( ^ω^)ブーンがタッチタイプをマスターしたようです
- 18: ◆fMqrvr1rTs :2007/09/03(月) 21:48:46.25 ID:LwepJyT60
今年は猛暑だ。
容赦なく照りつける太陽は、屋内を熱帯へと変える。
おかげで僕は今地獄を見ている。
室内の温度すでに41度。人が死ぬ。熱中症になる。
( ゚ω゚)「よし!とりあえずツン暖房止めようお!いやガチで!」
ξ*゚听)ξ「心頭滅却すれば火もまた涼し!!」
(;゚ω゚)「砂漠へ帰れえええええええええ!!」
- 20: ◆fMqrvr1rTs :2007/09/03(月) 21:49:18.94 ID:LwepJyT60
八話 炭酸の抜けたコーラは飲むと歯がきしきしする
- 21: ◆fMqrvr1rTs :2007/09/03(月) 21:50:53.11 ID:LwepJyT60
( ^ω^)「あちーお!!」
ξ゚听)ξ「うっさいわねー!」
(;^ω^)「仕方ないお!室温既に40度ってなんだお!死ぬ!人が死ぬお!」
ξ゚听)ξ「うるせえ!心頭滅却すればっつってんだろ!!」
( ^ω^)「お前頭どうかしてるお」
ξ*゚听)ξ「ほ、ほめても何にも出ないんだからねっ!!」
(;^ω^)「(ツンが暑さで頭がやられたお・・・・・・)」
と、ここで僕はふと思いついたことがあった。
指輪、この力があれば!と。
( ^ω^)「ツン!最高の方法があったお!」
ξ゚听)ξ「ああん?冷房とかかけたらマジ殺す」
( ^ω^)「やっぱ精神病院行くお?お兄ちゃんついていくから」
- 22: ◆fMqrvr1rTs :2007/09/03(月) 21:52:12.08 ID:LwepJyT60
('A`)「しかしここで俺が参上!」
(;^ω^)「なんで!?」
突然部屋の窓を開けて入ってきたドクオ。
ん?あれ?ちょっと待って。ここ二階なんだけど。指輪を無駄遣いするなよと言いたい。
でもそんな余裕もない。熱い。暑いんじゃない。熱いんだ。
('A`)「いや、暇すぎて仕方なかったからとりあえずネトゲでもしようと思ったんだが」
( ^ω^)「思ったんだが?」
(*'A`)「いやーwwwwネットの使用料払うの忘れてたwwwwやっちまったよwwwwフヒヒwwww」
ξ;゚听)ξ「お、お兄ちゃんこの変態さん誰?」
( ^ω^)「シッ、見ちゃいけません。触っちゃいけません。聞いちゃいけません。感染するお」
('A`)「俺の扱い酷くね?」
( ^ω^)「これが妥当かと」
- 25: ◆fMqrvr1rTs :2007/09/03(月) 21:53:49.49 ID:LwepJyT60
(;'A`)「それはそうとちょっと言いたいことがある」
( ^ω^)「なんだお?」
(;'A`)「この家暑ぃいいいい!!」
(;^ω^)「冷房、壊れてるお。しかもなんか暖房ついてるお」
(;'A`)「え、なんで!?馬鹿か!?おめぇココおかしいんじゃねぇか?」
といいながら、ドクオは自分のおでこをコンコンと小突く。
おそらくこれは龍玉の主人公の真似だろう。
( ^ω^)「で、ツン。暖房止めていいかお?」
ξ゚听)ξ「心頭滅却すれば火もまた涼し!」
('A`)「なるほど!その手があったか!おら、なんか涼しくなってきたぞ!」
( ^ω^)「ねーお」
- 26: ◆fMqrvr1rTs :2007/09/03(月) 21:54:57.96 ID:LwepJyT60
ξ゚听)ξ「心頭滅却すれば火もまた涼し!」
('A`)「心頭滅却すれば火もまた涼し!」
( ^ω^)「あ、もしもし。はい。救急車を一台お願いします。はい。熱中症で頭がやられた子が二人います。あ、はい」
(*'A`)「びっくりするほど!」
ξ*゚听)ξ「ユートピア!」
( ^ω^)「聞こえました?はい。え?釣り乙?ま、待ってくださいお!」
('A`)「びっくりするほど!」
ξ゚听)ξ「ユートピア!」
( ^ω^)「あ、切れた」
('A`)「びっくりするほど!」
ξ////)ξ「ゆーとぴあああああん!!」
( ^ω^)「とりあえず病院行くお?いやほんとに」
- 28: ◆fMqrvr1rTs :2007/09/03(月) 21:56:05.82 ID:LwepJyT60
そんなこんなで三時間後。
( A )「あちぃ・・・・・・」
ξ゚听)ξ「心頭滅却すれば火もまた涼しいものね」
( ω )「ツン、だけだお・・・・・・」
( A )「なあ、窓開けようぜ・・・・・・」
( ω )「開かないお・・・・・・」
( A )「なんでだよ・・・・・・」
( ω )「ドアの鉄が硬化してるお・・・・・・」
ξ゚听)ξ「だから、心頭滅却したらいいじゃない」
( A )「俺、この家出たら冷房の効いてるとこいくんだ・・・・・・」
( ω )「死亡フラグ乙・・・・・・」
- 30: ◆fMqrvr1rTs :2007/09/03(月) 21:57:22.66 ID:LwepJyT60
ξ゚听)ξ「心頭滅却!火もまた涼し!ま、でも指輪を使ったらなんとかなるかもね」
('A`)( ^ω^)「そ、それだ!!」
ξ゚∀゚)ξm9「プギャー!!wwww冷気を出す技なんてないわよ常考wwww」
( A )「ですよねー・・・・・・」
「指輪を渡せえええええええええ!!!!」
窓の割れる音。排出される熱気。そして――――
(* ^ω^)(*'A`)「救世主ktkr!」
現れた犯人に抱きつく僕等二人。胸の感触がすんばらしい。マシュマロだ。まな板じゃなくてマシュマロだ。
- 31: ◆fMqrvr1rTs :2007/09/03(月) 21:58:03.36 ID:LwepJyT60
从;゚∀从「うわ、なんだよおまえr――――――うわ!あっつ!」
瞬間、抱きついた僕等を押し飛ばして、窓の近くに走るが
( ^ω^)「風じゃー風が吹いておるぞー」
('A`)「すげぇ!太陽はさんさんと輝いているのに涼しい!」
ξ゚听)ξ「心頭滅却したからかしら!」
( ^ω^)「それはない」('A`)
既に僕等が占領していた。それはもう光の速さで。
( ^ω^)「それより涼しいお!外ってこんなに素晴らしいのかお!」
('A`)「これなら俺ヒキヲタ脱出できるかも!」
ξ゚听)ξ「外って素晴らしいわ!日焼け止めクリームがなんぼのもんよ!」
( ^ω^)「ははははは!!」('A`)
从 ゚A从 ←おいてけぼりな人
- 32: ◆fMqrvr1rTs :2007/09/03(月) 21:58:35.80 ID:LwepJyT60
( ^ω^)「さあ!みんな外に出るお!」
('A`)「よし!プールにいこう!」
ξ゚听)ξ「何言ってるのよ!川に決まってるでしょ!」
( ^ω^)「池!池!」
('A`)「昭和乙」
从 ゚A从 ←だからおいてけぼりな人
( ^ω^)「そういえば」
从 ゚∀从「(お)」
( ^ω^)「お礼がまだだったお!ありがとうございましたお!」
从 ゚∀从
从 ゚∀从
从 ゚A从
- 33: ◆fMqrvr1rTs :2007/09/03(月) 21:59:26.94 ID:LwepJyT60
('A`)「ありがとう!ありがとう!」
ξ゚听)ξ「創価ばんざーい!創価ばんざーい!」
( ^ω^)「それじゃ!みんな池いくお!」
('A`)「バーカ!プールだよ!」
ξ゚听)ξ「創価ばんざーい!創価ばんざーい!」
从;゚∀从「(・・・・・・俺何しに来たんだっけ)」
( ^ω^)「じゃあ間をとって海いくお!」
('A`)「日焼けいいかも!」
ξ゚听)ξ「創価ばんざーい!創価ばんざーい!」
从;゚∀从「(帰ろ・・・・・・)」
- 34: ◆fMqrvr1rTs :2007/09/03(月) 22:00:44.57 ID:LwepJyT60
( ^ω^)「あ」
('A`)「どうした?」
(;^ω^)「そういやアンタは昨日指輪を奪おうとしてきた――――!!」
从* ゚∀从「やっと気づいた!なんかうれしいぞ!」
(;^ω^)「・・・・・・」
(;'A`)「・・・・・・」
ξ;゚听)ξ「痛い子だわ」
从;∀从「ちくしょおおおおおおおお!!!」
( ^ω^)「走るー走るー」
('A`)「おれーたーち」
- 35: ◆fMqrvr1rTs :2007/09/03(月) 22:01:06.35 ID:LwepJyT60
ξ゚听)ξ「さ、海に行きましょう!」
( ^ω^)「海だ海だー!」
('A`)「わーい!海だー!」
そして僕らは海へと行った。そして―――――
事件が起きたんだ。
- 38: ◆fMqrvr1rTs :2007/09/03(月) 22:01:58.42 ID:LwepJyT60
- ( ^ω^)「はいCMはいりまーす」
( ФωФ)「フハハハハ!!」
('A`)「ほとばしる汗!」
( ^ω^)「あ、それまだですお」
('A`)「え?マジで?」
( ^ω^)「最初のセリフは『この暑い夏を乗り切る!』ですお」
( ФωФ)「フハハハハハ!!」
('A`)「この暑い夏を乗り切る!」
( ^ω^)「生ぬるいドリンク!」
( ФωФ)「フハハハハハハ!!」
('A`)「言葉に出来ない!」
( ^ω^)「生ぬるいドリンク!」
('A`)「ほとばしる汗!」
( ^ω^)「生ぬるいドリンク!」
( ФωФ)「あ、CMあけまーす」
※以下何事もなく本編開始します。
- 39: ◆fMqrvr1rTs :2007/09/03(月) 22:03:23.88 ID:LwepJyT60
燦々と照りつける太陽の下、僕たちは
( ^ω^)「海に来たお!」
('A`)「やべ、水着から陰毛出てる」
ξ゚听)ξ「ダンディね・・・・・・」
海へとやってきた!
( ・∀・)「いやあ、海なんて久しぶりだな」
ノパ听)「灼熱の太陽!もはや溶け出した地面!独りでに割れるスイカ!」
( ・∀・)「おやおや。ヒートもご満悦だね」
ノハ*゚听)「海や海や!海だあああああああああ!!」
なんかいる。なんかいるよ。あれ、おかしいな。
僕等は確か三人で、海にきたはずなんだけど。あれ?このブーメランパンツをはいてるおっさんは誰だろう。僕は何も知らない。何も見てない。
ああ、ビキニのお姉さんは知ってるけど何か関わりあいたくない。しゃべりかけないで欲しい。
- 40: ◆fMqrvr1rTs :2007/09/03(月) 22:04:42.03 ID:LwepJyT60
( ^ω^)「よーしドクオ!ツン!泳ぐお!浮き輪持ったかおツン!」
( ・∀・)「無視か」
ノパ听)「沸騰し始める海!燃えるぞおおおおお!!」
('A`)「よし、ヒート!俺と一緒にあの太陽へ走ろう!」
ノハ*゚听)「うん!」
ドクオはヒートさんと手を繋ぎながら「あははは」とか「わー!」とか言いながら砂場を駆けている。
( ^ω^)「・・・・・・いいお。一人で泳ぐお」
( ・∀・)「というか待て。いつの間に娘に彼氏が出来たんだ!お父さん認めませんよ!」
ξ゚听)ξ「あ!」
(;^ω^)「なんだお」
( ;∀;)「お父さん認めませんからね!」
- 41: ◆fMqrvr1rTs :2007/09/03(月) 22:06:00.97 ID:LwepJyT60
ξ゚听)ξ「お兄ちゃんカキ氷売ってる!」
( ФωФ)「らっしゃいらっしゃーい!カキ氷MAXいかがっすかー!」
ξ゚听)ξ「お兄ちゃん!カキ氷食べたい!」
店の看板には冷やし中華始めましたばりの勢いで「カキ氷MAXはじめました」と書かれている。
そしてなにより、驚いたのは今時どこの店でも全自動だというのに、手動式のものを使っているということだ。
蜜に関しては突っ込まない。なんせスーパーの見切り品で見かけたものだから。
そんなことよりだ。
( ^ω^)「カキ氷かお!いいお!何味だお!?」
( ФωФ)「おお!兄ちゃんここはマンゴーメロンコーラがオススメだ!」
ξ゚听)ξ「あ、じゃレモン」
( ^ω^)「僕はイチゴで」
('A`)「馬鹿か。ハワイアンブルーに決まってるんだろ」
( ^ω^)「いつの間に帰ってきたんだお」
( ・∀・)「それじゃトロピカルマンゴーを」
ノパ听)「くさや味よろしく」
( ФωФ)「あの、だからマンゴーメロンコーラ・・・・・・」
- 42: ◆fMqrvr1rTs :2007/09/03(月) 22:07:13.35 ID:LwepJyT60
ξ゚听)ξ「レモンまだー?」
( ^ω^)「イチゴは?」
('A`)「あ、ハワイアンブルーミルクかけてね」
( ・∀・)「レモンしかないじゃないか!マンゴーは!?マンゴーは!?」
ノパ听)「くさやは?ないの?ねぇ?」
お前等はメニューを見ろ。明らかに
レモン、イチゴ、ハワイアンブルー、宇治金時、宇治抹茶、みぞれ、めろんちゃん
しかないじゃないか。
ξ゚听)ξ「レモンまだー?」
('A`)「ミルクはたっぷりよろしく。薄めるなよ」
( ФωФ)「や、だからマンゴーメロンコーラ・・・・・・」
( ・∀・)「マンゴーあるんだろう!?ならば何故!?何故トロピカルマンゴーはないんだね!?明確に述べたまえ!」
ノパ听)「くさやは?ミルクかけて欲しいんだけど」
(#ФωФ)「・・・・・・我輩のオススメを愚弄するか愚民どもが!」
海の家と書かれている看板は横に倒れ、店内には風が吹き荒れ、店主の咆哮が辺り一帯に響き渡る。
というかこれは逆ギレだろう。確かに変なブーメランと変なビキニが悪いというのもあるけど。くさやはない常考。
- 43: ◆fMqrvr1rTs :2007/09/03(月) 22:08:26.85 ID:LwepJyT60
(;^ω^)「お、店主さん落ち着いてくださいお・・・・・・」
(#ФωФ)「黙るがいい!貴様等を葬ってくれる!」
そして、店主の腹部辺りへと出現する――――
(;'A`)「ッ!指輪、使いか」
キーボード。
ドクオはバックステップしキーボードを出す。同じく僕も出す。
モララーさんは、ブーメランパンツの中からバナナを出す。
ヒートさんはそのバナナを谷間に挟む。
ん?
(;゚ω゚)「アンタ等何やってんだ――――!!」
( ・∀・)「スキンシップだよ野暮ダナァ」
ノパ听)「バナナって比喩とかじゃなくて普通にバナナだからな!」
(;゚ω゚)「いいから戻せお―――――ッ!!」
- 44: ◆fMqrvr1rTs :2007/09/03(月) 22:08:57.00 ID:LwepJyT60
( ・∀・)「なんだね。バナナくらいで怒鳴らなくてもいいじゃないか。普段よくやってることだぞ」
ノパ听)「そうだぞ!うちでは日常茶飯事だ!はははははははははは!」
(;゚ω゚)「せめて人の集まる海とかでは自重しろお!!」
( ・∀・)「む。それはそうだったね。非常に残念だが・・・・・・」
ノパ听)「戻すねお父さん」
( ・∀・)「カモォン!」
残念そうにバナナをブーメランパンツの中へと押し込んでいく。
あれ?ちょっと待てなんで入るんだ。アンタどこにそのバナナ隠してるんだ?
バナナをブーメランパンツの中に隠すスペースなんてないはずだ。待て。何故入る。
そして気づいた。モララーさんがちょっと顔を火照らせている。これは非常に気持ち悪い。
- 45: ◆fMqrvr1rTs :2007/09/03(月) 22:09:20.76 ID:LwepJyT60
( ФωФ)「(これは、チャンスだ)」
内輪もめしている。今こそ絶好のチャンス。フルボッコに出来なくとも戦意喪失出来るだけの攻撃は意表をつけば可能だ。
――――――Go
( ФωФ)「うおおおおおおξ#゚听)ξ「レモンまだかっつってんだろ!」
(;ФωФ)「ぐはあ!」
( ^ω^)
('A`)
(^ω^)「ねーよ」
ξ゚听)ξ「あら?レモンは?」
(ФωФ)
('A`)「返事がない。ただの屍のようだ」
- 47: ◆fMqrvr1rTs :2007/09/03(月) 22:10:11.64 ID:LwepJyT60
( ^ω^)「とりあえずカキ氷作るお!カキ氷!」
ξ゚听)ξ「私レモン!」
('A`)「俺ハイワアンブルー!」
( ・∀・)「カキ氷MAX!」
ノハ*゚听)「めろん食べたい!めろん!(性的な意味で)」
( ФωФ)「じゃあ我輩はみぞれ!」
ξ#゚听)ξ「だからレモンまだかっつってんだろ!!」
振り下ろされる鉄拳。後頭部に直撃する店主。
- 49: ◆fMqrvr1rTs :2007/09/03(月) 22:10:34.75 ID:LwepJyT60
(;ФωФ)「ふぐあ!」
そして店の外、さらさらの砂であふれかえる地面を転げまわる。
その拍子にたまたま当たったカキ氷を設置している机が倒れ、僕を襲い掛かる。
(;'A`)「ブーン!」
ξ;゚听)ξ「危ない!右よ!」
(;^ω^)「とうっ!」
ツンの指示通り、僕は右へと横っ飛びした。
しかし待っていたのは―――――
(;゚ω゚)「ぴぎゃあ!」
ξ゚∀゚)m9「プギャー」
孔明の罠だった。
- 50: ◆fMqrvr1rTs :2007/09/03(月) 22:10:57.93 ID:LwepJyT60
('A`)「逃げよっと」
ξ゚听)ξ「あ、私もー」
( ФωФ)「我輩も!」
( ・∀・)「僕もー!」
ノパ听)「私もー!」
('A`)「さああの夕日に向かってダッシュだー!」
霞んでいく視界。消えていく、みんなが。
あ、お星様―――――――
- 52: ◆fMqrvr1rTs :2007/09/03(月) 22:11:48.79 ID:LwepJyT60
( ゚ω゚)「ほわっちょ!」
('A`)「お、起きたか」
( ФωФ)「心配したぞ愚民」
目覚めた先、星空の輝く空の下。煌々と光るお月様。
青色のビニールシートの下で、僕は横になっていた。
なぜ僕は寝てたんだ?
ξ*゚听)ξ「し、心配なんてしてないんだからねっ!」
( ^ω^)「ああツンが首班だったお」
ξ゚听)ξ「天誅!」
( ゚ω゚)「ぴぎゃあ!」
後ろ首に振り下ろされる手刀。そして同時に薄れ行く意識。
- 54: ◆fMqrvr1rTs :2007/09/03(月) 22:12:49.21 ID:LwepJyT60
( ФωФ)「・・・・・・」
霞みゆく視界の中、カタカタという音が響くと同時に雲がかった僕の世界は元に戻っていた。
(;^ω^)「お・・・・・・?」
( ФωФ)「バックアップだ。大丈夫か愚民」
( ^ω^)「バックアップ・・・・・・?」
( ФωФ)「指輪を持ってまだ日が浅いか?ふむ。仕方あるまい。
我輩が教えてやろう!」
('A`)「バックアップ処理ってPCにあるだろ?以前のデータに戻すんだよ。つまり傷つく前の状態に戻してくれるってことだ」
( ФωФ)「我輩のセリフ―――――!!」
( ^ω^)「なるほどなるほどお」
- 55: ◆fMqrvr1rTs :2007/09/03(月) 22:13:21.98 ID:LwepJyT60
('A`)「まあ、俺には出来ないがな。これが出来るのは恐らくジョルジュさんとかモララーさんくらいだろうな」
( ・∀・)「僕に不可能の二文字はないんだよ」
ノパ听)「お父さんそれ三文字」
( ・∀・)「はっはっは」
ノパ听)「あはは!お父さんたら!」
馬鹿二人は置いといて。
(;^ω^)「どういうことだお?モララーさんかジョルジュさんしか出来ないって・・・・・・」
('A`)「おいおっさん」
( ФωФ)「ん?」
('A`)「アンタは、何者だ?」
鋭く目を細め、睨み付けるドクオ。思わず生唾を飲みこむ。
- 56: ◆fMqrvr1rTs :2007/09/03(月) 22:13:48.14 ID:LwepJyT60
( ФωФ)「フハハハハハ!!よくぞ聞いた!我輩がξ゚听)ξ「あ、私トイレいってくるわね」
( ФωФ)「・・・・・・」
( ^ω^)「(うわー)」
('A`)「(これは恥ずかしい)」
( ФωФ)「おい女」
ξ゚听)ξ「何よ」
( ФωФ)「いいこと思いついた。お前我輩の穴の中でションベンしろ」
ξ゚听)ξ「えー!?お尻の中へですかあー!?」
('A`)「おっさん。ふざけてんじゃねーぞ?答えろ。アンタは何者だ」
再び目を光らせ、目前の男へと責め寄る。
ξ゚听)ξ「(残念)」
- 58: ◆fMqrvr1rTs :2007/09/03(月) 22:14:25.18 ID:LwepJyT60
( ФωФ)「それを聞いてどうするのだ?」
('A`)「場合によっちゃ、消す」
( ФωФ)「ふん・・・・・・面白い」
('A`)「いいから答えろ」
腕を組み、仁王立ちする男。そして、明かされる
( ФωФ)「我輩があのジョルジュという男に情報を与え、そして作り上げられた資料を返してもらった者だ。
何、只返して貰っただけのことだ」
真実。
(;^ω^)「え――――――」
そして差し出す右手。そこには黄金色に煌く指輪と豁然と光る銀色の指輪が中指と薬指にはめられていた。
その指輪を見た瞬間、ドクオの姿が横から消えていた。
( ФωФ)「ほう。来るか人間」
「消してやるよ、糞が」
声が響き、タイピング音が響く。そして――――
(#'A`)「人間の力ってのを見せてやるよ」
- 59: ◆fMqrvr1rTs :2007/09/03(月) 22:14:51.65 ID:LwepJyT60
四方八方から出でる空間。そこから射出される弾丸。
空間に取り囲まれた店主。しかし
( ФωФ)「甘いな!まるで蜂蜜だ!」
消える空間。消える弾丸。まるで元々存在していなかったかのように。
(;'A`)「は――――――」
( ФωФ)「所詮人間か」
音もなくドクオの背後を取り、首元へと脇差を向けていた。
(;'A`)「バカな・・・・・・」
( ФωФ)「動くなよ人間」
(;'A`)「・・・・・・糞が」
「さて、と?誰か忘れちゃいないかな?」
突如屋内へと流れ込む突風。思わず目を閉じてしまう。
(;ФωФ)「む・・・・・・」
( ・∀・)「さて、返してもらおうか。資料を」
両手に携える双剣。右手に握るは、赤。左手に握るは、黒。
ぶらぶらと手を垂れ下げながら一歩、一歩と店主へと近づいていく。
- 60: ◆fMqrvr1rTs :2007/09/03(月) 22:15:40.11 ID:LwepJyT60
(;ФωФ)「だが、断ると言おう」
つう、と垂れてくる汗。目の前の男から感じる、異常な威圧感。
不味い。このままでは非常に。何かが、襲ってくる。
逃げるべきか?逃げるべきなのだろうか?
(;ФωФ)「くぬう・・・・・・」
( ・∀・)「再度、問おう。資料を返すつもりはないのかな?」
断れる空気ではない。剣を握っている手が、脈を張っている。
断れば、首が飛ぶ。
おのずと、そんな答えが出てくる。殺気、威圧、すべてが襲い掛かってきているが故に、呼吸がままならない。
だが
(;ФωФ)「断る」
( ・∀・)「・・・・・・あまり僕を舐めないでおくれよ?犯人相手に容赦すると思わないよね?」
しかし、ここで渡していいのか。
我輩にも信念がある。負けられない、理由がある。
逃げられない。勝ち取らなくてはならない。だとすれば、答えは既に出ている。
首が飛ぼうと、この命断たれようと、最後まで諦めぬのだから――――!!
(;ФωФ)「ならばやってみるがいい!我輩を舐めてくれるなよ!!」
- 61: ◆fMqrvr1rTs :2007/09/03(月) 22:16:20.58 ID:LwepJyT60
( ・∀・)「製造者を、舐めないで欲しいね」
消える姿。そして同時に聞こえる金属音。何かがぶつかり、はじきあう。
一方はモララーさんだろうか。なら、もう一方は店主なのだろうか。
見えない戦い。まるで異次元の戦いだ。
ノパ听)「キャー!お父さんカッコイイー!!」
叫んだ娘の声を耳にしたモララーさんの姿が見える。足を止めてしまった。
(* ・∀・)「いやあ、照れるな」
( ФωФ)「悪い。隙有りだ」
上へ上へと飛翔する右腕。天高く飛ぶように。あの空へ届くように。
店主のアッパー気味の攻撃は、見事にモララーの体を貫いた。
(;・∀・)「ハアア・・・・・・あふあ!」
('A`)「モララーさんが危ない!
( ^ω^)「助けにいかなくちゃ!」
( ∀ )「遅いよ君達・・・・・・」
ノハ;凵G)「とーちゃあああああん!!」
- 62: ◆fMqrvr1rTs :2007/09/03(月) 22:16:56.90 ID:LwepJyT60
- 冷静に考えると、この状況はかなり不味い。
モララーさんが倒れ、戦力がかなり落ちる。結果、残る戦力は僕、ヒートさん、ドクオだ。
だけど、モララーさんやジョルジュさんにしか出来ないバックアップを平然こなすこの人に、僕等で勝てるのか?
状況は、不利一線だ。
(;'A`)「やべぇな・・・・・・」
(;゚ω゚)「このままじゃ、確実に不味いお!」
( ФωФ)「さて?ずいぶんと舐めてくれたな。
そろそろ、終わらせるとするぞ」
一つ一つのタイプ音がほぼ同音に聞こえる。でも、でも
この速さなら、まだいける――――!!
( `ω´)「おおおおおおおおお!!!」
怖い。そりゃもちろん怖い。
でも、だ。今まで僕は何をしてきた?何もしてない。傍観してただけなんだ。
逃げて、隠れて、戦いに参加しなかった。力も持ってたのに、身を投じる勇気がなかった。
この力は、弱い者に振るうようなものじゃない。そんな力はただの暴力だ。
だったら、
( `ω´)「ぶつけてやるお!!」
いかに相手が強かろうとも!!
- 63: ◆fMqrvr1rTs :2007/09/03(月) 22:17:40.36 ID:LwepJyT60
( ФωФ)「・・・・・・その心意気は買うぞ若造。だがな、それは無謀というのだ」
店主が何かを打とうしている、けど!
( `ω´)「僕のほうが、速いんだお!!」
(;ФωФ)「むう!?」
空を裂く、連続して具現する弾丸。音もなく、店主へと飛んでいく。
一発、二発、三発と続けざまに撃ち、タイピングをさせる暇を与えない。
(#`ω´)「おおおおおおおおおおおおおお!!!!」
( ФωФ)「ふん・・・・・・」
(;^ω^)「お!?」
店主の元まで近づいた弾丸は、音もなくその場から消滅した。
( ФωФ)「先ほどの男同様だ。時間を与えすぎる。
それにな、お前は知識が浅すぎる。攻撃方法はワームかアドウェア、それくらいだろう?」
(;゚ω゚)「おおおおおおおおお!!?」
- 65: ◆fMqrvr1rTs :2007/09/03(月) 22:18:21.53 ID:LwepJyT60
言い終えたとほぼ同時に、消えた筈の弾丸が再び出現していた。
そして、それは、僕の方をめがけて飛んで―――――
「俺様華麗に参上」
再び消えた。声とともに、弾丸は消滅した。
(;^ω^)「え――――」
('A`)「遅かったじゃないですか」
突然の声。振り返った先。状況を覆すだけの存在。そこに見えた人。それは―――――
_
( ゚∀゚)「資料と聞いて飛んできたぜ?泥棒野郎が」
ジョルジュさんだった。
八話 おわり
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