( ^ω^)ブーン達は絡まり合うようです

34: ◆qvQN8eIyTE :2007/09/06(木) 23:49:12.07 ID:PgYnTDDW0
第十二話 【絡み合う】




(;^ω^)「ん……ぅん……」

ゆっくりと目を開く。
広がっていく視界には酷く硬質な部品。
ヘルメットを外し周りを見渡せば、沢山の機械と上へと続く階段。

(;^ω^)「結局……どうなったんだお……?」

この部屋にはブーンしかいない。
マルタスニムの姿は既に、機械には残っていなかった。

( ^ω^)「とりあえず上に行ってみるお」

階段をゆっくりと上り、みんながいるであろう部屋を目指す。
微かに聞こえてくる拍手の音。
これは自分を迎えるためのものなのであろうか



35: ◆qvQN8eIyTE :2007/09/06(木) 23:50:13.72 ID:PgYnTDDW0
('A`)「ブーン、残念だったな。あともう少しだったのに」

上がって掛けられた第一声。
それでブーンは全てを悟った。
自分は、負けたのだ。

( ´ω`)「結局、駄目だったのかお」

まばらな拍手の中心には、先程まで戦っていたマルタスニムと、やっと姿を現した孫悟空がいた。




――内藤ホライゾン(スネ毛)脱落――


――残り1名――


――マルタスニムは瀬川(モモ毛)優勝――



40: ◆qvQN8eIyTE :2007/09/06(木) 23:52:21.81 ID:PgYnTDDW0
(#^^ω)「ふざけるなホマ! これのどこが大金なんだホマ!」

(;´・ω・`)「いや、だからこれは骨董的な価値があるから。なんならサインも付けるよ」

怒り狂うマルタスニムに、なにやら赤い棒状の物を押し付ける孫悟空。

(;´・ω・`)「これ結構色んな伝説ある棒なんだよ。伸びたりするし。売れば大金になるから」

(#^^ω)「こんなのもらうために僕は戦ったんじゃないホマ!」

(´・ω・`)「今、三蔵法師の子孫は様々な苦難に迷わされている。是非、君に助けてほしいんだ」

突然、雰囲気を変えて頼み込む孫悟空。
その視線は真っ直ぐとマルタスニムを見据えていた。

( ^^ω)「……わかったホマ。ただし、いつかちゃんとした大金をもらうホマ」

(´・ω・`)「ありがとう。助かるよ」

( ^^ω)「別に礼は良いホマ。ところで、子孫さんは何に迷っているホマか?」

(´・ω・`)「親にエロ本が見つかったときの言い訳」

(#^^ω)「やっぱり嫌だホマ!!」



42: ◆qvQN8eIyTE :2007/09/06(木) 23:55:32.28 ID:PgYnTDDW0
('A`)「……行くか」

( ^ω^)「おぉ」

二人のやり取りを尻目に、静かにビルを去るブーンとドクオ。
久しぶりに、本物の外の空気を吸った。

しばらく歩き、駅に辿り着く。
点字まみれの券売機から、見慣れたVIP町の字が顔を見せる。
改札に切符を食わせて、電車へ乗り込んだ。

('A`)「……長かったな」

しばらく沈黙だった空気を、ドクオの一言が打ち破った。

( ^ω^)「おぉ。本当に、長かったお」

('A`)「最後の負け方、後悔しているか?」

ドクオから投げ掛けられた質問。
それに対し、数秒考えてブーンは答える。

( ^ω^)「後悔していないと言ったら嘘になるお。あんなしょぼい敗因」

('A`)「ケアレスミスは誰にでもあることだ。仕方ないさ」



43: ◆qvQN8eIyTE :2007/09/06(木) 23:57:48.13 ID:PgYnTDDW0
( ^ω^)「でも、僕達は『絡まり合えた』んだお」

('A`)「ん? どういうことだ?」

( ^ω^)「普通に生きていたら、僕はあの人達に会うことはなかったお。でも僕達は絡まり合ったんだお。
      毛的な意味でも。そして、運命的な意味でも。様々な人達と絡まり合って、僕はなんだかとても……楽しかったんだお」

('A`)「……そうか」

( ^ω^)「帰ったら、ドクオにガリガリ君買ってあげて、寝て、学校行って。これからも変わらない生活があるけど、今までのことは忘れないお」

('A`)「そういやガリガリ君約束してたな。……俺も、楽しかったぜ」

( ^ω^)「……おぉ」

それっきり、二人の会話は途切れてしまった。
静かな寝息が、小さく聞こえる。
車内の冷房が、ブーンのスネ毛に吹いて。

そして、微かに揺らした。




〜( ^ω^)ブーン達は絡まり合うようです・完〜



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