( ^ω^)がマジ切れしたようです

16: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/06(土) 21:35:29.82 ID:5Wxb+3Da0
本編(ホテル編)

うつ伏せになりながら頭をもぞもぞと動かして、
布団の柔らかさを充分堪能した後に、
ドクオはそっと小さく目を開けて、ベッドの上からそれを眺めた。

ベッドの傍、チェスをするのに随分便利そうな木製テーブルの上に
置かれているアロマの御香。
この部屋に案内してくれた従業員の話によれば、、
一流の調香師によって特別ブレンドされた、世界にただ1つの代物らしく、
このホテルの名物でもあるらしかった。

ドクオはそれの香りが気になって、
ベッドを元気よく飛び起きると、近寄って早速嗅いでみる。

('A`)「……ワカンネ」

ドクオには、この香りは理解出来なかった。いや、
微かに混じる百合の匂いが、ドクオにとってはむしろ不快であった。

('A`)「ま、いいや」

再びベッドへダイブし、その柔らかさをまたも味わおうとした。
布団はまるで積もった雪のように、反発することなく
ドクオの身体を沈めていく。

('A`)「あ、そうだ」

ドクオはガバっと顔を上げる。



17: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/06(土) 21:37:33.74 ID:5Wxb+3Da0
爆発痕のように膨らんだ積乱雲。
バックは宇宙の黒を忘れさせるような素晴らしい青の空。

気持ちのいい朝だ。

立ち上がり、よろよろと歩きながら窓の傍の一人用ソファへ腰を下ろし
設置されている小さな冷蔵庫の中から、缶ビールを一本取り出すと
窓際にコトリと音を立ててそれを置いた。

('A`)「う〜ん……」

しかし、それを再び冷蔵庫に戻す。
流石に朝から飲むのは気が引けた。

ベッド脇の電子時計は8時を示している。
そろそろロビーに降りなければならない時間だ。
朝食はそこでバイキングか、ラウンジで軽く取るか、選択するらしい。

そろそろ行かねば、とドクオは立ち上がった。



21: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/06(土) 21:39:30.77 ID:5Wxb+3Da0



扉を開けて、自分の部屋「305号室」の鍵を閉める。
廊下に灯りは付いていないが、吹き抜けの真上についている巨大な天窓が
太陽光を通して、自然の明かりを廊下にもたらしていた。
多少薄暗いものの、この青暗い雰囲気はドクオにとって心地良いものだった。

敷かれている赤い絨毯と黄土色の壁が、どこか古風なイメージを醸し出している。

「ああ、自分は今別世界に居るんだな」

ドクオは嬉しそうにそう考えた。
実際にこの地が別世界にある……という意味ではなく、
日常から離れている。という事実を表したかったようだ。

('A`)「ふ〜ふっふふ〜ん」

似合わない鼻歌を歌いながら、ロビーへ向かうため階段を下りた。
下りている最中、急にドクオは鼻歌を止め、目を丸くさせた。
踊り場にて、奇ッ怪な少女を見かけたからだった。



24: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/06(土) 21:42:17.29 ID:5Wxb+3Da0

_ミ`ー‐、
  `⌒丶、'ー-、_       +             十
     ̄\―ヽ._ 二_‐-
       \   \   ̄ ‐-       ̄二二_ ―_,r'⌒ヽー、
        ̄\ ̄ \‐-     ╋__..ニ -―― ´ ̄ __... -―一┘
  +  ニニ ー--\   ⌒Y´ ̄ `丶     __,. -‐二´  ̄ ―     +
           ̄\    !   =,. -‐ 二_          /ヽヽ
          _   ヽ.._     ノ           /ヽヽ  \
           ̄   〉   ー- ノ三二   +    \    _
    十       ̄―/  ,'   /二  ̄ _      _     ∠、
        ニー/⌒∨  /  二/ /⌒'l    ̄    ∠、    oノ
      _   / l /二    /  ,イ  |二_      oノ    /
        / /| / .ノ川〈. ′ / | _|__     ╋   /     /^ヽノ
      ̄_/ _/_ヽ_,川川川_,/  |  |_      /^ヽノ
     彡ニ ,ノ __(川川川川)_   〈__ 三ミ      +
   +  `⌒   ̄川川川川川川             


(゚A゚)「…………!」

この世には触れてはいけないものがある。
そんな当然なことを、ドクオはやはり、思い出した。

頭をドリルのように回し、地面に穴を開けるかのように動くこの少女。
踊っているのだろう。踊り場で本当に踊っている。
認めてはいけない。それは間違いなかった。
ドクオは思った。
タブーだ……知ってはいけない、見てはいけない、そんな存在だ、と。
そうだ、テレビがくそったれ創価を隠すように、俺もスルーしよう! と。



25: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/06(土) 21:43:06.11 ID:5Wxb+3Da0


ドクオは思った。
タブーだ……知ってはいけない、見てはいけない、そんな存在だ、と。
そうだ、テレビがくそったれ創価を隠すように、俺もスルーしよう! と。



27: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/06(土) 21:44:44.02 ID:5Wxb+3Da0

((  ))グルン! グルン!         (゚A゚ )<沢尻のあれはビビッタナァ

   ((  ))グルン! グルン!  (゚A゚ )<1リットルの涙で惚れたタチだからマジやるせねぇし
          
  ウワッ! 風圧スゲェ!!>(゚A゚;) ((  ))グルン! グルン!

あの靴で踏まれてぇ>('A` )  川 ゚ -゚)ピタ

    ……?>('A` )   (゚- ゚ 川 クルッ

    ハッ!>('A`;) (゚- ゚ 川 ………


      ('A`;)(゚- ゚ 川
    ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ



31: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/06(土) 21:46:11.87 ID:5Wxb+3Da0
少女は踊りを止めて、ドクオの後ろにピタリと張り付いていた。


('A`;)「(うわッーうわッーうわッー)」


(゚- ゚ 川「いや……"いいねえ"〜〜〜! 君はマジにクズっぽいね!
     君はガチにヘタレの塊だろ。いやわかるんだ!
     君は本当に情けないクズだ!

     おれね……! 人のクズっぷりがわかるんだ。
     いやまあ……ほぼ間違いないかな」

('A`;)「(……ふいんk(ryから察するに、この娘は美少女か……?)」


(゚- ゚ 川「顔の皮膚を見るとわかるんだ。【汗】とかでテカるだろ?
     その感じで見分けるんだ……… 【汗の味】をなめればもっと 確実にわかるかな」

この状況下、ドクオは
終始無言を貫くという、まじ空気の読めない選択肢を当然のように選んだ。

('A`;)「(何だよきめぇ………ん? 汗を、舐める……? 美少女が……俺の"何"を……!?)」

ドクオは何かを思いつき、既に股間を膨らませた。



32: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/06(土) 21:47:40.59 ID:5Wxb+3Da0


(゚- ゚ 川「私の踊りを無視して素通りした奴がいた……あれじゃあ怒りは収まらねえ……マジ切れだ……


     誰 が 【スルー】 し た の か ! 調べてる……」




('A` )「(チ○コって、汗腺あったかな……)」

ドクオはこの少女が3日前から会っている、あの少女と同一人物とは思い出していなかった。

(゚- ゚ 川「ド ド ド ド ド ド ド ド」

('A` )「(まさかフェラフラグが立ったとはな……旅とはエロゲ的展開なり……)」



34: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/06(土) 21:50:05.46 ID:5Wxb+3Da0
呑気なことを考えていたドクオだが、段々と
時がたつにつれ、怯えが現れ始めたのだった。
少女の異常性、まさに「ネジが取れた」ような人間性をふつふつ思い出していったからだ。

('A`;)「…………」

(゚- ゚ 川「ゴェェ!!ガハッ!ゴェェェ!!」

('A`;)「………!!」

(゚- ゚;川「……」

(゚- ゚ 川「……」






(゚- ゚ 川「ひああああああああああああああああああああああああああああ
       ああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!」

(゚A゚ )「あああああああアアあああああああああ!!!!!!」



35: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/06(土) 21:51:40.05 ID:5Wxb+3Da0
ドクオは夢中で階段を駆け下りた。
フェラフラグなど考えていた彼だが、流石にことの重大さは受け止めた。
殺人鬼の捕まる直前の叫びのようなものを聞かされたのだから、
むしろ逃げない方がおかしい。

(゚A゚ )「ウワアアあああああああああああああああああああああああ」

階段を下り終えて、ロビーを無我夢中で走り抜けようとするドクオへ、ジャムが声を掛けた。

( 咒)「おはようございますドクオ様、一体どうされました?」

(゚A゚ )「おわあああああああああああああああああああ!!」

( 咒)「…………」

ホテルの美観を損ねる、そうジャムは判断したのかもしれない。
従業員の1人をよこした。

(従゚ゝ゚)「まて!」

その従業員は猪のように突進するドクオを片手で受け止めた。
もし彼がドクオを止めなかったら今頃、たっぷり水の入ったガラス花瓶が壊れていただろう。

(゚A゚ )「ハッ!」

ドクオはやっと正気を取り戻した。



36: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/06(土) 21:53:08.79 ID:5Wxb+3Da0
そして首を左右にきょろきょろと動かし、周りを見渡す。

('A`;)「こ、ここはフロント……いやロビー?!」

( 咒)「……御朝食はどうされますか? ミニレセプションでバイキングか
    カフェテラス&ラウンジでの軽い食事、この2つがございますが」

('A`;)「あ……え、え〜……と……」

人見知りに加え、あんな奇怪な出来事に遭遇した今では、声は中々出ない。

('A`;)「え…と、じゃぁ……他の人はどうです……?」

あの少女に今会うのは気が引けた。今は。


( 咒)「渡辺様と住しょ……失礼しました、渡辺様とクー様と内藤様はバイキングです。
    ショボン様はラウンジでの朝食をお選びになられました」

('A`;)「じ、じゃ……ラウンジ……」

( 咒)「かしこまりました」

歯切れのいい返事を返すと、
ジャムは踵を返し、フロント奥の扉へ消えていった。



38: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/06(土) 21:54:47.27 ID:5Wxb+3Da0
ξ゚听)ξ「こちらへどうぞ」

美しいコンシェルジュが案内し、ドクオはまるで糸をつけられたかのように
ふらふらと導かれていった。

別にこの女性に気があったわけではなく、
恥ずかしさとほんの少しの嬉しさがあったため、そんな風に誘導されたのだった。


ラウンジに着くと、コンシェルジュは会釈をしてから立ち去った。

ぼうっとその後ろ姿を、ふぬけたように見続けていたが
やがてラウンジへと目を戻した。


('A`)「……おぉ」

思わず感嘆を洩らした。

巨大な一面の窓から差し込む木漏れ日と庭の樹木が心を穏やかにさせる。

ラウンジの中央には円形の台の上に黒のグランドピアノが鎮座している。
その台の近くの壁にはステンレスのプレートがはめ込んであった。
このピアノの歴史などが細かく書かれており、
夜には「ビリー・シアーズ」という人物が演奏するようだ。



40: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/06(土) 21:57:40.76 ID:5Wxb+3Da0
全体に茶基調の、このラウンジは落ち着いた雰囲気で
空気は引き締まりつつも緩やかだ。

耳を澄ませば、僅かだがカップと皿の触れ合う小さな硬音が聞こえた。
その方向へドクオは目を向ける。

優雅な振る舞いの男性が、ソファにもたれ掛かりながら
薄手のペーパーバックを片手に、コーヒーを嗜んでいた。


('A`)「……あの人は……」

ドクオはあの男性がショボンという名の人物ということは知っていたが、
親しみを込めて挨拶出来る程の仲でもない、
自分にそんな度胸など無い、と決め込んでいたので
パっとショボンから目を離してしまった。

しかし、当のショボンはドクオの姿に気付き
ドクオの方を眺め、
手招きをした。


('A`)「…………」

無下に断ることなど、ドクオには出来ない。
嫌な気まずさを携えて、トボトボとショボンの近くへ向かった。



41: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/06(土) 21:59:34.84 ID:5Wxb+3Da0
('A`)「……ど、どぅ…も」

(´・ω・`)「おはよう」

光沢を持ったマホガニーのテーブルに持っていたペーパーバックを置くと、
ショボンは軽く挨拶をした。
ドクオもつられて返したが、その場で固まってしまった。

(´・ω・`)「かけなよ」

ソファを顎で指した。
優しげな声色だったが、言い返せない魔力のようなものも秘めており、
ドクオは怯えを少し持ちながら腰掛けた。

(;'A`)「…………」

(´・ω・`)「朝食のメニューはそこにあるよ」

テーブルの上にあった、そのメニューをドクオはパっと取り
必死に眺めた。
こうでもしないと、気まずさに耐え切れないからだった。

ふと、ドクオはテーブルの上のショボンの朝食へ目をやった。
 ふっくらと焼き上がったスコーン、ブラックのコーヒー、
スコーンにつける蜂蜜の取り皿がそこにはあった。

蜂蜜の気だるい甘みを持った匂いは、ドクオの鼻腔奥を強く刺激した。



44: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/06(土) 22:01:10.65 ID:5Wxb+3Da0
(´・ω・`)「どうした? スコーンが食べたいのかい?」

(;'A`)「あッいやぁ……その……!」

不十分な返答をすると、ドクオは慌てて再びメニューを覗いた。

しかし、そのメニューはコーヒーだけでも
ドクオには理解出来ない名称のものが10以上、
サンドイッチもワケの分からない名前のものばかりだったので
ドクオは意味も分からず
ただただ、しげしげとメニューを見続けていた。


しかしようやく、「ホテルはパン造りに力を注いでいる」という情報を思い出したので
一番値段の安いバケットを選択し、
たまたま近くを通りかかったボーイに小声で告げた。

注文したパンが来るまでの間も、ドクオはよそよそしい態度だった。
そんなドクオを見てるのか見てないのか、
特に気にしないといった様子でショボンはドクオに話しかけた。

(´・ω・`)「君は……」

(;'A`)「えっ? ぁあ!? え?」

(´・ω・`)「…………」



46: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/06(土) 22:03:07.94 ID:5Wxb+3Da0
(´・ω・`)「君は……」

(;'A`)「は、はい」

(´・ω・`)「何のためにここに来たのかい?」

陶器のポットでコーヒーを、カップに継ぎ足しながらショボンは問いかけた。
湯気が立つ。それは2人の間をすり抜けながら上へと昇っていく。


しかし、コーヒーの熱とは対照的なほど
ドクオの顔は青ざめていた。
ぶつぶつと呟きながら。

(´・ω・`)「どうした? 何かやりたいことでもあるのかい?」

(;'A`)「え……えぇと、そんな……! いきなり存在理由求められても」

(´・ω・`)「そんなことは聞いてない」

スコーンを手に取りながらショボンは反射的にツッコんだ。
それをドクオに手渡す。
ドクオはしぶしぶ、リスが団栗を齧るようにしてそれを食べ始めた。



48: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/06(土) 22:04:15.62 ID:5Wxb+3Da0
(´・ω・`)「つまり、だ。君はこの旅行で"何"を手に入れる?」

('A`)「…………」

ドクオは返答することなく、スコーンにかぶりついていた。
蜂蜜をつけることをショボンは勧めたが、
ドクオはそれを断った。もう口から離したくなかったからである。

ショボンは話を進めた。

(´・ω・`)「まさか、ただの娯楽ってわけじゃあないよねぇ?
       こんな滅多に無い機会を、無下に過ごすってわけじゃあ……ないよねぇ?」


(;'A`)「……ぅう」

あった。あるハズなんだ。
ドクオには、確かに来る目的はあった。

"自分を成長させたい。ヘタレから離脱したい"というものを。


しかし、ドクオは友達が誘わない限りは家で過ごすタイプだった。
外出などたまにコンビニに行くくらい。生粋のインドア派だ。

そんな性質なものなので、
たとえ旅行したとしても、宿泊先から出ることはほとんど無く
部屋でゴロゴロ過ごすばかりなのだった。



49: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/06(土) 22:06:57.98 ID:5Wxb+3Da0
だから、ドクオは正直嫌だった。
「誰かの世界へワープする」という行為は。

初日は、自分の世界だから一時帰還という感じで
納得させていたのだけど。 

何だか疲れも取れていないようで、気だるさが身体を支配している。


そのため、ドクオは今日休みたかった。
折角の豪華な部屋なんだから――という惜しみもあった。

それに確か今日はあの変な娘の世界だ――
ドクオは思い出すと、更に気分を重くさせた。

"行きたくない、行きたくない"

仮病を使おうか……ドクオは思考していた。



50: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/06(土) 22:08:38.93 ID:5Wxb+3Da0
するとボーイが現れ、丁寧な仕草で机に
ドクオの頼んだバケットとバターの切れ端のある小皿を置いた。
一礼した後ボーイは颯爽と動き出す。
観葉植物の影に隠れ、やがて見えなくなった。

丁度スコーンを食べ終えていたので、
サっとバケットに手を出した。

バターをバケットの側面に塗りたくっているドクオの姿を
ショボンは冷ややかに見ていた。
やがて、ショボンは最後のスコーンを食べ終え、コーヒーを飲むと
ペーパーバックを手に、立ち上がった。

(´・ω・`)「まあ、いいか。好きにすればいい。
       使えるかと、思ったんだけどね……」

('A`)「え?」

(´・ω・`)「いや、何でもないさ」



51: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/06(土) 22:10:46.60 ID:5Wxb+3Da0
(´・ω・`)「それじゃドクオ君、また会おう」

背を向け、ショボンは歩き去った。
その姿も、やがて見えなくなる。


ドクオは1人となった。
気を楽にしながら、朝食を食べ続けた。

・・・ ・・・・


('A`)「ふう……」

食べ終えたので少し溜息をつく。

この居心地のよさを堪能しながら。

そして、少しの寂しさを抱えながら。



54: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/06(土) 22:13:06.10 ID:5Wxb+3Da0
('A`)「どうしようかな……」

ドクオはぼそりと呟き、立ち上がる。
周りに人は居ない。ホっとした気分でさっさとラウンジから出た。
「出る」というよりは、「上がる」と言うべきか。
フロントの横に広がるラウンジは段差を境に、フロントと区切られていた。

磨かれた大理石の階段をスニーカーの裏で少し汚しながら
ドクオはフロントに行くとジャムの姿を発見した。

一瞬迷ったが、声をかけることにした。

('A`)「あ、あの……すぃません……」

おどおどした口調だった、親しくない人間に対してはこれがデフォルトだった。

( 咒)「はい、何でございましょう?」

対照的に、ハキハキとした口調だ。

('A`)「あ……いや。その俺……ちょっと今日なんか……えと…」

水に浮いたバルサのようにふわふわと浮いたドクオの心と口調は
やがて着地した。


(;'A`)「ちょっと今日……腹が痛くって……」



55: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/06(土) 22:15:05.20 ID:5Wxb+3Da0
( 咒)「…………」

(;'A`)「だから、ちょっと……今日はムリっぽいです、スイマセン……」

これは嘘だ。ジャムも当然それに勘付いている。

( 咒)「大丈夫でございますか?」

(;'A`)「大丈夫です、休めば直ると思います!!」

( 咒)「かしこまりました。今日はお部屋で御寛ぎください」


アッサリと了承したジャムにドクオは少し面食らったが、
やがてこれを事実と認識すると、フツフツ喜びが沸き起こった。

(*'A`)「あ、どうも……!」

( 咒)「いえいえ。当然のことでございます。医者をつけましょうか?」

(;'A`)「あ、大丈夫です!! これ精神的なアレっすから!」

苦しい言い訳をしつつ、ドクオはジャムを止めた。



59: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/06(土) 22:17:42.08 ID:5Wxb+3Da0


「今日行かなくていい」という、
この喜びに触発されてドクオはついつい調子に乗ってしまい、
図々しい願い事をジャムに頼んだ。


(*'A`)「すいません18禁のエロゲーム用意してくれません?」



( 咒)「………」


(咒)



( 咒)「かしこまりました」



61: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/06(土) 22:20:00.52 ID:5Wxb+3Da0
( 咒)「君、後で君の秘蔵のゲームを持ってきてください」

フロントの受付にて資料の整理をしていた従業員の1人にジャムは命令する。

(従゚ゝ゚)「はい」

フロント奥の扉へその従業員は小走りで向かっていった。

( 咒)「それでは、今日は欠席ということで……」

(*'A`)「はい、お願いします!」

( 咒)「………」

(*'A`)「wktkwktk」


ドクオはそそくさと自分の部屋へ向かおうと、階段をのぼった。

(;'A`)「……また会ったらどうしよう……」

ドクオは先程からずっと、そればかり考えていた。
住職と名乗るあの少女のことが頭から離れない。
忘れよう、と心の中で念じても
「でもあの子、可愛いよなぁ……」という変な感想が代わりに浮かび上がるだけだった。



62: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/06(土) 22:21:22.39 ID:5Wxb+3Da0

ドン

( ^ω^)「あうち」

('A`)「ぺぷし」

ドクオと、肥満体の男との肩がぶつかりあった。
拍子に、その男の持っていたサンバイザーがコロン、と赤絨毯の上をかろやかに弾んだ。


( ^ω^)「……」

('A`)「……」

( ^ω^) ド ド ド ド ド ド ('A`)



67: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/06(土) 22:24:04.26 ID:5Wxb+3Da0
(;^ω^)「大丈夫かお」

('A`;)「は、うん……」

特にバトルも発生せず、この場はほぼ決着した。
ドクオはサンバイザーを拾った。
そのサンバイザーは真っ赤で、鍔の所は「店長」と書き殴られてある。
興味を持ちつつも、ドクオは男にそれを渡した。

( ^ω^)「おっおっお、ありがとうだお」

手渡されたサンバイザーを男は反射的に被った。
その瞬間、男の身体が光に一瞬包まれる。

('A`;)「……!」

(炎^ω^)「拾ってくれてありがとうだお!!! 何かお礼がしたいお!! 
       俺に出来ることがあればなんか言ってくれだお!!!!!」


('A`;)「うわ」


ドクオは正直、男のテンションの高さにヒいた。



68: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/06(土) 22:26:35.74 ID:5Wxb+3Da0
(炎^ω^)「分かる! 君が必要なのは快適なオナライフだお!!!!
       てことはエロゲが必要ってことだお!!???
       ちょっとまつお!」

男――アニメ店長ことブーンは自室へマッハで走った。
1人残されたドクオは「逃げたい」という衝動に駆られてしまう。


('A`;)「(何あるテンションの高さ!? うわーうわーわーこえぇ〜よな〜。
     ちょっと本格的なあれだな、うん)」

ドクオは逃げた。


・・・ ・・・・

('A`)「はぁ〜〜〜〜んん!!」

絶頂しながらドクオは自室でノートパソコンをやり続けた。
とりあえず2ch
巨大な窓から見える雲の白い流動など脇目に振らず、ただただ熱中する。

(;'A`)「くそっ専ブラ投入できないのが辛いぜ! 」

自分の使命すら忘れて、
快楽のみを求めていた。



71: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/06(土) 22:29:33.03 ID:5Wxb+3Da0
うーんと背伸びをしながら呟くと、流石に疲れたのか
目をぱちぱちとさせた。

('A`)「ふー、そろそろ煽ってやるか」


(*'A`)「ほ☆ほ☆保守だぜみくるんるん」

コンコン

(*'A`)「戦争様ー!!11wwwwww」

コン……コン

(*'A`)「ぱあ、しょこたんとインしたいおー!!」

コンコンコンコン

(*'A`)「『この薄汚い豚を罵って下さい』!!!!」

ガチャ

(従゚ゝ゚)「豚なんだ」


(゚A゚)



72: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/06(土) 22:31:33.00 ID:5Wxb+3Da0
(゚A゚)「あばばっばばばばばばばばああっばばばb」

(゚A゚)「ちょっと待って!! 何でここに!!??」

弾けるようにドクオは立ち上がると
まるで最後の八神月の弁解のような身振り手つきをし始める。
目の焦点を定めず、涎を飛び散らせながら。

(従゚ゝ゚)「あ、あのさ」

(゚A゚)「あばばっばばばばばばばばああっばばばb」


あまりにもドクオが錯乱していたため、従業員は子守唄を歌うことにした。

(従゚ゝ゚)「スージ ビラ オーメコ」

('A`)「はッ!! ここは一体……」

ドクオは正常な意識となった。
目をぱちくりさせながら、従業員に問いかける。

('A`)「な、なにか用で……?」

(従゚ゝ゚)「エロゲ持ってきたんだ」

d('A`)



75: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/06(土) 22:33:15.39 ID:5Wxb+3Da0
一瞬で打ち解けた2人は共にそのエロゲームをやりあうことにした。


(従゚ゝ゚)「お前年齢制限ぜってー越えてねーだろ」

('A`)「ああいうのは精神年齢だから」

(従゚ゝ゚)「把握した」

しかし男同士でAV鑑賞は友情の確かめ合いと言えども
エロゲームの場合はどうだろうか。
選択肢の出る、お互いに好きなキャラが居る―――
 途中で亀裂が走るのは、当然のことだった。

途中nice boat.になりつつも

人見知りのドクオがはしゃぐ程、2人は打ち解けていった。



77: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/06(土) 22:35:30.98 ID:5Wxb+3Da0
('A`)「あー遊んだ遊んだ」

結局エロゲームを中断し、ドクオはベッドにどさりと倒れこんだ。
従業員はパソコン前の椅子に腰掛けている。

(従゚ゝ゚)「ああ」

('A`)「ところで何でまだここに居るの?」

ドクオは前々から思っていた疑問を口にした。

(従゚ゝ゚)「休憩時間だから」

('A`)「え? で、でも」

「だから、何でここに?」という疑問を口にしようと思ったが
流石にそれは傷つけてしまうかも、と
ドクオは思った。せっかく打ち解けた人間に嫌われたくない。

(従゚ゝ゚)「ん? なんつーか、楽しそうだから」

('A`)「楽しそう?」

多分いい意味だろ、とドクオは心の中で考え
少し嬉しくなった。

(従゚ゝ゚)「(言えん……まさかそのパソコンに隠してた熟女フォルダを見られないように、だなんて……)」

すると、ホテルの下の方から物音がした。



80: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/06(土) 22:37:11.34 ID:5Wxb+3Da0
('A`)「今のは……」

(従゚ゝ゚)「ああ、そろそろ行ったか」

('A`)「行ったって……?」

(従゚ゝ゚)「お前以外の4人が他の世界にな。……たしか、クーとかいう変わった娘の世界だったか」

その言葉を聞いた瞬間、ドクオの顔が急激に熱く赤くなった。
汗も突然噴き出してくる。まるで蒸気を直接顔に当てられたような気分になる。
そんなドクオを、従業員は茶化す。

(従゚ゝ゚)「お? お? お? お?」

('A`;)「な、何だよ!!??」

(従゚ゝ゚)「クックックックック…… べつに?」

従業員の嫌味な言葉を無視して、
ドクオは考えに耽ることにした。



84: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/06(土) 22:38:47.70 ID:5Wxb+3Da0
……なんで……あの娘のことを考えちまっただけで
こんなにうろたえてしまう?

おかしい、俺は"あれ"には正直ヒいてるんだ。
だから、多分恐怖だ!!

でも、可愛い娘だった。

いやうん。
俺って、そんな恋愛とかしたことないし。
でも、頭から離れられない。

あの強烈なインパクトが段々と薄れていったかと思ったら
別の"何か"に変わっていくようだ。


何か……?


何かって……そりゃぁ……ねえ
吊り橋効果ってのがあってさ。



86: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/06(土) 22:40:08.78 ID:5Wxb+3Da0
ドクオは考えに考えて、とうとう、
気付いてしまった。


唐突だが、ドクオはクーに惚れていたのだった。
そうことだった。

ドクオはそのことを再び認識すると、
顔から湯気を出すほど熱くなった。

(従゚ゝ゚)「wwwwwwwwwwwwwwww」

('A`;)「だ、だまれ!!!」

あたふたしながらも、ドクオはそれを否定しなかった。

そんなドクオは、ふとある光景を目にした。

('A`)「……?」

従業員はノートパソコンのキーボードを素早くタイピングしていた。
心なしかその顔はどこか必死だ。

(従;゚ゝ゚)「(……ふぅ。これで……奴には見られまい!!)」

額の汗を拭きながら、従業員は安堵の溜息をついた。



88: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/06(土) 22:41:19.09 ID:5Wxb+3Da0
(従゚ゝ゚)「じゃ、休憩時間もあれだし、帰るわ。邪魔したな」

従業員は立ち上がった。肩をほぐすように回しながら玄関へ向かおうとする。
しかしドクオは制した。

('A`)「あ、まっ待ってくれ!!」

(従゚ゝ゚)「?」

「こんな奴でも、一応アドバイスはしてくれるかもしれない」
ドクオはそう考え、呼び止めたのだった。

(従゚ゝ゚)「ん?」


一応、引き止めることには、ドクオは成功した。(

('A`;)「えーっとその、つまり…アドバイっつうか……なんつうか」

ここまで言うと、ドクオは完全に言葉を失い顔を赤らめた。
そんな姿を見て従業員は茶化す。



93: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/06(土) 22:43:05.38 ID:5Wxb+3Da0
(従゚ゝ゚)「つまり、あの住職って娘に……ねえ」

ど真ん中一直線のこの言葉。
ドクオは頷くか、肯定しなければ話が進まないことは充分理解していた。
しかし……完全に身体が凍りつき、言えなかった。

「ウンコー!(゚∀゚)!」を口にして途中で区切ればいいだけの話なのだが、
今のドクオには、やはり、言えなかった。
頷くにしても、身体が凍り付いている。
ムリに首を動かすことも出来なかった。

しかしドクオの沈黙を、従業員は『YES! YES! YES!』と受け取り、
話を開始する。

(従゚ゝ゚)「自分から動くしかないんじゃないの」

('A`;)「!!!」

激震がドクオの身体に走る。

(従;゚ゝ゚)「いやお前……そうするしか」

('A`;)「ぅうっ……」

ドクオは死んでも自分から動きたくなかった。



95: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/06(土) 22:44:48.59 ID:5Wxb+3Da0
ドクオは今までの人生、告白をしたことなど無かった。
好きな娘は沢山作ってきたが、恋人など一度も作ったことは無い。告白された、など論外だ。

好きな娘へのアプローチなど、せいぜいその娘の近くでクールに装うくらいしかしていない。
相手側から自分のことが好きになるなど、心の底では「ありえない」と理解していたが
止めることはなく、高校生になった今でも続いている。


一度だけ、告白してみようと考えたことはあった。
だがしかし、想像した瞬間にその娘の姿を見ただけで、心臓が驚くほど跳ね上がってしまうのだった。
自分の身体を彼女の近くへ寄ろうものなら、脳味噌がボイル焼きになってもおかしくないほど、興奮していた。
喉も詰まっていた。
万場一致で「不可能」な状態だった。

この経験の後に、自分には恋愛は出来ないと、ドクオは悟った。
告白する勇気など一生持てはしない。これから告白されることだって、絶対無いだろう……と。

それでも好きな娘の目の前でのクールな振る舞いを止めることは無かったが。

諦めつつも、何処か諦めきれず。
しかし心の底では憧れがあった。

そんなしがらみをドクオは持ち続け、綺麗な街ことヴィップにて
ブーンやショボンと気だるい友情を結んできた。

その2人も恋愛に無縁とは思っていたが、
最近はそうでもないみたいだったので、反発感を少しドクオは抱いていた。些細なものだったが。

そして、CPについての意見で決別し、その直後に、この旅行に来ようと決めたのだった。



100: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/06(土) 22:47:03.25 ID:5Wxb+3Da0
('A`;)「……で、でもなぁ……」

(従゚ゝ゚)「旅での出来事だぜ? 開放的に……さ」

('A`;)「ないよ……」

('A`;)「……」

('A`;)「(なんだこの沈黙)」


('A`;)「で、どうすれば?」

(従゚ゝ゚)「告白すれば?」


('A`;)「えぇ〜……」

死んでも嫌だった。



103: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/06(土) 22:48:39.10 ID:5Wxb+3Da0
露骨にドクオは嫌な顔をする。

(従゚ゝ゚)「それ以外どうしようもねえじゃん」

その言葉には、ドクオは否定出来ない。
苦し紛れに、ぽつぽつと文節を区切った喋りをする。

('A`)「ん、んん」

ドクオは頭を軽く混乱させていた。

(従゚ゝ゚)「あっちから告ると思うか?」

('A`)「ないだろ……」



106: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/06(土) 22:49:28.39 ID:5Wxb+3Da0
(従゚ゝ゚)「だろ、じゃあもう、自分から動くしか」

('A`;)「……」



そこから先は、言わないでもドクオは理解していた。
ドクオは思わず項垂れて、やる気のない溜息をつくと
顔を上げながら、今度は愚痴をこぼした。

('A`;)「でも……さ、俺なんか成功するわけないじゃん……だってさ」

(従゚ゝ゚)「するかしないかはやってみないと分からんだろ」

('A`;)「え、でもさ……つーか」


('A`;)「マジ屁理屈だし」

(従゚ゝ゚)「……じゃあな」

再び従業員はドアへ向かった。ドクオは慌てる。

('A`;)「あ、まままままま待って!! ゴメン僕がチキンなんですう!!」



109: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/06(土) 22:50:58.39 ID:5Wxb+3Da0
(従゚ゝ゚)「……」

従業員は足を止めた。

(従゚ゝ゚)「ま……今の状態じゃ、どうせ失敗すんだろうな」

('A`;)「うッ……」

ついつい心の中で、「理不尽だ」と呟いてしまう。

('A`;)「じゃあ、諦めろってことかよ」

(従゚ゝ゚)「そうは言ってない」

('A`)「で、具体的にはどうすればいいんだろ?」

(従゚ゝ゚)「普通なら、まずは友達とか?」

('A`;)「う〜……ん」

ドクオには難しいものだ。その行動自体、やる勇気がないのだから。
それ以前に、仮に告白が成功してもどうすればいいのかが分からなかった。



114: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/06(土) 22:52:03.23 ID:5Wxb+3Da0
恋人になって何をするのか。度胸のないドクオにはデートすら、もってのほかだ。
旅先で会ったのだから、すぐ離れ離れになる。
別世界同士の人間なのだから、それはもう遠距離というレベルではない。

しかし、告白しないままというのも、気が引けるものだ。
思いを伝えられずに別れる。これが辛いことだとは、
ドクオも理解していた。


(従゚ゝ゚)「gんgr」

('A`;)「……」

ドクオは思った。チャンスは既にほぼ無いのではないかと。
既に自分の世界は回ってしまっている。
そして今は、あの娘の世界だ。これから回る世界は、あの娘とも自分とも関係のない……
何となくだが……これは、最後のチャンスのような気がしてきた――



118: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/06(土) 22:52:58.92 ID:5Wxb+3Da0

……行くだけでも、
せめて、行くだけでも。

ドクオは従業員を見た。
従業員は既にドアノブに手を掛けていた。
声を張り上げる。

('A`;)「まだ別世界にワープ出来るかな!!??」

従業員は振り向くことなく、返答した。

(従゚ゝ゚)「ジャムさんに頼めば?」

弾けるように、ドクオの身体は動き出した。




・・・ ・・・・



120: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/06(土) 22:53:47.78 ID:5Wxb+3Da0
( 咒)「それは驚きましたね……」

息切れしながら、肩を揺らしているドクオの
急で意外な申し出に、少しの当惑をジャムは見せていた。

('A`;)「お、お願いします……」

( 咒)「いや、いいでしょう。遊園地を開けておきます」

('A`;)「あ、ありがとうございます……」

( 咒)「しかし、驚きました。一体どうされたのでしょう?」


('A`;)「えと、その……  腹痛が、治ったんで」

苦し紛れの回答だったが、ジャムは満足気な顔を見せた。
そして、玄関を開けた。その玄関の先は

遊園地へ。

そして、

クーネジの世界へ続いている。(ホテル編終)



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