渡辺に直撃した。
从゜ー゜从「ギャー!!!」
- 474: Bグループ共通後編 ◆YhrftnhMQI :2007/10/13(土) 02:59:59.60 ID:ev8uImGO0
- (;炎^ω^)「だ、大丈夫かお?」
从;゚∀从「綾香ちゃん、生きとるか?!」
ベジータ「カカロット、救急車を手配しろ!」
吹き飛ばされたブーンやメイド長(今回は普通のメイド服だ)ハイン、綾香の上司ベジータがあわてて寄ってくる。
(炎^ω^)「よかったお、生きてるお!」
从メ'ー'从「うーん……」
从'ー'从「……あれれー、私の記憶がないよぉ」
…………
……
…
(咒)「遊びが過ぎましたね」
- 476: Bグループ共通後編 ◆YhrftnhMQI :2007/10/13(土) 03:01:58.87 ID:ev8uImGO0
鮫島ホテルだった場所。擬似的に作られた世界だった世界。
何もない場所に唯一存在する椅子に深く腰をかけながらジャムは空に向かって語りかける。
(咒)「気まぐれで記憶をそのままにしていたのですが、まさかあの子が気づくとは思いませんでしたよ」
空間に浮かんだウインドウに目をやる。
頭をアフロにさせた渡辺綾香も、記憶以外に後遺症は残っていない。他の4人も、それぞれの暮らしをはじめていた。
(咒)「しかし……本当に今回はよかった。不足したツンの成分もメイドとして創り出すことで補えましたし、
有意義な時間を過ごせました」
彼の手元には一冊の本があった。
表紙には<キャスト>の文字が鎮座し、下にこう続けられている
- 478: Bグループ共通後編 ◆YhrftnhMQI :2007/10/13(土) 03:03:01.61 ID:ev8uImGO0
<キャスト>
内藤ホライゾン:『(炎^ω^)がアニメ店長になったようです』
ツンデレ:オリジナル
ドクオ:『( ^ω^)が綺麗な町に住んでいるようです』
素直クール:『川 ゚ -゚)のネジがはずれてしまったようです』
ショボーン:
渡辺さん:
ジョルジュ長岡、ハインリッヒ高岡、ジュウシマツ和尚。ジェバンニやヘイポー、あのエロゲ好きの従業員や
冒頭に出てきた黒尽くめの男達の顔文字が縦にびっちりと並び、出展や担当、詳細設定が事細かく続け綴られている。
- 480: Bグループ共通後編 ◆YhrftnhMQI :2007/10/13(土) 03:04:27.93 ID:ev8uImGO0
<キャスト>
内藤ホライゾン:『(炎^ω^)がアニメ店長になったようです』
ツンデレ:オリジナル
ドクオ:『( ^ω^)が綺麗な町に住んでいるようです』
素直クール:『川 ゚ -゚)のネジが一本抜けたようです』
ショボーン:『( ´ω`)('A`)枯れて苦悩し密室で虹を探そうと生き抜くようです』
渡辺さん:『从'ー'从 渡辺さんのワンダーウォール』
ジョルジュ長岡、ハインリッヒ高岡、ジュウシマツ和尚。ジェバンニやヘイポー、あのエロゲ好きの従業員や
冒頭に出てきた黒尽くめの男達の顔文字が縦にびっちりと並び、出展や担当、詳細設定が事細かく続け綴られている。
- 481: Bグループ共通後編 ◆YhrftnhMQI :2007/10/13(土) 03:05:28.32 ID:ev8uImGO0
- (咒)「さて。これでまたコレクションが増えましたね」
『鮫島・Bホテル編』と背表紙に書き込みジャムは───JAM=MESIAと呼ばれた老人は、手品のように本を掌の中にしまいこむ。
(咒)「それでは……次はどうしましょうか」
柔和な笑みを浮かべ、次の世界を求めんと彼は再び席を立つ。
鮫島という世界。
世界という自分。
ひとつでは決して生み出されない、個性と信念が混ざり合った新境地を求めて──
【完】
- 483: ◆YhrftnhMQI :2007/10/13(土) 03:07:32.36 ID:ev8uImGO0
- B共通後編はこれでおわりです。支援、wktk、ありがとうございました。
これにてBグループの全投下は終了です。
私の手違いやミスでBの作者以下、多くのみなさんに迷惑をかけてしまった事を、深くお詫びします。
- 405 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/10/13(土) 02:09:01.80 ID:sdVdM7wd0
- メシア爺、お前クーと一夜を――……!
- 488: ◆YhrftnhMQI :2007/10/13(土) 03:16:09.60 ID:ev8uImGO0
- 本来はクーネジさんの後にこれを投下、ゲリラ日に8〜9日目のエピソードを書く予定が
こんな形になってしまい、申し訳ありません。
いちおうタイムスケジュール↓
初日;到着
2〜3日目:綺麗な街
4日目:クーネジ世界&渡辺綾香ホテル暮らし開始
5日目:アキバハラ
6日目:ワンダーウォール&Unlimited Watanabe Works
7日目:城
8日目:まじぎれがっさくのせかい(未投下)
9日目:アニメ世界(未投下)
最終日;鮫島ホテル
それと>>405で指摘をうけましたが、ゲリラにてジャムはこれを回避した描写がありました。
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