川 ゚ -゚)ξ゚听)ξふたりのハッピーライフなようです

5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/26(火) 20:06:02.77 ID:OC6bnyhC0
【クマさんパンツ】

ξ゚听)ξ「あれ?」

 学校から帰ると、机の上に妙なものが置いてあった。
 一冊の、分厚い大きな、可愛らしい表紙をした本。

ξ゚听)ξ「もしかして……」

 徐に、ページをめくると……。

ξ゚ー゚)ξ「クマさんパンツ……かわいい」

 そこには、幼き日のクーさんの姿があった。



6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/26(火) 20:07:47.71 ID:OC6bnyhC0
 この裸で水浴びしている写真は、幼稚園の頃のものだろうか。
 うん、決して疚しいことは考えてないよ? ……本当だよ?

 ページをめくっていくうち、だんだんとクーさんが成長していく。
 その様子が面白くて、おかしくて、とても愛らしい。

 ちょうどクーさんが私と同じくらいの大きさになった頃から、写真には、クーさんの友達と思しき人たちが姿を現し始める。

 背が高く、茶色がかった長い髪をしている人。
 肩にかかるほどの黒髪で、どこか穏やかで優しく、のんびりした雰囲気を持った人。
 いろいろな人たちがクーさんの人生に絡み合い、そしてクーさんは成長していく。

 振袖を身に纏って、少し恥ずかしげに立つ、とても綺麗なクーさんの姿。
 タイトルの欄には、「成人式」と書かれていた。

 そこで、このアルバムは途切れている。



7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/26(火) 20:09:46.13 ID:OC6bnyhC0

ξ゚听)ξ「……はあ」

 アルバムを閉じて、ふと考えた。

 私はクーさんの人生の中の、ほんの一瞬しか知らない。
 こうして、アルバムでそれを見ることしかできないのだ。

 このアルバムには、私の姿はない。
 もっと早く生まれていれば、もっとクーさんに早く出会っていれば。
 私は、このアルバムのどこかに……そう、ちょうどあの人たちのように、姿を残すことが出来たのに。

 それが、どうしようもないことなのに、とても悔しかった。



8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/26(火) 20:11:15.79 ID:OC6bnyhC0
 ふと、アルバムの下にもう一冊、今度は、一回り小さなアルバムがあるのに気付いた。

ξ゚听)ξ「……あれ? これ……」

 開いてみれば、そこには……並んで写る、私と、クーさんの写真。
 クーさん……ちゃんと、作っておいてくれたんだ。

ξ゚ー゚)ξ「そう……だよね」

 どうにもならないことを嘆くよりも、これから二人で未来を作っていくことのほうが、ずっと大切だ。



「ただいまー」

 夕飯の支度を終えた頃。
 玄関から、聞き慣れた声が聞こえてきた。



9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/26(火) 20:12:34.81 ID:OC6bnyhC0
ξ゚ー゚)ξ「おかえりー」

川 ゚ -゚)「ああ……ただいま」

ξ゚ー゚)ξ「お疲れ様。夕飯、できてるからね」

川 ゚ー゚)「……どうしたんだい? 今日は、妙に上機嫌じゃないか」

ξ゚ー゚)ξ「え? そうかな?」

川 ゚ー゚)「何かあったのかい?」

ξ゚ー゚)ξ「……何にもないよ」

川 ゚ー゚)「……変なの」

 クーさん。

 これからも、よろしくね。



戻る