( ^ω^)ブーンがタッチタイプをマスターしたようです

22: ◆fMqrvr1rTs :2007/07/04(水) 22:05:05.67 ID:NCZ4FXHA0
(;'A`)「ちっくしょ!」

ノハ#゚听) 「おおおお!!!!」

つーか、キーボードを打つだけなのにわざわざ叫ぶ必要なんてあんのか?

というか、この状態いつまで持つかな。

ブーンはあの状態だし、俺は防戦一方だし。

俺は『盾』しか持ってないから『防御』することしか出来ないし。






ちょっとまて。

何故『防御』しか出来ないと決め付けるんだ?

『攻撃』出来ないなんて、誰が決め付けたんだ?

かの安西先生も言ってただろうが。『諦めたら、そこで試合終了ですよ』って。

だったら、諦めずに足掻いてやるさ。無駄なことだなんて、誰にも決める権利なんざないんだから。



24: ◆fMqrvr1rTs :2007/07/04(水) 22:08:14.99 ID:NCZ4FXHA0
(#'A`)「だあらあああああああああああ!!!!」

ノハ;゚听) 「なんだ!?」

俺は走った。盾を前に突き出し、相対している女に向かって。

('A`)「防御こそが、最強の攻撃なんだ!!!!」

ノハ;゚听) 「はあああ!?」









(#'A`)「シールドアタアアアアアク!!!!」

ノハ;゚听) 「なんですとおおおおおお!?」



27: ◆fMqrvr1rTs :2007/07/04(水) 22:10:18.71 ID:NCZ4FXHA0
ぶっちゃけて言えば、『盾』を使った体当たりだ。

意表をついた今ならいける。

飛び道具による攻撃しかしてこなかったこの女に対して、至近距離なら、いける!!

(#'A`)「あああああああああ!!!!」

めいいっぱいに叫んだ。そして殴った。

ノハ;゚听) 「うがああああ!!」

女の体が宙に浮く。

(#'A`)「『盾』は守るだけじゃない!『抗う』ことだって出来るんだ!!」

要は、逆転の発想が必要だったってわけだ。

盾による攻撃で浮いた女の頭にもう一発盾で追撃する。

手に鈍い衝撃が走るが、銃弾を防ぐほどの物じゃない。

そのまま盾を振り切り、地面へと一直線に叩き落す。



30: ◆fMqrvr1rTs :2007/07/04(水) 22:12:01.74 ID:NCZ4FXHA0
ノハ; ) 「うぐあ!!」

女はその言葉だけ漏らして、そのまま倒れこんだ。

警戒は解かずに、女を見つめる。

終わったか?やった、のか?

('A`)「あっけないもんだな・・・・・・」

ノハ; ) 「予想GUYな攻撃だぞ貴様ああ・・・・・・」

(;'A`)「うおっと!」

ノパ听) 「・・・・・・とどめをさせ」

(;'A`)「はい?」

起き上がった女の言葉は、全く予想もつかないものだった。



32: ◆fMqrvr1rTs :2007/07/04(水) 22:14:00.17 ID:NCZ4FXHA0
ノパ听) 「勝負は決した。私はお前に負けたんだ。完敗と言ってもいい。
     盾一つでここまで叩きのめされたら認めるしかない」

('A`)「いや、でも俺武器ないから」







ノパ听) 「なんという好機!!」

('A`)「やっべ失言した」

再び距離を取られる。なんだコイツ。エアーマンみたいだ。

ノハ#゚听) 「私はまだ負けていないぞおおおおお!!!!」

(;'A`)「やっべ、あーやっべ」



37: ◆fMqrvr1rTs :2007/07/04(水) 22:17:04.48 ID:NCZ4FXHA0
( ^ω^)「・・・・・・!!」

そこで僕は気が付いた。

今自分には戦うための『武器』も『盾』もない。

でも、『目』があるじゃないか。

そして考えることだって出来るじゃないか。

だったら、ドクオを補佐しよう。

( ^ω^)「ブーンも戦うお!」

('A`)「いや邪魔」








( ;ω;)「世の中あんまりだおおおおお」

ノハ#゚听) 「横からうるさいぞおおおおおお!!!」

( ;ω;)「ひでぶっ!」



41: ◆fMqrvr1rTs :2007/07/04(水) 22:19:22.06 ID:NCZ4FXHA0
ドクオの元に走ったらドクオに邪魔者扱いされて、泣きながらドリンクバーのとこに走ったら女性に飛び蹴りされた。

待て。飛び蹴りなんてする必要があるのか?あの女性は他に『武器』があるんじゃないのか?

そういえば、この店の中に入った時も走りながら突撃してきただけじゃないか。

ということは、あの女性は銃弾以外の武器はないのか?

それなら、まだ勝機は残ってる。

ノハ#゚听) 「うおおおおおおおおおお!!!!」

再び銃声と咆哮。そして壁に出来る無数の空間。いや無理。絶対無理。勝機なんて欠片もない。

でも、もしかしたら――――――

(;^ω^)「ちょ、ちょっと聞きたいことがあるお!!」

僕は勇気を振り絞り、女性に向かって叫んだ。

ノハ#゚听) 「なんだああああ!!!言ってみろおおおおお!!!!」

怒声を吐いて、僕を睨んでくる。う、怖い。

でも、言わなくちゃ。言わなきゃ。



44: ◆fMqrvr1rTs :2007/07/04(水) 22:22:03.08 ID:NCZ4FXHA0
(;^ω^)「ナンデモナイデスオ。ゴメンナサイデスオ」

自宅警備員で引き篭もりの僕には無理です。ドクオごめんね!

('A`)「・・・・・・」

そんな白い目で見ないでくれよ。ああ、確かに僕には勇気もないさ。

でも、頑張ったと思う。あんな殺気だってる人に叫んだんだから。

ノハ#゚听) 「男なら言いたいことくらいハッキリと言ええええええ!!!!」

(;'A`)「ブーン危ない!」

キーボードのタイプ音。これは、不味い!

(;^ω^)「とうっ!」

横っ飛びで再び回避。また髪が銃弾で擦り切れた。いい加減禿る。



47: ◆fMqrvr1rTs :2007/07/04(水) 22:25:07.41 ID:NCZ4FXHA0
パ听) 「まあ、いい。何か言いたいことがあるんだろう?」

(;^ω^)「お?」

どうやら、僕に質問させてくれるようだ。

ノパ听) 「もう一度言うが、私はハッキリしない男は大嫌いだ。
     男ならもっと野球少年の如く燃え滾るハートがないと駄目だ!!」

ああなるほど。この人は熱血教師みたいなタイプの人なのか。

だったら、質問に対しても分かり易い反応を返してくれる筈だ。

( ^ω^)「じゃ、じゃあ言わせて貰うお!君はもしかして銃弾を発射する以外の攻撃方法はないんじゃないのかお!?」

ノハ;゚听) 「エ、ナニイッテルンデスカ」

分かり安すぎるだろお前。



50: ◆fMqrvr1rTs :2007/07/04(水) 22:26:58.15 ID:NCZ4FXHA0
( ^ω^)「ドクオ!!この人は銃弾しか攻撃方法がないお!」

('A`)「ブーン・・・・・・」

ドクオが感極まっている。僕の分析がやっと役に立ったんだ。

('A`)「それぐらい気付いてる」






( ;ω;)「ちっくしょおおおおおおおお!!!!」

ノハ;゚听) 「(気付かれたのか)」

うん?じゃあ、どうしてドクオは何もしないんだ?

それに気付いてるってことは、何かしら対処方法があったんじゃないか?

・・・・・・もしかして、ドクオはさっきのあの攻撃その対処方法だったのか?

だったら、そうだとしたら、


―――――今の状況は最悪だ。



54: ◆fMqrvr1rTs :2007/07/04(水) 22:28:11.95 ID:NCZ4FXHA0
('A`)「バーカ。もう勝負はついてる」

ノハ;゚听) (;^ω^)「な、なにぃ?」

パンッ

僕と女性が驚いた次の瞬間、一発の銃声が響いた。

('A`)「敵を騙すにはまず味方からってな。武器くらい出す方法思いつくっての。
   俺が一体どれだけパソコン弄ってると思ってんだ?伊達に自宅警備員じゃないぜ」

カッコいいことを言ってるような言い方だけど、ドクオ、それ凄いカッコ悪い。

ノハ;゚听) 「な、な、な」

女性の左足に血が滲み出ていた。決して勢いは激しくない。

だけど、足を打たれたとなれば、行動範囲を削減できる。

この勝負、本当にどうなるか分からなくなった。



58: ◆fMqrvr1rTs :2007/07/04(水) 22:29:34.28 ID:NCZ4FXHA0
('A`)「お前が銃弾として使ってる文字を考えてたんだ。
   そしたら簡単に答えが出た」

ノハ;゚听) 「ば、馬鹿言うなあああああ!!文字列が分かっても内容を理解してないと具現化できないんだぞおおおお!?」

('A`)「伊達に、自宅警備員じゃないって言ったろ?」

瞬間、銃声が響く。

ノハ;゚听) 「ぬあああ!!」

続いて右足にも血が滲んでいた。

('A`)「勝負あったな」

(;^ω^)「(くそ、コイツカッコいいお)」

静かに、女性の赤色のキーボードが消えた。

ノパ听) 「・・・・・・自宅警備員なんかにやられた。でも感じちゃう!悔しい!」ビクビクッ

('A`)「うは、テラモエス」

( ^ω^)「(やっぱコイツカッコ悪いお)」



60: ◆fMqrvr1rTs :2007/07/04(水) 22:31:55.97 ID:NCZ4FXHA0
('A`)「色々と聞きたいことがある。でもその前に少しブーンと話をさせて欲しい。
   いいか?」

ノパ听) 「・・・・・・。どうせ私は負けたんだから、拒否する権利はないぞ。
     好きにすればいい」

('A`)「わかった。それじゃ少し離れる。ブーンちょっと来い」

( ^ω^)「イエッサー」

僕はドクオに言われるがまま、ついていった。

喫茶店の奥、トイレの近くでドクオは足を止めた。



61: ◆fMqrvr1rTs :2007/07/04(水) 22:34:00.25 ID:NCZ4FXHA0
('A`)「なあ、ブーン」

( ^ω^)「なんだお?」









(;A;)「僕超怖かったよおおおおおお!!!!

( ^ω^)「少しでもドクオを尊敬した僕が馬鹿だったお」

('A`)「怖いもんは怖いんだ。伊達に自宅警備員やってないんだぜ?」

( ^ω^)「お前のその台詞が少しでもカッコいいと思ってた自分が情けなくて仕方ないお」



65: ◆fMqrvr1rTs :2007/07/04(水) 22:36:15.42 ID:NCZ4FXHA0
('A`)「まあいい。本題に移るが、どうしてこんなことになったんだ?」

( ^ω^)「そんなことを僕に言われても困るお。
     僕だって色んなことが起きすぎて訳がわかんないんだお」

('A`)「そりゃそうだわな。いきなりこんな状況になったら誰だって混乱するよな」

( ^ω^)「というか、どうやってドクオはそのキーボードを出したんだお?」

('A`)「ん?これか?」

僕の視線の先、それはドクオの指輪から具現した黒色透明のキーボード。

( ^ω^)「指輪から出したのはわかるお。でもどうやって出したのか分からないお」

('A`)「んーなんかサモナイ風に言うと『継承せよ』みたいな感じ」

( ^ω^)「わかんないから産業で」

('A`)「女が持ってたキーボードをイメージ
    そしたら何か体の中から何かが出てくる感じになった。
    その状態でキーボードをまたイメージしたら出た」



68: ◆fMqrvr1rTs :2007/07/04(水) 22:38:26.30 ID:NCZ4FXHA0
( ^ω^)「把握したお」


なるほど。そうやったら出たのか。

だったら、僕も出せるんじゃないのか?

キーボードを、イメージ・・・・・・








('A`)「ちなみに嘘だ」

( ^ω^)「ぶち殺すぞ」

本気で迷妄して、イメージして、頑張ってる最中これだ。

この皮と骨め・・・・・・



71: ◆fMqrvr1rTs :2007/07/04(水) 22:40:32.52 ID:NCZ4FXHA0
('A`)「さて、あの女のところに戻るか」

( ^ω^)「お?話があったんじゃないのかお?」

('A`)「馬鹿野朗。ただ怖かったんだよ。もうスッキリした」

( ^ω^)「このクズが」

('A`)「本当の話をすれば、お前、どうしてあの女が俺らを襲ってきたと思う?」

( ^ω^)「お?」

確かに、どうして襲ってきたのだろうか。

それに店に入ってきた時に言ってた

「タッチタイプマスタああああああああ!!!!出てきやがれええええ!!!!」

の言葉。

つまりこの中でブラインドタッチが出来る人間がいると特定して入ってきたわけだ。

そうなると、指輪を持ってる人間がいるということを知ってたことになる。



74: ◆fMqrvr1rTs :2007/07/04(水) 22:43:27.25 ID:NCZ4FXHA0
( ^ω^)「多分、僕等が指輪を持ってることを知ってて、
     それで指輪を持ってる人間が何かの邪魔になるとかで襲ってきたんだと思うお」

('A`)「確かにその一説は間違ってないと思うぜ。でも俺が言いたいことはそこじゃない」

ドクオの表情が一気に引き締まり、真面目なものとなる。

思わず、僕は唾を飲んだ。

( ^ω^)「なんだお?」






('A`)「女が男である俺らを『襲ってきた』ということだ!!」

( ^ω^)「もうお前ホント死ねお」

真面目になって聞いた僕が本当に愚かだった。

とりあえず、ドクオを一発殴り、服の後ろ首を掴んで強引に引き摺りながら女性の下に戻る。



76: ◆fMqrvr1rTs :2007/07/04(水) 22:46:33.11 ID:NCZ4FXHA0
('A`)「ねー、一人で歩けるってばー」

( ^ω^)「うるせぇ、黙ってろ」

('A`)「んだとこのピザ。お前俺のこの能力で消し炭にしてやろうか?」

( ^ω^)「ボディプレスしてやろうかお」

('A`)「うん。皮と骨の俺には致死のダメージだ。正直スマンカッタ」

納得したようで、改めてドクオを引き摺りながら女性の下に戻る。

到着した先には

(;^ω^)「いないお・・・・・・」

('A`)「逃げたな」



直後、パトカーのサイレン音が耳に響き渡った。

ノパ听) 「自宅警備員・・・・・・次あった時は必ずこの手で・・・・・・!!」

ブーンは忘れられていた。



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