( ^ω^)がマジ切れしたようです

4: ◆COOK.INu.. :2007/09/28(金) 00:01:24.88 ID:qIcFMYyu0


〜前回までのあらすじ〜


時は1970年代後半。

所はアメリカ。

泥濘のベトナム戦争でその名を轟かせながらも上官殺しの汚名を着せられ
追われる男達がいた。

奇襲と変装の名人(*゚∀゚)ハンニバル。

その軽口と顔を生かして、ブラジャーからヘリコプターまで何でも調達する男( ゚∋゚)フェイス。

メカの天才で自身も腕っぷしがたつが、飛行機だけはテンで駄目なζ゚听)ζコング。

奇人変人だがパイロットとしての腕前は超一流の( ^ω^)モンキー。

不可能を可能にする4人の男達。

人は彼らを……





特攻野郎Aチームと呼ぶ!!!!!!!



12: ◆COOK.INu.. :2007/09/28(金) 00:06:52.30 ID:qIcFMYyu0


           * 以下、何事も無かったかのように再開 *

ぎしぎし…

         わたしの聴覚がその音を捕らえる。

                        あんあん…

         わたしの聴覚がその声を捕らえる。

ぎしぎし…

         その音はベッドが軋む音。

                        あんあん…

         その声はどんなに歯を喰いしばっても漏れ出す自分の声。

ぎしぎし…

         いや、ちょろんとお待ちよっ!! 何もわたしらだって、毎晩毎晩盛りのついた猿みたいに腰振ってるわけじゃないさっ!!
         2日に1回。1回2ラウンド…ってトコかな。
         え? やりすぎ? 計算すると1月で30回? そそそそそそそそそそんな事ないさっ!! 気のせいだよっ!!

                        あんあん…

         やがて、わたしに覆い被さっていたダーリンが小さく声を漏らして動きを止める。
         彼……愛しのドッ君はしばらく息を整えていたが、やがて起き上がると煙草に火をつけた。



19: ◆COOK.INu.. :2007/09/28(金) 00:11:06.10 ID:qIcFMYyu0
(*゚∀゚)「いや〜、いい仕事するねっ!! わたしゃ大満足だよっ!!」

('A`)「…頼むからもーちょっと余韻に浸らせて…いや、無駄ですね。なんでもない」

言いながらドッ君はつけっ放しだったテレビのボリュームを下げた。
わたしはその下半身から役目を終えた避妊具を外し、固く縛ってからティッシュで包んでゴミ箱に放り込む。

ワンルームの癖に充実したキッチンを備えたこのマンション。
欠点は、やはりワンルーム並の防音機能しか備えていないことだ。
最初は全く気にしていなかったのだけど、ある日隣の部屋からブーちゃんが持っているのと同じ。
「素直な気持ちできしめん♪」なる奇妙な音楽のエロゲの音楽が壁越しに聞こえてきて、
それ以来「OTONA NO ZIKAN」にはテレビをつける事にしている。

話を戻そう。
今、テレビでは筋肉質の白人男性がプロデュースしたダイエットプログラムDVDの通販番組が流れている。
本来、軍隊でのトレーニングプログラムをダイエットに組み込んだ物で
流行の【ハートマン・ザ・ブートキャンプ】と言う奴だ。

('A`)「これって本当に効果あるのかね?」

「貴様らはこの地上で最も劣った生き物だ!!」「ガッツを見せろ!! この白豚!!」
等と吼えるテンガロンハットの男性を見ながらドッ君が呟く。

(*゚∀゚)「どうかね? でも、こーゆーのは成し遂げる事に意味があるんじゃないかね」

わたしは答える。

(*゚∀゚)「想う心は力になる。信じて成し遂げる事こそが、痩せたいと言う妄想を現実に…」

そこまで言いかけたあたしの口を慌ててドッ君が塞いだ。



26: ◆COOK.INu.. :2007/09/28(金) 00:14:00.25 ID:qIcFMYyu0
(*゚∀゚)「ふぁ、ふぁにしゅるんだゃいっ?(な、何するんだいっ?)」

(;'A`)「ダメだ。それ以上言ったら取り返しがつかなくなるぞ」

(*゚∀゚)「ふぁ、ふぁにさ、ふぉれ!?(な、なにさ、それ?)」

('A`)「OTONA NO JIJYO だ」

(*゚∀゚)「……」

OTOKOTATI NO BANKA?

('A`)「違ぇよ。どんなレトロファミコンソフトだ、それ」

MAHIRU NO JYOUZI?

('A`)「それも確かにOTONA NO JIJYOだが、違う」

WAKAOKUSAMA NO DANNASAMA NIHA HIMITU NO IKENAI AFTERNOON?

('A`)「いやいやいや。すでに NO しか合ってねぇじゃねーか。
    それじゃ、ただの人妻系AVのタイトルだ」

そう言って大きな溜息をついた。



33: ◆COOK.INu.. :2007/09/28(金) 00:16:43.32 ID:qIcFMYyu0
ドッ君はひたすら、「OTONA NO ZIJYO」。
つまり、パロディ自重とか。締め切りとか。ベトナムから帰国早々メンバーとの辻褄が合ってない事が発覚して
必死に全書き直しをしている人物の存在など、早口でまくし立て始めた。

(;*゚∀゚)「…いや、あの、意味分からないんですけど…」

('A`)「分からなくていい。大切なのは、これ以上ネタを増やすと本気でヤバイと言う事だけだ」

(*゚∀゚)「…にょろ〜ん」

ブラウン管の向こうでは、すでにダイエットDVDのコーナーは終わり、
寺門ジモン氏によるプレミアムZIPPO紹介が始まっている。
…いったい、いつになったら価値が上がるのか分からないけどねっ!!

('A`)「そんな事よりさ…」

ダーリンは煙草の火をもみ消すと、わたしに覆い被さってきた。

(*゚∀゚)「ん? なんだいっ!?」

分かってるくせにあたしは言う。
全く。逝くのも早いけど回復するのも早いねっ!!
わたしはすでに元気になりつつあるダーリンの村人A(自重)に手を伸ばした。
そして目を合わせて言うのだ。

(*゚∀゚)「One more set!?」('A`*)                               ノル゚‐゚ノ



38: ◆COOK.INu.. :2007/09/28(金) 00:19:23.68 ID:qIcFMYyu0
(*゚∀゚)「……」

('A`)「……」

ノル゚‐゚ノ「ただいま帰りました」

(*゚∀゚)「……」

('A`)「……」

ノル゚‐゚ノ「あ、これお土産のカニカマです」

(*゚∀゚)「……」

('A`)「……」

ノル゚‐゚ノ「カニカマボコと言っても、カニそのものは一切使っておりません。
    本来でしたら蟹缶が欲しかったのですが、あいにくドコのコンビニにも…」

 い や ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ っ ! ! ! ! ! 








その悲鳴が自分の口から出た物だと気付くのに。
わたしは相当な時間を必要としたのだった。



42: ◆COOK.INu.. :2007/09/28(金) 00:21:49.75 ID:qIcFMYyu0





    ( ^ω^)がマジ切れするようです・Cグループ

               IN

          ま・じ・か・る・ツンデレ 

               &

              料理人

        

             (*゚∀゚)編










48: ◆COOK.INu.. :2007/09/28(金) 00:23:58.14 ID:qIcFMYyu0
(*゚∀゚)「ななななななんでここにいるんだいっ!?」

ノル゚‐゚ノ「何故と言われましても。ここが今の私の家ですから」

わたしは慌てて毛布を身体に巻きつける。
可哀想に。
身を守る物をなくしたドッ君の股間のドリルはすっかり勢いを無くしている。
このショックで植物状態にならないか心配…

ノル゚‐゚ノ「本気で自重してください」

(*゚∀゚)「うっ」

危ない危ない。
なんで自分で自分の首絞めるようなことするかねっ!!
一瞬でも、「淫靡なネタ」とか「わたしのお尻のデスピーチ」とか一気に消化出来ると考えたのが怖いよっ!!

(*゚∀゚)「で、でも!! 入る時はチャイム鳴らすように言ってある筈だし、鍵だって…」

ノル゚‐゚ノ「チャイムは押しました。鳴らないのであれば故障かと思われます。鍵は開いていました」

(*゚∀゚)「え? マジ?」

言いながらわたしは気付いた。
ノルノが嘘を言うとは思えないし、嘘を言う必要も無い。
ためいきを一つ。
わたしは「あの言葉」を口から漏らしたのだった。

その為には…あれが必要だ。
わたしはサイドテーブルから口紅を取り上げると、自身の右頬に「あれ」を書き込む。



52: ◆COOK.INu.. :2007/09/28(金) 00:25:52.42 ID:qIcFMYyu0
(炎゚∀゚)「ギアs」

























('A`)「黙れ」

ノル゚‐゚ノ「つか、それ違いますし」



58: ◆COOK.INu.. :2007/09/28(金) 00:28:26.14 ID:qIcFMYyu0
(#'A`)「本気でこの辺にしとけよ…」

(*゚∀゚)「にょろ〜ん」

いつの間にかTシャツとトランクスを身につけたダーリンが言った。
わたしはこれだけの為に汚した頬をクレンジングペーパーで拭き取る。
自重と言われれば言われるほど反抗したくなる。
そんな自分の性格をわたしはちょっと後悔した。
いやいやいや。
でもねっ!!
台風が来るとコロッケ買いに行きたくなったり、デパートのエスカレーターを逆走したくなったり…。
経験あるだろっ!?

(*゚∀゚)「あるある」

('A`)「ねーよ」

わたしの渾身の一人ボケはあっけなくダーリンに潰された。
うぅ・・・酷いね。あんまりだよっ。

ノル゚‐゚ノ「いえ、でも本気で自重していただかないと」

ノルノが頭に乗せた広島東洋カープの帽子を取りながら言った。
つか、なんでそんなの持ってるんだいっ!?
広島東洋カープの関係者の方には申し訳ないけど…あの下手糞なトランペットの応援こそ自重するべきじゃないかねっ!?

ノル゚‐゚ノ「本来であればそのネタは時系列的に存在しません。
    いくらお祭とは言え、もう少し熟考して欲しいものです」

(*゚∀゚)'A`)「いや、意味わからねぇから」



62: ◆COOK.INu.. :2007/09/28(金) 00:30:08.02 ID:qIcFMYyu0
('A`)「ま、どっちにしても2回戦は中止だな」

言ってダーリンは指定席になっている床に寝転んだ。
わたしとノルノもそれぞれの指定席…ベッドに横になる。

ノル#゚‐゚ノ「……」

(*゚∀゚)「…?」

ノルノはすんすんと鼻を動かしてベッドの匂いを嗅いでいたが、
やがてわたしを一睨みして毛布に包まった。
やべ。栗の花臭かったかな?

(*゚∀゚)「ねぇ、ノルノ」

返事は無い。

(*゚∀゚)「アルミ缶の上にある民家…ってギャグあるっしょ?
    あれって、『有る民家』なのかな? 『とある民家』なのかな?」

やはり返事は無い。
わたしはふぅとサイドテーブル上の温くなったビールで喉を湿らせて、灯りを消した。

ぼやけていく意識の中。
わたしはこの、自称【未来から来たネコ型アンドロイド(?)】との出会いを思い出していた。



……話は10日前に遡る。



67: ◆COOK.INu.. :2007/09/28(金) 00:32:37.23 ID:qIcFMYyu0
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(´・ω・`)「とまぁ、そんな訳で。今日からしばらく働いてもらうことになった、
      ツンちゃん。ノルノちゃん。伊藤だ。みんなよろしくね」

ζ゚听)ζル゚‐゚ノ「よろしくー」

('、`*川「え? なんか私だけ扱い酷くない!?」

突然、バーボンハウス料理長ショボンさんの自称お兄さんが連れてきた3人の女子高生。
その中にいたのがノルノちゃんだったさ。

今、バーボンハウスは人手が足りなくて、てんてこ舞い。
猫の手どころか孫の手も借りたい状況さっ。
いや、ホントに借りてきたら問答無用でぶっ飛ばすけどねっ!!
この忙しいのに猫だの孫だのに足元走り回られたらたまったもんじゃないよっ。

だから、この3人の助っ人の存在は心の底からありがたかった。
どんなド素人でも厨房の隅っこで野菜切ったり皿洗ったりはできるだろっ!!
それすら出来ないってんなら…芸人辞めちまえって話だよ。
あ、芸人は関係ないか。
とにかくとにかく兎に角で一角兎。
この3人娘はバーボンハウスにとっての期待の新人。
和やかな歓談ムードで迎え入れようとスタッフ一同仕事の手を休めバックルームに集まったさ。

で、コーヒー片手に楽しげな会話が…



始まらなかったんだねぇ。これが。全く、不思議でしょーがないよっ!!



73: ◆COOK.INu.. :2007/09/28(金) 00:36:45.54 ID:qIcFMYyu0
川 ゚ -゚)「君はツンと言うのか」

ζ゚听)ζ「あ、はい。よろしくおねがいします」

まず、口火を切ったのはクーさんだ。
まじまじとツンちゃんの顔を覗き込んでから…いや、違うね。
あれは睨みつけるといった方が表現的には正しいよっ。

川 ゚ -゚)「私はホールマネージャー兼バーテンダーのクーだ。それにしても…本当に似ているな」

ζ;゚听)ζ「は? って、ちょっと何するんですか?」

言いながらクーさんはツンちゃんの髪を引っぱり始めた。
何してるんだい、あんたは。自重しておくれよ。

川 ゚ -゚)「ふむ」

ζ゚听)ζ「ちょ、ちょっと!! 痛いですよ!!」

川 ゚ -゚)「う〜む」

ζ゚听)ζ「な、なんで覗いてるんですか!!」

川 ゚ -゚)「…ふっ」

ζ////)ζ「へ、変なトコ触らないで下さい!! つか、なんですか!! その勝ち誇ったような笑い方!!」

ちなみに。このツンちゃんは我が妹【暴走特急】ツンとは別人。
よく見ると髪のカール感が違うけど…ややこしいねっ!! 
でも、今回妹ツンの出番は一切無いから心配しないでおくれ。



80: ◆COOK.INu.. :2007/09/28(金) 00:38:34.95 ID:qIcFMYyu0
散々玩具にしてからクーさんはようやくツンちゃんを解放した。

川 ゚ -゚)「いや。本当にそっくりだったものだからな。 
     つい、うちのツンが変装しているのかと疑ってしまった。許せ」

ζ////)ζ。oO(もうお嫁にいけない…)

顔を真っ赤にしているツンちゃん。わたしは慌ててフォローに入る。
流石だね、わたし様っ!!

(;*゚∀゚)「ご、ごめんね。この人はこーゆー人だからさっ!!」

ζ#゚听)ζ「どーゆー人ですかっ!! 頭のネジ外れてるんじゃないですか!?」

そんな事言われてもわたしが分かる訳ないじゃないかっ!! 逆切れはやめておくれよっ!!
それにクーさんの頭のネジが外れてるなんてそんな失礼な事……いや、なんでもないさ。

川 ゚ -゚)「世の中には3人自分にそっくりな人がいると言う。
     ドッペルゲンガー現象とか、生まれ変わりとか…そのような都市伝説も存在するが、
     私は自分で確認したこと以外信用しない性質だ。済まなかったな」

言ってクーさんは背中につけられたおもちゃの羽を揺らしながら、自身の城であるバースペースへ戻っていく。
と、その途中で何かに気付いたかのように立ち止まり振り向いた。

川 ゚ -゚)「言っておくが、私の内藤には手を出すなよ。
     もし手を出したら…ドリアンとアルコールで警察には他殺と分からぬ手段で殺す。
     よく覚えておけ」

そう言い残すと、クーさんは今度こそ本当にバースペースへ消えた。
何やらノルノちゃんが小声で呟いていたが、わたしにはそれを聞き取る事は出来なかった。



87: ◆COOK.INu.. :2007/09/28(金) 00:42:24.58 ID:qIcFMYyu0
('、`*川「だ、だから!! なんで私一人だけ厨房スタッフじゃないんですかっ!?」

(´・ω・`)「うん、今大切な話の途中だからちょっと黙ってて。ぶち殺すぞ、ビッチ」

なにやら必死に抗議しているペニサスちゃん。
それをどこ吹く風と受け流し、ショボンさんはお兄さんと何やら白熱した議論をしている。

('、`*川「ふざけないで!! 厨房で素敵なお兄様に囲まれてウハウハな私の夢はどうなるのよ!?」

…ふざけてるのはあんたさ。
わたしも流石に料理長の肩持つ気になっちゃ

(´・ω・`)「だ・か・ら!! JOJOで一番強いのはジョルノに決まってるだろ!!」

(`・ω・´)「何を言うか!! 永遠の死など不死の身体を持つカーズ様には効かんわ!!」

(*゚∀゚)「……」

前言撤回。
ふざけてるのはあんた『だけ』じゃなかったみたいだね。
しかも。

ノル゚‐゚ノ「……」

(;*゚∀゚)。oO(なんでこの子はずっとこっち見てるかね?)

人様から恨まれる覚えはあまりないつもりなんだけどなぁ。
なんか自分のペース乱されてるみたいで不愉快だね。
わたしはがっくりと肩を落とし、一歩離れた場所で騒ぎを傍観している男2人に視線を移した。



93: ◆COOK.INu.. :2007/09/28(金) 00:44:58.86 ID:qIcFMYyu0
( ゚∀゚)「…女子高生いいなぁ」

( ,,゚Д゚)「…いいなぁ」

( ゚∀゚)「…男の浪漫が詰まってるよなぁ」

(( ,,゚Д゚)「…そうだな」

( ゚∀゚)「…でも、しぃだって年齢的には同じくらいだろ?」

(*( ,,゚Д゚)「…やっぱ、制服ってのがポイント高いよなぁ。
       どうよ? 今晩のアレが終わったらイメクラでも…?」

( ゚∀゚)「…いや…俺はこの未成熟なおっぱいの香りを嗅いでるだけで満足だ」

(* ー( ,,゚Д゚)「そうか…しかたねぇ。一人で行くかな。
        このはちきれんばかりの遺伝子のメモリーを放射しない事には収まりがつきそうにねぇ」

(*゚∀゚)「……」

うん、お約束って奴だね。
【歩く死亡フラグ】の異名は伊達じゃない。
しかも、地味に一つネタを消化してくれたねっ!!
あんたの散り様はよく目に焼き付けておくさっ!!

ノル゚‐゚ノ「……」

(;*゚∀゚)。oO(なんかまた見られてるし)



100: ◆COOK.INu.. :2007/09/28(金) 00:47:41.72 ID:qIcFMYyu0
ギコさんにマウントポジションを取り、ガードの隙間から確実に拳をヒットさせる我が末の妹。
血の惨劇を前にしてみんなはようやく静かになった。

(´・ω・`)「それじゃ、僕らは仕事に戻るから兄さんもこの辺で」

(`;ω;´)「二度と来ねーよ!! バーカ、バーカ!!」

…子供かい、あんたは。
何があったかは分からないけど、半泣きで店を去るシャキンさんを見送る。
ん? いや、何があったか知りたくもないけどねっ!!

ショボンさんは床の血だまりの中に倒れるギコさんをゴミ運搬用の台車に乗せると、表に放り出す。
そして、2人分のコックコートとホールが着用するチャイナドレスを手に取って言った。

(´・ω・`)「うん、すまない。お遊びはこれまでだ。
       それじゃ、ノルノちゃん・ツンちゃん・その他一名はこの制服に着替えて欲しい。
       ツー。手伝ってあげて。男性陣は仕事に戻る。以上」

そう言ってコーヒーの空き缶を燃えるゴミの中に放り込むと、バックスペースを後にする。
地球に優しくない男は嫌われるよっ。

(*゚∀゚) ゚∀゚)゚听)ζル゚‐゚ノ「了解」

('、`*川「その他一名!? 今、すごく馬鹿にされなかった!?」

( ゚∀゚)「それじゃ、着替えちゃいましょうか。えっと…ジョル子の制服は…っと」

(*゚∀゚)「……出てけ」

( ゚∀゚)「……ちっ」



104: ◆COOK.INu.. :2007/09/28(金) 00:50:44.05 ID:qIcFMYyu0
着替えを手伝いながら、わたしらは雑談にふける。
女の子の特権と言う奴だ。

('、`*川「でも、ホントに助かりました。いきなり3人も雇ってもらえるなんて」

(*゚∀゚)「べ、別にアンタの為に雇った訳じゃないからねっ!! 単なる人手不足よっ!!」

('、`*川「…不慣れな事はしない方がいいですよ」

言いながらペニサスちゃんは制服をハンガーにかける。
お。ピンクかいっ!?
やっぱ、若い子の下着は可愛いねぇ。その控えめなレースがまた、ちょっと背伸びしたいお年頃って感じで
おじさん嬉しくなっちまうよっ!!

('、`*川「で、なんでツーさんまで脱いでるんですか?」

(*゚∀゚)「あ、ちゃんと訳があるんだよっ!!」

わたしは嵐のランチタイムで汗まみれになったコックコートをクリーニング用の洗濯籠に放り込む。

(*゚∀゚)「お、ツンちゃんはキャミのみかいっ!! それもそそるねっ!!
    でも、厨房での正しいブラはこれさっ」

言って自身の胸を包む黒のスポーツブラを指差した。

(*゚∀゚)「厨房ってのは戦場だからね!! 動きやすい下着こそが正義なのさっ!!
    ちなみに、ノーブラだと乳首が擦れて痛いから推奨はしないよっ!!
    最悪血が出るからねっ!! これは本当に恥ずかしいよっ!!
    あ、あとホック式のブラは擦れ違いざまにホックを外すおバカがいるから気をつける事!!
    分かったねっ!!」



111: ◆COOK.INu.. :2007/09/28(金) 00:53:07.49 ID:qIcFMYyu0
サービスタイム終了。
わたしらは真新しい制服に身を包むと、一人ホールに残るペニサスちゃんと別れた。

ζ゚听)ζ「…伊藤ごめんね」

ノル゚‐゚ノ「しかたありません。全ては料理長の判断。そして、規定事項です」

料理長の判断? 規定事項?

ノル゚‐゚ノ「なんでもありません」

さくっと否定される。
うぅ…なんか傷つくなぁ。
初めてクーさんと会った時みたいだよ。

(*゚∀゚)「おはようございまーす!!」

わたしは大きな声で挨拶しながら厨房に入る。
明るい挨拶は全ての基本だからねっ!!
一同がバックルームで歓談している中。
一人黙々と仕込みに専念していたイケメン君が振り向き挨拶を返してきた。







('A`)「おう、おはよう」



116: ◆COOK.INu.. :2007/09/28(金) 00:56:53.14 ID:qIcFMYyu0
ζ;゚听)ζ「…イ……ケメン?」

(*゚∀゚)「うんっ!! 愛しのマイダーリンさっ!! どうだい? UMAみたいでカッコイイだろっ!?」

ζ゚听)ζ「えっと…イケメンというか…イケヌマって感じですけど…。
     一瞬本気で眼科か脳外科勧めようかと思いました」

('A`)「…睡眠薬ってマツキヨで買える?」

普段以上に背中を丸め、中華鍋でおこげを揚げていたドッ君が手を休めて近寄ってきた。

('A`)「俺の名前はドクオ。鍋場…つまり、メイン料理の担当をしている。
    分からない事があったらなんでも聞いてくれ。
    で、あそこで意味もなくおっぱいプリンを作ってる筋肉ダルマと、顔中絆創膏だらけの金髪が…」

( ゚∀゚)「パティシエのジョルジュ様だ。よろしくな、残念賞&平均点」

残念賞? 平均点?
ジョルジュさんの視線は2人の高校生の胸に注がれている。
うん、ダボダボのコックコートの上からでもしっかり判別出来ちゃうんだね。
すごいよ。うん、すごいすごい。頼むから死んでおくれ。

(,メ゚Д゚)「前菜担当のギコだ。一応、全く料理が出来ない奴は俺が。
     比較的経験の有る奴はドクオがトレーナーにつく。お前ら料理の経験は…」

(*゚∀゚)「っと、その前に!! ちょっと待っておくれっ!!」

わたしはギコさんの言葉を遮った。
このままじゃペース乱れっぱなしだよっ!! 悪い流れを断ち切る為にも恒例の儀式をやっておかないとねっ!!



122: ◆COOK.INu.. :2007/09/28(金) 01:00:31.89 ID:qIcFMYyu0
(*゚∀゚)「2人とも、こーゆー業務用の厨房は初めてだろっ!? お姉さんが簡単に説明してあげるさっ!!
     まず奥から。この大きな寸胴は何に使うか分かるかい?そう、スープを取る寸胴さ!! つまりここでは麺を作るんだ!
     その隣の・・・ボイル器ってわたしらは呼んでるけど簡単に言えば大鍋さ! ここで麺を茹でるんだ!!
     で、これがコークス。 中華鍋用のガス台だね! 炒飯なんかはここで作るけど2人は炒飯は好き!? わたしは大好き!!
     作業台の下に有る扉は冷蔵庫だよっ!! ここに食材保存しておけば、すぐ取り出せるだろ!?
     作業台は吹き抜けになっていて、頻繁に使う食材はここに並べておけばちゃんと冷やしておけるって寸法さ!!
     これは見た事あるかい!? そう、餃子を焼く鉄板さ!! このタイマーを使えば焦がす事はないからねっ!! 安心だよっ!!
     これは蒸し器。 ランチタイムでは使わないからとりあえずスルーでいいよっ!! これで蒸しパン蒸かすと美味しいんだっ!!
     この作業台は冷菜とデザートで使ってる。 そこのギコさんやジョルジュさんが番人だよっ!!
     ようやくここまで来たねっ!! うん、分かるよね? こっちが冷凍庫、こっちが冷蔵庫さ!! 中の配置はまた今度ね!
     この突き当りを右に曲がってここが洗い場。 全自動だから簡単さ!! 
     ん、あぁこっちのシンクは切り出しにも使うからね!! 包丁の使い方はギコさんに聞けば間違いないさっ!!
     でも、人の包丁は勝手に使っちゃダメだよっ!! 簀巻きにされて東京湾じゃすまないからねっ!!
     簡単にだけ見てきたけど、皿や丼の置き場所はチェックしてくれたかなっ!? まだなら説明するよっ!! OK? 流石だねっ!!
     ここまでで分からない事はあるかいっ!? 」

…終わった。我ながら完璧な説明だったと思う。
全身を包むほど良い疲労感。わたしはドッ君が気を利かせて差し出した水を一息に飲み干した。

( ゚∀゚)「…でな、今社運をかけた3号店の準備に厨房の内藤ってのとホールのツンちゃんが行ってる訳なのよ。
     ノルノちゃんが住む寮も同じビルにあるんだぜ」

(,,゚Д゚)「しかも、この忙しい時期にバイトのイヨゥってのが家屋侵入罪で逮捕されちまってなぁ」

え? もしかして…。

( ゚∀゚)「あ、ごめん。聞いてなかったわ。もしかして大切な話だった?」

…いや、いいんだ。これくらいで怒るほど子供じゃないよ。
わたしは大きく息を吸い込むと、再び厨房の奥へ走っていく。



126: ◆COOK.INu.. :2007/09/28(金) 01:03:39.60 ID:qIcFMYyu0
(*゚∀゚)「それじゃ、もう一度説明するからねっ! 良く聞いとくれよっ!
     まず奥から。この大きな寸胴は何に使うか分かるかい?そう、スープを取る寸胴さ! つまりここで…麺を作るんだ!
     その隣の・・・ボイル器ってわたしらは呼んでるけど簡単に言えば大鍋さ! ここで麺を茹でる…んだ!
     で、これ…コークス。 中華鍋…のガス台だね! はぁ…炒飯なんかはここ…作るけど2人は炒飯は好き? まぁ、どうでもいいけどさ! 
     作業台の下に有る扉…冷蔵庫だよ! ここに食材保存して…はぁ、はぁ、すぐ取り出せるだろ!?
     作業台は吹き抜けにな…ふぅ、頻繁に使う食材はここに並べておけばちゃんと冷やしておける…さ!!
     これは見た事あるかい!? ……餃子を焼く鉄板さ!! このタイマーを使えば焦がす事はないから…はぁ…安心だよっ!!
     これは蒸し器。 ランチタイムでは使わない…うぷ、ごめん、ちょっとタイム。あ、ドッ君ありがと。んぐんぐ…ぷはぁ、生き返ったよっ!!
     この作業台は冷菜とデザートで使ってる。そこの悪い大人2人が番人だよ…って、雑談しようとするんじゃないよっ!!
     ようやくここまで…うん、分かるよ…ね? 省略する…よ! 中の配置はまた今度ね!
     この…突き当りを右に……ここが洗い場。シャワー代わりに…うぷ、ちょっと酸っぱい汁がこみあげてきたさ…。 
     …あぁこっちのシンクは切り出しにも使う…包丁の使い方は……うぷ。ありがと。でも飲めそうにないさ。
     でも……の包丁は……使っちゃダメだよっ! 簀巻……東京湾じゃ…はぁはぁ…な事言って無駄な体力使って…どうするんだろうね…
     簡単にだけ見てきた……皿や丼の置き場所はチェックしてくれ……………まだなら説明する…いや…自分で頼……わ。
     ここまでで分からない事は…?」

終わった。今度こそ終わった。
わたしは業務用大型冷蔵庫に寄りかかり、全身で酸素を補給する。うん、このまま冷蔵庫に入りたい気分だよ。

(,,゚Д゚)「で、お前ら分かった?」

分かって当然じゃないか…………って、そこのツインテール。なぜ首を横に振っているのかしら?

ζ;゚听)ζ「あの…そんな一気に言われても…」

(* ∀ )「……」

( ゚∀゚)「One more set」

わたしはふら付く足を叱咤激励して厨房の奥に走……ごめん、走るのは無理さ。



131: ◆COOK.INu.. :2007/09/28(金) 01:06:21.38 ID:qIcFMYyu0
(* ∀ )「それ…………一度説明……からね…………聞いと……よ。
     ……奥…………………大きな寸胴………人骨………煮込む…………スープ……ここで…証拠隠滅……。
     その隣の…………大鍋………茹でる……拷問……んだ。
     ……………コークス……中華鍋………熱した油……皮膚が焼け爛れて…くやしいのう…くやしいのう…。 
     作業……………冷蔵庫……小分けにした死体……保存して……。
     ………吹き抜けにな…生きた小猿の頭だけをここから出して……鋸で頭蓋骨……スプーンで脳味噌を…珍味……。
     これ…………………餃子を焼く鉄板……熱して…顔面を…………。
     ……蒸し器は…蒸気……火傷に豆板醤……楽しいねぇ……。
     この作業台の番人…………………………次の生贄…………。
     ……………北京ダック風に逆さに吊るして頚動脈を…………よく包丁を研いで……。
     冷蔵庫……元パティシエ…………冷凍庫……ギコさんだった物……ふふふふふふふふふふふふふふふ誠君誠君誠君誠君…」 

自分でも何を言っているのかよく分からなかったさ。

(;'A`)「ツーーーーーーーーーーーーーーッ!!」

遠くでドッ君がわたしの名前を叫んでいる。

(,,゚Д゚)「あ〜。そんな訳で、厨房は危険がいっぱいだと言う事が良く分かったと思う」

ギコさんが綺麗に〆ている。

ノル゚‐゚ノ「申し遅れましたが。私、中華料理店でバイトの経験がありますので自信があります」

ノルノちゃんが今更とんでもない事を言っている。

( ゚∀゚)b「Nice boat」

ジョルジュさんがまたバーローな事を言っている。
そしてわたしの意識は……完全にブラックアウトした。



135: ◆COOK.INu.. :2007/09/28(金) 01:08:02.42 ID:qIcFMYyu0
(*゚∀゚)「…………ここは……」

まず暗闇。
徐々に視界がクリアになっていく。
眼に映るのは見慣れた天井。
おでこにひんやりとした何かが乗せられてわたしの意識は完全に覚醒した。

('A`)「お、気がついたか?」

愛しのダーリンがわたしの顔を覗き込んでくる。
ここは…ドッ君の部屋だ。

(*゚∀゚)「ここは…何で…?」

('A`)「興奮しすぎてぶっ倒れたんだよ」

そう言えば、しばらくスタッフルームに並べられたビールケースの上で横になっていたような気がする。
つか、普通病院とか運んでくれても良さそうなもんじゃないかね?

('A`)「自業自得だ」

言ってドッ君はわたしの頭をコツンと小突く。

('A`)「心配させるんじゃねーよ」

そして、照れくさそうに煙草に火をつけた。






140: ◆COOK.INu.. :2007/09/28(金) 01:09:55.59 ID:qIcFMYyu0
(*゚∀゚)「…なんだか悪い事しちゃったかね」

('A`)「そう思うなら仕事で取り返せ」

うぅ…。
そこはちょっとでも優しい言葉をかけてくれるトコじゃないのかね。

('A`)「俺はそんな器用じゃねーよ」

それは分かってるさ。言ってみただけだよ。
でも、その不器用な愛情表現が可愛くて仕方がないんだけどねっ!!

わたしはドッ君の手元にある缶ビールを奪うと、一口流しこむ。

(;'A`)「…って、酒はヤバいだろ!!」

(*゚∀゚)「大丈夫だよっ!!」

そんな事より喉が渇いて仕方ないさ。
バドワイザー。冷えたドライビールのクリアな喉ごし。身体に活力が染み渡っていく。

(*゚∀゚)「ぷはぁ。これで完全復活さっ!!」

('A`)「……ホントかよ」

ダーリンのその言葉にわたしはニヤリと笑った。
灯りを消し、ドッ君の顔……鼻と鼻が触れ合う一歩手前まで顔を近づける。

(*゚∀゚)「なんなら……試してみるかい?」



143: ◆COOK.INu.. :2007/09/28(金) 01:10:51.93 ID:qIcFMYyu0
(*゚∀゚)「ん…わたし…あの子に嫌われてる…あ…のかね」

(*'A`)「あの子?」

わたしは真剣な表情で腰を振っているダーリンに問いかけた。
どんな男でもこの瞬間だけは真顔になる。
ヤリチン幼女疑惑がかけられているあの人も間違いなくその筈だ。
でも、女はそうでもない。
少なくとも、感じてる演技が出来るくらいには頭は覚めている。
ちなみに、世の中の男が思ってるほど女はサイズとか皮とか気にしてないさ。
そう思うと何か間抜けだと思う。

(*゚∀゚)「ノルノ…ちゃ…ん。なんか…ずっと睨まれてて…さ…」

(*'A`)「別に…そんな事ないだろ…」

目を閉じ、眉間に皺を寄せてドッ君が答えた。
額には汗が浮かんでいる。

(*'A`)「コックコートで眼を回してるツーを私服に着替えさせてくれたのはノルノだしな」

あ。
そうなんだ。
でも、さっきドッ君が脱がしたのはパジャマだったよね?
誰が着替えさせたのかはさておき。



147: ◆COOK.INu.. :2007/09/28(金) 01:12:12.80 ID:qIcFMYyu0
(#*゚∀゚)「ノルノ? 呼び捨て? 早くも呼び捨てにする仲なのかい!?」

(;'A`)「い、痛い!! 痛いってば!!」

わたしはダーリンのむき出しのお尻を力任せに抓りあげた。

(;'A`)「違うって!! なんかあっちから『私の事はノルノとお呼び下さい』っていうから!!」

(*゚∀゚)「へ〜。ずいぶん懐かれてるんだねぇ。で、あの子はどーなんだい?」

(:'A`)「え? あぁ、あれから炒飯作らせたけど上手いわ。知識も半端じゃない。
    あれから俺達以外は3号店の下見がてらノルノ…ちゃんの家に遊びに行ってるけど、
    俺は真っ直ぐ帰ってきたんだから!!」

(*゚∀゚)「ふ〜ん。あっそ」

(;'A`)「ホントだって!!」

それを聞いて私は指を放す。

('A`)「……マジ痛かったんですけど」

あれ? 怒ってる?  やりすぎたかねっ!?

(*'A`)「いえ、今のショックでもーちょっと長続きしそうです」

……変態。

(*'A`)「ふひひ。サーセン」



154: ◆COOK.INu.. :2007/09/28(金) 01:14:15.90 ID:qIcFMYyu0
7秒後。

(;'A`)「やべ…俺、もう逝きそう」

……いつもより長持ちするってのはどうなったんだい?

(*'A`)「いや、なんか…抓られたり罵られたりしたら興奮しちゃって…」

……あぁ、実はそういう性癖の人だったんだ…。
でも、まぁ、仕方ないね。
わたしもそろそろ本気で感じてるモードに入らないと。

(*゚∀゚)「うん、いいよ…わたしも凄く気持ちいいさ…」

(*'A`)「いいいいいいい一緒に逝いいいいいいいいいいいい」

(*゚∀゚)「うん…ドッ君愛してるさ…」

('A`)「おおおおおおおおおおおおお俺も愛ししししししししししししししししししししししししし」









                                                ノル゚‐゚ノ



157: ◆COOK.INu.. :2007/09/28(金) 01:15:46.69 ID:qIcFMYyu0
(*゚∀゚)
                                                ノル゚‐゚ノ
('A`)
























(   ) *゚∀゚
      ポーン                                     ノル゚‐゚ノ
(  )        'A`



165: ◆COOK.INu.. :2007/09/28(金) 01:18:08.22 ID:qIcFMYyu0
(;*゚∀゚)「なななななななななななななななななっ!?」

(*'A`)「ひぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!! 見られてるっ!? ギボヂイイッ!!」

ゴメン、ドッ君。ちょっと黙って。

(;*゚∀゚)「なんでアンタがこんなとこにいるさっ!?」

ノル゚‐゚ノ「寮が…3号店もろとも燃えました」

(;*゚∀゚)「は!?」

ノル゚‐゚ノ「今後の住居を考えた所、ここであれば会社が家賃の半分を支給しているから問題ないだろうと思いまして」

(*゚∀゚)「何でそんな事知ってるのさっ!? い、いつからここにっ!?」

ノル゚‐゚ノ「かなり特殊な性行為が始まった頃からでしょうか」

言いながら礼儀正しく正座しているノルノちゃんは懐から何やら取り出す。

ノル゚‐゚ノ「全ては規定事項。あ、これ引越し蕎麦です」

って、それはバーボンハウスで使ってる麺じゃないかっ!!
つか、そーゆー問題でもないだろっ!!

ノル゚‐゚ノ「お世話になります。改めて自己紹介を。私はノルノ。未来から来たヒューマンタイプアンドロイドです」

……何を言い出すんだろうね、この子は。
とにもかくにも。
こうして、彼女を含めた奇妙な3人暮らしが始まったのさね。めがっさめがっさ。



167: ◆COOK.INu.. :2007/09/28(金) 01:19:09.54 ID:qIcFMYyu0





    ( ^ω^)がマジ切れするようです・Cグループ

               IN

          ま・じ・か・る・ツンデレ 

               &

              料理人

        

             (*゚∀゚)編
                             fin



            ノル゚‐゚ノ編へ続く





173: ◆COOK.INu.. :2007/09/28(金) 01:22:12.61 ID:qIcFMYyu0
以上、CグループBの投下を終了します。

次回はちょうど物語の折り返し地点になります。

お楽しみに。

次回投下は3分後。

担当は私です。

それではノシ



183: ◆COOK.INu.. :2007/09/28(金) 01:25:47.80 ID:qIcFMYyu0


ぎしぎし…

         私の聴覚がその音を捕らえる。

                        あんあん…

         私の聴覚がその声を捕らえる。

ぎしぎし…

         アンドロイドである私に性交の機能は無い。

                        あんあん…

         いや。行為自体は可能だろう。
         実際、未来にはその行為をする専用のアンドロイドも存在していた。

ぎしぎし…

         だがしかし。
         私はその行為をする事で喜びを覚える事は出来ない。
         何故なら…私は感情を持たない機械だから。

                        あんあん…

         私はそれが悔しい。それが妬ましい。
         だから…。だから、これはちょっとした仕返しなのだ。



188: ◆COOK.INu.. :2007/09/28(金) 01:28:30.53 ID:qIcFMYyu0
カカカカカカカカカカカカカカカカカカカカ……。
電子頭脳から全身に命令が下される。
潜入モードon。
頭髪が一束逆立ち、周囲にレーダーを放射する。
音声遮断装置だ。
これで私の半径3メートル以内はどのような音も発しない。
そう言えば、マスターはこの頭髪をアホ毛と呼んでくれていました。

電子式のチャイムに手をかけ、高圧電流を流し込む。
一瞬青白い火花が散った。
これで呼び鈴は完全に沈黙しました。

続けて右手人差し指をピッキングツールに展開。

ノル゚‐゚ノ。oO(随分厳重にロックしていますね)

だが、この時代の錠前を開くなど私から見れば3歳児の手を捻るより簡単。
いえ。
3歳児の手を捻るのは簡単ですが、その後のフォローこそが難しいのではないでしょうか。

ノル゚‐゚ノ。oO(開錠を確認)

小さな手応え。
私は頭頂部の【アホ毛】から不可視装置を発動する。

さて。
それでは参りましょうか。



194: ◆COOK.INu.. :2007/09/28(金) 01:30:49.91 ID:qIcFMYyu0
(*゚∀゚)「……」

('A`)「……」

ノル゚‐゚ノ「ただいま帰りました」

部屋に立ち入るや否や音声遮断装置及び不可視装置を解除。全裸で抱き合う2人は完全に固まっています。

(*゚∀゚)「……」

('A`)「……」

ノル゚‐゚ノ「あ、これお土産のカニカマです」

私は帰り道に衝動買いした酒のつまみを2人に手渡す。
ドクオ様。マスターの父上と同じ名前を持つ人。
何故かマスターと非常に似たふいんき(何故かこの私のテクノロジーをもってしても変換できない)を持つ人。
未来でマスターと親しくする人物…【包丁小僧飯店】店主の先祖と抱き合うのは、何故でしょう。非常に不快です。

(*゚∀゚)「……」

('A`)「……」

ノル゚‐゚ノ「カニカマボコと言っても、カニそのものは一切使っておりません。
    本来でしたら蟹缶が欲しかったのですが、あいにくドコのコンビニにも…」

 い や ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ っ ! ! ! ! ! 

ツー様が悲鳴をあげる。
やれやれ。この悲鳴を聞くのも規定事項とは言え。やかましい事です。



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