( ^ω^)ブーン達はジャックするようです

1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/19(火) 20:15:47.22 ID:rbQhwW4S0

――放送準備室


「……そろそろだお」
「把握した。テンポよく、な」
「そうだお。この日のためにたくさん練習したお」
「一日二時間も費やしたんだ」
「よし、行くお」


( ゚ω゚)「行くわよ! ノリコはい! お姉さまっ!!」

(;゚A゚)「あれえええええええええええええええええ」



3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/19(火) 20:20:19.95 ID:rbQhwW4S0

ある日の昼休み。
男性用トイレの個室が二つ、ドアを閉めていた。その奥から声が聞こえる。

( ^ω^)「ドクオ」

('A`)「何?」

( ^ω^)「暇だから、放送室をジャックするお」

d('A`)「おk、俺達はやれば出来る子だ」



5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/19(火) 20:24:01.03 ID:rbQhwW4S0

( ^ω^)「そこで、提案があるんだお」

('A`)「あ、やべ。卵焼き落ちた」

( ^ω^)「ただジャックするだけじゃ面白くないお」

('A`)「いいや、食べちゃえ」

(*^ω^)「だから、僕らで勝手に放送しちゃうんだお!」

(;'A`)「え? ジャックってそういう意味だろ?」

( ^ω^)「あ、唐揚げ落としちゃった」

('A`)「具体的にナニやんの?」

( ^ω^)「……げふっ。電波ソング流したり」



11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/19(火) 20:27:30.87 ID:rbQhwW4S0

('A`)「たまにだけど、普通に流れるじゃんよ。放送部にオタが紛れてるんだが知らないが」

( ^ω^)「そうだっけ。じゃあダメだお。……あ、また唐揚げ落とした」

('A`)「どうせなら二人でラジオでもすればいいんじゃね?」

( ^ω^)「んえ?」

('A`)「え、何?」

( ^ω^)「いや、何でも」

('A`)「だから、音量マックスファクトリーでアニメのセリフ言ってみたり」

( ^ω^)「ならそれで。げふっ」



13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/19(火) 20:30:28.63 ID:rbQhwW4S0

(*'A`)「俺、お姉さまやりたい」

( ^ω^)「マリア様?」

('A`)「ぶち殺すぞ」

( ^ω^)「分かんねえお。僕は熱血も百合も嫌いだお。暑苦しい」

(;'A`)「分かってんじゃねえか。しかし百合は何か違くね?」

( ^ω^)「じゃあ僕ノリコ」

(;'A`)「絶対知ってんじゃん!」

( ^ω^)「あ、便器の中に弁当落とした」



15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/19(火) 20:33:26.78 ID:rbQhwW4S0

( ^ω^)「…………」

('A`)「それでな。あれ、あんじゃん。“行くわよ!”の流れ」

( ^ω^)「三秒ルールだな」

(;'A`)「え?」

( ^ω^)「いや」

('A`)「俺のお姉さまから、シャウトで始まるラジオを……」

( ^ω^)「僕が先がいい」

(;'A`)「え、いや、だって俺がお姉さまを……」

( ^ω^)「別にドクオがお姉さまでもいいお。でも僕からがいい」



16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/19(火) 20:36:05.88 ID:rbQhwW4S0

('A`)「あのな、俺がやりたいのはお姉さまから始まるセリフで」

( ^ω^)「なら無しで」

(;'A`)「お前がやりたいっていったんじゃん」

( ^ω^)「僕からじゃないなら、いい」

('A`)「………」

( ^ω^)「………」

A`)「……いいよ」



17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/19(火) 20:42:14.85 ID:rbQhwW4S0

そうして二人の男は便座から立ち上がった。

ラジオの内容を考え、次に練習の日程を組んだ。
驚くべきスピードで進んでいく月日と、会話と、展開で、まさかの地の分二行で済んだ。


( ゚ω゚)「行くわよ! ノリコ!」

喉が枯れるまで。

( ゚A゚)「はい! お姉さま!」

叫び続ける。

( ゚ω゚)「行くわよ! ノリコ!」

誰になんと言われようと構わない。

( ゚A゚)「はい! お姉さま!」

今の自分が正解だと、

( ^ω^)「だる」

そう信じて。

( ゚A゚)「はい! お姉さま!」



18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/19(火) 20:47:24.06 ID:rbQhwW4S0

そして一週間の月日が経った。
放課後はすぐにドクオの家に向かい、二時間練習をした。

( ^ω^)「あ、ネスは反則だお」

('A`)「うるせ、お前がいっつもカービィ使うのが悪いんだよ」

( ^ω^)「カービィは鉄板。もしくはリンク」

('A`)「ミュウツーとか使いこなせたら神レベルに強いよな」

( ^ω^)「DC乙wwwwwwwwww」



19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/19(火) 20:50:15.23 ID:rbQhwW4S0

( ^ω^)「そろそろ、やるお」

('A`)「何を?」

( ^ω^)「あれだよ、あれ。えっとなんだっけ」

('A`)「あーあれか」

( ^ω^)「そうそうあれだお」

('A`)「おk、これ終わったらな」

( ^ω^)「把握したお」

('A`)「何味がいい?」

( ^ω^)「ブルーハワイ」

('A`)「おk」



20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/19(火) 20:53:56.41 ID:rbQhwW4S0

ジャック当日

 ―実行一時間前―

( ^ω^)「うはwwwww楽しみwwwwwwwwwwwwwwwww」

('A`)「学校中を凍らせてやんぜwwwwwwwwwww」


 ―実行三十分前―

( ^ω^)「うは」

('A`)「セリフ丸暗記俺つええええwwwwwwっうぇwwっうぇ」


 ―実行十五分前―

( ^ω^)「」

('A`)「そろそろ行くか」


 ―実行五分前―

( ^ω^)「止めない?」

(;'A`)「え?



22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/19(火) 20:56:14.70 ID:rbQhwW4S0

( ^ω^)「いや、だってお? こんなことしたら先生がすぐにここに来ると思うんだお」

('A`)「だろうな。放送できるのは職員室かここしかないし」

( ^ω^)「つまり、他に逃げ道がないこの部屋から逃げることは不可能だお」

('A`)「だな」

( ^ω^)「……まだ分かんねーのかお?」

('A`)「何が?」

( ^ω^)「止めよう。僕が悪かったお」

('A`)「ダメ」



25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/19(火) 21:00:28.67 ID:rbQhwW4S0

 ―実行一分前―

(;゚ω゚)「やっぱり止めるお!」

('A`)「もう鍵開けちゃったし、今更逃げるわけにはいかんざき」


ドクオが前もって用意しておいたMDをセットし、それを再生し始めた。
流石にいきなりシャウトで始めたら不味いだろうと、アピールのためにも用意しておいたものだ。

「……そろそろだお」
「把握した。テンポよく、な」
「そうだお。この日のためにたくさん練習したお」
「一日二時間も費やしたんだ」
「よし、行くお」






26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/19(火) 21:02:23.52 ID:rbQhwW4S0

二時間枠の十分の練習。
その際にも使用していたこのMDを聞いた途端に、条件反射で内藤は口を開く。



( ゚ω゚)「行くわよ! ノリコはい! お姉さまっ!!」



(;゚A゚)「あれえええええええええええええええええ」





28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/19(火) 21:07:44.41 ID:rbQhwW4S0

( ゚ω゚)「さぁ始まったお2年の内藤とドクオによるハチャメチャむっつりちょっぴりセクシーな一日限りのレイディオ!」

(;'A`)「はい! それじゃあまず」

( ゚ω゚)「はいはい! それじゃあまず最初に一曲聞いてもらうお! お!」

(;'A`)「お、俺のセリフが……」

( ゚ω゚)「こいこい7で、SUPER LOVE!」



31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/19(火) 21:12:17.60 ID:rbQhwW4S0


 メガロ! メガラブ! レディトゥファイッ! レッツゴ!

メガロ! メガロ! ガロガロガロガロアッーガロガロアッーメガロ! オッスオッスオッスオッス!

ポーズ! キメテ! オッスオッスオッスオッス!

アッー


( ゚ω゚)「聞いていただきましたのは、こいこい7からSUPER LOVEでした!」

(;'A`)「それさっき説明した……」

( ゚ω゚)「イヤーナントイイマスカ!」

(;'A`)「んん?」

( ゚ω゚)「ボクラガナンデコンナコトヲヤッテイルノカトイイマスト!」

(;'A`)「……うん」



33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/19(火) 21:17:46.34 ID:rbQhwW4S0

内藤の暴走と、ドクオの噛み噛みトーク。
誰もが「失敗だろう」と思わざるをえない状態だった。


(;'A`)「あははー。そ、そそそそそそsそうなんだよね」

( ゚ω゚)「そうだお!そうなんだお!」

(;'A`)「それじゃあ次の曲。スクラ、スク、スクールランブルからスクランブルです」



グルグルマワール グールグルマワーッル
ワワワワスレモノグルグルマワール グッルグルマワール

フワフワニッウカブアタイ オッスオッス クーモーノーウーエー


(;'A`)「どうしよう」



34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/19(火) 21:22:45.86 ID:rbQhwW4S0

( ゚ω゚)「(どうするお、どうするお)」

(;'A`)「(一曲四分……その間に考えないと。でもハイペース過ぎてもう話すこと無いんだよな)」


そして曲が終わり。
またラジオが始まる。

( ゚ω゚)「僕はやめとこうって言ったお!」

(;'A`)「もとはお前が言い出したんだろ! 最後まで責任持てよ!」

(#゚ω゚)「ふざけんなお!」

(#'A`)「んだと!」


全ては校内に流れていた。



35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/19(火) 21:24:23.31 ID:rbQhwW4S0


('A`)「……これで、終わります」









ブツッ



37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/19(火) 21:28:34.87 ID:rbQhwW4S0

数時間後、ドクオ宅。


( ^ω^)「乙。反省会でもするお」

('A`)「……ん」






(;゚A゚)「テメェ何だあの様はァァァァ!

(;゚ω゚)「うっさいわボケェェェェェェェェ」

(;゚A゚)「出だしから躓いてんじゃねーかよォォォォォォ」

(;゚ω゚)「うるせェェェェェェェェ!」



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