( ^ω^)ブーンは出会い、何かを見つけたようです

6:時には昔の話を :2007/07/02(月) 21:19:41.17 ID:2k47U41q0

( ^ω^)「そういえば、一度もクーの話を聞いてないお! 何人家族なんだお?」

川 ゚ -゚)「6人家族だ。父、母、妹三人で暮らしておる」

( ^ω^)「何か面白い話とかはないのかお?」

川 ゚ -゚)「そうだな……私の生まれ月に妹たちが贈り物をしてくれたのだが、その話でもしよう」

* * *

VIP60年、ニューソク月

ノパ听)「今月はクー姉の生まれ月だあああああああ!
     いつも私たちのために色々としてくれる姉上に贈り物をするぞおおおお!」

次女の沙緒火兎(すなお ひいと)。賑やかしいが元気で明るい子だ。

lw´‐ _‐ノv「……米をあげればいいんじゃないかな」

三女の沙緒秋琉(すなお しゅうる)。天才肌で、色々と謎に包まれた子だ。

o川*゚ー゚)o「お米は流石にちょっと駄目じゃないかな、シュー姉。うーん……この間、クー姉が見てたかんざしとかどうかな?」

四女の沙緒宮斗(すなお きゅうと)。お茶目でそそっかしい子だ。

ノパ听)「流石だキュートおおおおおおお!早速買いに行くぞおおおお!」

そういうわけで、3人の妹たちは姉のために街へ買い物に行きました。



8:時には昔の話を :2007/07/02(月) 21:23:39.70 ID:2k47U41q0

o川*゚ー゚)o「これこれ、どうかな?」

早速キュートがかんざしを見つけた。
青色でところどころ花の絵柄が描かれたそれは、上品でシンプルな一品だ。

ノハ*゚听)「クー姉に似合いそうだなあああ!早速購入するぞおお!」

ヒートは嬉しそうに、店主のところへそのかんざしを持っていった。
すると驚きの事実が発覚した。

(´・ω・`)「1両になりやす」

ノハ;゚听)「な、なんだってー!(AAry」

一般家庭で1両といえば大金。到底姉妹に払える額ではない。
ヒートとキュートはしょぼーんと肩を落とす。
諦めて他のものを探そうと、店の外に出たその時。
二人はものすごい光景を目にする事になる。

lw´‐ _‐ノv「……お金」

なんとシューが優勝賞金1両という袋を持ってやってきたのだ。



10:時には昔の話を :2007/07/02(月) 21:28:10.92 ID:2k47U41q0

ノハ;゚听)「シュー! ど、どうしたんだそのお金!優勝って何に優勝したんだああ?!」

lw´‐ _‐ノv「お米1俵早食い対決よ。さっきそこのお店でやってたの」

o川;゚ー゚)o「流石シュー姉……」

何はともあれ3人は無事かんざしを買うことができた。
クーの喜ぶ顔が見れると思うと、3人とも嬉しい気持ちになる。

ノハ*゚听)「クー姉、待ってろおおおお!!」

o川*゚ー゚)o「ヒート姉、道のど真ん中で叫ばないのー」

lw´‐ _‐ノv「生米炊米生ライス……我ながらいい早口言葉ね」

そんな感じで家に帰る道を歩いていた。
不意にキュートがキャーと叫ぶ。
ヒートとシューの二人が驚いてキュートの方をみると、手に持っていたはずの巾着袋がない。

o川*;A;)o「うわあああん、男の人が私の巾着袋盗ったああ」

大泣きしているキュートの後ろをみると、大柄な男が急ぎ足で逃げているではないか。



12:時には昔の話を :2007/07/02(月) 21:31:48.86 ID:2k47U41q0

ノハ#゚听)「お姉ちゃんに任せろおおおお!!不届きな輩は成敗してくれるわあああ!」

ヒートがものすごい速さで男を追いかける。
大の男と年端の行かない少女。普通は大の男の方が足は速い。
しかし、ヒートは男との差をぐんぐんと詰めていく。
男も後ろから怒りの形相で追いかけてくる少女に気づいたらしく、スピードアップした。
だがその努力も空しく、差は詰まっていく。

ノハ#゚听)「不届き者おおお!成敗だあああ!」

その声に男が後ろを振り返った。その瞬間、ヒートのとび蹴りが男の顔に決まる。
鈍い音が響き、男は地に倒れた。

ノハ#゚听)「これは返してもらう!二度とするんじゃないぞおおおお!」

lw´‐ _‐ノv「米に変わってお仕置きよ」

o川*゚ー゚)o「ヒート姉ありがとー!」

無事かんざしを取り戻し、3人は家路に着いた。



13:時には昔の話を :2007/07/02(月) 21:35:13.36 ID:2k47U41q0

* * *

ノパ听) lw´‐ _‐ノv o川*゚ー゚)o「「「クー姉、生まれ月おめでとう!」」」

ノパ听)「これはあああ、3人からの贈り物だあああ!」

o川*゚ー゚)o「みんなで買いに行ったんだよ」

lw´‐ _‐ノv「開けてびっくりユートピアよ」

川*゚ -゚)「3人ともありがとう。早速開けさせて頂くぞ」

クーが嬉しそうに巾着袋を開けた。
そして中から3人で買った青いかんざしを取り出す。

川*゚ -゚)「かんざし……」



14:時には昔の話を :2007/07/02(月) 21:39:59.50 ID:2k47U41q0

o川*゚ー゚)o「この間、クー姉と買い物に行ったとき、それをじっと見てたから……」

川;゚ -゚)「でもこのかんざし、高かっただろうが……一体どこからそんな金を」

ノパ听)「シューがああああ、早食い大会で優勝したんだああ!」

lw´‐ _‐ノv「ふふ、米で私の右に出る者はいない」

川*゚ -゚)「そうか……みんなありがとう」

* * *

時代は戻って現代。

川 ゚ -゚)「以上だ。いい妹たちだろう」

( ;ω;)「イイハナシダオー」

川 ゚ ー゚)「自慢の妹たちだからな」

僕はクーがその時浮かべた、誇らしげな、それでいて寂しそうな笑顔が目に焼きついて離れなかった。



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