川 ゚ -゚)ξ゚听)ξふたりのハッピーライフなようです

1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/20(水) 21:19:18.27 ID:sW++UCZg0
川 ゚ -゚) やあ。

このアイスコーヒーはサービスだから、まず飲んで欲しい。

うん。「また」なんだ。すまない。
仏の顔もなんとやらというからな。笑って許してもらおうとは思ってない。

でも、このスレを見たとき、君はきっと、言葉では言い表せない
「また微妙なのが来たな……」みたいなものを感じてくれたと思う。
殺伐としたVIPで、そういう気持ちを忘れないでほしい、
そう思って、このスレを立てたんだ。

じゃあ、適当に前説でもやったあと、お題をいくつか貰おうか。



3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/20(水) 21:20:55.47 ID:sW++UCZg0


 どんなに夜が深くとも、朝は必ず訪れる。
 あと五分寝かせてよと上目遣いで懇願したところで、残念ながら時間はそう簡単には止まってくれない。

 目覚まし時計の鳴らすけたたましい合成の金属音が、頭の中でがんがんと反響する。
 惰性でなんとかスイッチを押してそれを止める。

 その瞬間、強烈な睡魔が私を襲う。
 羽毛布団の誘惑は強烈で、ともすれば再び眠ってしまいそうだ。

 いかんいかん。こんなことをしている場合では。



4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/20(水) 21:22:04.39 ID:sW++UCZg0
 悲鳴をあげる身体に鞭を打ちながら、やっとの思いで立ち上がる。
 前日の疲れはなかなか取れない。特に目と肩へのダメージが深刻だ。
 仕事中に眠らないよう、用心しなければ。

 ひどい寝起き顔のままで台所に向かうと、彼女はキッチンに立っていた。

 細く長く、綺麗にカールした髪をふわっと揺らして、彼女はこちらを向く。
 その人形のような可愛らしい顔は、それが生まれつきなのかなんなのか、少しだけむっとした表情をしている。

 少女らしく可愛らしい声で、彼女が言う。

ξ゚听)ξ「おはよう、クーさん」

川つ -´)「ああ……おはよう」

 まだ少しぼんやりする視界が、テーブルに並んだ何かを捉える。



6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/20(水) 21:23:47.79 ID:sW++UCZg0
ξ゚听)ξ「朝ごはん、作っちゃったから……早く食べてね」

川 ゚ -゚)「ああ……いつも、すまないな」

 二人で向かい合うように席に着き、朝食を食べ始める。
 朝ごはんは、目玉焼きにトースト。
 和食派の家に育った私には少々心苦しいものがあるが、それでも嬉しいことには違いない。

 最近は、彼女の作る料理が、私の何よりの動力源だ。

川 ゚ -゚)「料理、上手くなったな」

ξ゚听)ξ「……そう?」

 目玉焼きなんて、誰が作っても同じようなものだよ。
 そう言って悪態をつく彼女の頬が、少し膨れて赤くなるのを見て、私は思わず吹き出しそうになった。



8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/20(水) 21:24:56.93 ID:sW++UCZg0
ξ゚听)ξ「……何か、おかしい?」

川 ゚ー゚)「いや、ツンちゃんが可愛いからだよ」

ξ///)ξ「えっ……な、な……?」

 思い切り顔を紅潮させるツンちゃん。

川 ゚ー゚)「それじゃあ、私はそろそろ行くかな」

 後ろから「クーさんのばかっ!」なんて声が聞こえる中、私は書類とノートパソコン、その他仕事に必要なものを鞄に詰め込んでいった。



10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/20(水) 21:26:29.53 ID:sW++UCZg0
 ツンちゃんは早くに両親を亡くし、祖父母の家に預けられた。
 しかしその祖父母もまもなく亡くなってしまい、引き取り手も無かった彼女は、とうとう一人ぼっちになってしまった。

 そんな彼女を見るに見かねて、引き取ったのが私だった。
 そこから、この奇妙な二人の暮らしが始まった。

「いってらっしゃーい」

 玄関先。
 振り返ると、自分を送り出してくれている、彼女がいる。

川 ゚ -゚)「なあ、ツンちゃん」

 ふと、彼女に尋ねる。



11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/20(水) 21:27:39.41 ID:sW++UCZg0
ξ゚听)ξ「……え?」

川 ゚ -゚)「君は……いま、幸せかい?」


 ときどき、どうしても不安になってしまうのだ。
 私が彼女を引き取ったのは、ただの自己満足だったんじゃないかって。

 自分ではそんなつもりはないけれど、もしかしすると、ツンちゃんは心の中ではそう思っているのではないだろうか。
 そんなことを考えると、とてもとても、胸が締め付けられるように痛くなる。

ξ゚听)ξ「どうしたの? いきなり」

川 ゚ -゚)「……正直な気持ちでいい。聞かせて欲しいんだ」



13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/20(水) 21:28:45.73 ID:sW++UCZg0
ξ゚听)ξ「……私は」

 少し首を傾げた後、ツンちゃんは答える。

ξ゚ー゚)ξ「たぶん、幸せ……かな?」

川 ゚ー゚)「……そうか」

 私はそれだけ呟くと、「いってきます」と言って手を振り、荘の階段を下りていった。

 どんなに安い言葉でもいい。
 それが彼女の本心なのかはわからないけど……彼女の言葉で、胸の痛みがゆっくりと引いていく気がした。



14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/20(水) 21:29:48.32 ID:sW++UCZg0
 少なくとも私は、ツンちゃんを引き取ったことを後悔していない。
 代償は決して小さく無かったけれど……彼女と過ごせる時間はとても有意義で、今までの私が持たなかったものを与えてくれる。

 そう思っていたんだ。最初は。

 だけど、それもわからなくなってきた。
 本当に、これでよかったのだろうか。

 明日もし彼女がいなくなれば、私の胸には、とても埋められないような大きな穴が開いてしまうに違いない。
 そう思えるほど、彼女の存在は、私の中で徐々に、徐々に大きくなってきている。



15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/20(水) 21:30:57.04 ID:sW++UCZg0
 いつかきっと、彼女と別れる日が来るだろう。
 それは、そう遠くないうちにやってくるのかもしれない。

 そのときが来たら……。
 私は、笑顔で彼女を送ってやれるのだろうか。

 共に過ごした時間が長く、充実している分だけ、皮肉にもそれは、別れの辛さを増幅する。

川 ゚ -゚)「……月曜日は、人を憂鬱にするな」

 うん。
 これ以上考えるのはよそう。
 別れを怖がってちゃ、これ以上の関係なんか作れないから。



16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/20(水) 21:32:30.14 ID:sW++UCZg0
 せめて私が悲しむときに、ツンちゃんも同じように悲しんでくれるように、ツンちゃんを幸せにしてやるんだ。
 「あなたと居られて幸せでした」って言葉が、その小生意気な口から聞けるくらいに。

 とりあえずそれが、今の私の目標だ。




  川 ゚ -゚)ξ゚听)ξクーとツンのハッピーライフなようです






19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/20(水) 21:35:19.21 ID:sW++UCZg0
前説は以上です。
冒頭にも書いたとおり、お題を募集したいと思います。

あ、ちなみに例によって中出し義母レイプ先生ではありません。あしからず。



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