( ^ω^)がマジ切れしたようです

127: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/06(土) 22:56:16.69 ID:5Wxb+3Da0
クーネジ世界編

ドアのように形の光が突如、閑静な住宅街にポウっと現れると
その中から1人の男がフワリと飛び出し、アスファルトの道路に降り立った。
その男は、ドクオだった。

('A`)「ここが……あの娘の居る、世界……」

特に変わったところのない、普通の町並みだ。
住宅街、公園、遠くに見える学校の校舎、全てがありふれた景観だった。
あまりにも普通すぎて、クー住職とのギャップにドクオは面食らってしまっている程だ。
太陽がまぶしく、ジリジリと暑い。
アスファルトから発せられる空気の歪みを一目見るだけで嫌になる。

('A`)「どうすりゃいっかな……?」

確か、ネジが外れていると言っていた気がする。
そりゃあんな言動と行動で外れていない奴は居ないだろ。
でも、ネジは何処にあるんだ?
まさか、この広い町から1本のネジを探さないといけないのか?
ドクオはここでの目的を見出した瞬間、溜息をついた。

('A`)「マンドクセ……」

とぼとぼと考えも無く、歩くことにする。

すると横に、公園が見えた。
そこには何処か、
見たことのあるような人がぐるぐると歩き回っていた。



130: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/06(土) 22:57:04.92 ID:5Wxb+3Da0






        ξ*'A`)ξ クーちゃんどこいっちゃったのぉ〜??
        ノ(  )ヽ
         <   >







壁|A゚)

  



135: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/06(土) 22:58:08.26 ID:5Wxb+3Da0
自分と瓜二つの人間が女装をしていた。付け加えるなら、狂っていた。
この状況にどうすることも出来ず、
ドクオはショックのあまり過呼吸を起こしそうになっていた。

思わず反射的に壁に隠れたドクオだったが、どうやらその行為は成功だったようだ。
何故ならその「謎のキチガイ瓜二つ」は、すぐさま人を探すようにキョロキョロと周りを見渡していたからだ。
その目がまた、恐ろしく充血している上に狂気を帯びていた。
あの目で見られたら本当の親も必死で逃げ出すだろう。
鼻の下を伸ばして猿のような表情になりながら涎をブラブラ、唇の端から揺らしていた。
巻き髪も明らかに安物のカツラで、ツヤがなく、ぱさぱさ且つボサボサだった。
間違いなく職務質問どころか緊急逮捕されるレベルだ。


ξ゜A゜)ξ「………」

そのキチガイは、ドクオの隠れている壁をじいぃ……っと見つめていた。
ドクオは心底ゾっとしながら、震えて壁の裏に隠れ続ける。
既にキチガイの涎は垂れていた。
充分、狂気も瞳に宿らせている。
今にもバッグから肉包丁を取り出し、人を追いかけて刺し殺そうな雰囲気を醸し出していた。
段々鼻の下が伸びていき、上の唇が口内に徐々に徐々に入り込んでいく。
猿の表情になる。
それでも鼻の下を伸ばし続け、最終的に鼻の穴が余すことなく周囲に露呈された。

('A`)「gkbrgkbr」



141: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/06(土) 23:00:36.51 ID:5Wxb+3Da0
('A`)「ど、どうしよう……こんなときにはどうしよう……」

('A`)「そうだ! 素数を数えればいいんだ!」

('A`)「2、4、6、8、10……」

('A`)「続きが分からないなぁ」

ドクオは周囲の人間に素数の続きを教えてもらおうと考え、
近くを通りかかった人に尋ねた。
本来ドクオは小心者のはずだが、こういう緊急事態のときにのみ、
行動力は発揮される。


('A`)「すいません素数の10の次って何でしたっけ?」

ξ'A`)ξ「ふぇぇ〜? ドク子、分かんな〜い」

('A`)「あ、そうすか……」

ドクオは目の前の人間に会釈をした。



144: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/06(土) 23:02:00.16 ID:5Wxb+3Da0
ξ'A`)ξ「肉便器って何ですかぁ〜^^?」

('A`)「は?」

目の前の人間の言動に、たじろいだドクオは
その人間の顔をよく 見た。


瓜二つだった。



ドクオは無意識の内に記憶をリプレイした。気づいた。


(゚A゚)「あばばっばばばばばばばばああっばばば!!!!111」

尋ねた人は、キチガイでした。



148: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/06(土) 23:03:20.89 ID:5Wxb+3Da0
ξ'A`)ξ「ふぇ?」

(゚A゚;)「きゃいいいいいん!1111」

その後はダイナミック点を高得点取れる勢いで、アテもなく駆ける。


      ┌    三ニ一
  └('A` )┏   三ニ一
   ┌ヽ ノ┘  三ニ一
   ┛     三ニ一  ドピュっ


このスピードにはスカートをはいていたキチガイも追いつけない。
しかし、ドクオは快調な滑り出しに満足していたが
段々、疲れてくる。

('A`;)「ど、何処かへ隠れよう!!」

「ヤマ派」と書かれた看板が見えた。建物もその奥にある。
そこは音楽専門店のようだ。

何でもいい、
そんな勢いで、ドクオはドアに激突しそうになりつつ入店した。



152: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/06(土) 23:04:54.68 ID:5Wxb+3Da0
店内はクーラーが充分にかかっていて、
走りこんだドクオの熱した身体を急激に冷やした。
扉を入ってすぐ横には音楽の教材、バンドスコアなど詰められた本棚が並んでいる。
更に進めばギター、ベースの並んだエリア。
その奥にはアンプやメトロノームなどの商品があった。
ここは1階だ。2階にはまだまだ楽器が揃えられている。

店内は全体的に薄暗かったが、それが落ち着いた雰囲気を出していた。
かけられている曲、The Beatlesの「Across The Universe」が更にそれを引き立てる。
聴く人間の脳髄の隅々にまで響き、浸透するような美しいメロディに
ジョンレノンの声が気だるくも優しく乗せられていて、
まるで暗闇の中を駆け巡る賛美歌のようだった。

ドクオは英語など分からなかったが、この曲の素晴らしさは充分理解出来た。
普段音楽など興味もないのに、
立ち止まって聴き入ってしまっていた。

('A`)「……ん、あの人は……?」

ドクオはギターエリアにて物色している1人の女性を発見した。
その女性は本当に楽しそうにギターを眺めていた。
やがて、曲は終わり次の曲へと移行する。

1つの咳払いの後に、ハっとさせられるようなアコースティックギターのストローク。
入り込むボーカルの歌声は力強くもぶっきらぼうだ。

从'ー'从「あ、Wonderwallだ」

女性は嬉しそうに顔を上げた、そしてドクオと、目が合う。



159: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/06(土) 23:07:59.41 ID:5Wxb+3Da0
从'ー'从「あ、こんにちわ。遅れて来たんだ?」

('A`)「え、は、は、はい」

しどろもどろになりながらも、ドクオは返答する。
曲はその間にも、どんどんと展開していく。

从'ー'从「ねぇ見てこれ! ユニオンジャックの入ってるんだ!」

エレキギターを指差しながら、嬉しそうに渡辺は話した。

从'ー'从「ノエルの使ってるのと同じなんだよ」

('A`)「はぁ……」

よく分からないな、と思いつつドクオは曲に耳を傾けていた。
心を強く揺り動かすような曲調なのに、不思議と癒されるバラードだ。

ふとドクオはレジに居る店員を見つけて、この人に話を聞こうと思った。

('A`)「あ、あの………。     !!!!???」

ドクオ驚愕した、あまりにも非現実的な物を目撃したから。

レジの傍にある窓から、"それ"は見えた。


それは隕石だった。
逃げる暇もない、隕石はこの店へと飛来していった。



167: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/06(土) 23:12:17.97 ID:5Wxb+3Da0
そして。

隕石がガラス窓を突き破り店内へ突入した。
その激しい音に3人は驚き窓を見た。

从;'ー'从「え、何!?」

店員「伏せろォー」

('A`)「うわあ」

3人とも頭を抱えて地面に突っ伏した。
伏せている間に、隕石は床でなくギターの掛かった区分けの壁に衝突した。

耳をつんざく衝撃音が鳴り響いた。

煙はもうもうと立ち込めて、天井を這い始める。
楽器や壁の残骸が飛び交い、不吉な硬音が四方八方から聞こえた。

やがてそれが収まる。それでも煙はまだ店内に存在していた。

隕石にしては小さな被害だったが、店にとっては大損害だった。
パラパラと粒子が降り注ぐ中、
ドクオは恐る恐る顔を上げ、立ち上がった。



170: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/06(土) 23:14:19.26 ID:5Wxb+3Da0
('A`;)「こ……これは……ごほっごほっ……!」

手を口に当てながらドクオは咳をした。
煙は若干薄くなったものの、まだ店内には存在している。
視界はそれほど良くなかった。

動くのも一苦労だ。
あちこちに残骸が転がっている。ドクオの周囲も例外ではない。
口に当てた手の力を少し強くしながら、ドクオは動いた。

('A`;)「ひでぇ……店中が……」

店員「俺はアルバイトだからどうでもいんだけどねw」

ドクオは店員の姿を確認した。
渡辺はデスクの下から恐る恐る現れた。

('A`)「ちょっと聞きたいことが……あって、いいすか?」



172: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/06(土) 23:16:55.63 ID:5Wxb+3Da0
・・・ ・・・・

('A`)「ふーん、この世界の人は隕石でネジが取れる……」

店員「はい、最近は獅子座流星群とか何とかで凄いことになってんスよ」

3人で店内を掃除する。
ドクオはその間にこの世界の情報を吸収していった。
勿論ドクオは手を抜いている。

从'ー'从「それとね、この世界には"設定ノート"なるものがあるの」

('A`)「何それ」

店員「素直クールが持ってるあれっすよ。俺も素直クールを自分流に設定してぇwwww」

从'ー'从「この世界の全てを支配すら出来るシロモノなの」



173: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/06(土) 23:18:06.53 ID:5Wxb+3Da0
('A`;)「なに……それ……」

店員「ところで俺アルバイトバトルに出れることね?wっうぇwwwww最強じゃね?wwww」

世界を支配する――それはどういうことか、ドクオは心の隅で一考した。
更に、もし手に入れば……と、その考えを膨らませる。

从'ー'从「そのノートを使えば、この隕石の大群も防げると思う!」

('A`;)「な、なるほど……」

店員「はいはい無視無視ワロスワロス」


店員が言い終えたと同時に、店のドアが開いた。



176: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/06(土) 23:19:25.27 ID:5Wxb+3Da0

                 川 ゚ -゚) 話はそこまでだ、諸君。
                / 丶'  ヽ:::::
               / ヽ    / /::::
              / /へ ヘ/ /:::::
              / \ ヾミ  /|:::
             (__/| \___ノ/::::::
                /    /::::::::
                / y   ):::
               / /  /:::
             /  /::::
            /  /:::::
          (  く::::::::
           |\  ヽ:::::
            |  .|\ \ :::::
      \    .|  .i::: \ ⌒i::
       \   | /::::   ヽ 〈::
          \ | i::::::   (__ノ:
         __ノ  ):::::
         (_,,/\



住職こと素直クールが入店した。



180: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/06(土) 23:21:15.61 ID:5Wxb+3Da0
('A`;)「……(やっぱ可愛い)」

ドクオは冷や汗が出るのを感じた。顔が赤くならないのは、
やはり住職の奇行を間近で見たからだろう。

( ^ω^)「僕もいるお」

('A`;)「(誰だ)」

このクーネジ世界に住んでいる内藤という少年だ。

ξ'A`)ξ「ドク子もぉ〜」

(゚A゚)

从;'ー'从「(なんか変なのばっか……)」

住職、内藤、キチガイ。この3人が倒壊寸前のこの店にやってきたのだった。
さすがの店員もこの展開にはタジタジである。

川 ゚ -゚)「ドクオ・モイタンだな」

('A`;)「な、なんだよ……」

淡い期待を胸に寄せながら、ドクオは自分の元へ近づいてくる住職に小言を言う。



183: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/06(土) 23:22:38.17 ID:5Wxb+3Da0
               _ _     .'  , ..
             _ - ― = ̄  ̄`:, .∴ '     (#)゚A゚) 
         , -'' ̄    __――=', ・,‘ r⌒>  _/ /
        /   -―  ̄ ̄   ̄"'" .   ’ | y'⌒  ⌒i
       /   ノ                 |  /  ノ |
      /  , イ ) ←クー             , ー'  /´ヾ_ノ
      /   _, \               / ,  ノ
      |  / \  `、            / / /
      j  /  ヽ  |           / / ,'
    / ノ   {  |          /  /|  |
   / /     | (_         !、_/ /   〉
  `、_〉      ー‐‐`            |_/


(#)゚A゚)「がふっ!?」

住職は黄金の右をドクオの頬に放った。

店員「wwwwwwwwwwwwwwwwwww」

ξ'A`)ξ「さすがクーちゃんだよぅ。パラパラ草キメたドク子でも無理だよ〜」



187: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/06(土) 23:24:11.56 ID:5Wxb+3Da0
('A`#)「なんで殴んだよ!!」

川 ゚ -゚)「今作のクオリティ崩壊に向けてのオマージュとして
     お前の顔面を崩壊させようと思ったのだ」

('A`;)「ボケ振るんじゃねーよ!! くそっ本編では俺がボケ役なんだぞ!!! 
    (間近で見るとこの娘本当にカワユスなあ……)」

店員「ワロチwwwwwwwww超ワロチwwwwwwwwww」)


从;'ー'从「……あたし、掃除するね」

渡辺は再び箒を手に取り、この店の掃除を再開した。

('A`;)「(……いや、設定ノート使ってこの娘をまともにして、そして……)」

('A`*)「(うはー夢が広がりんぐwwww)」
(終
( ^ω^)「こいつの考えがうっすら理解できるのが男の悲しいところだお」



189: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/06(土) 23:25:26.13 ID:5Wxb+3Da0
川 ゚ -゚)「帰るぞ」

( ^ω^)「仰せのままに、閣下」

ξ'A`)ξ「クーちゃんと一緒に帰る〜」

したことと言えばドクオを殴りつけただけの3人は既に、帰るつもりだった。
この3人のキャラの異常性にタジタジの店員は警察に通報するつもりなど微塵もなかった。

('A`)「…………」

从;'ー'从「………」

店員「帰れ帰れ!! 何ちってwwwwwwwwwwww」

外に出る3人の姿をショーウィンドウ越しから眺めながら、
渡辺とドクオは呆然としている。
しかし、ドクオは少し渡辺と違っていた。
彼にはちょっとした決意があった。
基本ヘタレな彼だが、今はちょっと頑張ってみようかなという気持ちだ。



193: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/06(土) 23:26:27.89 ID:5Wxb+3Da0
('A`)「(設定ノートをGETする!! ……でも疲れてるんだよな今は……)」

コンビニにでも行って缶ビールを買いたい。
ほてった身体に、喉に、
刺激あるビールを流し込みたい。
昼間の時点でそんなことを考えていた。

('A`)「ちょっとコンビニ行ってくる」

从'ー'从「行ってらっしゃい」

ドクオは店から出た。急激に日差しが襲いかかるので、顔を顰める。
クーラーで冷えきった身体にとって、この外の熱気は何処か心地良いものだった。
コンビニはどこだろう。そう考えながらきょろきょろ辺りを見渡す。



(´・ω・`)「やあドクオ君」

('A`)「あ……シ、ショボンさん」

「ヤマ派」の前を、ショボンが通りかかった。



196: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/06(土) 23:27:23.17 ID:5Wxb+3Da0
('A`)「すいません、アニメ店長見ませんでした?」

(´・ω・`)「先程スクーターに乗っているのを見たが、それよりも……」

(´・ω・`)「君は今日休むんじゃなかったかな? ……まぁいい。
      もしかして、何か探しものでもあるのかい?」

ショボンの言葉を、ただドクオは黙って聞いていた。

(´・ω・`)「ま……設定ノートってところだろう?」

('A`)「!!!」

(´・ω・`)「図星のようだねぇ。僕も同じく探してるんだよ……でだ。
      僕と君で、組まないか……? 協力してノートを手に入れよう。共に戦おう」

思いがけないショボンの話の内容に、
すっかりドクオはビールのことを忘れてしまっていた。
驚きと共に、仲間が出来たという喜びが満ち溢れてくる。
共に戦う。ドクオはこのフレーズに何か心を揺さぶられた。



200: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/06(土) 23:29:04.84 ID:5Wxb+3Da0
('A`)「そ、そりゃぁ勿論!!」

(´・ω・`)「ふふ、ありがとう」

ショボンは妖しく笑うと、腕を組み息を吐いた。
リラックスしたように、ドクオを見据えている。
ふと何か思いついたように、
ドクオにショボンは問いかけた。

(´・ω・`)「そういや……隕石がどうこうって話を知っているかい?」

('A`)「あぁ、はい……それにぶつかると、頭のネジが取れるそうなんです」

(´・ω・`)「頭の、ネジ?」



202: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/06(土) 23:30:33.66 ID:5Wxb+3Da0
訝しげに、ショボンは反応した。
ドクオが「はい」と頷いても、信用しきってはいなかった。

(´・ω・`)「頭に、ネジがあるのか? ここの住人は?」

('A`)「かなぁ……」

ネジが取れたように狂った人間は見てきたが、
実際にネジの取れるシーンは見ていない。ドクオは断言出来なかった。

(´・ω・`)「そんなもの、実際にお目にかからない限り……」

すると、

ふと、ドクオは気付いた。

('A`)「……あ」

ドクオは見てしまった。視界の先、ショボンの後ろの方から、こちらに向かってくる
隕石を。
それは、まるでショボンの後頭部を狙うかのように、迫っていった。
しかしドクオはそれをショボンに伝えることは無かった。
唖然としていたからだ。



205: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/06(土) 23:33:26.31 ID:5Wxb+3Da0
(´・ω・`)「ん? どうした?」

ドクオがボォっとしているのを、ショボンは気に掛けた。

('A`)「………へ?」

ドクオはまだ唖然としていて、答えることは無かった。
そして、
そうしてる間に、





隕石は見事、ショボンの後頭部に―――

(´゚ω゚`)「ぐハぁ!!!」

―――命中した。



208: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/06(土) 23:34:56.58 ID:5Wxb+3Da0
白目を剥いたショボンはうつ伏せにドサりと倒れる。
カラン、と小さな金属が地面に落ちたような音を聞き、
やっとドクオは我に返りショボンに駆け寄った。

('A`;)「だ、大丈夫ですか!!」

(   )「ぅ、うぅ……ん」

呻き声をあげているので、気絶しているわけではなかった。
ホっとしたドクオは、ふとさっき聞こえた金属音のことを思い出した。

まるで、ネジがカラン、と落ちたようなあの音を。

('A`;)「……」

ドクオは周囲を見た。探そうとした。
このアスファルトの上で、太陽の光を受けて輝いているはずのネジを。
しかし、見当たらなかった。



210: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/06(土) 23:36:50.96 ID:5Wxb+3Da0
('A`;)「ただの空耳か……?」

「ヤマ派」に戻って、助けを呼ぼうか……
ドクオがそう考えたとき、ショボンはのろのろと身体を起こした。

(´・ω・`)「ぐぐ……ぅう」

('A`;)「あ、だだ、大丈夫すか?」

忘却したような表情をしばらくショボンは見せていたが、
思い出したようにドクオに言い放った。

(´・ω・`)「おいお前なぁ。よく聞け、設定ノートを使うのはお前じゃなくて」








(´・ω・`)「このショボン様さ!」

('A`)「はあ? 急にどうしたんです?」



211: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/06(土) 23:38:06.56 ID:5Wxb+3Da0
テイク2



      /  ̄ ̄ ̄ \ 「このショボン様さ!」
    /       / vv  
    |      |   |           
    |     (||   ヽ         _______
    ,ヽヘ /     |       >_____  |
   /\\       /        ̄ |⌒ v⌒ヽ |__|
  /    \\  __ /          | .| . ノ   )
 /         `\|             < ` o `- ´  ノ
 |         ヽ             >    /
 |  |   l    |              /▽▽\

    ____
    \    ───___
    <             ̄ ̄ ̄ ̄|
    > _________     |
     ̄ ̄ | /       \ |    |
        | /⌒ヽ  /⌒ヽ  |    |
        | | ‘ |  i ‘   |  |    |
        | ヽ.__ノ  ヽ._ ノ   レ⌒ヽ
       ノ   o          6 |
      /__   \      _ノ
          >        ノ
         <、___   イ
             |───┤
           / |/ \ / \



214: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/06(土) 23:40:40.00 ID:5Wxb+3Da0
テイク3
                      __,,..,,,,_
                    ./ ・ω・ヽ  ショボン
                    l      l
                 _,ィ-"' \  / `ー、_
                / ' ̄`Y´ ̄`Y´ ̄`レ⌒ヽ
                { 、  ノ、    |  _,,ム,_ ノl
                'い ヾ`ー〜'´ ̄__っ八 ノ
                 ヽ、   ー / ー  〉
                  `ヽ-‐'´ ̄`冖ー-
                   \ヘ、,, __,+、__rノ/
                    )ゝ、__,+、_ア〃
                    ヽ.=┬─┬〈          _
      __,,..,,,,_   この    〈、  |   |, |       ./  `j
     / ・ω・ ヽ        /""  |   |: |      /  /`ー'
     l      l⌒ヽ      レ   :|:   | リ    〈  `ヽ,、 _,,..,,,,_
   /"" \  /_、  `、    /   ノ|__| |      ヽ`、 / ・ω・ヽ  様さ!
  γ  ,:´ ̄`Y´ `λ  ヽ   | ,,  ソ  ヽ  )       〉  ヽ    |  ,-、、
  f   `   ヾ   /   )  .,ゝ   )  イ ヽ ノ      / ノ    ̄⌒ヽ  「  〉
  !  ノヽ、._,'`" /  _,. '"   y `レl   〈´  リ.    ノ  ' L    `ヽ/ /
  |   ̄`ー-`ヽ〈  < _ ヽ.  /   ノ   |   |.   / , '    ノ\  ´  /
   !、__,,,  l ,\_,ソ ノ  l  /    l;;  |   (     ∠_    ヽ、_,'
       〈'_,/ /   /   〉 〈      〉  |   i   、    ヽ
           | |  イ-、__ /  ::|    (_ヽ ヽ,, ┘  「`ー-ァ  j
        l.__|   }_  l(。mnノ      `f"     ノ  {  /
        _.|  .〔 l  l           |  i⌒" ̄   /  /_
        〔___! '--'           ヾ,,_」      i___,,」


('A`)「一体どうしたんです? あの、落ち着こうぜ」



216: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/06(土) 23:42:52.56 ID:5Wxb+3Da0
('A`)「大体それショボーンのAAじゃないしね、あの……さ」

(´ω`)「………」

ド ド ド ド ド ド

('A`;)「な、なんだこの雰囲気は……!?」

(´ω`)「メルシーボークー」

(´ω`)「自己紹介……」

(´゚ω゚`)「恐縮のいたり」

('A`;)「……ネジが取れてる……!?」

( ^ω^)「あーあー。これはいいお、見学しちゃうお」

('A`;)「お前は!? あの娘と帰ったはずじゃ!?」

( ^ω^)「いいksmsが見れそうなふいんきなものでね」


(´゚ω゚`)クックック……



218: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/06(土) 23:45:14.45 ID:5Wxb+3Da0
(´゚ω゚`)「俺をコケにしてくれてありがとドクドクちゃ〜ん!
      お詫びにドぶとい物をくれてやんよ!!!111」

ショボンはそう言うと素早くスラックスを脱ぎ捨て、パンツも脱ぐ。
股間にそそり立つものは確かにショボンの言うとおり、巨大な一物だった。
加えて、備長炭にヒケを取らないほどの黒さを持つ。
ゴツゴツとした外見は、一見すると炭に見えなくもない。

ガシっ

('A`;)「!!」

内藤はドクオの後ろに忍び寄ると、羽交い絞めをかけた。
じたばたとドクオは暴れるものの、内藤は特に気に掛ける様子もなく、解くことは無かった。
そんなドクオに、ネジの取れたショボンは近づく。

(´゚ω゚`)「レディーッスアーンド!! ジェントルメーン!!!
      これから恒例のksmsネタをやるぜチェケラウ!!
      ケツの穴かっぽじってテンション上げろベイベエエエエえ!!!」

('A`;)「やめろっ! やめろおお!!」



219: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/06(土) 23:46:36.91 ID:5Wxb+3Da0
ドクオは必死で、助けるように「ヤマ派」を見たが、すぐに愕然とした。
「ヤマ派」のシャッターは、既に店員によって閉められていた。

('A`;)「ちくしょおおおおお!!!111」

ギャラリーが集まってくる。

DQN「『阿部殺しのドクオ』なんだろwwwwwwwww
    阿部殺し見せろよ阿部殺しwwwwwwwww」

('A`)「(ふん……小煩い連中だ……)」


(´・ω・`)「可愛いねぇ……」



(((´゚ω゚`)))「テンション上がってきた」



220: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/06(土) 23:48:28.05 ID:5Wxb+3Da0


その時だった。
突然、ドクオの後方から叫び声が張られた。


「待つおぉぉぉぉぉぉおお!!」

('A`)「その声は!?」

ドクオの知っている声だった。

朝、シカトしたアニメ店長ことブーン。

共に聞こえてくるのは軽快なエンジン音だ。

( ^ω^)「チっ! 」

羽交い絞めを外し、さっさと内藤は何処かへ逃げていってしまう。
それでもエンジン音は止むことなく、近づいていく。

(´゚ω゚`)「カモン、ベイビーブルー!!!」



222: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/06(土) 23:49:53.10 ID:5Wxb+3Da0


「ほざけお!! これでもくらえぇ――!!」

叫び声に、闘志が篭っている。
いいぞ、イケイケーとドクオは心の中ではしゃいだ。
その時だった。



(゚A`)「ぐぁぁああ!!」


背中に凄まじい衝撃が走った。


何かが衝突したようで、ドクオは気を失ってしまった。
それはスクーターだった。
背骨が折れるかもしれない、とドクオは最期に考えた。


薄れゆく意識の中、ドクオの耳に
「すまんお!! 標的間違えたお!!」という声が聞こえていた。



223: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/06(土) 23:51:37.24 ID:5Wxb+3Da0
・・・ ・・・・

「ぅ……ぅうっ……」

  「大丈夫かお!? 大丈夫かお!?」

「う……ぁ?」

  「おお!! 目を覚ましたお!!」

('A`)「ぅ……うん?」

ドクオは目を覚ました、というよりも意識を取り戻した。
そこは路地裏のようだった。
建物と建物に囲まれた、日の当たらない場所だ。
日の当たっている表路地を見る限り、ここは「ヤマ派」からそう遠くは無いようだ。

(炎^ω^)「よかったお!! 大丈夫かお!?」

('A`)「ここは……?」

近くにはスクーターが停めてある。
よろよろと半身を持ち上げたドクオの目には、アニメ店長ことブーンの姿が映る。

(炎^ω^)「間違えて僕が君にスクーターを当ててしまったんだお!!!」

('A`)「あ、そうすか。。。」



226: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/06(土) 23:53:24.13 ID:5Wxb+3Da0
上半身は起こしたものの、立ち上がる気力は現在持ち合わせていなかった。


('A`)「何があったんだっけ……」

(炎;^ω^)「君はとんでもないことになってたお!!! 正直スマンカッタ」

ブーンは身振り手ぶりを交えて、ドクオの少し前の状況を説明した。
しかしドクオは「旅の恥はかき捨てだから」と特に興味を示さなかったので
ブーンは話を打ち切った。


('A`)「えっと……ビールがh……」

(炎^ω^)「じゃあ、状況確認するかお!!」

('A`)「あ、うん分かった」



228: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/06(土) 23:54:43.29 ID:5Wxb+3Da0
まず、ブーンの今までの話が展開された。
この世界に来てすぐ他の人と別れ、街の地理的条件や不動産屋を当たり
anim@teの姉妹店を出すことしかしていないこと。
たまたま通りかかったところで、危険な状態のドクオを発見したので
助けて(結果的には)ここに連れてきた、ようだ。

次に、ドクオの話が展開される。
この世界に来て、キチガイに襲われたこと。その逃げた先で渡辺さんと会い、更に隕石が襲来したこと。
そこに住職率いるグループが現れたこと。
店を出た先でショボンのネジが外れたこと。などなど。
設定ノートや、ネジについても話した。


(炎;^ω^)「え!? ほんとにネジ外れてたのかお!? あの娘」

('A`)「そうらしい」

(炎;^ω^)「そしてショボンさんが……正直想像つかんお」



231: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/06(土) 23:56:07.59 ID:5Wxb+3Da0
('A`)「ああ」

(炎^ω^)「それがあれば幾らでも好きなことが出来るお!!」

('A`)「うん」

(炎^ω^)「手に入れまくるお!!」

('A`)「ん、ああ」

ドクオは興味無さ気な返答をしているが、
実はこれは脳内の妄想が忙しかったからだった。
脳内では清楚かつ淫乱なクー住職がいやらしく激しく動いていた。


この淫夢を実現するにはノートを手に入れるしかない。

結束して、設定ノートを手に入れるということが決まったのだった。

目指す場所は既に決まっていた。ブーンはショボンと内藤が向かっていった方角を頼りに、
素直クールの通っている学校と、推察している。
後はそこへ向かうだけであった。
お互い頷き、ブーンが運転し、ドクオがブーンに掴まる形でスクーターに乗り込み、

 学校へと向かった。。。



233: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/06(土) 23:57:26.22 ID:5Wxb+3Da0
―学校―

もう日は徐々に西へ西へと傾いている。
生徒の姿もまばらだ。大部分が既に下校しているのだろう。
残りの生徒はグランドや校舎で部活をしている。
グランドでは、野球が特に盛んで目立っていた。

ここに、クー住職達は居るのだろうか。
もう帰ってしまっているかもしれない。ドクオとブーンは少し不安な気持ちになる。
しかし、ここに彼らが向かっていったことは確かだ。
どちらにしても、此処をあたるしかない。
学校は、パロディしやすい舞台だと思う。

(炎^ω^)「行くお……」

('A`)「よし」

(炎^ω^)「復讐感染と役立たずは洒落にならんからストップだお」

('A`)「そもそも作者にそんな力量はない、安心汁」

(炎^ω^)「把握」


2人は校門を潜った。ドクオはともかく、ブーンはどう見ても在校生の姿ではないが
特に止められなかったのには理由があった。



235: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/06(土) 23:58:59.73 ID:5Wxb+3Da0
(炎;^ω^)「け、警備員が……!」

(;'A`)「乱雑するプリザSの空箱……!」


警備員がうつ伏せで倒れていた。
スラックスは膝の辺りまで脱がされている。尻には血。
乱雑したプリザSの悲壮感は、ただ事では無かった。

(炎;^ω^)「だ、大丈夫かお!?」

警備員「と、突然……背後からやられましたぁ……!」

(;'A`)「……乱雑するプリザS……!」

(炎;^ω^)「一体誰が……!」

警備員「顔は見えませんでしたっしかし、奴は校舎に……ぐふっ」


ドクオとブーンは、力尽きて気絶した警備員を弔うと
校舎を再び、じっくりと眺めた。

不穏な空気が、校舎内を支配しているような気がした。



237: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/07(日) 00:01:53.08 ID:tbIWpeWF0
(炎^ω^)「でも俺達は行くしかないんだお!!」

(;'A`)「やだなあ……」

勇敢な振る舞いで歩を進める2人に向かって、大きな声が後ろから発せられた。

「待って! 2人とも!!」

(炎^ω^)「お?」

('A`)「ん?」

同時に振り返ると、そこには渡辺の姿があった。
息を切らして肩を上下させながらも、とぼとぼと2人に近づいていく。

从;'ー'从「あたしも……一緒に行かせて」

(炎;^ω^)「そんなっ! 危険だお!!」

从'ー'从「覚悟はあるよ」

('A`)「早く行きません?」

从'ー'从「そうだね、早く行こ!」

ドクオの言葉を聞いた瞬間、水を得たように活気よく
渡辺は校舎の方へ向かっていってしまった。これではブーンも止めようが無い。
渋々ドクオと共に、校舎の中へ入っていった。



241: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/07(日) 00:03:14.23 ID:tbIWpeWF0
校舎の入り口を抜けると、まず下駄箱のある玄関に辿り着く。
緑のごわごわした絨毯には砂が所々絡みついていて、この空間の匂いも土と似ている。
正面奥には階段が見える。スチールの下駄箱の中のほとんどは校内シューズだ。
大体の生徒が帰ってしまっている。
一見、普通の学校の玄関のようだが、1つだけ違う部分――違和感があった。

('A`)「血……」

血が滴り落ちた跡がくっきりと道筋を示していた。
血痕と血痕が重なり合って蛇腹のような形を作っている。
その"道"は正面奥の階段へ続いて、上っていく。

从;'ー'从「……」

(炎;^ω^)「……」

('A`)「うおお」

ゲームかサスペンス物の洋画等でよく見られるこの光景に、
非現実を感じてしまいドクオを除いた2人は言葉を失ってしまった。
気がつけば日は暮れて、夕方となっていた。
赤く染まった空がガラスの窓越しに映っている。廊下も赤い光を受けていた。

雰囲気は充分に高まっている。
静けさも相まって
渡辺は、これから追う人間達の異常性をここに見た気がした。



242: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/07(日) 00:04:30.54 ID:tbIWpeWF0
('A`)「……」

ドクオは不思議なことに、恐怖感をそこまで抱かなかった。
あまりに現実から離れているため、ゲーム感覚……というのもあるが、
設定ノートについての妄想で頭の容量を使いすぎて恐怖を抱く暇が無い、というのが真実だった。

(炎;^ω^)「………」

ブーンはそんなドクオを、強い奴だと心の中で褒めると、
なんかあったら頼りにしようと考えた。

3人は無言で玄関を越え、廊下を歩きだした。
すぐに階段に差し掛かった。
血痕を踏まないよう注意しながら、上る。
踊り場に到着するまで、窓ガラスから差し込む日の光が3人の視界を狭めていた。
それが、2階に居る"彼"の気配を僅かながら掻き消したかもしれない。

3人は踊り場に差し掛かり方向を転換したとき、
2階付近の階段にて佇んでいる



いや、

奴を見たのだった。


ξ'A`)ξ



247: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/07(日) 00:06:13.07 ID:tbIWpeWF0
ξ'A`)ξ「みんなにクーちゃんは触らせないよぉ?」

(゚A゚)「で、出た……」

从;'ー'从「これはひどい……」

(炎#^ω^)「コスプレとしてのレベルがなってないお!!!」

1人を除いて、登場シーンの時点で2人を瀕死に追い込ませた。
その残った1人は、闘志を燃やしているのだが。

ξ'A`)ξ「ぇえ〜? 何のことぉ?」

(炎#^ω^)「そんな女装じゃ便所掃除がお似合いだお!!」

ξ'A`)ξ「ええ〜? ドク子ぉ」

ξ'A゚)ξ「そういうのにぃ」

ξ゚A゚)ξ「センチメンタル」

ξ゚A゚)ξ「っていうか〜」

プツゥーーーーーン

ξ゚A゚)ξ「今……なんつったお前!?」

(炎#^ω^)「コスプレとして最低のレベルって言ったんだお!!!11」



250: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/07(日) 00:08:59.72 ID:tbIWpeWF0
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

('A`)「(逃げたい……)」

その時だった。
突然、キチガイの顔が急に強張る。
まるで、何かを見つけてしまったかのようだ。

(炎#^ω^)「?」

('A`)「……?」

ドクオは何気なく、ドク子の視線の先を見た。
窓がそこにあり、異物が飛んでいる。

隕石が今まさに、ここへ襲来しようとしていた。

('A`)「あ……」

ドクオは唖然として、黙りこくった。

それは、ガラスを砕き校舎に侵入し、
そして……

渡辺の頭の方へ、向かっていった。



251: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/07(日) 00:10:35.06 ID:tbIWpeWF0
从;'ー'从「 !! きゃぁ!?」

ギリギリの直面で、渡辺は気付くが
それでも隕石は止まらない。


次の瞬間、
鈍い音が校舎内に響き渡った。。。

('A`;)「 !! 」

白煙が沸き起こる。
渡辺に隕石が当たったのか、当たらなかったのか。
ドクオは「当たってませんように」と心の中で祈った。
しかし……

(炎;^ω^)「わ、渡辺さん大丈夫かお!?」

从;'ー'从「う、うぅ〜ん」

頭を擦りながら、顔を上げた。


从'ー'从「いや、ワンダーウォールってそんな名曲じゃないだろ常考」



255: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/07(日) 00:12:22.44 ID:tbIWpeWF0
('A`;)「……?」

从'ー'从「つか、オアシスよりブラーのがいいし」

(炎;^ω^)「ま、まさか……」

从'ー'从「ぴょーん☆」

('A`;)「こ、これは……」


(炎;^ω^)「ネ ジ が 取 れ た ! ? 」('A`;)

ξ'A`)ξ「えぇ〜あなたネジ取れちゃったんだぁ。じゃあドク子と一緒に行こ?」

从'ー'从「うん♪」

キチガイと渡辺は手を取り合い、階段を駆けていった。


(炎;^ω^)「行かせるかお!! 屋上にでも行くつもりかお!?」

('A`;)「……やってらんね」


2人は、屋上へ向かうキチガイと渡辺を追いかけた。



257: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/07(日) 00:15:25.18 ID:tbIWpeWF0
('A`;)「ひぃっひぃっハァ!」

(炎;^ω^)「が、頑張るんだお!!!」


言葉に反して、
さっさとブーンは階段を上る。

('A`;)「ま、待って! あァァア!! 1人にしないべええええ」

ドクオ慌ててブーンの後を追った。



  タッタッタッタッタ……


ブーンとドクオの上方から複数の走る足音が聞こえる。
負けじとその2人も、音を立てながら、階段を上り続けた。



258: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/07(日) 00:15:55.14 ID:tbIWpeWF0
バンと、ドアの開かれる音が上の階から鳴り響いた。
音から察するに、重厚なコンクリート製のものだろう。

(炎^ω^)「フッ! フッ! フッ!」

酸素を大きく取り込みながらも、ブーンが最後の踊り場に到着した。
続けてドクオが本格的に息を切らしながら踊り場に足をかけた。

(;'A`)「ひぃい! ひぃい! ひぃい……!」

ドクオは屋上へ続くドアを見上げた。
今の陽光はオレンジ色のはずだが、開かれたドアから
漏れている光は昼間のものと変わらなかった。

まず、ブーンが階段を上りきり、ドアへ向かった。
その後ろ姿がどうにも逞しく、
ドクオは少し勇気を貰ったような気がした。

同じようにドクオも階段を上りきった。
薄緑のドアがだらしなように閉じきっておらず、プランプランと左右に小さく揺れていた。

それを無視しながらも、潜り抜けて
屋上に踏み込んだ。



260: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/07(日) 00:17:37.66 ID:tbIWpeWF0
(;'A`)「……これは」

完全にオレンジ色に染め上げられた屋上を数歩、更に足を進ませ
ブーンの隣に立つと、正面に対峙している人間達を
とくと、眺めた。

クー住職、内藤、ドク子、渡辺、ショボン。
全員、腕を組みながら不敵にドクオ達を見据えていた。
夕日のせいか顔を完全に確認できず、
威圧感が普通よりも増している。

(炎;^ω^)「………」

息を呑み、ブーンは少し身構える。
ドクオも肩を強張らせながら、不吉な予感を肌でひしひしと感じ取っていた。

屋上はコンモリとした蒸し暑さで覆われていた。
蝉の耳障りな鳴き声が不快度数を助長させている。
しかし、乾いた風がそこそこ吹いているため、
多少は苦しさも和らいでいる。

ブーンとドクオ、住職とその他。
距離は大体5mといったところだ。お互い動くことは無かった。
しかし生暖かい一陣の風がビュウっと吹いた後に、
静かにクーは開幕の言葉を告げたのだった。



262: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/07(日) 00:19:33.19 ID:tbIWpeWF0
川 ゚ -゚)「設定ノートは渡さない。それは言ったハズだぜ。
     それでも奪うというのなら、ここからは地獄なんだぜ」


川 ゚ -゚)「ドクオ……ブーン……。
     貴様らには……ここで

     死 ん で も ら う ! ! 」

(;'A`)「何で!?」

(炎^ω^)「やれるもんならやってみやがれ!!!」


川 ゚ -゚)「ほほぉ〜? その発言、後悔の種となろう!!」

川 ゚ -゚)「いでよ! 死桃〈ザ・ターロオ〉!!」

ドウン!!


^^ぶっ殺しにきました



263: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/07(日) 00:20:43.65 ID:tbIWpeWF0
^^ 
スタンド名―『死桃』
本体―素直クール(住職)

能力―ゴールド・エクスペリエンスが『生命』を
与え続ける力に対し、こちらは『現実』を与え続ける能力。
対象の精神的ダメージを目的とする。
基本的にニート殺しを家業とする。



267: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/07(日) 00:23:12.26 ID:tbIWpeWF0
川 ゚ -゚)「やれ! 死桃」

^^まずはドクオ てめぇだ

(;'A`)「俺ぇ?」

^^なぁドクオ、最近の季節は文化祭だな

(;'A`)「は、はぁ……そうだっけ」

^^俺のいた高校ではな、おばけ屋敷が禁止だったんだ

(;'A`)「……?」

^^分かるか、理由が

(;'A`)「い、いや」

^^暗闇だからな、ようやるんだわ発情期の奴らが……

(;'A`)「ま、まさか」

^^そうだ。暗闇に紛れて! 高校生カップルが お化けなぞ知らんとファックしてたんだよ!
  お前に想像できるか!? 文化祭はいつも図書室で寝てるお前に!!

(;'A`)「いやぁぁぁぁあああ!!!」



272: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/07(日) 00:25:15.31 ID:tbIWpeWF0
リア充の話は基本的にドクオは嫌いだった。

^^たまに男装女装コンテストってあるよな

(;'A`)「(いやな予感)」

^^あんな可愛い娘が男前になったり、あのイケメン君がファンデ塗ったり口紅塗ったり、
  楽しいよなぁ〜〜〜
  あ ん な こ と が な け り ゃ あ

(;'A`)「もう……聞きたくない……リア充の話は、よせ……」

^^まさかな〜〜コンテストが終わった瞬間、男装のまま
  女装のまま、
  そのまま、ヤっちまうなんてさぁ〜〜〜!!!


(;゚A゚)「おっぱあああああああああああああああああ!!!」

^^その間、お前は使用されてない教室で、不貞寝wwww 

(;゚A゚)「も、もうやめっ  ゼヒっゼヒ……!」

ばたっ……。

ドクオ 再起不能



275: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/07(日) 00:28:03.24 ID:tbIWpeWF0
川 ゚ -゚)「さて」

^^ブーン、貴様の番だぞカス

(炎;^ω^)「く、来るなら来いお!!」

^^そうか、ならとっておきのを聞かせてやる

^^ブーン君、フランチャイズ店の真実を教えよう

(炎;^ω^)「うわああああああああああああ!!!」



川 ゚ -゚)「効いてる効いてる。とどめを刺せ! 死桃!」

^^そもそもお前、一話の時点で倫理的におかしくね?


(炎;゚ω゚)「俺に"これ以上"『現実』を"与え"続けるんじゃあねーーーーーッ!!!!」

ブーン 再起不能



277: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/07(日) 00:30:53.71 ID:tbIWpeWF0
日も沈みはじめ、オレンジの陽光に少しばかりの陰が含まれていく。
学校の屋上はたっぷりと影響を受けて、目がチカチカとするほどだ。
その中で、2人の男がうつ伏せに倒れていた。
ブーン、ドクオ。
設定ノートを手に入れようと考えていたが、一瞬で返り討ちにあってしまった。
見方を変えればこの2人は設定ノートを"奪おう"としていたわけで、
そう考えるのならば、レベルの低い盗賊が勇者一行に殺されたことと同等の状態といえる。

(;'A`)「う、うう……」

(炎;^ω^)「くっ……!」

川 ゚ -゚)「残念だったな、ここまでだ」

ξ'A`)ξ「クーちゃんかっこいい〜」

(´・ω・`)「それじゃ、あの2人は頂いちまうよ?」

そのときだった。
完全勝利したと思い、クーご一行にホっと弛緩した空気が流れたときだった。

ξ'A`)ξ

ξ'A`)ξ从 

ξ'A`)ξー'从

    ド ゴ ッ ! ! !



280: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/07(日) 00:33:27.88 ID:tbIWpeWF0
ξ゚A゚)ξ「ぐぉお!?」

ドク子は突然、不意打ちを仕掛けられ、
無残に倒れた。

( ^ω^)「何事だ!?」

内藤が驚き、倒れたドク子周辺を見渡す。
その付近にいた1人の女性は、自分が先程行った行為を
まるで誇りにしているかのような笑顔で、内藤を見つめていた。

从'ー'从「ふふふ〜」

(;^ω^)「き、貴様……!」

(´・ω・`)「ネジが……」

川 ゚ -゚)「最初から取れていなかったのか……」

(炎;^ω^)(;'A`)「おお……!」


倒れていた2人はよろよろと身体を起こす。
渡辺は駆け寄り、2人を起こすのを手伝った。



284: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/07(日) 00:35:47.78 ID:tbIWpeWF0
(;'A`)「気付かなかったのか……渡辺さんに隕石が衝突するとき……」

(炎^ω^)「音がしなかったのを」

ξ'A`)ξ「音〜?」

いつの間にかドク子は体勢を立て直していて、2人の会話に
聞き入っていた。

从'ー'从「咄嗟に避けたからね、ネジは外れなかったよ」

(炎^ω^)「キチガイ! お前はネジの外れるチャリンという音が聞いたかお!!!??」

ξ'A`)ξ「う……!」

渡辺は元々欺いていたのだった。そして、ブーンとドクオの側についた。
死桃に殺されかけた2人も活気を取り戻し、今 再びこの屋上に
殺気が満ち溢れようとしていた。


川 ゚ -゚)スタンド解除

^^あー、疲れた

川 ゚ -゚)ウィーン

川 ゚ -゚)マジやってられんね



286: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/07(日) 00:37:42.88 ID:tbIWpeWF0
渡辺とブーンとドクオは3人固まりながら、
自分達と敵対する4人を見据えていた。

その4人とは、
クー、内藤、ショボン、ドク子だ。
クーは屋上の手すりに体重を乗せ、風に髪をなびかせ
事の顛末を楽しもうとしている。
ドク子1人はワナワナと身体を震わせて
怒りを迸らせていた。

そんなドク子を挑発するように、ドクオが調子付いていた。

('A`)「気付かなかったとはなー! 俺達は既に理解してたんだぜおれたちゃー!!」

ξ'A`)ξ「……」

('A`)「ネジの音がしなかった! こういうのをなぁ、小説とか漫画では」

     ビシィ!!

('A`)9m「 伏 線 っ つ ー ん だ ぜ ー ! ! !」

ξ'A`)ξ「……」


ξ゜A゜)ξクワッ

(;'A`)「ヒィっ!!」



288: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/07(日) 00:39:44.18 ID:tbIWpeWF0
クーを除き、皆が戦闘モードに入り込んでいた。
そして当然の口ぶりで、クーが開幕を宣言する。

      
川 ゚ -゚)「さぁ、みなのもの」
    
川 ゚ -゚)「スペクタクルを、見せておくれ。」



6人は、自分の戦う相手を睨みつける。



ξ ゜A゜)ξ ザン 从'ー' 从

(;'A`) ザン (´・ω・` )

(炎^ω^) ザン (^ω^ )


     バトル開始。



291: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/07(日) 00:43:34.35 ID:tbIWpeWF0
      ブーンvs内藤。

( ^ω^)「僕にお前が勝てるわけないお」

(炎^ω^)「そうかお。食らえい!」


(炎^ω^)≡○(#)^ω^)ドゴッ

先制攻撃としてまずはブーン。
内藤のコメカミに打撃を与えた。

(#^ω^)「クっ……! やったな!!」
(#^ω^)「やったな! アッパー食らわしてやる!!11」


(#^ω^)≡○(#)炎^ω^)ドゴッ


内藤の渾身の一撃により、
ブーンのサンバイザーがポロリと取れてしまい
AA的に被るというピンチに陥った。


( ´ω`)「もうダメだお……」

サンバイザーが取れてしまったブーンは死ぬ程ネガティヴになってしまった。



292: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/07(日) 00:44:42.64 ID:tbIWpeWF0
( ^ω^)「勝ったお!」

( ´ω`)「……ニヤリ」


そのときだった。
フラリと泣き崩れるようにブーンは内藤に近づき、
そして……。


( ´ω`)≡○(#)゚ω゚)ゴチュン!!


ブーン幻のラリアットが見事、内藤に直撃したのだった。

(#)゚ω゚)「な、なんだと……」

( ´ω`)「これは、フェイクさ」

落ちたサンバイザーを拾いながらクールに受け答えする。


( ´ω`)スチャッ

(炎^ω^)バーン



293: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/07(日) 00:45:19.71 ID:tbIWpeWF0



(#)゚ω゚)「む、無念……!」


(炎^ω^)「A secret makes a woman woman」


内藤は倒れた。
ブーンはサンバイザーの向きを少しだけずらし、
敗者に一瞥をくれると踵を返し、彼の元を去ったのだった。

         ブーンWIN。



294: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/07(日) 00:45:53.30 ID:tbIWpeWF0
横では渡辺とドク子の女の修羅場が繰り広げられていた。

         ドクオvsショボン。

(´・ω・`)「君が歯向かうなんて、なんというか……愚かだね」

('A`)「?」

(´゚ω゚`)「僕の肉便器になれば、設定ノートの一行だけ使わそうと思ったのに」

('A`)「コバンザメの食いカスかよ」

(´゚ω゚`)「言うねえ。手厳しいねえ。これはお仕置きが必要だねえ」


一瞬陽炎のようにユラリと動いたショボンのスラックスには
既に巨大なテントが張られていた。
戦闘モードMAXでドクオに向かっていった。


(´゚ω゚`)「UREYYY!!!!」

(;'A`)「俺のチェリーは取らせんぞ!」



295: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/07(日) 00:46:55.77 ID:tbIWpeWF0
(´゚ω゚`)「違うんだドクオ君。聞いてくれよ」

(´゚ω゚`)「今は飽和気味と言われてるksmsショボン……でも、でもな」

(´゚ω゚`)「ksmsショボンの世界広しといえども、ちゃんとコンドームをつけて
      ファッキンするのはこの僕くらいだろう?」

(´゚ω゚`)「個性あるだろ?」

(´゚ω゚`)「一周回って斬新だろ?」

(´゚ω゚`)「あえての新境地だろ?」


('A`)「かわんねーよ」


(´゚ω゚`)「じゃあ厚さが0,03以外使わないってはどうよ!?」



299: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/07(日) 00:48:42.77 ID:tbIWpeWF0
それでも、

ズンズンとショボンはドクオに近づいていった。
ドクオは、逃げるか耐えるかのどちらかを選ばなくてはならなかった。
……と、そのときだった。
急にショボンの進みが止まった。
ポケットを弄っていた手の動きと共に。


(´゚ω゚`)「…………」

(;'A`)「……?」

(´゚ω゚`)「近藤さん切らしちゃった」

キャラ作りのことも考え、ここでドクオをファッキンするのは得策でない、と
素早く判断したショボンは周りにこう宣言した。

(´・ω・`)「コンビニ行ってくるよ」


ドクオ 不戦勝  ('A`)


横では女の修羅場が終わった。
果てしなく形容の出来ない戦いの末、勝利をもぎ取ったのは渡辺だった。



302: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/07(日) 00:50:14.11 ID:tbIWpeWF0
(炎^ω^)「さあ、これで俺達の勝ちだお。設定ノートを……」

はたから見れば、ブーン達の方が確実に悪なのだが、
そんなことはどうでもいい、とばかりに
ブーン、ドクオ、渡辺は誇らしげな表情を浮かばせていた。

クーはどうにかこの状況を打破しようと考える。思考に集中するために一度体を後ろに
預けようとしてバランスを崩した。

('A`)「あれ、フェンスなくね?」

川 ゚ -゚)「……え、なんd――」

ドクオの言う通り、いつの間にかフェンスは屋上から消えていた。
パロ元より呆気なく、クーの身体は落下してしまった。

「のわあああああああああああ」

(炎;^ω^)「ええ!?」

从;メ'ー'从「そんな――」

あまりにも予想だにしなかった出来事に、
3人は思い切り唖然としてしまった。
急いで屋上の端に駆け寄ろうとすると、
突然、後ろのドアが音を立てて開いたので3人は慌てて振り返った。



309: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/07(日) 00:52:08.24 ID:tbIWpeWF0

 | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
 |                
 |.゚ -゚)  川 ゚ -゚) 川 ゚ -゚)  | さあ、みなのもの
 |         /⌒   ヽ     キリ  キリ
 |  川 ゚ -゚) /|      . 川 ゚ -゚)  スペクタクルを
 |⌒      川 ゚ -゚) 
 |) 川 ゚ -゚)      川 ゚ -゚)     キリ  キリ
 | /⌒   ヽ 川 ゚ -゚)    ヽ 見せておくれ
 | /| |   | |/⌒   ヽ   | |
 |ノ \\ /|/| |   | |\./| |
 |   \\ ノ \\./| |\\ | |
 |/⌒\し'/   .\\ | |ヽ し'(ノ
 |     >/ /⌒\し'(ノ  > )
 |   / /    > ) / /
 |  / / つ    / / (_つ
 |  し'     (_つ   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


川 ゚ -゚)川 ゚ -゚)川 ゚ -゚)「「「「ボスは一度倒されてから変身するものだ」」」」川 ゚ -゚)川 ゚ -゚)川 ゚ -゚)

増殖していた。

( A)     ポンッ♪   ' `

从ー从     ポポンッ♪  メ '  '

(炎^^)    バシュッ!   ω



312: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/07(日) 00:52:58.96 ID:tbIWpeWF0

川 ゚ -゚)川 ゚ -゚)川 ゚ -゚)「「「「いでよ! 死桃!!」」」」川 ゚ -゚)川 ゚ -゚)川 ゚ -゚)


全員が発言する。

                 ドンっ




^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
^^^^^^^^^^^^「ぶっ殺しにきました」^^^^^^^^^^^^^^
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^



314: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/07(日) 00:54:20.11 ID:tbIWpeWF0
(炎^^)………

(炎) ^   ^  ポンッ

(炎)「やめろっ! フランチャイズ店の話はもうやめるんだおおおお!!!
    
(炎)「Nice Boat.Nice Boat.Nice Boat.Nice Boat.Nice Boat.Nice Boat.」

从ー从「………」

( A)  '`三ヒュー

('A`)ジャキン

ドクオだけは唐突に、正気を取り戻した。
気づいたからだった。

勝機を手に入れる。
そんなチャンスの存在に。



316: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/07(日) 00:55:36.88 ID:tbIWpeWF0

('A`)「―――― !!」

ドクオは咄嗟に、サっと
屋上の端まで再び駆けた。
そこは、フェンスを失い倒れたクーの落下地点だった。


(炎)「な、何をするつもりだお!?」

^^^^^^^^^^^^^^^「現実を見せてやろう」^^^^^^^^^^^^^^^^^


(炎)「うわあああああああああああああ」

()    炎  ポンッ


走りながらドクオはただ1人、何かを発見したようで得意げな顔になっていた。

('A`)「『何故』急に増えたのか……? 『何故』ッ 一度姿を消したのか……!」



319: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/07(日) 00:56:36.42 ID:tbIWpeWF0



啖呵をきりながら、ドクオはクーが落下した場所に行くと
そこで自分も落ちたのだった。




川 ゚ -゚)川 ゚ -゚)川 ゚ -゚)「「「「 !!!!!!!!!!!! 」」」」」川 ゚ -゚)川 ゚ -゚)川 ゚ -゚)



从ー从「ドクオ君ッ!?」

()「何てこった……」



そのときだった。



326: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/07(日) 00:58:11.13 ID:tbIWpeWF0
『ボンッ』と弾けるような音が屋上に轟いた。
風が巻き起こり、またも白煙がモウモウと立ち込め始める。

()「な、何が起こったんだお!?」

从ー从「一体……? ケホッケホっ!!」


しばらくの間、煙は屋上に留まっていたのだが
やがては薄れていき、また床板にはオレンジ色の夕日が差し込み始めた。

噎せ返っていた2人は、そぉっと目を開ける。
そこには、驚くべきものが映っていなかった。

()「死桃が……いない!?」

从;'ー'从「クーちゃんが1人に……戻っている」

/川 ゚ -゚)\「なんてこったい」

「へへ……へ」

ドクオの気持ち悪い笑い声が屋上の端の方から聞こえた。
残った3人はそちらを見た。



332: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/07(日) 01:00:07.02 ID:tbIWpeWF0
('A`)「やっぱりな……」

縁に足を掛け、「よ」っと声を出しながら屋上の床板に再び足をつけると
立ち尽くしている3人を見据えたのだった。
右手にはノートが、左手にはクシャクシャに丸められたその1ページが握られていた。


川 ゚ -゚)「完璧にやられたぜ」

()「ま、まさかそれは……!」

从'ー'从「噂の……」

('A`)「そう、設定ノート……雨どいに置いてあったんだぜ」

()「ということは……その紙切れには……」

ドクオは頷くとクシャクシャになった紙切れを広げると、
皆に文面を見せ付けた。こう書かれていた。



「18時10分。フェンス消滅。落下した住職は屋上付近の階段にワープし、分裂をする」



335: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/07(日) 01:01:49.42 ID:tbIWpeWF0
从'ー'从「なんと」

()「もうワケガワカンネ」

゚ -゚「やられたよ」


(*'A`)「えへへへへへへ」

名探偵が推理を見事成功させたときより快適に、
この上なく上機嫌になったドクオは、
ゆっくりとクーの元へ進んでいく。
クーの「やられたよ」発言に、ドクオはやられた。


(;'A`)「(今だ……こ、告白するなら……今だ)」

ハア、と長い溜息をつくと、身体をワナワナ震わせて
顔を真っ赤にしながら、尚もクーにゆっくり向かっていった。



338: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/07(日) 01:03:35.58 ID:tbIWpeWF0
しかしドクオは、ノートをよく確認していなかった。

↓ドクオの一人称

(;'A`)「す、好きです……つ、つつきあってくdさい」

カラスの気の抜けた鳴き声のこだまする学校の屋上、
俺はとうとう、住職ことクーに告白することが出来た。

/ ゚ -゚\「ほお?」

この"さもどうでもよい"といった返答。手ごたえアリだ。

そう、俺は彼女にフラれる。
失意による屋上からの飛び降り自殺。
その光景を彼女にまざまざと見せ付けて、
心に一生の傷を負わせる。


完璧だ。

俺の策略は、完璧だった。



347: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/07(日) 01:07:48.16 ID:tbIWpeWF0
(;'A`)「へへ……h返事は……?」

/ ゚ -゚\「いや、無理だな」







           ,、‐ ''"  ̄ ``'' ‐- 、
        /イハ/レ:::/V\∧ド\
       /::^'´::::::::::::i、::::::::::::::::::::::::::::\
     ‐'7::::::::::::::::::::::::ハ:ハ::|ヽ:::;、::::::::::::丶
     /::::::::::::::/!i::/|/  ! ヾ リハ:|;!、:::::::l
    /´7::::::::::〃|!/_,,、   ''"゛ ^`''`‐ly:::ト
      /|;ィ:::::N,、‐'゛     .{ ゚ }    !;K
        ! |ハト〈   .{ ゚ }        リイ)|
          `y't     /¨`ヽ     //
         ! ぃ、     トェェェイ   〃      
         `'' へ、  `ー'′  .イ
              `i;、     / l


                       
           俺の策略は、見事成功した。



349: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/07(日) 01:09:02.13 ID:tbIWpeWF0
('A`)「……」

('A`)「ふぇええ〜〜」

奇声を上げて、ドクオは仰向けに倒れて気絶した。
泡を吹いている。
何だかんだでよっぽどショックだった。


告白は失敗した。



351: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/07(日) 01:09:50.13 ID:tbIWpeWF0





川 ゚ -゚)「ドクオ・モイタン…… 戦友よ」

倒れているドクオの元に寄ると、クーはそのままドクオの身体を抱きかかえた。
俗に言うお姫様抱っこである。
その状態のまま、クーはブーンと渡辺の方に振り返った。

川 ゚ -゚)「今日は楽しかったぞ、乙」

从'ー'从「うん、こっちも」

()「え? ぁあ、うんまあ、乙」

()(なんか、もうそろそろワケがわからんお)



356: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/07(日) 01:11:21.78 ID:tbIWpeWF0



ドクオの告白は失敗し
クーと渡辺は遊び、ショボンとブーンは掌の上で遊ばれていた。


それだけのことだった。



360: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/07(日) 01:12:41.97 ID:tbIWpeWF0
ドクオの告白は失敗し
クーと渡辺は遊び、ショボンとブーンは掌の上で遊ばれていた。


それだけのことだった。


川 ゚ -゚)「では、夜になりそうだし、戻るとするか」

その言葉が発せられたと同時に、クーの横に光り輝くドアが現れた。
ひとりでにドアは開かれる。その奥にはホテルのロビーが見えた。

从'ー'从「そうだね」


いつの間にかドク子と内藤の姿は消えていた。
空気を読んでちょっと前に隠れて帰ったのだった。

クーは設定ノートを拾うと、ペンでさらさらとそこに何かを書き記した。

川 ゚ -゚)「今日起こった、あまりにもヤバい出来事は悪夢として捉えよう」

2人に異存はなかった。
ブーンはこの屋上を飛び出たとある人物のことを思いだした。

()「でも何か……誰か忘れているような」

川 ゚ -゚)「お前の顔のパーツだろ」



364: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/07(日) 01:13:39.40 ID:tbIWpeWF0
川 ゚ -゚)「では、戻るか」

从'ー'从「今日1日お疲れさま」

(炎)「お疲れさまだお!!」

ドクオを抱えたクー、渡辺、ブーンは談笑しながら
ドアの中へ入っていった。
暖かなホテルの空気にホっとしながらも、
明日のことについて、今日のディナーについて3人は語り合った。


残された、無人の屋上。


屋上にはシンとした空気が流れ始めた。
既にオレンジ色の空は黒みを帯びて、紫に変色している。
星も段々と姿を現し月も光を放っていく。
夜のとばりが静かに沿うようにして包みはじめた頃、

屋上のドアがバンと勢いよく開いた。

(´・ω・`)「コンドーム買ってきたよ」



369: ◆tOPTGOuTpU :2007/10/07(日) 01:15:12.09 ID:tbIWpeWF0
(´・ω・`)「あれ」

(´・ω・`)「いないな……」

静かにボヤいた。

自分が取り残されていることを知ったのは、
それから3時間後のことだった。(クーネジ世界編終)



戻る次のページ