(´・ω・`)ショボンが悲しい夏を振りかえるようです

62: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/06/23(土) 20:13:41.49 ID:DXpNuSU90

(´・ω・`) 「ジョルジュ、一体なにがあったんだい?」

(  ∀ ) 「お前、休みの間なにしてた?」

質問を質問で返すな、と言いたかったが、ここは我慢だ。
僕は、初日の出来事から、二日目のしぃとのデート、三日目の過ごし方など、大雑把に話した。

(  ∀ ) 「お前もやっぱりデートしたんだな。俺ももちろん、昨日したよ」

(´・ω・`;) 「まあそれが目的だったしね」

(  ∀ ) 「お前もうヤッた?」

(´・ω・`;) 「え? いや、その……」



64: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/06/23(土) 20:16:10.55 ID:DXpNuSU90

僕は自然と音楽室での出来事を思い出してしまう。
しぃとの初めての夜。しかし、それを思い出した瞬間それもすぐにジョルジュに読み取られてしまう。

(  ∀ ) 「なんだ、もう済んでたのか」

(´・ω・`) 「そ、そういうジョルジュはどうなんだよ」

(  ∀ ) 「昨日さ、クーと上野行ったんだよ。そんで、動物園行ったり、食事したり、プレゼント買ってあげたり。すごいいい雰囲気だった」

(´・ω・`) 「それで?」

(  ∀ ) 「夜になってさ、すごくいい雰囲気のまま公園に行ったんだよ。そしたらクーからはなにか期待しているような感情が感じられてさ、俺はクーの下のほうに手を入れたんだ。そしたら、あいつ俺の手をはねのけて、こう言ったよ」



66: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/06/23(土) 20:18:20.46 ID:DXpNuSU90

(  ∀ ) 「やっぱりジョルジュとは付き合わなければ良かった、って」

( ;∀;) 「しかもその言葉にはよぉ! 全く嘘の感情は感じられなかったんだ!クーは本当に俺と付き合うのが嫌だったんだってさ!」

(´・ω・`;) 「落ち着けよ、ジョルジュ!」

ジョルジュが泣き叫びながら、暴れ始めたので、僕は一生懸命になってジョルジュを押さえつけた。
なるほど、こんな状態を繰り返して、部屋がこんな状態になってしまったんだろう。

それにしても休みの間にそんなことがあったとは。
人の感情が読める、いや流れ込むと言ったほうが正確か。
そんな毎日を送っているジョルジュがこうなることは当たり前だったのかもしれない。
そして今回最愛のクーさんからきつい一言を言われてしまって、相当のショックを受けたことだろう。



70: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/06/23(土) 20:20:47.03 ID:DXpNuSU90

もともと素直なクーさん。
ジョルジュが人の感情を読めると知らないから、そこまできつく言ってしまったのだろう。
こうなるとジョルジュの力のことを素直に話してしまったほうがいいと思えるが、ジョルジュが僕のほうを睨んだので口に出すのはやめることにした。

しばらく経ってから、ジョルジュが段々と落ち着いてきたので、僕はジョルジュに提案をした。

(´・ω・`;) 「とりあえずさ、一回バンドの練習に来ないか? そのときクーさんと話し合ってみなよ」

( ゚∀゚) 「……わかった」

(´・ω・`) 「よかった。それじゃあ僕はとりあえず帰るよ。明日ちゃんと来てくれよ」

( ゚∀゚) 「お前としぃも来たほうがいいかもしれないな」

(´・ω・`) 「なに言ってんだよ? ちゃんといつも来てるから安心しろよ」

( ゚∀゚) 「いや、そういう意味じゃなくて……まあ、いい。また明日な」



73: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/06/23(土) 20:23:59.37 ID:DXpNuSU90

僕はジョルジュの発言に少し違和感を覚えながらも、ジョルジュの家を後にした。
僕は帰り道、ジョルジュとクーさんのことについて考えていた。
明日ちゃんと話し合いはうまくいくだろうか、変な亀裂が入らないように仲直りできるだろうか。
僕は少し平和ボケしていたんだろう。この時は、なんだかんだいってきっとうまくいくと思っていた。他人事なんてその程度の扱いなんだ。
でもそれが自分の身に降りかかったとき、すべての状況は一変するってことを、後々知ることになったよ。

次の日、僕はいつも通りの時間に起きると、学校へ行く準備をした。
ゆっくりと朝食をすませて、ゆっくりと身支度を整える。時計を見ると、まだ集合時間の一時間前だった。
余裕があるな、と思ったそのとき、携帯から着信音が鳴り響いた。

(´・ω・`) 「着信……クーさんからだ。なんだろう」

低血圧の僕は、朝はとてもボーっとしている。なので、昨日のことはすっかり忘れていた。
だから通話ボタンを押して、クーさんの声がいきなり耳に響いたときは、なんのことか全くわからなかった。



75: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/06/23(土) 20:27:38.16 ID:DXpNuSU90

「ショボン!! 早く音楽室に来てくれ! ジョルジュが大変なんだ!」

(´・ω・`;) 「ジョルジュが!? なんで二人ともそんな早く来ているんですか!?」

「昨日、ジョルジュから話し合いをしたいとメールが来たんだ!」

ああ、そういえば僕が提案したんだっけ。
僕は昨日のことを思い出す。そして、今のクーさんの鬼気迫った声。
僕の頭が正常に活動し始めたときに、やっと僕はクーさんとジョルジュが今大変な状況にいることが理解できた。

(´・ω・`;) 「クーさん、すぐ行くから待っていてください!」

「わかった! 待っている!」



78: >>76後でkwsk ◆bAt3E3sVXo :2007/06/23(土) 20:31:01.66 ID:DXpNuSU90


僕は通話を切って、急いで家を出る。
自転車を飛ばすこと5分、学校に着いた。
僕は上履きも履かずに、音楽室への階段をかけあがる。
やっと音楽室の前まで来た僕は、躊躇することなくドアを開けた。
そしてまず一番最初に目に入ったのは――泣いているクーさんだった。

(´・ω・`;) 「クーさん、大丈夫ですか!?」

川 ; -;) 「……ショボン」

(´・ω・`;) 「なにがあったんですか?」

川 ; -;) 「うわぁぁぁぁぁぁ!!」

クーさんは泣き叫びながら、僕に抱きついてきた。
普段あれだけ気丈なクーさんがこれほど取り乱すなんて、よほど怖いことがあったのだろう。
僕はクーさんを宥めながら、音楽室を見渡す。
恐らくこの事態を作ったであろうジョルジュは――ピアノの前に座っていた。



82: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/06/23(土) 20:33:07.26 ID:DXpNuSU90

(´・ω・`;) 「おい、ジョルジュ。これは一体どうゆうことだよ。説明しろよ」

( ゚∀゚) 「……」

(´・ω・`♯) 「黙ってないでなんとか言えよ!」

( ゚∀゚) 「もう少し、待ってくれ」

(´・ω・`;) 「なにを訳のわからないことを――」

( ゚∀゚) 「頼むから、もう少しだけ」

ジョルジュは静かな口調だったが、なにか危険な雰囲気を含んでいた。
僕は、仕方なくジョルジュに従うことにした。
しばらくの間、僕は泣いているクーさんを宥める。ジョルジュはその光景をつまらなそうに見ていた。

僕はジョルジュがなにを考えているのか全くわからなくなってしまった。
数日前までは、最高の仲間だったジョルジュ。しかし、この数日の間に豹変してしまったジョルジュ。
一体なんでこんなことになってしまったんだろう、そんなことを考えていると、目がうっすらと滲んできているのがわかった。



86: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/06/23(土) 20:35:54.77 ID:DXpNuSU90

それからどのくらい経っただろうか。
少し待ってくれ、と言われたが、もう三十分は待ったような気がする。
僕はしびれを切らしてジョルジュに話しかけようとした。しかし、そのときいきなりジョルジュが立ち上がった。

( ゚∀゚) 「きた」

(´・ω・`) 「え?」

ジョルジュは開け放たれた音楽室のドアから、誰もいない廊下を見つめている。
その廊下からは、微かだが階段を昇ってくる音がする。その音は段々と大きくなり――しぃが階段から現れた。

(*゚ー゚) 「あれ〜、みんな早いね、ってどうしたの!?」

しぃは急いで音楽室へ入ってきた。
そこには、泣いているクーとそれを宥めている僕、そして、ピアノに前に立っているジョルジュ。
しぃが見てもわかるほど、異様な光景なんだろう。



93: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/06/23(土) 20:38:35.87 ID:DXpNuSU90

(´・ω・`;) 「僕にもよくわからないんだ……。ジョルジュ、説明してくれないか?」

( ゚∀゚) 「話し合いが決裂しただけだ」

川 ; -;) 「私はジョルジュを怒らせるような言葉は言ってないはずだ!」

泣きながら、クーさんがジョルジュに向かって叫ぶ。
しかし、ジョルジュはそんなクーさんを見て、ひとつ溜息をつく。

( ゚∀゚) 「言葉は、な」

(´・ω・`;) (なるほど、そうゆうことか……)



97: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/06/23(土) 20:40:42.03 ID:DXpNuSU90

恐らく話し合いはうまくいっていたのだろう。言葉のやりとりだけなら。
しかし、途中でやっぱり――ジョルジュはクーさんの感情が読めてしまった。
そしてきっとそのとき、クーさんの真意がわかり、ジョルジュは再び傷ついてしまったのだろう。
そのあとジョルジュがどうゆう行動に出たのかは、想像に難くない。
そして、怖くなったクーさんが僕を電話で呼び出した。そんなところだろうか。

(´・ω・`) 「とりあえず、落ち着いて話し合わないか?」

( ゚∀゚) 「ショボン、どうせうまくいきやしないぞ」

(*゚ー゚) 「どうしてそんなこと言うの!? やってみなきゃわからないじゃない」

( ゚∀゚) 「だってこれ以上話し合ったら――お前らも仲違いすることになっちまうぞ」

(´・ω・`;) 「……」

ジョルジュの特異体質を知っている僕には、その言葉がすごく重たく感じられた。
でも、人間って不思議なもので、怖いものほど知りたがる習性があるみたいだ。その先の後悔も顧みずに。



101: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/06/23(土) 20:42:48.92 ID:DXpNuSU90

(´・ω・`) 「ジョルジュ、僕としぃを試しているのなら受けて立とう。君の知っていること、いや、知ってしまったことを話してくれないか?」

( ゚∀゚) 「知らねえぞ」

(´・ω・`) 「ああ」

訳のわからないクーさんとしぃは、ただただ僕とジョルジュのやり取りを見つめているだけだった。
僕もジョルジュの目をじっと見つめる。ジョルジュも僕の目をじっと見返してくる。
僕の感情を読み取ったのか――ジョルジュはゆっくりと話し始めた。

( ゚∀゚) 「俺たち四人は仲間だ。俺はそう思っている」

川 ゚ -゚) 「なら、なんでこんなことを――」

(´・ω・`) 「クーさん。黙っててくれ」

既に泣き止み、冷静さを取り戻したクーさんを僕が制止する。
クーさんも僕が真剣になっていることを読み取ってくれたようで、それ以上は言葉を続けなかった。
僕はジョルジュに合図をし、ジョルジュは話を続ける。



105: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/06/23(土) 20:45:00.24 ID:DXpNuSU90

( ゚∀゚) 「けど仲間であって、それ以上ではないんだ。本来はな」

(´・ω・`) (……)

本来は、ということは僕らは既に一般的な仲間以上の関係になっているということなのだろうか。
それのどこが悪いことなのか僕にはよくわからなかった。
ジョルジュは、考え込んでいる僕をチラッと見て、話を続ける。

( ゚∀゚) 「俺が言いたいのは、そうゆう意味じゃない。この四人からカップルができることがおかしい、という意味なんだ」

(´・ω・`) 「……」

( ゚∀゚) 「本来この仲間内の恋愛は、すれ違いで終わるはずだったんだよ。なぜなら――」



111: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/06/23(土) 20:47:10.15 ID:DXpNuSU90

( ゚∀゚) 「ショボンはしぃのことが好きで――」

(´・ω・`) 「ああ」

( ゚∀゚) 「俺はクーのことが好きで――」

川 ゚ -゚) 「……」

ジョルジュは一旦そこで言葉を切る。
僕は、ジョルジュの言ってることが当たり前すぎて、少し拍子抜けしてしまった。
しかし、次にジョルジュが言った言葉は、思わぬものであった。

( ゚∀゚) 「クーはショボンのことが好きで――」

(´・ω・`;) 「え!?」



116: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/06/23(土) 20:49:39.95 ID:DXpNuSU90

僕は慌ててクーさんのほうを見るが、彼女の表情からはなにも感じられない。
僕は思わぬ事実に度肝をぬかれた。
まさか、クーさんが僕のことを好きだったなんて。これ以上なにを言われても驚くことはない、と思った。
でもいつも思いは裏切られるものなんだ。ジョルジュが次に言った言葉は、僕をどん底に突き落とすものだった。

( ゚∀゚) 「しぃは……俺のことが好きなんだ。つまり……究極のすれ違いってやつだな」

(´・ω・`;) 「嘘だ……。じゃあなんでしぃは僕に告白してきたんだよ?」

( ゚∀゚) 「なんだ、しぃから告白したのか。まあ、落ち着いて考えろ。しぃがお前に告白する前に、俺がクーに告白したことは知ってるだろう?」

(´・ω・`;) 「ああ」

( ゚∀゚) 「それをクーがしぃにメールで知らせたんだよ、すぐにな。俺のことが好きだったしぃは……きっとヤケクソになったんだろうな」



120: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/06/23(土) 20:51:53.82 ID:DXpNuSU90

僕と映画を見に行ったとき、しぃはクーさんとジョルジュの関係を知らないって言ったはずだ。
そしてデートの途中で帰ったのも――まさかジョルジュと会うためだったのか?
僕に嘘をつきながら、僕と一緒の時間を過ごしていたのか?
僕はしぃの目を見る。しぃも僕の視線に気づいて、一瞬目があったが――すぐに逸らした。

( ゚∀゚) 「まあ、それぞれ実るはずのないものが、なんで実ったか。全部、俺のせいなんだわ」

(´・ω・`) 「……話してくれ」

川 ゚ -゚) 「……」

(*゚ー゚) 「……」

( ゚∀゚) 「一応、その前に俺のことについて話しておく。本当は嫌だったけど」



122: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/06/23(土) 20:53:57.88 ID:DXpNuSU90

ジョルジュは自分の特異体質について説明した。
既に知っていた僕は驚かなかったが、しぃとクーさんの驚きようは半端なかった。特にクーさんは、全く信じようとしなかった。
しかし、ジョルジュがクーさんの今の感情を言うことによって、流石のクーさんも信じないわけにはいかなくなってしまったようであった。

ジョルジュの話は、至って簡潔であった。
しぃと僕とジョルジュ。僕ら三人が出会ってからというもの、日を追うにつれて、しぃがジョルジュに、僕がしぃに魅かれていくのがわかったそうだ。
しぃに恋愛感情を抱けなかったジョルジュは、当初はしぃと僕が付き合うように画策していたらしい。しかし、そこにクーさんが現れた。
ジョルジュはクーさんに一目惚れした。一目惚れといっても見た目にじゃない。感情の持ち方にだ。
しかし、クーさんは僕に好意をもっていた。そこで、ジョルジュはクーさんに――僕がしぃを好きだということを何度も言ったらしい。
そしたらクーさんの僕に対する感情は、段々と小さくなっていったそうだ。そこで、ジョルジュがクーさんに告白をする。後は知っての通りだ。



149: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/06/23(土) 21:29:54.67 ID:DXpNuSU90

ジョルジュの話を聞いてからも、僕はしぃに関してだけは信じられなかった。
いつも僕と手を握りたがった、しぃ。
僕とのデートを楽しみだったと言った、しぃ。
僕から指輪を受け取って、涙を流した、しぃ。
そのすべての行動は全部偽りだったのだろうか。僕は一人で浮かれていただけなんだろうか。
僕は再びしぃのほうを見る。

(´・ω・`) 「しぃ、僕はジョルジュの言ったことを信じている。だけど、君に関してだけは信じられないんだ」

(*゚ー゚) 「……」

(´・ω・`) 「僕のことは好きじゃなかったのかい? ジョルジュの代わりだったのかい?」

(* − ) 「……」

(´・ω・`) 「黙ってても、わからな――」

(*;−;) 「もうやめて!!」



151: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/06/23(土) 21:32:53.37 ID:DXpNuSU90

突然、しぃが泣き叫んだ。
それは追い詰められての行動なのか、それとも本当に悲しくての行動なのか。
そんなことを考えてしぃを見ていたら、しぃの体がグラリと揺れた。そして、そのまま――倒れてしまった。

(´・ω・`) 「しぃ?」

(*‐−‐) 「……」

(´・ω・`) 「ねえ、しぃってば」

(*‐−‐) 「……」

返事をしない、しぃ。
僕の頭はこんがらがってしまい、なにがなんだかわからなくなってしまった。
しかし、それとは対照にジョルジュとクーさんは冷静であった。
ジョルジュはしぃの口と手首に手をあて、クーさんは携帯電話を取り出す。



153: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/06/23(土) 21:35:21.45 ID:DXpNuSU90

(; ゚∀゚) 「息はしてるけど……脈が乱れてる」

川;゚ -゚) 「救急車を一台お願いします! ええ! ○○高校の音楽室です!」

(´;ω;`) 「しぃ、しぃ、しぃ……」

それから数分して、救急車はやってきた。
隊員の人達は、馴れた様子でしぃを担架に乗せる。そして、そのまま救急車へと運んでいく。
僕たちはそれを必死に追いかける。しかし、次第に離されていき――しぃを乗せた救急車は行ってしまった。

(; ゚∀゚) 「ごめん、本当にごめん。俺はなんて最悪なことを……」

(´;ω;`) 「僕がしぃを問い詰めたりしなければ……」

自責の言葉を放っているジョルジュと僕を見て、クーさんはふぅ、と溜息をつく。

川 ゚ -゚) 「済んでしまったことは仕方ない。さっさと病院へ行くぞ。おそらくVIP病院だ」



160: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/06/23(土) 21:38:00.48 ID:DXpNuSU90

クーさんの言葉で目が覚めたジョルジュと僕、そしてクーさんは自転車にまたがった。
高校からは自転車で二十分ほどの距離だ。急げばもっと早く着くだろう。
僕は必死にこいだ。ジョルジュよりも、クーさんよりも速く。とにかく早くVIP病院でしぃに会いたかった。
そしたら、絶対こう言おう。

(´;ω;`) (ごめんね、しぃ――)

僕らがVIP病院に着き、看護婦さんにしぃの居所を聞いたら、既に病室へ移されたとのことだった。
病室のナンバーを教えてもらい、そこへ向かう。
僕らがしぃの病室に着いて、中を覗いてみると、しぃの傍らに中年の女の人が座っていた。恐らくしぃの母親だろうか。
僕らはその人に挨拶をし、中へ入る。



161: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/06/23(土) 21:40:49.20 ID:DXpNuSU90

(´・ω・`) 「こんにちわ、しぃの友達のショボンです」

僕は咄嗟に「友達」と言ってしまった。今の僕が「彼氏」と名乗るには、図々しすぎると思ったから。
中年の女の人は、僕らを見るとうっすらと笑った。その笑顔はどこか寂しげであった。

((σ_σ,)) 「あら、しぃの母です。よく来てくれたわね」

( ゚∀゚) 「あの、しぃは大丈夫なんですか?」

((σ_σ,)) 「お医者様によると、ストレスショックによる失神ですって」

川 ゚ -゚) 「……すいませんでした」

((σ_σ,)) 「いいのよ、謝らなくても。人と関わる以上は必ずストレスは溜まるわ。ただ、しぃの場合それが人より早く爆発しちゃっただけ」

( ゚∀゚) 「もしかして、入学当初休んでいたのも?」

((σ_σ,)) 「ええ、これが原因だったの」



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