( ^ω^)がマジ切れしたようです

80: ◆7at37OTfY6 :2007/10/12(金) 22:08:52.74 ID:E+udxsG90
軽く笑って、二人して受付へ向かう。
清算に関しては、後日ドライバーさんへ請求するそうだ、とりあえずは保険証を出すだけで終わった。

事後処理がすんなりと終わったことに呆気にとられ、フサさんと二人して病院を後にする。

(*ノωノ)「何事も無くて良かったですが、こんなにも簡単なんですね」

ミ,,゚Д゚彡「警察とか絡んでないしな、助けた拍子に逆に怪我させてしまったんじゃ笑えないし本当良かったw」

(*ノωノ)「すみません、わざわざ病院まで付き合って頂いて、お陰で助かりました」

ミ,,゚Д゚彡「いいって、付き合わされるのは昔っから慣れているし」

子供っぽい笑顔が頭の片隅に引っかかった。

(*ノωノ)「……」

ミ,,゚Д゚彡「ん? 思い出したか?」

(*ノωノ)「あぷー、すみません、思い出せませんが……やっぱりどこかで会っていますか?」

ミ,,゚Д゚彡「心外だな、小さい頃に田舎で遊びに付き合わされたのは今ではいい思い出なのに」

(*ノωノ)「……」

『小さい頃』『田舎』と言われてすぐにピンと来たのは母方の祖父母の家だ。
一面に田んぼが広がり、夜は虫の泣き声が五月蝿くて眠れなくなるような、ドが付くほどの田舎。

そこで時間を持て余していた私と、ずっと一緒に遊んでくれた人がいた。



83: ◆7at37OTfY6 :2007/10/12(金) 22:10:38.55 ID:E+udxsG90
(*ノωノ)「……あ、あーあー、え、えと……」

驚きと申し訳なさ、そして事故を助けられたという気恥ずかしさが相俟って呂律が廻らなかった。
何を言ってもいいのか分からず、ただただ一語文にも満たない言葉しか出なかった。

そうだ、フサ君だ。
今まで気付かなかった自分の迂闊さにも驚くばかりだ。

(*ノωノ)「あ、ごめんなさい……その、今まで気付かなくて……」

ミ,,゚Д゚彡「いいよいいよ、俺も全然気付かなかったし。
  名前聞いて思い出したんだ、風羽って。
  もう完全に忘れられたのかと思ったよ」

(*ノωノ)「昔の頃にもすごく感謝しているのに、どうして忘れたんだろうってもう申し訳なくて……!
  でも良かった、思い出せただけでも本当」

ミ,,゚Д゚彡「それにしてもすごい偶然だよな、俺ずっとまた会いたいって思ってたんだぜ?」

(*ノωノ)「私も」

ミ,,゚Д゚彡「さっきまで忘れてたヤツが何言うかwww」

(*ノωノ)「それはその……あぷー」

世の中がとても狭いと実感させられることは稀にあるが、今回がちょうどそれだ。
祖父母の家にいた頃など十年余も昔のことだというのに。



84: ◆7at37OTfY6 :2007/10/12(金) 22:12:23.18 ID:E+udxsG90

ミ,,゚Д゚彡「偶然って言うよりも、すごく運命的に感じるな」

(*ノωノ)「……そっか、うん、運命だよ運命!」

童心に戻った気分に浸りながら歩いていると、すぐにもバス停に着いた。
時間はちょうど良いようだ、5分と待たずに所望のバスが来る。

ミ,,゚Д゚彡「そうか、せっかく会ったのにもう時間切れか」

(*ノωノ)「この辺りに住んでる……の、ですか?」

ミ,,゚Д゚彡「無理して丁寧に話さなくてもいいってw
  一応電車で二駅くらいの団地にいるよ」

(*ノωノ)「だったらまた会える、会お」

ミ,,゚Д゚彡「おう、会おう!
  それで、是非せっかく再会したんだし……いや、また会うんだったら連絡とか必要だし……
  携帯のアドレス教えてもらってもいいか?」

(*ノωノ)「うん、全然大丈夫ですよ」

ミ,,゚Д゚彡「じゃあ赤外線で……」

(*ノωノ)「あぷー、私のヤツ古くて赤外線が無い……」

ミ,,゚Д゚彡「随分年代物だなww」



87: ◆7at37OTfY6 :2007/10/12(金) 22:14:08.39 ID:E+udxsG90
やっぱり携帯は新調した方が良さそう、前々から思いつつとうとう4年目の携帯を慌てて構えた。

(*ノωノ)「アドレス短いですか!?
  私あまり打つの早くなくて、バスまでに間に合えばいいけど、その……」

ミ,,゚Д゚彡「はい、名刺」

(*ノωノ)「……あ、えっと、私からも名刺、財布に!」

名刺だなんて社会人の常識をすっかりと忘れている自分と、沈着なフサさんで余計にパニック状態に。
更にはバスが視界に入ってくるものだから冷静に頭が廻らない。

手の上で二三回財布を躍らせながら、何とか名刺を一枚、抜き出した。

(*ノωノ)「風羽です、よろしくお願いします」

ミ,,゚Д゚彡「フサだ、よろしく」

名刺を互いに受け取って、何年ぶりになるのだろうか出会いを噛み締め、笑い合った。


帰りのバスに揺られながら、私はフサさんを携帯のメモリにしっかりと登録した。



90: ◆7at37OTfY6 :2007/10/12(金) 22:15:56.79 ID:E+udxsG90



昨日のフサさんとの出会いが私の落ち込んでばかりの気分を盛り上げてくれたのか、
今朝の体調は低血圧の私にしては良かった。

のんびりとテレビの占いコーナーなんか見ながら、朝食をとる。

(*ノωノ)「乙女座は……4位、思い切って行動すると吉か……」

結局昨日は内藤先輩や来栖先輩に誘ってもらったのに、迷惑を掛けるだけに終わってしまった。

そもそも髪型を間違えて指定しただけで落ち込んで、上司に気を使わせるなど聞いたことが無い。
恥ずかしすぎて今にも顔面沸騰しそうだった。
今日はどんな顔して内藤先輩や来栖先輩に会えばいいのだろうかなんて。

(*ノωノ)「思い切って行動か……」

迷惑かけたし、改めてこの日曜日に内藤先輩を誘っても大丈夫だよね?
でもどうかな、やっぱり迷惑だって、しつこいって思われちゃうかな?

のんびりしていると、うっかり時間が危なくなってしまい、慌てて家を出た。
いつもより一本遅いバスで会社へ向かうと、紙一重で出社規定時刻には間に合った。

オフィスへ入ると、傍目で内藤先輩の姿をチラリと確認して、タイムカードを切った。
内藤先輩がその音に気付き、私を見ると慌てて来てくれる。



93: ◆7at37OTfY6 :2007/10/12(金) 22:17:40.50 ID:E+udxsG90
( ^ω^)「おはようございますお、風羽さん」

(*ノωノ)「おはようございます、内藤先輩。
  相変わらずタイムカードはギリギリですね、危なっかしいですよ?」

(;^ω^)「風羽さんだって人のこと言えませんお。
  それよりも昨日は大丈夫でしたかお?」

(*ノωノ)「はい、夜にメ−ルした通り、特に異常はありませんでした。
  色々と迷惑をお掛けしてすみません、髪型が発端で会社を休むことはなさそうです」

(;^ω^)「仕事が降りかかってくるのは僕だから、それは勘弁だおw」

(*ノωノ)「大丈夫です、怪我しなくても降りかかっていっていますから」

(;^ω^)「おっおっ、笑えないお」

談笑し合い、長岡先輩に注意されて慌てて仕事につく。


そして昼、内藤先輩はやっぱりお母さんの所へ行かれたようで、結局話できないままに終わった。



95: ◆7at37OTfY6 :2007/10/12(金) 22:19:24.88 ID:E+udxsG90


ダメだ、チャンスは幾度とあるのに後一歩が踏み出せなくて、結局は後回しにしてしまう。
つい自分への言い訳を作るために、別方向へと話を曲げてしまう。

(*ノωノ)(あぷー、私ってダメダメかも……)

以前頑張って映画館へ誘った私に拍手を送ると共に、もう一度その勇気が欲しい。
お礼だなんて理由はただの口実で、やっぱりデートだと意識しているのはこの私自身の後ろめたさが大いに表していた。

断られるのが怖い、私よりも……彼女のツンさんを取られるのが、それだけがこの上ない恐怖なんだ。
取られるに決まっているからこそ、行動に移せないのだ。

あの時はどうして行動に移せたのだろう?
それとも、以前の経験が私に警鐘を鳴らしているのだろうか?
以前と今、一体何が違うのだろうか?


(*ノωノ)「はぁ……」

次に出てくるのはため息ばかり、ため息で解決できる問題なんてありはしないのに。



97: ◆7at37OTfY6 :2007/10/12(金) 22:21:10.62 ID:E+udxsG90
( ゚∀゚)「風羽、何ため息ついてんだ?」

(*ノωノ)「長岡先輩……いえ、何もです大丈夫です」

( ゚∀゚)「えらくおセンチだな、仕事行き詰まったか?」

( ^ω^)「何か問題ですかお?」

(*ノωノ)「あ、何もです大丈夫ですから内藤先輩!」

( ゚∀゚)「風羽が内藤にデート誘って欲しいってさ」

(*ノωノ)「あーもう長岡先輩、どっか行って下さい!!」

望みをズバリと言い当てられ、焦りばかりが先んじた。
この機をうまく使って内藤先輩を本当に誘えないかな、なんて打算が次には。

(*ノωノ)「あのですね、クライアントの要望をもう一度確認したいです」

( ^ω^)「そうかお、だったらちょっと用紙をコピーして渡すから待ってて欲しいお」

そう言って去って行く内藤先輩、よくよく考えるとコピーまでしてもらい余計な手間を取らせてしまった。
申し訳なくていっぱいになり、自己嫌悪。
内藤先輩を誘いたいがばかりに迷惑をかけてしまい、本当私って自分勝手だな。

改めて仕事に力を入れねばと、気合を入れていると内藤先輩がファイルを片手に戻って来る。



101: ◆7at37OTfY6 :2007/10/12(金) 22:22:55.09 ID:E+udxsG90
( ^ω^)「この用紙だけでいいかお? ほかにも必要なら……」

バラバラとファイルを捲る内藤先輩を、慌てて止める。

(*ノωノ)「あ、もう大丈夫です!
  本当わざわざありがとうございました、コピーまで本当にすみませんでした。
  でも内藤先輩って物持ち良いですよね」

(;^ω^)「とんでもないお、心配性なだけだお!
  それよりも今日こそ定時に帰れるよう頑張るお」

褒めると先輩は可愛く何百枚と閉じてあるだろうファイルを背中に隠す。
私へ早く仕事を終わらせるよう支持すると、すぐに自分の席へ戻って行った。

そうだ、もうこうなっては今日の帰り、内藤先輩に車で送ってもらう時しかない。
今日こそ定時に終わろうと自分に言い聞かせ、仕事へと集中して勤めた。



内藤先輩の手助けを受けながらも、頑張りのお陰か無事定時に仕事を片づけることができた。
そのままたまには……と、夕食を一緒することに。

車で近所の和食屋さんへ。

お蕎麦を食べながら、話す内容は何だかんだで仕事の話がほとんど。
それでも最近ご無沙汰だった二人っきりの食事は、とても楽しかった。
楽しさのあまり、この雰囲気を壊したくないなんて言い訳して、結局今週末を誘えずに終わった。



102: ◆7at37OTfY6 :2007/10/12(金) 22:24:44.27 ID:E+udxsG90
帰りの車、先ほどのお店での話に花を咲かせながら、ラジオを聞いていた。


( ^ω^)「風羽さんは、麺類だと何が好きだお?」

(*ノωノ)「うーん、私はお蕎麦、ラーメン、うどんですね。
  あ、パスタを2番目に入れてください」

( ^ω^)「おっおっ、一緒だお。お蕎麦が一番美味しいお」

(*ノωノ)「ですよねー」

こんな些細な共通点で喜んでいるなんて子供っぽいかな?
心が通じ合ってるなんて思っちゃ馬鹿みたいかな?

( ^ω^)「ここからちょっと離れているんだけど、この前テレビで紹介されていたお蕎麦屋さんがあるんだお。
  この日曜でも時間あったら行かないかお?
  昨日もいろいろとあって満足に羽伸ばせてないし、改めてどうかお?」

(*ノωノ)「はい、喜んでッ!」


(;^ω^)「おっおっ、返事早いお、驚いたお……」

(*ノωノ)「あぷー、すみません……」

思わぬ誘いについ過剰に反応してしまった。
これで以心伝心なんて言ったら馬鹿みたいだけど、それでもいい。
突然の誘いに驚きながらも、逃すまいとついつい矢継ぎ早に反応してしまった。



104: ◆7at37OTfY6 :2007/10/12(金) 22:26:29.96 ID:E+udxsG90
浮き足立って良く分からないことを話しているうちに、とうとう私の家に到着した。

降りるとすぐに冷蔵庫からいつもの缶コーヒーを取り出して、先輩に手渡す。

( ^ω^)「この前気付いたけれど、風羽さんからコーヒーを貰いだしてから、ついいつも同じ銘柄買っちゃうお」

そんなこと言わないでください先輩、嬉しくて子供みたいになっちゃいますから。
軽い笑みを返しておくと、内藤先輩も大きな笑顔と一緒に手を振ってくれた。

(*ノωノ)「おやすみなさい、先輩」

( ^ω^)「おやすみだお」

先輩からはいつも「また明日」としか言ってくれない、だから機会があれば私から「おやすみなさい」と言うようにしている。
そうすると先輩からも「おやすみなさい」と返してくれる。
なんだか家族みたいに感じて……勝手なおままごとだけど。

車を見送ると嬉しさの前に孤独感が襲ってきた。

内藤先輩はこれからツンさんと会うんだろうな。
本当の家族とも言える、ツンさんと……。


このおままごとは、本当に私だけの一人よがりなものなのだから。


自分の部屋へ入るとカレンダーに大きく「デート」とメモ書きして、すぐにお風呂に浸かった。



106: ◆7at37OTfY6 :2007/10/12(金) 22:28:15.36 ID:E+udxsG90

お風呂から出て携帯を見ると、一件の着信があって驚いた。
その主はフサさん、慌てて電話をかけ返す。


(*ノωノ)「フサさんごめんなさい、ちょうどお風呂に入っていて」

ミ,,゚Д゚彡『ああ、別に良いよこっちだって夜に女性に電話なんて常識知らずで悪趣味だしな』

(*ノωノ)「そんなことありませんよ、どうされたんですか?」

ミ,,゚Д゚彡『次の日曜時間あるかな、食事でもどうかなと思って』

(*ノωノ)「え……はい、今週はお仕事も余裕あるから大丈夫です」

ミ,,゚Д゚彡『おう、じゃあ詳しくはまた連絡するよ、ありがとう。
  こんな夜中に本当すまんな、それじゃ体に気をつけて、おやすみ』

(*ノωノ)「あ、はい、おやすみなさい……」

もう電話は切れていた。
すごく早口だったけどどうかしたのだろうか?

いや、それよりもまさかのダブルブッキングに戸惑う。
内藤先輩とのデートは絶対中止できない、でもフサさんには命を助けて頂いたのだから断るだなんてとてもできない。



110: ◆7at37OTfY6 :2007/10/12(金) 22:30:10.86 ID:E+udxsG90
(*ノωノ)「あぷー……」

ダメだ、今まで男性と縁の無かった私だというのにどうしてこうも都合悪く予定は重なるのだろう?
といっても、私だって人生で幾度か男性とお付き合いした。


一人目は中学時代、ちょっと悪ぶってた人だけど、初めての告白を断る度胸など私は持ち合わせていなかった。
自己権謀が出来ないのはそんな昔からの事のようで、三つ子の魂百までとは言ったものだ。
結局私は暴力を受けることとなり、その関係はたった2カ月で終わった。


二人目は高校時代、優しい人だった。
私のことを常に第一に考えてくれ、きっと私の初恋はあの人になると思う。
でもその人は私以外の女性にも優しくて、私は選んでもらえなかった、捨てられた。

そういえばこの時も死にたいなんて思ったな。
その時大変だと思った事は後からすると大したことない事だったりする、典型的な実例だった。
当時は盲目だったと思う、独欲心の強い私にとって、
あの人と一緒では安らぎを得られる事はなかっただろうから当然の顛末だ。

会社に入ってからは何もなかった。
簡単に言えば私が内藤先輩にだけ固執しているからだ。



112: ◆7at37OTfY6 :2007/10/12(金) 22:31:59.79 ID:E+udxsG90
内藤先輩の気配りの良さ、そして後輩の私にも気を使ってくれる優しさ。
相手を傷つけない言葉選び、顔色を伺う鋭さ、他人の弱さを理解してくれる……その安堵感。
親や後輩を大事にしていて、そして彼女を何よりも大切に。

どんな人生を歩んできたんだろう?
きっと周りにも優しい人が多くて、素晴らしい環境で育ってきたんだろうな。
高卒でドロドロとした人生を歩んできた私なんかには分からない、すごく充実した人生なんだろう。

この日曜日は内藤先輩に色々と聞いてみよう。
内藤先輩のことをもっと知りたい、今までは上手にかわされていたけれど、今度こそ聞いてみよう。


フサさんとは朝から夕方にかけて会うことにした、これなら間違いは起こらないだろうなんて思いながら。
内藤先輩とはその後、夕方から会うことに。
随分変則な時間からで無茶かとも心配したけれど快諾してくれた、やっぱり内藤先輩は優しい。


期待と若干の不安を抱きながらの一週間は想像以上に早く過ぎ、すぐにも日曜日はやってきた……。



114: ◆7at37OTfY6 :2007/10/12(金) 22:34:08.75 ID:E+udxsG90



フサさんとの待ち合わせ場所に、私は気合の入った服装でいた。
この後内藤先輩と会うのだからと自分に言い聞かせながら、ばっちりおめかしを決めこんできた。

待ち合わせ場所は駅前の噴水、時間きっかりに行くとすでにフサさんはいた。
ラフでありながらも随所をぴしっと決めた服装は、フサさん独自の雰囲気にとても合致していた。

(*ノωノ)「ごめんなさい、待ちました?」

ミ,,゚Д゚彡「ううん、それよりこの前は夜にいきなり電話して、すまんかった」

(*ノωノ)「全然大丈夫です、改めて事故の時は本当にありがとうございました」

ミ,,゚Д゚彡「はは、もう良いよ前の話は。それよりもどこ行く?」

(*ノωノ)「とりあえず商店街でも歩きますか?」

言って商店街を歩くも、気が気じゃなかった。
会社の人と会ったらどうしようか、それ以上に内藤先輩と会ったらどうしようなんて心配しながら歩を進める。

ミ,,゚Д゚彡「今日の服装似合ってるね」

(*ノωノ)「あ、ありがとうございます、ちょっと可愛さアピールしてきました」

ミ,,゚Д゚彡「うん、可愛い感じ良く出てる」



117: ◆7at37OTfY6 :2007/10/12(金) 22:36:06.17 ID:E+udxsG90
面と向かって言われると恥ずかしいものだけれど、これで夕方からの内藤先輩との面会に自信が出た。
内藤先輩と仕事以外で会う時は、めいっぱい服装には気遣っている、この前フサさんと会った時は……あれ?
あの事故の時も内藤先輩はいたのに、どうしてそこまでおしゃれに気を回していなかったのだろう?


ああ、思い出した、一週間前は美容院で間違えて髪形を指定したばかりにすごく凹んでいたんだ。
だからいっそのことと、服装にも気を使わずに……思い出すとすごく子供っぽい理由で恥ずかしい。

つい詰まらない自問をしてしまい、相手の服装を褒め返す機会を見失ってしまった。


ミ,,゚Д゚彡「なぁ、あそこへ行かないか?」

(*ノωノ)「え?」

フサさんが指差した先に目をやると……

(*ノωノ)「おもちゃ屋さん?」

ミ,,゚Д゚彡「そう」

目を輝かせるフサさんが途端に子供っぽく見えて、思わず笑いが出た。

ミ*゚Д゚彡「あ、今笑ったか?」

(*ノωノ)「ううん、全然。それよりも良いよ、いこ!」

いい年した男女が一緒におもちゃ屋さん、それを考えるだけで不意に笑いが出てくるから不思議だ。



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