( ^ω^)ブーンがタッチタイプをマスターしたようです
- 60: ◆fMqrvr1rTs :2007/07/03(火) 01:02:25.33 ID:3tFEtyZZ0
(;^ω^)「なんかやばい気がするお」
ドリンクバー付近で突っ立っている僕とドクオ。
僕は隣りにいるドクオの方を向いて話し掛けるが
ドクオは唖然としていて、何が起こってるか把握できてないみたいだ。勿論僕も把握できていないけど。
だけど、すぐにドクオは正気に戻った。
(;'A`)「俺、この店を出たら就職しようかな」
(;^ω^)「頭が混乱してるのはわかるけどお、何か死亡フラグ臭がしてるお」
('A`)「ふふ、俺この状況を抜け出したら結婚するんだ・・・・・・」
( ^ω^)「ドクオ。死亡フラグ死亡フラグ」
こんな状況でこんな会話できるのだろうかと思うくらいに、のほほんとしている。
- 61: ◆fMqrvr1rTs :2007/07/03(火) 01:04:32.02 ID:3tFEtyZZ0
- ふと、店内に入ってきた者に視線を向けてみる。
ノパ听)
女性だ。
真っ赤に燃える夕日のような赤髪。紺色のスカート。半袖の学生服。夏服という奴だろうか。
僕等のやりとりをただ呆然と眺めている。
ノパ听)「・・・・・・」
(;^ω^)「・・・・・・(やべ、目があったお)」
急いで逸らすが、横目で見てみるとこちらを凝視している。やばい。これはやばい。
- 63: ◆fMqrvr1rTs :2007/07/03(火) 01:07:21.20 ID:3tFEtyZZ0
- (;'A`)「なあ、ブーン」
(;^ω^)「ナンデスカドクオサン」
(;'A`)「あの女俺ら凝視してない?」
(;^ω^)「イエスマイマスター」
小声でドクオと混乱した頭でやり取りを続けていると
ノハ#゚听) 「お前等あああああああああ!!!!男ならこそこしてないで堂々と話せええええ!!!!ちん(自主規制)ついてるだろうが!!!ち(自主規制)!!」
怒鳴られた。
表情を見る限り、明らかに怒ってる。非常に不味い。これはやばい。
どうする。どうする僕。
- 66: ◆fMqrvr1rTs :2007/07/03(火) 01:09:09.09 ID:3tFEtyZZ0
- (;^ω^)「とりあえず話し合いでm
ノハ#゚听) 「ぶるああああああああ!!!!!」
ちょ、走ってこないで。鬼の形相で走ってこないで。そんなセリフ吐きながら走ってこないで。
やばいやばいやばい。どうすれば。
(;'A`)「ブーン、危ないぞ!」
ノハ#゚听) 「うおおおおおおおおおお!!!!」
(;^ω^)「とうっ!」
僕は横っ飛びして突撃してくる女性をかわした。
そして急いで振り返る。
ノハ;゚听) 「あ、やb――――――
机に激突していた。
- 71: ◆fMqrvr1rTs :2007/07/03(火) 01:11:22.93 ID:3tFEtyZZ0
- (;'A`)「・・・・・・」
(;^ω^)「・・・・・・」
(;'A`)「・・・・・・なあ」
(;^ω^)「・・・・・・なんだお」
(;'A`)「こういう場合はどうすりゃいいんだ?」
(;^ω^)「・・・・・・結果オーライ?」
(;'A`)「か、帰ろうか」
(;^ω^)「逃げるが勝ちだお」
足早にその場を立ち去ろうとした、その時。
額から血を流しながらよろりと女性が立ち上がった。
ノハ#゚听) 「きさまあああああああああ!!!!よくもやったなあああああ!!!!」
僕避けただけなんですけど。
(;'A`)「やばくね?」
もういい。ドクオは黙っててくれ。
- 72: ◆fMqrvr1rTs :2007/07/03(火) 01:14:02.31 ID:3tFEtyZZ0
- ノハ#゚听) 「本気を出してやる!!!!」
すると、女性の右手から赤色の光が瞬き始める。
自然と、背骨を背筋が張る。脳が危険信号を発している。
嫌な予感が徐々に高まっていく。
(;'A`)「え、何あれ」
頼むから黙っていてくれ。
目が眩むほどに眩い閃光が放たれる。瞼が反射的に閉じてしまう。
ムスカ大佐の気持ちが少しわかった気がした。
それほど光を感じなくなった時に目を開いた。
そこには、何もなかったはずの空間に透明な赤色のキーボードに手を置いている女性の姿があった。
(;^ω^)「(さすがにそれはねーお・・・・・・)」
僕がそう思った瞬間、女性はキーボードをカタカタと打っていく。言わずもがなブラインドタッチである。
それも、かなり速い。
- 74: ◆fMqrvr1rTs :2007/07/03(火) 01:17:14.07 ID:3tFEtyZZ0
- ぼうっとその姿を見ていると、突如銃声が鳴り響き、虫が耳元で飛んでいるような、ぷぅん、といった感じの音が通過していった。
要するに、銃弾が左耳の横を通っていったのだ。
そして響く破裂音と破壊音。
その音の方向へ視線を向けてみると、そこには綺麗な円形で半径10センチほどの穴が空いている壁があった。
しかし何故だか、その壁の穴は破壊したというよりかは、空間を作ったといった感じだ。
どちらにしても
(;^ω^)「・・・・・・やべぇお」
完全に危機的状況だ。
- 77: ◆fMqrvr1rTs :2007/07/03(火) 01:20:15.54 ID:3tFEtyZZ0
- そして女性は再びカタカタと音を立てながらキーボードを打つ。
打ち終えたと同時にこちらを凝視して
ノハ#゚听) 「・・・・・・死ねぇえええええええ!!!!」
爆竹のような咆哮。
(;^ω^)「ちょ」
('A`)「ブーン危ない!」
ノハ#゚听)「おおおおおおお!!!!」
(;^ω^)「とうっ!」
再び横っ飛び。
間一髪。というか、髪が少しなくなった。銃弾で擦り切れた。
再度振り返ってどんな状況か見てみる。
今度は六ヶ個所ほど同様の大きさの空間が出来ていた。
あんなもの当たったりしたら・・・・・・
(;゚ω゚)「(死ぬお!!!絶対死ぬお!!!)」
- 79: ◆fMqrvr1rTs :2007/07/03(火) 01:21:01.03 ID:3tFEtyZZ0
- ('A`)「なあブーン。俺ちょっと気付いたんだけど」
(;゚ω゚)「な、ななななんだお?!」
('A`)「あのキーボードは指輪から出た光によって出たんだろ?だったら俺らも出せるんじゃね?」
(;^ω^)「お?」
絶望という暗闇の中に光が射し込んできた。
いや、でも
( ^ω^)「どうやって出すんだお?」
('A`)「よし、やってみる」
( ^ω^)「え――――――
そういった瞬間、ドクオの指輪から黒煙のようなものが立ち込め始める。
そしてその黒は突然白光する。また反射的に目を閉じてしまったが、目を開けてみてみると
('A`)「出来たぜ」
隣りにいたドクオが何もなかった空間に透明な黒色のキーボードを出して、その上に手を置いていた。
- 2: ◆fMqrvr1rTs :2007/07/04(水) 21:48:40.52 ID:NCZ4FXHA0
- ノパ听) 「・・・・・・」
完全にイレギュラーだ。
ここに来る時には何も『感じなかった』のに。
なのに今は身に焼きつくほどの圧力を感じる。
黒色透明のキーボード。あんな禍々しいものをいきなり出すなんて。
さっきまであの少年からは何も感じなかったのに。
(;'A`)「(出せたのはいいけど使い方ワカンネ)」
でも、関係無い。
私はただ、目の前の相手を倒すだけでいい。
他に理由がいるのか?戦うことにそれ以外に理由が必要か?
だったら――――――
ノハ#゚听) 「ぶちのめすだけだああああああああ!!!!」
(;'A`)「うおおおっ!?」
数多の銃弾が女の咆哮とキーボードのタイプ音が店内に響き渡った。
- 4: ◆fMqrvr1rTs :2007/07/04(水) 21:50:45.12 ID:NCZ4FXHA0
- (;^ω^)「・・・・・・」
僕はどうすればいい。
出来ることなら戦いたい。いや戦わなくちゃならない。
でも、戦えない。戦うことが出来ない。
現実では起こり得るはずがない状況なのに、起こってる。
だったらいつまでも現実逃避なんかしていられない。
戦わなきゃ。戦わなくちゃ。
でも、どうやって?
- 5: ◆fMqrvr1rTs :2007/07/04(水) 21:53:49.16 ID:NCZ4FXHA0
- ノハ#゚听) 「おおおおおおおおおおおおお!!!!」
(;'A`)「うわっちょ!」
どうすればいい。
あの女が攻撃するときは何かしらキーボードを打ってるみたいだが・・・・・・
ん?『キーボードを打ってる?』ということは、攻撃方法も防御方法もタイピングすることに意味があるんじゃないか?
あの女は攻撃する際に銃弾を放ってくる、ってことは何かしらパソコンに関係する文字列を打ってるってことか。
つまり、防御する際に使用する文字列は・・・・・・
('A`)「こういうことか」
ノハ;゚听) 「なんだ!?」
俺はキーボードを見ながらよく確認してある文字列を打った。
『Personal Firewall』と。
- 9: ◆fMqrvr1rTs :2007/07/04(水) 21:56:38.83 ID:NCZ4FXHA0
- 瞬間、女は三歩ほど下がる。
ノハ;゚听) 「(一般のファイアーウォールだと防火壁としての役割しかないけど・・・・・・
一般使用されるファイアーウォールだと銃弾くらいは防がれるか?)」
('A`)「(やべぇ、攻撃方法ワカンネ)」
自分の左腕に装着されている黒色の盾。形状はドラクエとかで使用されてそうな感じだ。
ノハ#゚听) 「おおおおおおおお!!!!」
ほぼ同音に近い速度で打たれる何らかの文字列。銃弾が来る。予想でしかないけど多分そうだ。
瞬間、銃弾が女の近くで空間が出来て発射された。
それだけ分かれば後は単純だ。要は『盾』があるのだから、防げばいい。
目では見えないが、空間の位置さえ分かれば、真っ直ぐにしか飛んでこない銃弾は防ぎきれる。
- 13: >>11あるいらないですね。ゴメンナサイ ◆fMqrvr1rTs :2007/07/04(水) 21:58:05.89 ID:NCZ4FXHA0
- (;'A`)「(つっても、攻撃できなけりゃどうしようもねーんだよ・・・・・・)」
どうすりゃいいんだ。
攻撃できなけりゃ意味がない。防御は防御でしかない。何かしら攻撃をしなくちゃ意味がない。
『盾』しか扱えない者は『武器』を扱う者を保守することで『役割』を果たせる。
だが、『武器』を扱う者は『盾』がなくとも攻撃することが出来る。
攻撃こそが絶対の防御とはよくいったもんだ。
そんな考えをしている間にも女は銃弾を乱射してくる。
そういえば、ブーンはどうした?
(;^ω^)「・・・・・・」
何か考えていた。ただ呆然とこの攻防のやり取りを眺めながら。
アイツも確か指輪を持ってたはずだ。
だったら、何か、何か出来ないか?
- 16: ◆fMqrvr1rTs :2007/07/04(水) 22:01:03.22 ID:NCZ4FXHA0
- (;^ω^)「・・・・・・」
ドクオは懸命に戦っている。防戦一方だけど、戦っている。
一方の僕は?ただ傍観しているだけ。何もしてない。いやできない。
ドクオを助けたい。ドクオの力になりたい。でも、どうしたらいい?
僕は『武器』も『盾』もない。故に『攻撃』も『防御』も出来ない。
その僕が今一体何が出来る?どうすることが出来る?
どうも出来ないんだ。傍観することしか、出来ないんだ。
ノハ#゚听) 「うおおおおおおおお!!!!」
(;'A`)「ちい!」
女性の咆哮。ドクオの防御。
防ぐことに徹しているけど、いかに『盾』があってもそれを行使する人間の力は決して有限じゃない。
- 20: ◆fMqrvr1rTs :2007/07/04(水) 22:02:47.97 ID:NCZ4FXHA0
- ドクオもいつあの防御が破られるか分からない。
僕はそれを黙って見過ごすのか?
見過ごしたくなんてない。共に戦いたい。
でも僕には何も出来ないんだ。出来ることなんて、ないんだ。
くそ!結局僕は何も出来ないじゃないないか!
無防備で無謀ででも戦うことくらい出来るじゃないか!
僕には二つの腕があるじゃないか!わかってるならどうしてこの体は動かないんだ!
答えは簡単に出る。でも、認めたくない。そんな簡単な答えを認めたくない。
『勇気がない』なんて・・・・・・
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