( ^ω^)ブーン達は絡まり合うようです
- 3: ◆qvQN8eIyTE :2007/07/29(日) 21:24:48.23 ID:8n4qIirW0
- 第八話 【毛の解明】
( ^ω^)「うはwwww食らえwwwww」
('A`)「ぎゃー」
( ^ω^)「まだまだwwwww」
ξ゚听)ξ川 ゚ -゚)⌒*(・∀・)*⌒「うわー」
( ^ω^)「ずっと俺のターンwwwwww」
残りのAA「痛っ」
――内藤ホライゾン(スネ毛)優勝――
――残り1名――
( ^ω^)「賞金うめぇwwwwww」
- 7: ◆qvQN8eIyTE :2007/07/29(日) 21:26:30.10 ID:8n4qIirW0
- ( ^ω^)「という夢を見たお」
('A`)「そうか」
沈んでいた陽は昇り、彼らの世界にも朝が訪れる。
寝込みを襲われないよう、二人は木の生い茂る森を見つけ、その中で睡眠を取っていた。
辺りに障害物の無い草原よりも、暗くて障害物の多い森の中の方が、敵に見つかる可能性も低いと見たからだ。
('A`)「とにかく、だ。俺らの毛の能力を解明しないと、その夢は実現できないぞ」
( ^ω^)「お? ドクオのチン毛は刀になるんじゃなかったのかお?」
('A`)「あれは育毛剤の力であって、決してチン毛の力じゃない。俺らはまだ全くと言っていいほど毛についてわかっていないんだよ」
ブーンの出した疑問を、即座に否定するドクオ。
ゲームが始まってからだいぶ時間は経っている。
なのに、自身の毛の能力についてすら判明していなかったのが歯痒かった。
- 10: ◆qvQN8eIyTE :2007/07/29(日) 21:28:17.84 ID:8n4qIirW0
- ( ^ω^)「でも、僕は色々とわかったことがあるお!」
誇らしげにブーンが口を開く。
( ^ω^)「スネ毛がこないだ蟻になったのは覚えているおね? そこで僕は考えたんだお」
('A`)「何をだ」
( ^ω^)「スネ毛=虫じゃね?」
('A`)「ねーよwwwwwww」
(;^ω^)「ちょwwwwガチで言ってるんだお」
ドクオの軽々しいノリに対し、少し焦りながらもブーンが訂正を入れる。
言葉を紡ぎながらも、ブーンの手はスネ毛を掴んでいた。
( ^ω^)「とりあえず見ていてくれお」
- 12: ◆qvQN8eIyTE :2007/07/29(日) 21:30:35.03 ID:8n4qIirW0
- ( ^ω^)「痛っ」
まずは一本だけを抜き、地面に放る。
重力に従って地に落ちたスネ毛は、前回と同じく、うねるだけであった。
('A`)「これのどこが虫なんだ」
( ^ω^)「ミミズだお」
('A`)「その発想はなかったわ」
ドクオは半ば呆れながらも、蠢いているスネ毛を観察していた。
なるほど、言われてみればミミズに見えなくもない。
ゆったりと這うように進み、草に隠れた土に潜ろうとしてるようにも見える。
('A`)「これは……確かにミミズかもしれんね」
(*^ω^)「やっぱりそう見えるかお」
('A`)「でもこれ、戦えなくね?」
(;^ω^)「あ……」
- 14: ◆qvQN8eIyTE :2007/07/29(日) 21:32:38.27 ID:8n4qIirW0
- ('A`)「とりあえず、そのミミズと蟻の他にも、ちゃんと戦えそうな虫を考えておけ」
(;^ω^)「わかったお」
未だに地面で動くスネ毛に目を遣りながら、ブーンに課題を出す。
ミミズと扮したスネ毛は、太陽の光から逃げるために、地面に潜り込もうと必死である。
遂にスネ毛が土に潜り始め、全体の三分の一程度が埋まった、その時であった。
スネ毛やブーン達を中心に、大きく風が渦巻いたのは。
(;'A`)「やばい! 誰かが攻撃を仕掛けてきたぞ!」
風を切る音を立てながらも、再度、何かが飛んでくる。
右から左へ風が吹く、しばらくすると次は左から右へと風が吹く。
飛んできた物体が何かもわからぬまま、二人は立ち竦んでいた。
( `ハ´)「上手い具合に外れたアルね。運が良いことヨ」
二人の横の木の陰から、一人の男が出てくる。
口元の髭が逞しい中国人、シナーだ。
- 16: ◆qvQN8eIyTE :2007/07/29(日) 21:35:46.41 ID:8n4qIirW0
- (;^ω^)「外れたって……風が吹いただけじゃないかお」
シナーの言葉に思わず突っ込む。
何故ドクオが、攻撃を仕掛けてきたのに気付いたのかが不思議だった。
ブーンにとっては、ただ風が吹いただけにしか感じられなかったのだ。
(;'A`)「お前には見えなかったのか。とりあえず周りの木を見てみろ」
(;^ω^)「お……これは……」
ブーンの目に入ったのは、幹が深く抉られた木。
風が吹いた瞬間に傷付いたのであろうか。
とても鋭利な刃物で抉られたかのような傷であった。
( `ハ´)「朕の毛が何の毛なのかわからない限り、お前らに勝ち目はないアルよ」
( ^ω^)「髭だろ」
('A`)「髭だろ」
( `ハ´)「やっぱりわかるか」
( ^ω^)「うん」
- 17: ◆qvQN8eIyTE :2007/07/29(日) 21:37:31.36 ID:8n4qIirW0
- ( `ハ´)「ただし、朕の攻撃を見破られるはずがないアル!」
( ^ω^)「アナル!」
(#`ハ´)「黙るネ。朕の髭の餌食になってしまうヨロシ」
腕を自信の髭へと持って行き、シッカリと掴む。
軽く引っ張ると、あら不思議。
( `∀´)っハ「髭が丸ごと抜けましたー」
('A`)「ねーよwwwww」
思わずつっこむ。
その声に反応するかのように、シナーの目はドクオを捉えていた。
そして、髭を持つ腕を振り上げる。
- 19: ◆qvQN8eIyTE :2007/07/29(日) 21:39:23.37 ID:8n4qIirW0
- ( `∀´)ノシ 三三三三ハ ('A`)「うはwwwフライング髭wwwwきめぇwwww」
(^ω^;)「これはなんだお」
( `∀´)「黙って当たるアルよ」 三三三三ハ 三三三三(ノ'A`)ノ「やーだよwwww」
(;^ω^)「やべっ、置いてけぼりくらったお」
(;`∀´)「あ、届かないアル」 Σハ ピタッ ('A`)「ん?」
(;^ω^)「このいたたまれない僕を助けて欲しいお」
(;`∀´)「この距離は駄目アルか」 ハ三三三三 ('A`)「戻ったwww」
( ^ω^)「とりあえず金玉でも振り回してみるかお……」
スチャッ( `ハ´)「これでおk」 ('A`)「なんと便利な髭であろうか」
( ^ω^)っω「やべぇwwww取れたwwwww」
- 21: ◆qvQN8eIyTE :2007/07/29(日) 21:42:44.21 ID:8n4qIirW0
- ( `ハ´)「とにかく、朕の攻撃の正体はまだバレてないアル。それなら朕の方が有利アルよ」
( ^ω^)「毛→髭
能力→ブーメラン
理由→なんか髭の形がそれっぽいから
キャラの基本的な使い方→噛ませ犬」
( ^ω^)っ□「なんか変な紙が落ちてたおー」
('A`)「バカwwwそれはこの話のプロットを書いたメモ帳だwwww」
( ^ω^)「いっけね☆ ミスったお」
照れ隠しに少し舌を出し、軽く握った拳を頭の上に乗せる。
出来るだけ可愛い顔をして、相手に許しを請う。
これが、ブーンの特技であった。
(#`ハ´)「噛ませ犬……? 絶対に許さないアル!」
(ノω^;).o0(またやっちまったい)
しかし、成功率は今のところ0%なのだった。
- 22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/29(日) 21:44:56.37 ID:8n4qIirW0
- ('A`)「とにかく、だ。痛っ! さっさとこいつに勝っておくぞ」
自らのチン毛を抜きながら、口を開く。
いつの間に取り出したのであろうか、手には既に育毛剤が握られている。
数秒後には、巨大なチン毛を手にするドクオの姿があった。
('A`)「ここからは雰囲気を変えて戦闘モードな」
( `ハ´)「朕は最初からそのつもりアル」
( ^ω^)(戦闘シーンになると、やることなくなって暇だお……)
二人+αを包む空気が変わる。
どこからか風が吹き、足下の草が騒々しく揺れ始める。
地に半分ほど潜っていたスネ毛もまた、揺れていた。
( `∀´)「行くアルよ」
先に仕掛けたのはシナーであった。
気付けば既に、髭は放たれている。
先程の失敗も考え、いつの間にか間合いも詰めていたようである。
- 24: ◆qvQN8eIyTE :2007/07/29(日) 21:47:18.38 ID:8n4qIirW0
- ('A`)「っと!」
高速で飛んできた髭を、チン毛で受け止め、弾き返す。
相当な威力だったのか、毛刀を握る手に、痺れが感じられた。
( `ハ´)「さすがは育毛剤。結構やるアルね」
言葉を紡ぎながらも、シナーは隙を見せない。
シナーは遠距離からも攻撃できる。しかし、ドクオは近距離のみだ。
迂闊に飛び込めにいけないもどかしさを感じながらも、ドクオはシナーを見据えていた。
( `ハ´)「でも……」
突然、シナーは鞄の中に手をやる。
少し手探りで中身を漁ったかと思うと、そのまま引き抜く。
その手には、小振りの容器が握られていた。
( `ハ´)「朕も育毛剤を倒した奴から奪ってたアルけどね」
(;'A`)「なんだと……?」
突然のシナーの告白。
驚きを隠せないドクオを横目に、シナーは髭に育毛剤を塗り続ける。
止めに行きたいが、迂闊に行けば武器的に不利な分、やられるかもしれない。
(;'A`)「クソッ!」
シナーの髭は、ドクオの見守る中、どんどんと成長していった。
- 26: ◆qvQN8eIyTE :2007/07/29(日) 21:50:35.91 ID:8n4qIirW0
- ( `∀´)「完成アル」
シナーの身の丈ほどある、漆黒の巨大なブーメラン。
あまりの重さで付けていられないのであろうか、既に取り外してある。
完全に、髭が成長してしまった。
(;'A`)「まずいな……」
毛刀を構えながらも、表情には余裕がない。
相手の武器と、チン毛はあまりにも相性が悪すぎるのだ。
いくら剣道で鍛えた動体視力で攻撃を避けられたとしても、反撃に転じることは難しい。
( `A´)「ヌンッ!」
髭の末端を掴み、勢いを付けて投げ付ける。
先程の攻撃より速さはないが、威圧感は段違いである。
思わず避けることも忘れて、無意識にチン毛で受け止めてしまう。
(;'A`)「ぐあっ!」
想像以上の力で、チン毛を弾き飛ばされる。
なんとか髭は避けられたが、自らの武器は今、手元を離れて宙に浮いている。
このまま髭のブーメランが戻ってきては、バランスを崩している自分に避ける術はない。
そして、無情にも髭は空中で方向転換を始める。
ゆっくりとスピードを落としていき、運動する方向が真逆に変わる。
残酷なことに、髭の軌道はドクオをしっかりと捉えていた。
- 28: ◆qvQN8eIyTE :2007/07/29(日) 21:53:31.80 ID:8n4qIirW0
- (;`A´)「な……何が起きたアルか?」
確実に当たった。そう確信した矢先の出来事であった。
髭が獲物に触れる瞬間、ドクオが音もなく消え去ったのだ。
後に残ったのは、巨大化したチン毛だけ。
(;^ω^)「ちょ……、あいつ何消えてるんだお」
思わず声を漏らす。
戦うべきドクオがいなくなった今、シナーの敵はブーンのみだ。
未だに戦う毛すら無いブーンにとって、それは死刑判決を受けたも同然だった。
( `∀´)「とりあえず消えたアイツの代わりにお前を倒しておくアル」
しっかりとブーンは狙われている。
一歩ずつ確実に、シナーはブーンとの距離を詰めていった。
絶体絶命だと悟ったブーンは、いきなり手をスネにやり、高速で絡ませ始めた。
( ゚ω゚)「うおぉぉおぉぉおぉぉぉ!!! こうなったらヤケクソだお!!!!!11111」
最初はただのジャングルであったスネに、段々と蟻が増えていく。
結構な数の蟻を制作すると、ブーンはそれを引きちぎり、シナーに投げ付けるのであった。
( ゚ω゚)「氏ねお!! 蟻に食われて氏ねお!!!!」
- 29: ◆qvQN8eIyTE :2007/07/29(日) 21:55:06.96 ID:8n4qIirW0
- (#`A´)「汚いもん投げ付けるんじゃないアル。こんなの朕の髭で……って」
(;`A´)「え?」
シナーの目に映ったのは、巨大な髭と、それに群がる大量の蟻。
その蟻が、髭を少しずつだが、確実に食って分解していくのだ。
(;^ω^)「……お?」
この状況にはブーンも予想外だったようである。
デミタスの時も、蟻を投げたら何故か相手の毛が使えなくなった。
そして、同じ現象が今、目の前で起きているのだ。
(;`ハ´)「朕の髭が……」
いつの間にか元のサイズに戻り、小さくなった髭を付けて愕然とするシナー。
しかし、彼の不運はそれだけではなかった。
('A`)「ただいまー」
気付かぬ間に、ドクオが戻ってきており、その手には
(;`ハ´)「お前……それは……」
シナーの人形が握られていたのだ。
- 31: ◆qvQN8eIyTE :2007/07/29(日) 21:58:11.79 ID:8n4qIirW0
- (;`ハ´)「それを返せアル!」
('A`)「そんなん言われて誰が返すかバーカ。鼻付近にチン毛が到着しまーす」
焦るシナーを傍目に、自分の人形のチンコをもう一方の人形の鼻に押し当てて遊ぶドクオ。
どうやら遊んでいる内に、チン毛と髭が上手く絡まり合っているようである。
('A`)「鼻FUCKプレイktkr」
(;`ハ´)「お前、朕の人形で何しt
('A`)「あ、抜けちゃった」
( ^ω^)「鬼畜wwwww」
――シナー(髭)脱落――
――残り9名――
- 33: ◆qvQN8eIyTE :2007/07/29(日) 22:00:20.98 ID:8n4qIirW0
- ( ^ω^)「ところでドクオ」
敵のいなくなった空間で、ブーンが口を開く。
静かに吹く風が、戦闘で火照った身体を程よく冷やしてくれる。
('A`)「ん? なんだ?」
( ^ω^)「なんで途中で消えちゃったんだお?」
先程からずっと思っていた疑問を投げ掛ける。
前振りもなく、突然消えた理由を。
('A`)「あー、あれな。何か気付いたらあの背中毛の奴と戦った場所にいたんだわ」
('A`)「それで不思議に思って周りを見渡してみたらな、あの時に折れたチン毛が消えてたのよ」
('A`)「で、よく考えると、俺がいた場所がちょうどチン毛を置いた場所だったんだわ」
( ^ω^)「ほうほう」
('A`)「話は変わるけど、チン毛って絶対有り得ない場所に落ちてたりするよな?」
( ^ω^)「確かに。棚の上に落ちてた時はビックリしたお」
- 35: ◆qvQN8eIyTE :2007/07/29(日) 22:04:05.53 ID:8n4qIirW0
- ('A`)「あの現象を俺は、チン毛テレポーテーションと名付けているんだが……」
(;^ω^)「ちょっと待つお! まさかドクオのチン毛も投げたら、テレポートするとか言う気かお?」
適当に相づちをうっていたブーンが、突然意見を述べる。
その言葉を受けたドクオは、特に気にする様子もなく話を続けた。
('A`)「あぁ、そうだ。だからさっきもチン毛が吹っ飛ばされた瞬間に移動したし、移動先でチン毛を投げてみたら戻って来られた」
(;^ω^)「なんてくだらない毛なんだお……」
('A`)「そうか? とにかくこの能力は一本だけじゃ移動できなかったんだ。だから最初の時は何も起きなかった。
基本的には二本で一セットだな。それでやっと移動が可能になる。やっと能力がわかったよ。それじゃあ今度は俺が質問する番だな」
( ^ω^)「何か聞きたいことでもあるのかお?」
('A`)「お前はどうやって髭を小さくしたんだ? 確かに巨大化してたはずだが」
今度はドクオからの質問である。
どちらかというと、疑問を持ったからではなく、純粋な好奇心からの質問のようだ。
( ^ω^)「あれは蟻を投げたら髭を食ってくれたんだお。というか、見てなかったのかお?」
('A`)「蟻凄いな。俺が戻った瞬間、人形が目の前に落ちててそれに夢中だったから見てない。
たぶんあいつが育毛剤を取り出す時に、うっかりと落としたんだろう。バカそうだったしな」
- 38: ◆qvQN8eIyTE :2007/07/29(日) 22:06:20.88 ID:8n4qIirW0
- ('A`)「とりあえず、お前はこれを持っておけ」
持ち主のいなくなった育毛剤を拾い上げ、ブーンに投げ渡す。
しっかりとキャッチしたブーンは、鞄の中に大事にしまうのであった。
('A`)「あー、チン毛抜きすぎて毛根痛ぇ」
( ^ω^)「ドドンマイwwwww」
('A`)「黙れwwwww」
気付けば太陽は、だいぶ高い位置まで昇っていた。
長いこと戦っていたのであろう。
少しの疲労を感じながらも、二人はまたの勝利に喜ぶのであった。
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