( ^ω^)がマジ切れしたようです

213: 第一部 ◆YhrftnhMQI :2007/10/09(火) 00:34:09.87 ID:lj3viH3i0

        第一部:鮫島ホテル編    すべてがWになるのようです


 話は3日目、クーの世界へ行った日にさかのぼる。


 コンドームを買いにいったショボンと、放心状態のドクオをクーネジ世界に置いてホテルに戻ってきた一行。
きっかけは、ブーンの何気ない一言だった。


(炎^ω^)「『ゲストルーム』を使ってみるお」

从'ー'从「げすと?」

川 ゚ -゚)「……あぁ。メイドのツンが言っていた、異世界のモノを呼び出す部屋か。そんな事をしなくても」


 クーが念じると空間が割れ、ぽとりとアルファベット・Nが落ちてきた。


川 ゚ -゚)「エスパーになればこれくらい夜飯前だ」

(炎;^ω^)「だから、その手のネタは自重しろと」

ξ゚ -゚)ξ「……どうかなさいましたか」



217: 第一部 ◆YhrftnhMQI :2007/10/09(火) 00:38:06.48 ID:lj3viH3i0

(炎^ω^)「ちょっと『ゲストルーム』について話していたんですお」

ξ゚ -゚)ξ「……お使いになるのですか?」

(炎^ω^)「いや、まだ決めたわけじゃ……」

川 ゚ -゚)「是非使ってみたいんだ。今からでも大丈夫だろうか」

ξ゚ -゚)ξ「……わかりました。夕食までまだ暫く時間がありますし、今からすぐ御使用になりますか」

川 ゚ -゚)「やってみよう」

ξ゚ -゚)ξ「……それでは、ジャム様から鍵を借りてきます」


 扉の前で待っていてください、と言い残して、静かにツンは今来た道を引き返していった。


从'ー'从「……急に決まったね」

(炎^ω^)「いきなり意見が変わったお」

川 ゚ -゚)「まぁ、エスパー能力にも限りがあるしな。今日はスタンドを使ったりして疲れたんだ
   それに、別世界の人間というのにも興味がある。ドクオやブーンみたいに、いじりやす……面白いヤツならいいんだがな」


 3階にあるゲストルームの前で待っていると、ほどなくツンがハローキティのキーカバーのついた鍵を手に戻ってくる。



221: 第一部 ◆YhrftnhMQI :2007/10/09(火) 00:43:50.95 ID:lj3viH3i0

ξ゚ -゚)ξ「このカギをドアに差込んで開くと、中に別世界の人間をひとり召還できるそうです。
   このホテルへの滞在時間は最大3日。ホテルから一歩でも出たら強制的に元の世界に送り返されます」

川 ゚ -゚)「個別指定はできないのか?」

ξ゚ -゚)ξ「申し訳ありませんが、現在回線が込み合っているので不可能です」

从'ー'从「(回線、って…………何)?」

(炎^ω^)「おっおっおっ、了解だお」

ξ゚ -゚)ξ「……それでは」


 ツンはその鍵をクーに手渡すと、一礼して廊下を歩いていった。


从'ー'从「……いいのかな。あたし達「客」が勝手に「ゲスト」を呼んでも」

川 ゚ -゚)「なぁに。ジャムさんが許可したなら問題ない。何かあっても、きっと解決してくれるさ」


 そういいながら嬉々として鉄製の扉に右手をかける。
左手で鍵穴に鍵をさしこみ、くるっと一回転。


川 ゚ -゚)「出てこい、面白い人!」



228: 第一部 ◆YhrftnhMQI :2007/10/09(火) 00:50:43.27 ID:lj3viH3i0
          ____
         __,,/  _, ----`ヽ  :.
     :.  / _     ___   、\
       / /   i      \   \\ :.
     :. ,'./       i  ヽ:.   ヽ:.:.. ヽ.ヽ
      ,'/    / .ハ ヽ ヽ:.:.:.:. ヽ::.. ヽヽ :.
     :. |i .i i  .i /  ヽ ト 、 \、:.:.:. ',:.',:.:.lヽ}
       |i .i l  :N_, -弋 \弌弋ナ:}:.:}
    :. |i∧ ', :{ ,ィjモト \  イjミトイイV :.  な…
       .|  :メヽ.', `ozZ}      izN。ハ::{     なんなんですか?
      :. |  :ヾ_! ゝ "゙゙    '  `゙ ハ.:', :.   ここ、どこですか?
      |  :.:_イ .:.ヽ.   (二フ , イ :.:.:!:.ヽ     なんであたし
   :.  / rィイ | :.:.ヽ: >r/`<ノ .:.::.}ヽ、\:.   ここにいるんですか?
      / ∧l;l ! :.:.:.://{二 ̄ .} ..:..::リ//ハ.:\
 :.  / .{. ',ヾ、ヽi .:.:.{ /(^`  |.:.:.:.//: : :.}: . ヽ.:.
   / /  ) ヽ ヾ、ヽ:.ハ ヤ{   ∧/.-‐'": : |:.:. i ',
  ./ .,イ .:..} : :\ヾレ'ハ ∧__ノノハヾ、  : : : l:.:.: .ハ ',
  { /| .:.:ハ : : :i Y {ヾ`Yヽニン'ノ}: : } : : : :/:.:.:/ }:.}
  V | .:.:/:.:|_,ィ' ̄  ヽ三{ `ー-ノ : イ : : :/:.:i.:{  リ
    ヽ:.:{、.:.V     : : ヘ     : : {: : :/:.::∧|
     ヽ! )人    : : :人      : : : / \! :.
      "  ヽ : : : : :/イ{     :.ノ: : : :.\ :.
       :.  \__///: :\______/: : : : : : : ヽ
           / //: : :|;|: : : : : : i: : : __: : : : ',
       :.     / 、 {;{   |;|   . : i/. : : : : : :|
          / `Y;{. . . .|;|. : : : /i: : : : : : : : :l
川 ゚ -゚)「チェンジ!!」


 目の前の巨乳メイドが言い終わらないうちに、クーは扉を閉じた。



233: 第一部 ◆YhrftnhMQI :2007/10/09(火) 00:55:12.66 ID:lj3viH3i0

(炎;^ω^)「な、なんで閉めたんだお! 今のは間違いなく朝比奈みく……」

川 ゚ -゚)「ブーン。これは何だ?」

从'ー'从「これはゲストじゃ……」

川 ゚ -゚)「違う。いいか、これは……

                    VIPのブーン小説だ         」


川 ゚ -゚)「あんなもん呼びだして活躍させてみろ。ただの二次創作に成り下がるぞ」


(炎^ω^)「(今さら何を言うかお…)」

从'ー'从「(なんというこじつけ……これはまさにご都合主義)」

作者「(フヒヒ、今まで散々やってサーセンwwww)」


 ともあれ、再び鍵を回して扉を開く。


^^ どうも、デスピーチです。ぶっころしにきました

川 ゚ -゚)「帰れよ」



238: 第一部 ◆YhrftnhMQI :2007/10/09(火) 01:01:36.16 ID:lj3viH3i0

 その後、何回か召還を試みるがロクなモノがでてこない。
感染する死人が乗り移った少女、眩しい禿番長、FOXにNice old.……
どれも設定や世界観をぶちこわしかねない。無駄に声の高いアメリカ鼠が出てきたときは作者は首を吊るべきか真剣に悩んだ。


川:゚ -゚)「……次で、ラストな」

从;'ー'从「う、うん」

(炎^ω^)「なんでこんな大げさになっちまったんだお」


 意を決してクーが鍵を回す。









????「……ふぇ?」



241: 第一部 ◆YhrftnhMQI :2007/10/09(火) 01:07:33.89 ID:lj3viH3i0

 扉から出てきたのは暢気そうな少女だった。
ネコミミを模した帽子をかぶり、特徴的なセーラー服の上から、ロゴの入った黄色のエプロンをつけている

     『わたなべ あやか』

胸についた名札には、女の子特有のかわいらしい丸文字で名前が書かれていた。






从'ー'从「……あれれー」

从'ー'从「……あれれー」




从'ー'从「「わたし(あたし)のそっくりさんがいるよー」」从'ー'从



243: 第一部 ◆YhrftnhMQI :2007/10/09(火) 01:10:31.50 ID:lj3viH3i0

 召還された、一回り小さな渡辺さん。おおきな瞳を不思議そうにきょろきょろと動かし、見知った顔を見つけて笑顔をみせる。


从'ー'从「あっ、『anim@te』のアニメ店長さんだぁ」

(炎^ω^)「渡辺さん! 久しぶりだお」

川 ゚ -゚)「知り合いか、ブーン」

(炎^ω^)「そうだお。元の世界でブーンが勤めていた店のライバル店の店員さんだお」

从'ー'从「店長さんの知り合いかぁ。それじゃあ自己紹介しなくっちゃね。はじめまして、渡辺綾香、17歳。
   『G@mers』アキバハラでバイトしてます、アキバハラに来た時はぜひお立ち寄りください」


 素なのか演技なのか、屈託ない笑顔でクーと渡辺に挨拶をする渡辺。


从'ー'从「それで、ブーンさん。このクー店長さんっぽい人と、わたしにすっごく似ている人は誰なんですか」



248: 第一部 ◆YhrftnhMQI :2007/10/09(火) 01:16:35.39 ID:lj3viH3i0
(炎^ω^)「おっおっおっ、紹介するお。こっちがクー、こっちが渡辺さん。
    二人とも別の世界の人で、今はブーン達と一緒に世界をめぐってるんだお」

从'ー'从「そうなんですか。大変なんですね」

川 ゚ -゚)「(つっこまないのか? 今の説明でつっこまないのか?! このキャラ……なんて天然なんだ)」

从'ー'从「……はじめまして、綾香ちゃん。私もおんなじ渡辺って名前なんだ」

从'ー'从「そうなんですかぁ。わたし、てっきり未来のわたしかと思っちゃいました」

从'ー'从「(……あながち、間違ってないかもね)」


 彼女の元いた世界にも目の前のブーンやクー、ショボンにドクオという同姓同名の人間は存在していた。
今一緒に旅をしている仲間と彼らはどこか似ている、といった程度の共通点くらいしかない。
 だが、目の前の渡辺は“どこか似ている”といったレベルでなく、高校時代の渡辺自身とまさに瓜二つだった。
……さすがに猫耳を日常的に装着するような趣味は持っていなかったが。

从'ー'从「それで、わたしは何でここにいるんですか?
   今まで(アニメ店長世界の)ツンちゃんの宿題を写してたのに」

川 ゚ -゚)「あぁ……君を呼んだのに……」



川 ゚ -゚)「得に意味はない!」



252: 第一部 ◆YhrftnhMQI :2007/10/09(火) 01:19:37.09 ID:lj3viH3i0

川 ゚ -゚)「ヒマつぶしだ」

从'ー'从「……ほえー、暇潰し編ですか。わかりましたなのです」


 なぜか納得する渡辺。(以下、アニメ店長世界の从'ー'从は『綾香』と表記します)




 そんなよくわからないノリで綾香は鮫島ホテルに滞在するようになった。
夕食を一緒にとり、戻ってきたショボンも加えてラウンジで談笑。
すっかり意気投合した渡辺の部屋にダブルベッドを運んでもらい、そこで暮らしていた。


 4日目、アキバハラでの騒動に関してはジャム自ら緘口令を敷いたため、彼女は一日メイドのツンと遊んでたという。

 そして6日目。


 事件は、おこった。



256: 第一部 ◆YhrftnhMQI :2007/10/09(火) 01:24:14.10 ID:lj3viH3i0
ちゃーちゃーちゃらららっらっらっちゃー(←アラーム)


ブーン「おはらっきーだお!!」


 自分しかいないのにもかかわらず、起床一番ブーンが叫ぶ。
そのままゴロゴロと布団を体に巻きつけながらベッドから転げ落ち、芋虫のように中から這い出る。


ブーン「今日もいい天気だお」


 窓まで匍匐前進で移動し、普通に立ち上がってカーテンを開く。
朝日が部屋にさしこみ、寝る間中もずっとつけていたサンバイザーがよりいっそう輝いた。


ブーン「さて、今日も一日世界を巡るお。今日は渡辺さんの世界だお
     音楽好きな渡辺さんの世界、ってことはドクオの世界みたいにまたライブができるかもしれないお」

 激しくドラムをたたくショボン、魂を歌に込めた渡辺やジョルジュ、熱い啖呵をきったクー達が
正直なところブーンはうらやましかった。サクラもあの場では大切だが、やはり少々物足りない。
最も、音痴で不器用なブーンにできるのはモギリや、MCくらいのものなのだが。

 新しい一日に希望を燃やしながら、鏡でサンバイザーの位置をチェックしようとする。


 そこでブーンは大変な事に気がついた。



261: 第一部 ◆YhrftnhMQI :2007/10/09(火) 01:27:32.33 ID:lj3viH3i0





                     从炎'ー'从「……お?」






263: 第一部 ◆YhrftnhMQI :2007/10/09(火) 01:31:44.43 ID:lj3viH3i0
 頬をつまんでみる。
 顔をたたいてみる。
 頭を振ってみる。


从炎'ー'从「…………」


 ズボンを下ろそうとして、万が一の事を考えて自粛。
服の上から股間をまさぐり、確認した。


从炎'ー'从「……お、女になってるお」


 それからのブーンの行動は素早かった。
 洗面器にポットの湯をため、頭からぶっかけたのだ。


从炎゜ー゜从「熱ーッ!!」





从炎'ー'从「……かわらないお」

从炎'ー'从「(しかも……渡辺さんそっくりだお)」



266: 第一部 ◆YhrftnhMQI :2007/10/09(火) 01:36:01.86 ID:lj3viH3i0
ドンドン

   「大変だ、ブーン」

从炎'ー'从「お?」


 ドクオの声がして扉が激しくノックされる。髪から垂れる水滴をはじき、ブーンは入り口まで歩いてゆき、のぞき窓から外の様子を見る。


从'ー'从「ブーン、大変だよ! みんなおかしいんだ」


 声はドクオのものだが、そこにいるのはどうみても渡辺さんだった。



从'ー'从「……大変な事になりました」


 それからしばらくして、ブーン達は(渡辺姿の)ラウンジに集められていた。
クー、ショボン、ドクオ、ツン、他の従業員達。そしてジャム=メシア。

 全員が全員、渡辺さんの姿をしていた。



270: 第一部 ◆YhrftnhMQI :2007/10/09(火) 01:39:22.46 ID:lj3viH3i0
从'ー'从「ゲストルームより来られた綾香様が先日より、このホテルに滞在しておられるのは知っていますよね」(←ジャム)

从'ー'从「もちろんだ」(←クー)

从'ー'从「昨晩、彼女がどういうわけか『ゲストルーム』の内部に侵入したのです」(←ジャム)

从'ー'从「……ジャム様。鍵はあの後ジャム様にお渡ししましたし、見回りのヘイポーの話では、
   以上がおきる直前まで何の異常もなかったと聞きますが」(←ツン)

从'ー'从「そうズラ。確かに鍵はかかっていたズラ」(←使用人・ヘイポー)

从'ー'从「鍵はともかく、私が許可していないので侵入できるはずはないのですが……
   今はそれを言ってもしかたありませんね」(←ジャム)


 渡辺の姿からジャムの声が聞こえるのはかなり違和感がある。
もちろん、彼に限ったことではないのだが。


从'ー'从「それで、綾香ちゃんがゲストルームに入った事と、僕たちが彼女の姿になっているのはどういう関係があるんだ?」(←ショボン)

从'ー'从「話せば長くなりますが、かいつまんで説明しましょう」(←ジャム)



273: 第一部 ◆YhrftnhMQI :2007/10/09(火) 01:43:21.17 ID:lj3viH3i0
从'ー'从「一平面上に存在する複数の世界の成り立ちはそもそも樹形図的なものであり、大元となる
   世界が存在するのです。幾何学世界年感覚で3373年前に発生したタブリス移動とグラステン効果により
   ラウンドパラドクスが発生し存在性が分裂。異世界との非・完全的な分離をはたし、今日の状態の基礎が完成します。
   バルキス理論を転用して申し訳ないのですが、サクセスノフォンを元とするリンシャンカイホウ、
   無限粒子の転換発生がここには関係します。アンダーワールドとタイムリープ装置を駆使し、
   さらにスタープラチナとタイムターナー。エヌマ・エヌシュを元にこの世界は擬似的に
   並列世界として世界に認識されていたのです。すなわち、ここは通常平面とは一部においてのみ隔離しているのです。
    このため、渡辺様と同位体の綾香様が自浄粛清を受けることはありませんでした」

从'ー'从「ところが今回、ゲストルーム内からつながる航界空間を鍵の制御抜きで起動させた結果、
   世界空間の巡回認識にこのホテルも介在されるようになり、さながらゲストルームを小型のブラックホールかなにかのように
   彼女自身と渡辺様の存在性を吸い込んでしまったのです。さらにその際、この世界の
構成も一部持っていかれてしまいました。
   そのため、行き場所をなくした渡辺さんを受け入れた世界平面そのものが彼女の存在を同化、吸収しました。
   このホテルのある世界。そしてショボン様、内藤様、クー様、ドクオ様の世界における
   固定人物要素は渡辺様のものに書き換えられていっています。
   今の時点ではまだ姿かたちにしか影響がありませんが、おそらく数日のうちに各人の内面、世界設定までもが
   渡辺様と同じモノになり、自立的な成長は見込めない状態になってしまうものと予想されます
   渡辺様の、渡辺様による、渡辺様のための、渡辺世界。想像するだに恐ろしいですね」

从'ー'从「……ぜんぜんわからない」(←ドクオ)

从'ー'从「産業で頼む」(←クー)

从'ー'从「   宇宙の
        法則が
        乱れた    」


从'ー'从達『把握』



278: 第一部 ◆YhrftnhMQI :2007/10/09(火) 01:47:04.97 ID:lj3viH3i0
从'ー'从「ジャム様、準備が整いました」(←ジェバンニ)


 渡辺さん(の格好をした従業員の誰か)がラウンジに入ってきた。


从'ー'从「助かりましたよ、ジェバンニ」(←ジャム)

从'ー'从「まもなく、この世界の隔離が完了します……」(←ジェバンニ)


 そう言うとソファに倒れこみ、動かなくなる渡辺ジェバンニ。


从'ー'从「……想定外というものはやはり自分の存在内においても存在するのですね」(←ジャム)


 一人ごつジャム。その姿が一瞬揺らぎ、元の老人の姿が現れる。
視界から渡辺の姿が消えていく。ほどなくして、全員の姿が元に戻った。


川 ゚ -゚)「……ふぅ。やっぱりこの姿が一番だな」



280: 第一部 ◆YhrftnhMQI :2007/10/09(火) 01:48:30.01 ID:lj3viH3i0

(´・ω・`)「全くだ」

('A`)「(……しまった。渡辺さんの姿をしてたうちにセクシーポーズで写真でも撮っておけばよかった!)」

パA゚イ「(オイラはちゃんとヌードで取ったズラ…って)あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


 ヘイポーと呼ばれていた使用人がいた場所に穴が開き、彼は奈落へ落ちていった。


(炎^ω^)「これで全部元通りだお」

(咒)「残念ですが、そうもいきません」


(咒)「これはあくまでこの世界中だけの応急処置です。みなさまの世界では以前、同じ状態が続いています。
   これを直すには、世界にちらばった綾香様の体を集め、世界空間に閉じ込められた渡辺様を救い出さなくてはいけません」


 ジャムは懐に手をとりだし、手足と頭部のない人形を静かに皆に示した。


(‘A`)「……人形?」



281: 第一部 ◆YhrftnhMQI :2007/10/09(火) 01:49:45.50 ID:lj3viH3i0
(咒)「さすがに元のままだとグロいので、人形にデフォルメさせておきました」

(´・ω・`)「……それはさておき。世界に散らばった……って。また僕たちの世界に探しにいけということですか?」

(咒)「その必要はありません。綾香様の体は両手・両足・頭部の5パーツに分離されてしまったのですが、幸いなことに今朝、
   主軸と名乗る青年が世界をめぐる途中で見つけた両手足パーツを持ってきてくださいました。後は頭部のみです」


 再び懐から手足のパーツを取り出し、胴体だけの人形にとりつけた。


川 ゚ -゚)「……わかった。残すはバッファローマンだけだな。綾香の体を爆破させてなるものか」

(炎^ω^)「それなんてミート君」

(´・ω・`)「悪魔超人はさておき、『渡辺』の心と体を取り戻せ。そういう事ですね」

(咒)「その通りですショボン様。
   残る綾香様人形の頭部、そして渡辺様の心が世界に捕らわれているのは『ワンダーウォール世界』……」


(咒)「つまり、渡辺様自身の世界です」

('A`)「今日行く予定だった場所ですね」



284: 第一部 ◆YhrftnhMQI :2007/10/09(火) 01:51:59.17 ID:lj3viH3i0
 かくて場面は冒頭に戻る。


('A`)「責任重大だな」

( ^ω^)「アキバハラだけでなく、平行する世界全てを救う、かお……」

川 ゚ -゚)「『世界のネジが一本外れてしまったようです』、か。洒落にならんな」


古泉「僕たちが何とかしなければ、確実に世界は崩壊する────
   んふっ、困ったものです」

(咒)「本当にみなさまにはご迷惑をおかけします。このような事態になってしまい、申し訳ありません」

(´・ω・`)「今回はしょうがないですよ。それに、僕らも戻る世界がなくなるのは困るんだ」

(咒)「……それでは、渡辺様の世界へお送りします。みなさま、世界を……渡辺様と綾香様をよろしくおねがいします」

 外部の操作室の窓越しに頭を下げ、ジャムがスイッチを押す。
鮫島ホテル敷内の遊園地、『ワンダーウォール世界』と書かれたジェットコースターが歪み、中に乗った4人の姿がかき消えた。


古泉「……おやおや、置いてかれてしまいましたよ」


 当然である。

【第一部終了:第二部へつづく】



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