( ^ω^)がマジ切れしたようです
- 228: 代理 :2007/10/06(土) 01:05:38.27 ID:5Wxb+3Da0
- (´・ω・`)「その4」
『胸がドキドキ』を選んだのはクーちゃんとショボンくんだ。なんといっても、この曲は初代バーロー。とりあえず、初代バーロー。初代バーロー。バーwwwローwww
CD音源で聴くと、甲本ヒロトの声がかなり若い。ちなみに、この曲は『ハイロウズ』としてははじめてのヒット曲だった。
川 ゚ -゚)「ていっ!」
( ゚∀゚)「■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■!!!!」
駆け上がっていくようなその音に、通行人は例外なく足を止めた。あたしの弾くギターに、長岡くんの声に。ショボンくんのベースに、クーちゃんのドラムに。
厚みのあるリフと、聴きやすいメロディ。そしてメッセージ性の強い歌詞。
あたしはバー……のOPでこの曲を知った。当時、小学生の高学年くらいだった気がする。本編はあんまり興味なかったけど、この曲だけは欠かさず聴いていた。
懐かしさゆえか、もしくは別の理由か。通行人は、足を止めて、こっちを見てくれた。
从;'−'从「(駄目だ……)」
でも、それだけだった。ライブハウスじゃないから仕方がないかもしれないけど、手拍子とか、そういうのは一切なし。それどころか、その場を立ち去る人も居る。
見てくれてる人だって、ただその場に立って、こちらを見ているだけ。
从;'−'从「……」
それでも、一人でも多くの人に見て、聴いてもらえるように、あたしは必死でギターを弾く。ピックが何度も飛びそうになった。
- 231: 代理 :2007/10/06(土) 01:07:51.58 ID:5Wxb+3Da0
- (;゚∀゚)「■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■!!!!」
ここから見ても判るくらいの、長岡くんの汗。原因は多分、暑さだけじゃないのだろう。
ひしひしと伝わってくる、長岡くんの焦りの感情。単なる自己満足では終わらせられない、そんな気概が、その体の周りに渦巻いている。
从;'−'从「(大丈夫、まだ……)」
がんばれ、あたしのギター。あとで払い戻しなんて絶対しないから、お願い。
(;゚∀゚) 「■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■!!!!」
从;'−'从「(お願い、誰か……)」
虚しく響く、その声。絶対、昨日よりも良い声なのに。
……曲が終わった。手ごたえなんて、当然だけど、ひとつもなかった。
見てくれた人の中には、拍手を送ってくれてた人もいたけど、それでも昨日いた人数ほども居ない。
从;'−'从「(まぁ、10、15ってとこかな……)」
浮かれていたのかも知れない。昨日が、あんまりうまくいったから。やっぱり、これが現実なのかもしれない。
(;´・ω・`)「……仕方ないね」
何が仕方ないんだ、と言い返せない。
- 233: 代理 :2007/10/06(土) 01:09:11.23 ID:5Wxb+3Da0
- ――あれ、なに?
――しらね。うるさいからマジやめてほしいんだけど。
――今の曲何?あれ、全員で厨二病?wwww
――バーwwwwローwwww
从;'−'从「……」
(;´・ω・`)「しょうがない、あきらめよう。これじゃあ、いくらやったって無駄だよ。ドクオに、閉めてもらうように……」
撤退。頭の中に、そんな二文字が浮かんだ。
(;´・ω・`)「ドクオ、聞こえるか、聞こえるなら――」
川 ゚ -゚)「ちょっと待ってくれ」
(;´・ω・`)「?」
狼狽するショボンくんをよそに、クーが立ち上がった。つかつかとステージを歩いていって、長岡くんの隣に仁王立ちする。
川 ゚ -゚)「ジョルジュ、マイク、借りるぞ」
- 236: 代理 :2007/10/06(土) 01:11:42.07 ID:5Wxb+3Da0
- (;゚∀゚) 「?」
長岡くんを押しのけて、クーはマイクの前に立った。
オーディエンスの目が、クーに集まる。クーは、その全てを嘗め回すように見て、言った。
川 ゚ -゚)「おまえら、かっこ悪いぞ」
一瞬の静寂。
- 239: 代理 :2007/10/06(土) 01:14:40.64 ID:5Wxb+3Da0
- 川 ゚ -゚)「そうさな。かっこいいものに対するお前らの嫉妬、それこそが厨二病だ。私たちは、そうだ。ある意味では、パイオニア、先駆者、そんなもんだ。
この、くっだらない考えに縛られた、堅苦しい街に対する反抗のな」
「何をいっとんじゃ、お前は!」
外からの叫び声。声のしたほうに、目を向ける。
(#,'3 )「くだらないとは何事じゃ!この街を馬鹿にするな!どんな街よりも清潔で、美しい街じゃ!それを、なんじゃ、貴様は……」
从;'−'从「(あ、昨日、最後邪魔してくれた爺さんだ……)」
川 ゚ -゚)「黙れ、とっとと那由多の果てに帰れ」
(#,'3 )「なにを……!CPの老人会の、わしにむかって―――!ジョルジュ!貴様、何をやっているのかわかっているのか?!
お前の行いは、新騒音条例に著しく反する!厳罰だぞ!判ってるのか!?」
川 ゚ -゚)「黙れといっただろう、貴様が何者だかはわからないが、貴様ごときに、ジョルジュを悪く言う権利はない」
(#,'3 )「なに……!」
川 ゚ -゚)「本当に街のことを思うのなら」
スティックでお爺さんを指した。クーは毅然とした態度で、さらに言う。
川 ゚ -゚)「この狂った街から、人を開放してやろうと思うのが普通じゃないか?」
- 241: 代理 :2007/10/06(土) 01:16:26.54 ID:5Wxb+3Da0
- (#,'3 )「……」
川 ゚ -゚)「こんな行いが御法度。そんなこと、この街を見れば判る。お前らにとっては、いま私たちがやってることは一級品の犯罪なんだろうな」
おじいさんはしゃべらない。その、周りのオーディエンスも。みんな黙って、クーの言葉に耳を傾ける。
川 ゚ -゚)「この街はおかしい。そんなことに、どうして誰も気づかない。いや、気づいている者もいる。ただ、行動に移さないだけだ。
どこの組合だかわからないが……CP?と言ったか?……まぁ、名前なんてどうでもいい。そんな連中の影におびえて、何もできていない。
心のどこかでは、この街はおかしいと思っている。だけど、わが身可愛さに結局何もしない。事なかれ主義もここに極まりだ。
蜂起なくして革命はありえない。何もしなければ、状況は変わらない」
(#,'3 )「……何が言いたいんじゃ」
川 ゚ -゚)「ジョルジュは、誰もできなかったことをやったんだ」
長岡くんの手を、クーは持ち上げる。
川 ゚ -゚)「いいか!お前ら!こいつはジョルジュ!人呼んでジョルジュ!私が呼んでもジョルジュ!
何故か渡辺だけが長岡というが……まぁKYだ!
こいつは……偉くもないし、立派でもない!
だけど、あしたからこいつは……そうだな、ポイ捨てでも、なんでもするぞ!そんで、ごみ屋敷に住むぞ!車に乗れば、ペンキを垂れ流して走るぞ!
そんなファンキーなやつだ!」
マイクがハウリングするほどの声で、クーは言った。両手を大きく開いて、open arms。まるで教祖だね。
あたりは水を打ったかのようにすっかり静かになってしまった。……なんか気まずい。さっきから、何故か苦笑いがとまらない。
川 ゚ -゚)「……む」
む、じゃねぇよ、もう。
- 243: 代理 :2007/10/06(土) 01:18:08.19 ID:5Wxb+3Da0
- そのときだった。まったく何も言わなかったオーディエンスが、応えた。
「良いおっ!もっとやるお!お前らの曲、もっと聴かせろお!」
トラックのすぐ近く。聞いたことのある、その声。
(炎^ω^)「もっとやれ―――俺もこの街には飽き飽きしてたんだおっ!」
(#,'3 )「何を言っておるんじゃ、お前は……」
(炎^ω^)「じじいは黙れお」
(#,'3 )「……な」
内藤くんだ。オーディエンスにまぎれて。何が飽き飽きだ。この街にはまだ、一日しかいないくせに。
(炎^ω^)「まさかそれだけで終わりじゃないおね?!俺は聴いてやるお!さっさとやるお!」
パチパチと、手をたたく。内藤くんの拍手が響く。
(炎^ω^)「何やってるんだお!!みんなで聴くお!ジョルジュの歌をだお!」
ほんと、幼稚な扇動。そんなんじゃ、サクラはできないよ。まったく。
でも、キッカケとしては十分だった。パチパチと、内藤くんに続いて拍手が鳴る。最初は小さかった。だけど、どんどん大きくなってくる。
- 246: 代理 :2007/10/06(土) 01:19:38.64 ID:5Wxb+3Da0
- ――ち、しょうがねぇなぁ。拍手してやんよ。
――ツンデレ乙www
――ねーねー次の曲は――?
ゆっくりと、でも確実に、拍手の数は増えていく。一人、二人、三人……。
50人を超えたあたりから、あたしは数えることをあきらめた。
歩いている人から。車の中から。店の窓から。マンションのベランダから。駅のホームから。
拍手の音は、響いていくる。
(;,'3 )「な……な……」
狼狽するお爺さんを押しのけて、みんながステージの前に集まってくる。
道なんて関係ない!乗り捨てられた車のせいで、もう交通はまともに動いてないんだから。
- 248: 代理 :2007/10/06(土) 01:22:15.58 ID:5Wxb+3Da0
- ――実は俺さっきの曲、結構好きだったんだ……
――何その死亡フラグみたいな言い方。
――確かにwww俺死ぬかもww
あっという間に囲まれた。前の方大丈夫かな……?圧死とかしないよね。
(´・ω・`)「……」
(;゚∀゚) 「……」
川 ゚ -゚)「おー、いいねぇ、お前ら!じゃあ、最高にファンキーなお前らに、最高にファンキーなあたしたちが最高にファンキーな曲をお送りするぜ!」
ちらりと、クーがこっちを見た。
川 ゚ -゚)「いや、もとい。ファンキーではないかもしれない……でもまぁ聴けってんだよ!」
クーが長岡くんにマイクを返した。それを受け取った長岡くんは、大きく息を吸い込んで、言った。
( ゚∀゚)「『世界の終わり』!!!!!!!」
- 250: 代理 :2007/10/06(土) 01:23:19.86 ID:5Wxb+3Da0
- 超高速ストロークで始まる、スピード感のある曲。この曲は、そういう曲だった。
必死で手を動かす。Thee Michelle Gun Elephant―世界の終わり。ミッシェルのデビュー曲。
ピックが飛ばないように気をつけながら、豪快にも丁寧にピッキングする。この曲は、あたしのギターリフから始まる。
从'ー'从「(クーがこっちを見てきたのはそのためか……)」
あたしのギターをショボンくんのベースが支える。その下で、クーのドラムが全ての土台を作る。おかげで、爆音で疾走しながらも踏み外すことはない。
(;゚∀゚) 「■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■!!!!」
その上で、汗を振り撒いてギターを弾きながら、長岡くんは歌う。マイクに向かって、叫ぶ。
从'ー'从「……」
叙情的だけど、ストレートさを失わないメロディ。散文詩的で、哀愁のある歌詞。
(;゚∀゚) 「■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■!!!!」
『パンを焼きながら、待ち焦がれている。やがて来るときを、待ち焦がれている』
从'ー'从「(確かに、そうだったんだろうね)」
ずっと、こんなときを待ってたんだろうね、長岡くん。自分が一人じゃないって、思わせてくれる、こんな状況を。
从'ー'从「あ!」
オーディエンスの一人が、他の人の上に乗って……ダイブだ!下、アスファルトだよ!
- 254: 代理 :2007/10/06(土) 01:24:35.18 ID:5Wxb+3Da0
- (´・ω・`)「……!!!」
ショボンくんが、長岡くんを煽るようにベースを弾いている。ヘッドを振り回して。なんか、イメージ変わっちゃうじゃない。
川 ゚ -゚)「おららららららららららららっらららrっらららっららっ!!!」
後ろでは、変な掛け声とともにクーがドラムをたたいている。よくそんなんでリズムを失わないね。
从'ー'从「……!」
あたしの出番だ。長い長い間奏の、ギターソロ。みんなの視線が、あたしに集まる。
从'ー'从「(……大丈夫)」
ミスったりはしない。今までに何度も弾いたソロだ。モナーくんに何度も教わったソロだ。
从'ー'从「(……それ!)」
ステージの端まで行って、ギターを掲げてみる。オーディエンスが、それにこたえてくれる。
丁寧にピッキングをする。ミュートも忘れずに。せっかくの見せ場を、台無しにしないように。
そして、最後のサビだ。
(;゚∀゚) 「……」
あたしのソロを聴きながら、リズムを取る長岡くん。最後は、任せたよ。横目で長岡くんを見ながら、あたしはソロを弾ききった。
さぁ。
世界の終わりは、そこで待ってるよ。
- 257: 代理 :2007/10/06(土) 01:25:21.37 ID:5Wxb+3Da0
- (;゚∀゚) 「……あ」
从;'−'从「!」
(;´・ω・`)「!」
川 ゚ -゚)「…らららっ……ら?」
マイクで拾ってしまった。長岡くんの声。
ばっか……あれだけ言ったのに。
歌詞、飛ばしやがった。
- 259: 代理 :2007/10/06(土) 01:26:37.57 ID:5Wxb+3Da0
- (;゚∀゚) 「あー、あー、いーや、もう!直接全部言ってやる!俺の言いたいこと、全部だ!」
マイクに向かって……もとい……オーディエンス……もとい……そうだ、この街に向かって!長岡くんは叫んだ。
(;゚∀゚) 「クーにほとんど言われちまったけど、そうさ!この街はおかしい!それはお前らもわかってんだろ!
なんでこんなにゴミ箱があるのか、なんであれだけ居た不良がいなくなったのか。なんで、こんなに綺麗なのか。
こんなところ、人が住んでる街じゃない!俺たちは、ジオラマに住んでるんじゃないんだ!
街、『まち』に住んでんだ!多種多様な顔をもつはずの、『まち』に住んでるんだ!俺たちは人形じゃねぇんだ!
なんで、一人のエゴのために、こんな街に住まなきゃいけないんだ。街は、そこに住んでる全員分、別々の顔を持ってるんだ!
一元的じゃない!全員分、存在するんだ!」
ギターをかき鳴らして、長岡くんは叫ぶ。同時に長岡くんのギターだけ、どんどん走っていく。
从'ー'从「(……クー!)」
川 ゚ -゚)「せいっ!」
長岡くんのギターに、ドラムが追いついた。かなり早い。早すぎるペースだ。だけど、不思議と手は疲れない。まだまだ、追いついていける。
(;゚∀゚) 「俺は認めねぇ!絶対、認めねぇぞ!街は、一人のためのものじゃない!みんなのもんだ!
そんなことも判らないようじゃあ、誰もついてこないぞ!!兄者、弟者!聴いてんだろ!」
もう演奏なんてぐっちゃぐちゃだった。でも、それでも確かに、グルーヴはそこに存在していた。
今までに感じたことがないほどの一体感。他の人と、同じ時間を共有している感じ。ステージの上の仲間と。ステージの下の、見てくれてるひとたちと。
- 261: 代理 :2007/10/06(土) 01:27:43.74 ID:5Wxb+3Da0
- (;゚∀゚) 「俺は確かに落ちこぼれだ!でも、これだけは判る。お前たちのやってることは、単なるエゴだ!正しさなんて、微塵もない!
俺が生きてるうちは、絶対、認めねぇからな!全てのラウンドで負けたとしても……俺はしっかりと立って!俺が信じる道をいくからな!
そんだけだ!……言いたいこと、以上!!」
言い切った直後に湧き上がる歓声。長岡くんは、大きく右手を突き出した。こら、バッキングサボるな。
一面に広がる人から、送られてくる拍手、歓声、叫び。そしてダイブ。
視界の中にあるのは、それだけだった。
終奏。
最後のワンストロークが惜しくて、みんなで引き伸ばして、引き伸ばして、三人で、クラッシュシンバルとともに飛んだ。着地と同時に、終わる演奏。
……曲が、終わった。
(;゚∀゚)「……次で、ラストです」
響き渡る拍手の中、長岡くんは静かに言った。後ろを向いて、全員の顔を見た。
- 265: 代理 :2007/10/06(土) 01:29:25.90 ID:5Wxb+3Da0
- 从'ー'从「……」
(´・ω・`)「……」
川 ゚ -゚)「……」
(;゚∀゚) 「……ラストだぜ」
あたしたちが最後の曲として選んだのは、『champagne supernova』。oasisの、セカンドアルバムラストを飾る曲。
CDの演奏時間は実に7分27秒に及ぶ。大作だ。
最初にやった二曲と比べると明らかにクールダウンな曲だけど。それもいいよねってことで、あたしが選んだ。
これが終われば。もうこの街ともお別れ。長岡くんとも、そうだ。
(;゚∀゚) 「がんばろうぜ」
从'ー'从「……うん」
カチカチと響くクーのスティックの音。
この曲が終われば。
次の世界に行くんだ。
そして今、気づいた。長岡くんは、それを見越して、『世界の終わり』を選んだんだ。
从'ー'从「……」
これでラスト。『champagne supernova』。
- 267: 代理 :2007/10/06(土) 01:31:12.56 ID:5Wxb+3Da0
- アコースティックのギターの上に、エレキが重なる。長岡くんのギターの上に、あたしのギターが。
从'ー'从「……あれれ?」
そのはずだったんだけど。
从;'−'从「ちょっと!長岡くん!」
マイクの前の長岡くんを大声で呼ぶ。
从;'−'从「曲が違うよ!」
違う、このイントロは、『champagne supernova』じゃない。そうだ、この曲は。
从;'−'从「これは、『today』だよ!」
( ゚∀゚)「そうだよ」
こっちを見て、長岡くんは言った。さも、当然のように。
从;'−'从「何言ってるのさ!最後の曲はシャンペンだって、決めたじゃない!」
( ゚∀゚)「そうだけど。気が変わったんだ」
从;'−'从「気が変わったって……ショボンくん!」
- 270: 代理 :2007/10/06(土) 01:32:01.14 ID:5Wxb+3Da0
- (´・ω・`)「あれ、僕も『today』だと思ってたけど」
川 ゚ -゚)「ちなみにっ、わたしも」
グルかよ。こいつらまで。
( ゚∀゚)「ほら、渡辺さん。ここまで来て」
(´・ω・`)「さ」
从;'−'从「なな……」
ショボンくんに後ろを押されて、マイクの前へ連れて行かれる。視線を、感じる。
从;'−'从「ちょ……あたしが!?」
あたしが、このマイクで、この観客の前で、歌えって?!
( ゚∀゚)「そうさ」
ギターを弾く手を止めずに、長岡くんは言う。
( ゚∀゚)「だって、俺、スマパンはわからないもーん」
从;'−'从「今めっちゃ弾いてるじゃんか!」
( ゚∀゚)「まぁ硬いことは言うなよ」
選手交代、みたいに、長岡くんはあたしの元居た場所へ。あたしはマイクの前に取り残される。
- 272: 代理 :2007/10/06(土) 01:33:38.56 ID:5Wxb+3Da0
- 从;'−'从「……ちょっと」
見えるのは、人、人、人。みんなあたしを見て、みんなあたしを待っている。
(炎^ω^)「うはwwwwボーカルおにゃのこだおwww」
内藤くんにつられて、他の男の人も騒ぎ始める。あんたは……また。これじゃあ、あたしが歌うしかないじゃない!
从;'−'从「……えっと、あの」
苦し紛れに、ピックを持つ右手を上げてみた。途端、湧き上がる歓声。
从;'−'从「……ははは」
歌うんだ。ここで、あたしは。
覚悟を決めた。そして、叫んだ。
从'ー'从「smashing pumpkins、『today』!」
今日は、いい日だ。それも、今までで一番の。
振り上げたピックを、あたしは思い切り振り下ろした。
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