川 ゚ -゚)ξ゚听)ξふたりのハッピーライフなようです

10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/24(日) 15:03:45.12 ID:w/RG009P0
【クーとツンの初恋】

 思えば私は、かなり長い間、恋をしていない。

 初恋は中学生の頃だったが、その相手とは高校に上がってから別れてしまい、今となっては相手の顔も曖昧になってしまった。
 そこから現在に至るまで、多少相手のことを知って好きになっても、その相手に対してはっきりと「恋をした」と自覚できたことはなかった。
 年を取るうち、自分は人を愛せないのかも知れないと思うようにさえなった。

 結婚願望も、昔からなかったような気がする。
 大学を出てから縁談もいくつか来たが、すべて断ってきた。
 中途半端な気持ちで見合いに行っても、仕方ないから。

 だから、自分が保護者の立場になるなんて考えもしなかったし、今でもそれが信じられないでいる。



11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/24(日) 15:05:53.48 ID:w/RG009P0
 話は変わるが、ツンちゃんを引き取ってから、かなりの月日が経過した。

 ツンちゃんもかつての私と同じように、恋をするのだろうか。或いは、もう既に恋をしているのかもしれない。
 そんなことを考えると、なんとも寂しく、やるせなく、また、嫉妬深い気持ちになってしまうのだ。
 ある種、嫁に行く娘を思う父親の気持ちに近いものがあるのかもしれない。

 ツンちゃんが嫁に行くときは、私もテレビドラマの父親役の役者さんのように、涙を流すのだろうか。

 そんな先のことはわからないし……何より、それまで私とツンちゃんが一緒に居る確率は、限りなく低いのだろうけど。

川 ゚ -゚)「なんだか……妙な気分だな」

 最近、ベッドに入るとどうでもいいことを深く考えてしまうことが、よくある。
 年を取ったせいだろうか。もしくは、少し疲れているのかもしれない。
 そんなことより、明日の仕事に備えるべきだとは思うけれど。

川 ゚ -゚)「もう、こんな時間か……」

 結局、その日はなかなか寝付けなかった。



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