川 ゚ -゚)ξ゚听)ξふたりのハッピーライフなようです

14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/26(火) 20:20:19.04 ID:OC6bnyhC0
【ハッピーライフのようです】

 聞き間違いかと思った。
 嘘だと思った。
 だって……いきなりそんなことを言われても……困るじゃないか。

 でも、ひどく潤んで、今にも泣き出しそうな彼女の瞳からは、嘘をついているような様子は、とても見受けられなくて。
 私はなおさら返答に詰まる。

 ……いや、どうしてそもそも、私の心はこうも揺れ動いているのだろう。
 無理なら無理と、はっきり言えばいいのに。
 言いたいことをいつもはっきりと言えるのが、私の長所であり、また、短所でもあったはずだ。

 だけど……。

 私の心は、依然として揺れる。



16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/26(火) 20:21:45.55 ID:OC6bnyhC0
 そうだ、考えるんじゃない、クー。
 等身大で、ありのままで……自分と、向き合うんだ。


川 ゚ -゚)「……」

ξ )ξ「……」


 しばらく……、沈黙が続いて。

 やがて、私の中で、ひとつの結論が出た。



17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/26(火) 20:22:41.82 ID:OC6bnyhC0



川 ゚ -゚)「ツンちゃん」

ξ゚听)ξ「……はい」



 震えるツンちゃんの肩を、軽く抱いてやる。


 いつも生意気で、笑顔のひとつもロクに見せず、
 時にはワガママに振舞ったり、わけの分からないことを口走ったり。

 でも、そんな彼女と一緒に居られることが、本当に幸せだったと思えたのは、

川 ゚ー゚)「私も、ツンちゃんのことが大好きだ」

 紛れも無く、私も、彼女のことを好きだったからだ。



18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/26(火) 20:24:05.23 ID:OC6bnyhC0
ξ )ξ「それは……」

 ツンちゃんは俯き、声を震わせて言う。

ξ )ξ「家族……として? それとも……」

 私は肩から手を離すと、ツンちゃんの首に手を回し、

「ん……」

 唇を、奪った。


川 ゚ー゚)「……これで、わかってもらえるかい?」



19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/26(火) 20:25:35.05 ID:OC6bnyhC0
ξ )ξ「クー……さん……っ」

 私の胸の中で、ツンちゃんが泣いている。

 ああ、どうして今まで、気付かなかったんだろう。
 彼女は、こんなにも小さくて、可愛らしくて……愛しい存在だったんじゃないか。

 おっといけない。私はまだ、彼女の保護者だったんじゃないか。
 せめて最後まで、道を示さなきゃ。

川 ゚ -゚)「ツンちゃん……残念だけど、私はまだ、君と真剣にお付き合いしてあげることはできない。
     君はまだ、年端も行かない思春期の少女だから……もう少し、人と付き合うということを、真剣に考えて欲しい」

ξ )ξ「…………」



20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/26(火) 20:26:49.93 ID:OC6bnyhC0
川 ゚ -゚)「それに……ツンちゃんが二十歳になったら、私はもう、三十のオバサンだぞ? それでもいいのかい?」

 私のちょっと意地悪な問いかけに、ツンちゃんは涙を拭って答える。

ξうー゚)ξ「オバサンを好きになる女の子がいたって……いいじゃない?」

川 ゚ー゚)「……ありがとう」

 今はまだ、仮初めの関係でしかないけれど。
 お互いに年月を経ても、気持ちが変わらないことを祈ろう。





 不確かだった私たちの奇妙な関係は、この日、まだ少しではあるけれど、確かなものへと変わった。






21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/26(火) 20:27:33.37 ID:OC6bnyhC0






おしまい






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