川 ゚ -゚)ξ゚听)ξふたりのハッピーライフなようです

34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/24(日) 17:18:38.03 ID:w/RG009P0
【風邪】

川 ゚ -゚)「じゃあ、行ってくるよ」

ξ゚听)ξ「うん、行ってらっしゃ……」

 あれ?
 なんか……立ち眩み。
 おかしいな、別に貧血とかじゃ……ないのに……。

川 ゚ -゚)「ツンちゃん?」

 そういえば、頭がなんか、ぼおっと……。

ξつ-)ξ「ん……」

 ゆっくりと視界が傾いていくのがわかって、私の身体は、床に吸い込まれるようにして倒れる。

川;゚ -゚)「っ……! ツンちゃん?! ツンちゃん?!」

 クーさんの、私を呼ぶ声が聞こえる。
 意識はだんだんと、そう深い水の中に落ちていくような……。



35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/24(日) 17:20:20.53 ID:w/RG009P0
 首と腰の辺りに手を回されて、私の身体が宙に浮く。
 独特の優しい……化粧っ気の欠片もない香りがする。

 私は、クーさんに抱き上げられていた。

 そして安心したのか、私の思考が、それきり途切れた。



ξつ-)ξ「うー……ん」

 目が覚める。
 ひどい頭痛に思わず額を押さえながら、身体を起こす。
 まだぼんやりとする視界で部屋中を見渡すと、彼女の姿があった。



37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/24(日) 17:21:16.92 ID:w/RG009P0
川 ゚ -゚)「目は覚めたかい?」

ξ--)ξ「クー……さん?」

川 ゚ -゚)「ひどい熱だったぞ。学校で誰かから貰ってきたのかもな」

 ふと気になって、時計を見る。

ξ゚听)ξ「……もう、12時? クーさん、会社は?」

川 ゚ -゚)「ツンちゃんが病気なのに、行けるわけないだろう? 有給を使ったよ」

ξ;゚听)ξ「でも……会社、忙しいって……」

川 ゚ -゚)「なに、課長もそこまで鬼じゃないさ」

 「まあ、後でこっ酷く叱られるだろうけどな……」。
 そう言って、クーさんは笑う。

川 ゚ -゚)「生憎、車がないものでな。歩いて病院まで行くぞ。立てるな?」

ξ゚听)ξ「う……うん」

 ベッドから降りて、二本の足で立つ。
 相変わらず頭痛はするけど、歩くのに支障は無いはずだ。

川 ゚ -゚)「じゃあ、行こうか」



38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/24(日) 17:22:20.52 ID:w/RG009P0
川 ゚ -゚)「良かったな、ただの風邪で」

 処方された薬を飲んで、またベッドに横たわる。
 気持ち、随分楽になった気がする。
 頭痛が少し治まったら、また眠気が襲ってきた。

ξ゚听)ξ「クー……さん?」

川 ゚ -゚)「なんだい?」

ξ )ξ「……仕事より……私の方が、大事?」

川 ゚ -゚)「何を言ってるんだい? 当たり前じゃないか」

 ああ……。
 ダメだ、自制が、効かない。



39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/24(日) 17:23:04.65 ID:w/RG009P0
ξ )ξ「それは……家族として……?」

 こんなこと、聞いちゃいけないって……わかってるのに。

川 ゚ -゚)「……え?」

ξ )ξ「……ううん、なんでもない」

 そうか、と呟いて、クーさんは立ち上がる。

川 ゚ -゚)「何か用があったら、呼んでくれ」

 そして、クーさんは部屋から出て行った。

 クーさんの居なくなった部屋で、私はわけもわからず、妙に悲しくなって、
声を押し殺して、泣いた。



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