( ^ω^)がマジ切れしたようです

72: ◆foDumesmYQ :2007/10/16(火) 23:34:31.24 ID:Z+GEqtdc0
【5.僕は繋がった】

(*゚∀゚)「でもね……そんなアンタ、アタシは嫌いじゃないわ」

(;・∀・)「……えっ?」

だが、彼女は言った。
悪戯めいたような、無邪気な笑気を含めながら。
僕は、一瞬とまどった。
彼女が何を言いたいかがわからなかったからだ。

しかし、彼女は僕に考える暇を与えることはなかった。
僕の鼓膜が彼女の声を感じ取り、その意味を脳が解釈するまでのタイムラグ。
その隙を突くように、彼女の影は動いた。
僕との距離は、わずか二メートル。
四つんばいで僕のほうまで擦り寄ってくると、僕の視界にもぐり込んでくるようにして目と鼻の先にまで顔を近づけ――

(; ∀ )「んっ!!……んんっ!?」

――強引に口付けをした。

僕はこの瞬間、異性の唇の味を知った。
少女漫画で使い古された表現のような、レモンの味ではない。
煙草の匂い。
そして、口紅のべたつき。
これまでの想像とはかけ離れた生々しさだけが、僕を支配する。



74: ◆foDumesmYQ :2007/10/16(火) 23:36:25.97 ID:Z+GEqtdc0
(* ∀ )「ふふ」

それだけには留まらなかった。
彼女が小さくウインクすると同時に、舌が生きもののように僕の口腔をこじ開けて入ってくる。
生暖かい唾液と粘膜が、口内に絡みつく。
とろけるような、という表現がまさにふさわしい。
身も心も、すべてが不可思議な溶融感に包まれる。

あまりの唐突な彼女の行動に、僕は動けずにいた。
ただなすがままに覆いかぶさられ、貪られるばかりだった。
だが、なぜか跳ねのける気にはならなかった。
中学生の僕にも、女性ひとりをどうにかできる力くらいはあったはずだが、あえて彼女の行為に甘んじていたのだ。

(*゚∀゚)「……ハァ」

一分ほど経って、ようやく彼女は僕の唇を離す。
唾液の糸が口から口へと伝いながら、蛍光灯の光を反射させる。
僕は彼女の恍惚とした表情を虚ろに眺めながら、まどろむような余韻に酔いしれるばかりだった。

(*゚∀゚)「急にしおらしくなっちゃったね。さっきまであんなにむきになっていたのに。
    ああ、もしかしてキスもはじめてだったのかしら? なら思い出のファーストキスはアタシがいただいちゃったみたいね。
    ……で、どうだった? アタシのキスの感想は?」

彼女は、気だるそうな顔をして僕に訊いた。

(;・∀・)「……すごく頭がぼうっとして、それでいて……だめだ、上手くいえないや」

僕は、口をぱくぱくと魚のように開き、空言のようにつぶやくだけだった。
思考が感覚に追いついていない状態で問いに答えようとしても、たどたどしい言葉しか出てこない。



75: ◆foDumesmYQ :2007/10/16(火) 23:38:07.04 ID:Z+GEqtdc0
(*゚∀゚)「ええ……クセになりそうでしょ?」

それでも彼女は、満足げに僕に微笑みかけた。
語らずとも、僕の情けない状態をみれば一目瞭然なのだろう。
とりあえず、それだけで彼女はすべてを納得したようだ。

(*゚∀゚)「でも、こんなものじゃないよ。これよりも、もっと気持ちいいことがあるわさ。
    どう? 興味ある?」

(*・∀・)「……」

そして、ふふっと、含み笑いをした後で、彼女はさらに訊いてきた。
この先の段階に移ることの確認だった。
僕は、無言でうなずく。

僕にはわかっていた。
具体的には知りようもなかったが、この快美に続きがあることを本能で感じとっていた。
その証拠に、血液が高沸するかのような昂ぶりが一向に静まる気配がなく、
そればかりか、さらなる彼女への渇望だけが僕を支配していたのだ。

(*゚∀゚)「じゃあ、こういうのはどうだい?」

彼女はそのまま上から体を重ね、僕の股間をまさぐった。
つう、と人差し指でズボンのファスナーのあたりを往復してなぞるような、そんな優しい触れかただった。

(*・∀・)「ああっ」



80: ◆foDumesmYQ :2007/10/16(火) 23:39:44.36 ID:Z+GEqtdc0
それだけで僕は顔を歪めて、女の子のような声をあげた。
思わず尻を引っ込めて、腰をよじってしまったほどだ。

だが、彼女はやめるどころか、さらに力を込めはじめた。
次第に、僕の体内で膨れあがった熱が股間に集中する。
いや、実際に熱を帯びた血液が、爆発的に海綿体へと流れ込んできたのだ。

(*゚∀゚)「まだ脱いでもいないのに、反応しているわさ。
    まだそこまで大きくないみたいだけど、すごく硬い。さすが若いコは違うね」

気づけば、僕の口は半開きになっていた。
何しろ、明らかに自分で触るときよりも段違いに敏感になっている。
これほどかと思うほどに、硬く、全体が張りつめている。
このまま陰茎の表皮が裂けて中の血肉がはじけ飛んでしまうのではないか、という錯覚に支配されるほどの滾りだ。

(*゚∀゚)「ふふ。まさに飛び出したくてたまらない、って感じかい? かわいそうだから中から開放してあげる」

彼女は愛撫の動きを止めると、今度はベルトに手をかけて僕のズボンを器用に脱がせ始める。
僕が思っている以上に経験があるのだろうか、その手つきはどこか慣れたように感じられた。

(*゚∀゚)「ふうん、そこそこの大きさってところかな? あ、別に落ち込まなくても大丈夫。
    まあ、でも皮はちゃんと剥けてるようだし、これから大きく成長するだろうから」

あっというまに、僕のいきり立った陰茎はあらわになった。
彼女は目を細めながら、冷静に僕のそれを批評する。
でも、そんなことは別に気にならなかった。
それよりも、ただ僕は欲していた。
早く、僕を刺激してほしかった。



81: ◆foDumesmYQ :2007/10/16(火) 23:41:19.58 ID:Z+GEqtdc0
(*゚∀゚)「よほど、待ちどおしいみたいだね。じゃあ、こうしてあげる」

彼女は、僕の股間のほうへ顔をずらし、そっと口付けをし、それからあたたかく包み込み、舌をはわせた。
まさに珠玉の寵愛とも呼ぶべき彼女の行為に、僕はため息を漏らす。
自分のざらついた手でするような、味気のない刺激とはどこか違うのだ。
下手をすれば意識ごと彼女に持っていかれてしまいかねない、それほどまでに快美な悦楽に染められていた。

そして、襲いくる絶頂の波。
このまま、果ててしまいたい。
出してしまいたい。
あと十秒もすれば、僕の脳内は真っ白になる。

(*゚∀゚)「ん……んんっ。
    ……はあ。じゃあ、おしまい」

(*・∀・)「……えっ?」
 
(*゚∀゚)「気持ちよかったでしょ? 男のひとはたいていこれが好きなのさ。でも、まだだよ。まだいっちゃだめ」

だが、僕の期待を裏切るように彼女は口淫をやめた。
それどころか、ウインクをしながら意地悪を言う始末だ。
僕はあまりの出来事にあっけにとられながらも、恨めしげな眼差しで彼女をにらんだ。

(*゚∀゚)「ふふ、怒らないで。こんどは、こっちでしてあげるからさっ」

それでも彼女は悪びれることもなく不敵に笑うと、
今度はおもむろにTシャツを脱ぎだして、横手の洋服の山へと放り投げた。
あらわになったのは、折れてしまいそうなほどに華奢な胴体と、赤いブラジャーに覆われた肉叢の双丘。
先ほどの失望は嘘のようにかき消され、僕は思わず彼女の胸に釘付けになる。



84: ◆foDumesmYQ :2007/10/16(火) 23:42:51.16 ID:Z+GEqtdc0
そして、彼女が後ろ手で起用にホックを外すと同時に、
ブラジャーがするりとはだけて、押し込められていた二つの乳房が一気にこぼれ落ちた。
僕は、ゴクリと唾をのむ。
とても小さな音だったが、この隔離された空間の静寂の中では彼女にまで響くほどに大きく感じられた。

(*゚∀゚)「胸でされるのも、男の人は好きみたいらしいね。これがけっこう病み付きになるわさ」

僕は、恥じることもせずに彼女の胸を凝視していた。
具体的なカップ数がどれほどか当時はわからなかったが、とにかく僕の欲望を満たすには十分な大きさだ。

(*゚∀゚)「とりあえず最初に、触ってみる?」

(*・∀・)「……」

彼女はまぶたを薄く閉じた表情で、挑発的に言った。
僕は、無言でうなずく。

もはや、理性は壊れつつあった。
引き寄せられる磁石のように、ひとりでに彼女の身体へといざなわれる。
そして再び、互いの息が触れ合う距離にまで近づくと、僕は震える手のひらで彼女の乳房にそっと触れた。
五本の指に収まりきらないほどに大きい肉の球からは、思った以上の反発と弾力が、しびれるほどの温もりが僕にかえってくる。
そんな、ずっしりと指に圧しかかるような重圧を感じるだけで、僕は果てそうになった。

こんな感覚を、僕のものが受け止めるのか。
僕の期待は高まる。
犯して欲しい。
この凝縮された肉の谷間で埋めつくして欲しい。
僕は、心の奥底から懇願した。



85: ◆foDumesmYQ :2007/10/16(火) 23:44:32.98 ID:Z+GEqtdc0
(*゚∀゚)「ね、やわらかいでしょ? アタシの胸でしてほしい?」

(*・∀・)「……はい」

僕は餌をねだる犬のように、瞳をうるませて答えた。
彼女はそれを聞いて、鼻で小さく笑った。

(*゚∀゚)「じゃあ、軽くうつぶせの姿勢になって」

僕は言われるがままに、軽く上体を起こした姿勢で寝転がる。
すると彼女は僕の脚の上にまたがって屈み、その豊かな胸でゆっくりと僕の股間を押しつぶした。
そして、いきり立った竿を両房の隙間へと滑り込ませる。
彼女の火照った体温が、亀頭を刺激する。
僕は思わず、うめくように声を漏らした。

(*゚∀゚)「気に入ってもらえたみたいだね。もっとも、ある程度大きくないとできないけど」

彼女は上目遣いで僕を見た。
たまらない角度だ。
奉仕という行為をあからさまに表現するような彼女の姿は、もとより持ち合わせていた美艶さをさらに増幅させる。

(*゚∀゚)「滑りをよくしないとね」

彼女はくちゅくちゅと口の中で唾液を溜め、それを一気に吐き出して胸の谷間へと流し込む。
客観的に見れば、この行為はとても下品なものとしか映らないだろうが、
催眠状態にかかったようなこのときの僕には、ある種の抵抗というものが全く感じられなかった。
むしろ、彼女の体温と対極的な、ひやりとした粘液の感触に心地よさを覚えていた。



90: ◆foDumesmYQ :2007/10/16(火) 23:46:11.12 ID:Z+GEqtdc0
(*゚∀゚)「じゃあ、動かすよ」

彼女は胸の両端に手を押し当てて、僕の陰茎を圧迫する。
硬くとがった乳首が、僕の下腹部をこする。
彼女の心拍と、僕の脈が絡み合う。
二つの脈動と、彼女の胸の揺らぎが連動して、それがまた僕を快楽へと突き落とす。

口淫とはまた違った刺激だった。
口淫が一点を集中的に攻める愛撫のしかたならば、この紅葉合わせは陰茎全体を一斉に攻める愛撫だ。
ちなみに後に聞いた話ではあるが、この紅葉合わせ、
すなわちパイズリとは、十八世紀ごろにルイ十五世の愛人ポンパドゥール夫人が、
彼のロリータ・コンプレックスの性癖を解消するために編み出した技巧であるとか言われているが、それはどうでもいい。

(*・∀・)「……ああ、ダメです。僕もう……ああっ」

そうこうしているうちに、僕は再び果てそうになる。
一度絶頂を迎えようとしたところを止められて、先ほどよりも敏感になっていたのだ。

(*//∀/)「ハアッ……ハアッ……今度は出していいよ。その代わりアンタのを私に浴びせてちょうだい。
      いっぱい……アタシを汚して!!」

気がつけば、彼女の表情も紅潮を見せていた。
先ほどの高圧的な態度とは裏腹に、ただ隷辱にまみれた、淫靡な雰囲気に満ちていた。
僕は、その彼女の豹変ぶりに思わず興奮がこみ上がってる。
拒む理由はもはや、なかった。
僕は、ほとばしる熱い体液を開放する――



96: ◆foDumesmYQ :2007/10/16(火) 23:47:50.91 ID:Z+GEqtdc0
(*・∀・)「ハッ……ハアッ……ハアッ……」

彼女の髪の束から、白濁した粘液が雫となってこぼれ落ちる。
いや、髪の毛だけではなかった。
額も頬も唇も、すべて僕の精液で塗り固められていた。
なんと卑猥な、それでいて神秘的な光景なのだろう。
僕の中の醜悪と呼ぶべき存在が形となって吐き出されたものを、彼女はその一身に甘んじたのである。
それどころか、排出を終えたばかりで、脈を打つ僕の陰茎をもの惜しげになめ尽くす始末だ。

(*//∀/)「ふふ、いっぱい出たわさ。ひとりでするよりも断然こっちのほうがいいでしょ?」

そして、こびりついた精液と唾液が混ざった液体を飲み込み、汚れた顔をティッシュでふき取ったあとで、彼女は訊いてきた。

(*・∀・)「……」

僕はまた、うなずいた。
快感に身も心も支配され、ほかに何も言う余裕がなかったせいもあったが、
それ以上に、更なる悦楽の波が押し寄せてくることを肌で感じとっていたせいでもあった。
証拠に、僕のものは静まるどころか、さらに硬さを増して腫れあがっている始末だ。
一方、彼女の方もまだ足りない様子で、一向にそそり立った状態から戻らない僕の陰茎を物欲しそうに眺めながら、
ふふ、と笑って次の誘惑を僕に持ちかけた。

(*//∀/)「やっぱりまだ若いね。やっぱり一回イッたら冷めちゃうオッサンたちと比べても、全然勢いがちがうもんね。
      ねえ、ここからさらに続きがあるんだけど……やってみたいと思わない?」

まだ、続きがあるのか。
僕は、背筋にぞくそくとするような震えが走るのがわかった。
恐怖のせいではない。
期待と、感嘆と、歓喜から来た身震いだった。



102: ◆foDumesmYQ :2007/10/16(火) 23:49:54.70 ID:Z+GEqtdc0
僕は、相変わらず無言だった。
だが、彼女の問いに対してはうなずくことはなかった。
代わりに、抱擁と口付けで応えた。
彼女の華奢ながらも豊満な身体を押し倒した。
この唐突の行動は、僕がここに来てはじめて見せた積極性の表れであった。

彼女は一瞬とまどった表情を浮かべながら、ひゃ、と小さく鳴いて簡単に崩れ落ちる。
しかし、僕は抵抗する暇は与えなかった。
僕はそのまま唇を、鼻を、耳を、まぶたを、頬を、髪を除く彼女の首から上を、なめつくした。
そして、そのまま身体のラインを下に向かいながらなぞるように、乳房、乳首、腹部、臍部と舌を這わせ、しゃぶりつくした。

化粧と、汗と、精液が交じり合った複雑な味が僕の口に広がる。
汚いなどとは微塵も思わなかった。
捕らえた獲物の肉を食いちぎる肉食動物のように、ひたすら彼女という雌を堪能したかったのだ。

(*・∀・)「ハアッ……ハアッ……」

ひとしきり彼女を味わい終えると、僕は顔を上げて、そのまま馬乗りの体勢で、彼女の手首を両腕で押さえつけた。
そして、冷淡をひどく含んだようなまなざしで、彼女を見下ろした。

(*//∀/)「ああ、びっくりした。子供だと思って油断してたけど、もう十分オスとしての自覚はあったわけだね。
      ……ふふふ、でもこのあとはどうするのさ? 知らないんでしょ?
      気持ちが抑えきれないのはわかるけど、あせっちゃだめ。これが普通の女のコだったら逃げ出しているところだよ」

だが、彼女のほうも一向に怯える様子はなく、むしろその表情はいとおしいと言わんばかりだ。
この状況で自然に笑いが出るほどの彼女の余裕ぶりは、僕を少しだけ冷静な状態へと戻した。
いや、冷静というよりも、困惑のほうが大きいといってもいい。



104: ◆foDumesmYQ :2007/10/16(火) 23:50:41.61 ID:Z+GEqtdc0
(;・∀・)「……ごめんなさい」

僕は気まずさのあまり、思わず目をそらした。
衝動のあまりに取るような、盲目の行動というのは僕がもっとも禁じていたことである。
先ほども後悔を覚えたにもかかわらず、欲望に駆られてまた同じことをやってしまったわけだ。

だが、彼女は言った。

(*//∀/)「でも、そんな荒々しいところは好き。
      こんな興奮なんか、ほかの男のひととするときでもめったにないよ。
      見て、鳥肌が立ってる。ぞくぞくしている。これも全部、アンタのおかげなのよ。
      でも、残念ながらアナタはまだ未熟で、女の悦ばせかたを……いえ、その行為の知識すら欠けている。
      だから、教えてあげる。これはアタシにとっても、アンタにとってもいいことなのさ」

彼女は、僕の背中に腕をまわす。
かさかさと乾燥した手のひらだが、暖かい。

(*//∀/)「いい? これからアンタとアタシはひとつになる。
      つまり、言葉どおり、身体の一部同士をつなげる。
      ほかの男のひとがどうかは知らないけど、女を知らないアナタにとってはいちばん気持ちいいものになるはず。
      ……もう一度訊くよ。やってみたい?」

(*・∀・)「……はい」

僕は、まっすぐに彼女の目を見て、答えた。
もはや、断る理由などありはしない。
このまま、彼女の言うとおりに身を委ね、快楽に浸ることだけを望んでいた。



107: ◆foDumesmYQ :2007/10/16(火) 23:52:04.32 ID:Z+GEqtdc0
(*゚∀゚)「じゃあ、キスしてちょうだい。それがコトの前にする女のコへの礼儀ってもんだよ」

(*・∀・)「? ……どこに?」

(*//∀/)「馬鹿、唇だよ」

そう答えた彼女の表情は、どこか呆れたとも、可笑しいとも言っているように見えた。

僕は言うとおりに身を屈めて、顔を近づける。
舌を少しだけ突き出し、彼女の上唇から下唇にかけて円を描くようになめる。
そして、目を閉じ、そっと口付けをした。
その瞬間、彼女の腕の締め付けがぐっと強くなる。
アザが残ってしまうのではないかと心配してしまいそうなほどに強い抱擁だった。

でも僕は、それすらも心地よく感じていた。

(*//∀/)「……ふう。やればできるじゃない。三回目のキスにしては上出来さ。
      アンタ、女泣かせの才能があるよ」

顔を離したあと、彼女は僕の頭を撫でながら言った。
才能云々に関しては当時の僕には全く理解できなかったが、今振り返ってみればそれもあながち間違いではない。
それもそのはずで、女性の愛でかたを一から十まで教えてくれたのは彼女であり、
そんな性の宣教師ともいうべき者からお墨付きをもらったわけなのだから、当然のことなのだろう。

(*゚∀゚)「じゃあ、腰を浮かせてちょうだい。お尻から上に乗っかられたら、できることもできないよ」



110: ◆foDumesmYQ :2007/10/16(火) 23:53:28.84 ID:Z+GEqtdc0
僕は言うとおりに膝を地面について、腰を軽く浮かせた。
すると、彼女は僕の股間に向かって手を伸ばし、竿の部分を軽く握り締める。

(*゚∀゚)「じゃあ案内してあげる。ここに入れるんだよ。
     ……まあ、ちがう穴に入れたがるひともいるけど、正しくはここ」

そして、ゆっくりと彼女の陰部にむかって僕の亀頭を導くと、軽く襞にあてがらせた。
皮膚の外側が、じわりと生暖かく湿っているのがわかる。
これが、彼女の入り口。
触れるだけで、身悶えをおこすほどの期待感が僕を襲う。

(*゚∀゚)「でも、すぐに入れちゃだめ。それだと女のコはさめちゃう。
     じっくりと、存分に焦らしてから、入れてあげるのがいいんだよっ」

だが、彼女は簡単には入れさせてくれなかった。
じっくりと、僕のものの感触を味わうように、肛門から陰唇にかけて上下に擦りつけはじめたのだ。
先走った僕の淫水と彼女からにじみ出ている愛液が、交じり合い、互いの性器に塗りたくられてゆく。

(*゚∀゚)「で、ここがクリトリス。一般的には女のコがいちばん感じやすいところ。
    本当は、最初にここを愛撫してあげて濡らしておかなきゃいけないんだけど……不思議だね、今日は自然に濡れてる。
    もちろん、これまでにそんなことはほとんどなかった。これもアンタが相手だからかしら?」

僕の亀頭が、彼女の陰核に口付けをする。
いわば互いの一番敏感な部分をあてがうような行為に、僕の身体も次第に上気しはじめる。
彼女もたまらないとばかりに、さらに腕に力を込め僕のものを強引に押しあてる。
僕の先端はそれにつられて、熱くなる。
次第に高まる二人の呼気が、部屋に充満する。



112: ◆foDumesmYQ :2007/10/16(火) 23:54:53.53 ID:Z+GEqtdc0
(*//∀/)「……ああっ、いいわ。やっぱりアンタのって硬い。このままイキたいくらいいいわ」

(*・∀・)「ハアッ……ハアッ……入れて、いいですか?」

(*//∀/)「ッ……いいわ……もう準備ができているから、入ってきてちょうだい!!」

迷うことはなかった。

彼女の手が僕の陰茎を導き、膣口へと滑りこませる。
ほんの少しの、亀頭が肉門に引っかかるような、抵抗。
そして、そのあとには入ってきたものすべてを飲み込むような肉壁の重圧が僕に迫ってくる。
脳が、心が、身体が、溶かされる感覚だ。
彼女の内からあふれ出てくる体温と粘液の激流は、信じられないほどの速度で僕を消化する。

(*・∀・)「くっ……」

僕は、反射的にくぐもった声をあげる。
入れただけで、もう果てそうだ。
だが、歯を必死に食いしばり、僕の内なるものを強引に押さえ込む。
まだだ。
まだ、出してはいけない。

(*//∀/)「あっ……すごく、いいよっ。
      ……ねえ、見て。アタシたち繋がっている。いやらしい姿でひとつになっている。気持ちいいでしょ?
      でも、ここでも焦りは禁物よ。最初はゆっくりと動かすのさ。この甘い時間を存分に愉しむように、ね。
      で、徐々に二人が昂ぶりはじめたら、思いのままに激しく暴れさせていいよっ」

彼女は眉を寄せ、苦悶の表情を浮かべながらも、僕をなだめた。
僕は彼女に促されるままに、ゆっくりと腰を動かす。



118: ◆foDumesmYQ :2007/10/16(火) 23:55:49.82 ID:Z+GEqtdc0
(*//∀/)「あっ、いいわ……すごくいい。その調子でゆっくりと動か……くっ……ああっ!!」

(*・∀・)「ハアッ……ハアッ」

汗が、額から頬に伝う。
熱い。
熱いのだ。
しかしそれは、湿気のこもりきったこの部屋の気温のせいだけではなく、
彼女の官能的な色気が僕の熱情を促しているせいでもあるだろう。

僕は、上から彼女を眺めた。
腰を一つ前に突き出すたびに、彼女は悩ましげに呻いている。
ただゆっくりと腰を振っているだけなのに、これほどまでに反応がかえってくることに驚いた。
僕は、次第に好奇心にかられ、腰を振る角度と速度を変えてみた。
上に、下に。激しく、優しく。
膣内をあますところなく刺激するように。

彼女の表情は、そのたびに色の変化を見せる。
時に歓喜に打ち震え、時に苦悩に犯され、彼女は艶やかな色に染まってゆく。

ああ、これで僕は彼女とひとつになれたのだ。
この果てなき中毒性を有する、この性交という行為。
なんと、すばらしきことか。
僕が直感的に待ち望んでいたこととは、これだったのだ。
決して、孤独のマスターベーションでは得られなかった充足感。

気が狂いそうなほどの快楽だ。
いや、もはや僕は狂人だ。
獣だ。
生殖行為に支配されただけの、猿と同等だ。



122: ◆foDumesmYQ :2007/10/16(火) 23:56:34.62 ID:Z+GEqtdc0
だが、それがいい。
他に望むべきことは、何もない。
この甘い時間さえ享受できれば、それでいいのだ。

(  ∀ )「ク……ああっ!!」

(*//∀/)「アッ……アアッ!! もっとよ!! もっと激しく!! もっと激しくアタシを犯して!!」

気がつけば、僕たちは身体を強く揺さぶりながら快楽に酔いしれていた。
床が、壁が、天井が、古ぼけたアパート全体が軋むほどに激しい交わりだった。
僕たちの情事はほかの部屋の住人たちにも筒抜けかもしれなかったが、もうそんなことは関係ない。
ただ、互いの肉を貪りあう動物になってしまったのだから。

僕は、彼女の上体に体重を預けるように抱きしめた。
彼女もそれを受け入れるように、僕の背中に腕を回して力を込める。
彼女のたわわな乳房が、ぎゅっと僕の胸に押し付けられる。

(  ∀ )「ッ!! ……僕、もうっ!! ……だめだっ!! 我慢できない!!」

(*//∀/)「はあんっ!! ……出して!! 中にこのまま流しこんで!! アタシももう限界ッ!!」

しかし腰の動きだけは止まらなかった。
もはや二人の間にはテクニックだとか駆け引きだとか、そんな野暮なものはない。
絶頂に向かって、ただ互いを刺激しあうだけだ。

そして、僕たちは悦楽の波に飲み込まれる。
締め付けが強くなり、きゅんと収縮する。
いままでで一番強い衝撃だ。
僕のほうにも限界が訪れる。
ただ僕は、思いのまま、彼女の中に欲望を流し込む――



125: ◆foDumesmYQ :2007/10/16(火) 23:57:52.40 ID:Z+GEqtdc0
僕たちは事を終えてから、数十分の――否、それは一万年と二千年前もの太古から現在までの恒久とも、
永遠とも呼べるほどに長く感じられた――間、ずっとそのままの姿勢でいた。
結合部の隙間から、ひやりとした二人の体液がこぼれ落ちているのがわかった。
でも、僕と彼女もそれを拭き取ろうともせず、ただ互いの体温を感じるように抱き合うのみだ。
僕たちに最後に残ったものといえば、疲労と充足に満ちた不思議な脱力感だけだった。

(*゚∀゚)「やっとおさまってきたみたいだね。今度は小さくなっているのがわかるよ」

(;・∀・)「もう……やめてください」

彼女は僕の反応を感じ取って、意地悪げに微笑む。
僕はまた、恥ずかしさのあまり目をそらす。

そこでようやく僕たちはおのずと身体を引き剥がし、布団の上に並んで横たわった。
それでも、視線だけは離すことはしなかった。
欲望がすっかり消え去ったあとでも、彼女を見ていたかったのだ。

ふと、アパートの前を一台のトラックが通り過ぎ、ヘッドライトの光と小さな振動が室内に一瞬だけよぎった。
天井にぶらさがった蛍光灯は揺れ、横で寝ていた彼女に落ちた光が小刻みに震える。
そして、その光の動きに連動して、大きくふくらんだ乳房に、呼吸にあわせて揺れる腹部、
まだ粘液がまとわりついている陰毛がつくり出す影は、まるで微波に揺れる水面のようにそのすがたを変えていた。

(*゚∀゚)「で、どうだった? はじめての感想は?」

僕の視線に気づいたのか、彼女は僕の手をそっと握りしめ、こちらに向きなおして訊いてきた。
僕は、今度は視線をそらさなかった。



128: ◆foDumesmYQ :2007/10/16(火) 23:58:57.57 ID:Z+GEqtdc0
(*・∀・)「すごく……気持ちいいです」

僕は彼女の身体をぼんやりと眺めながら、そう答えた。

だが、同時にもどかしさを覚えていた。
少なくとも、この感覚を『気持ちいい』などという陳腐な表現で片付けるべきではないのだ。

この行為は僕にとって単なる射精ではない。
いわば、僕のという本質の開放。
悪意のカタルシスだ。
蝿の卵を、彼女に植え付けたのだ。
悶々と僕の中で這いずり蠢きまわる悪魔とも呼ぶべき黒い感情を、彼女に分け与えたのだ。
心からそれをありがたがり、受け入れる彼女の本質は悪であることに相違がない。

しかし、ここでひとつの矛盾にたどり着く。
周知のとおり、幼いころから僕は自分の中の悪という存在に怯え続けてきた。
そして、それを他者が持っているとなればなおさら恐れるべきことであり、もちろん、彼女も例外ではないはずだ。

僕は彼女の内なる悪に怯えることはなかった。
なぜならば僕が悪意の『共有』のしかた、すなわち性交を覚えたからだ。
性交とは、自分の悪を心の奥底から開放し、なお且つそれを交わった相手と分かち合う行為。
交わった相手が自分と同質の悪であると理解する行為。
そして、相手の悪が僕を傷つけるものではないと悟ったそのとき、彼女に対する恐怖は薄れていったわけだ。

いや、彼女だけではない。
僕は同時に、他の人間に対する恐怖も緩衝できたのだ。



132: ◆foDumesmYQ :2007/10/17(水) 00:00:26.30 ID:J+Hjp2mF0
それは、人間、いや生物全体における存在意義の源流をたどってみればわかることだろう。

生物と名の付くものであれば、原核生物、原生生物、植物、菌、動物、
(ウイルスやリケッチアなどの分類は生物としての定義があいまいだが、)
ともかく、彼らすべてに種の保存本能とは切っても切り離せない関係にある。
ゾウリムシは分裂して増殖するし、雑草は受粉して種を作るし、あのいまいましいゴキブリですらも交尾をして卵を産む。
そして彼らよりもはるかに複雑な知能を持ち得た人間も同様に、その本能を持っている。

例えば、僕の両親。
あれほど厳格な彼らですらも、悪だ。
なぜならば、父親と母親の性交によって生まれた子供が僕であるから。
つまり僕という存在が、彼らが僕と同じ欲望に支配された結果であり証拠でもあるというわけだ。
その他の人間も同様に、人間という種である以上はこの本能から逃れられない。

ちなみに性欲が存在しないような非性愛者もこの世には一部存在するわけだが、
それはあくまで(受精を経て胎児へと変化した状態以降の)後天的な影響や塩基配列の異変によってそうなったのであって、
存在以前の時期に、先天的に発生したものではないと僕は考える。

僕はこれらのことからすべての人間が悪であると認識したわけだ。
まあ、この結論に達するまでに、荀子の性悪説やキリスト教の原罪などの思想に影響を受けたということもあるのだが。
(注意すべき点として、両者の思想は善悪の解釈において同等同質のものではない。)
そうなれば、僕の内なる悪という存在に怯える必要がなくなる。

また、そもそも僕は無知ゆえにこの悪という存在を混同しつづけていたようだ。
虚偽と性欲とをひとくくりの悪として考えていたのだ。
悪の正体がわかってしまえば、それほど恐れることはなくなった。

虚偽が虚偽であることがわからなければ決してとがめられることはないし、性欲については性交の相手さえいれば解消できる。
こうして、僕は快く自分の悪を受け入れ、不完全な僕という人格を完成させることができた。



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