( ^ω^)ブーンがタッチタイプをマスターしたようです

6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/02(金) 23:36:06.25 ID:TXFCkUGI0

あれから、気がつけば半月ほど経っていた。
戦いは終わった。指輪も、使う機会がなくなっていた。
だんだんと、体が怠けてきた頃、のんびりベッドで転がっているところでドクオが窓から入ってきた。

('A`)「よう」

何か用があるのだろう。
「入ってくれお」
と中へと呼び込んだ。



ん?待て待て。ちょっとおかしな部分があった。よし、戻ってみよう。
まず、ドクオがやってきた。違うな。ここより前だ。

・・・・・・




( ゚ω゚)「なんで窓から入ってんのよおおおおおおおおおおおおお!!」



9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/02(金) 23:38:39.30 ID:TXFCkUGI0

('A`)「近所迷惑だぞブーン」

( ^ω^)「そういう問題ですか」

('A`)「ま、お邪魔するぜ」

( ^ω^)「邪魔だお本当に」

('A`)「お邪魔しまーす」

(;^ω^)「無視かお」

僕の言葉を丸々無視して、ドクオは部屋に入って来る。
部屋に入ると、ごく普通に僕のベッドの上に腰掛けた。

とりあえず僕もベッドに腰掛け、
まあ、どうしてドクオがいきなりやってきたのかを聞くことにする。

( ^ω^)「どうしたお」

('A`)「・・・・・・特訓だ」

(;^ω^)「特訓・・・・・・?」

('A`)「ああ。確かにロマネスクは捕まった。でもだ。
    いつ何が起きるかわからない。指輪を全て回収し終えたわけじゃない」

・・・・・・そういえばそうだ。
確かにあの人は捕まった。でも、指輪はまだ回収してない。



10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/02(金) 23:40:44.57 ID:TXFCkUGI0

('A`)「というわけで、外出るぞ」

( ^ω^)「ドクオが外に出たがるとは、今日は雨かお」

('A`)「容赦なく鍛えてやるから覚悟しとけ」

(;^ω^)「正直すまんかったお」

で、

( ^ω^)「どうやって人気の少ない場所に行くんだお」

('A`)「バス」

(;^ω^)「・・・・・地味だお」

('A`)「現実だもの」

というか、だ。

( ^ω^)「唐突過ぎないかお?」

('A`)「現実ってそんなもんだ」

( ^ω^)「淡々と進む特訓・・・・・・間違いなく成果はあがらないお」

('A`)「うるせー黙ってろ耳舐めるぞ」

( ^ω^)「恐ろしい子」



11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/02(金) 23:41:30.85 ID:TXFCkUGI0








十話 守りたい者。守られる者。パソコンとニートみたいな関係。






12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/02(金) 23:43:33.27 ID:TXFCkUGI0


('A`)「で、着いたわけだが」

( ^ω^)「なんという荒波。これは間違いなく海」

とはいっても、荒れ狂う波。サーファーすらいない。
泳ぐことすらままならないと思うほどに。
なんというか、高波警報が出ても可笑しくないレベル。というか渦潮まで見える。どこの瀬戸内海に来たんだろう僕は。

('A`)「ま、特訓だしな。んじゃ、脱げ」

( ^ω^)「アッー!」

('A`)「いいのかホイホイついてきて。俺はピザでもかまわず食っちまう男なんだぜ」

ここらでドクオをスルーしておいて、

( ^ω^)「下着だけでいいのかお?」

('A`)「スルーですかお兄さん」

( ^ω^)「いいえこれは無視です」

('A`)「いいから脱げよ」

( ^ω^)「はい」

引き締まったボディを見せ付けるべく僕は上着と下着を脱ぐ。
しかし残念なことに出てきた身体はぽよんぽよんの段腹。ピザ食べたいなぁ。



15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/02(金) 23:45:59.96 ID:TXFCkUGI0

とかなんとか思いつつも、脱いだ服を丁寧にたたみ、トランクス一丁になる。
良かった。季節が夏でよかった。これが冬だったら僕死ぬとこだった。

('A`)「じゃ、息吸えよー」

( ^ω^)「お」

('A`)「はい投下」

(;^ω^)「え、ちょ―――――」

体が、浮き、防波堤から落ちていく。
下は荒波の海。泳ぐことすらままならない。
見えてくる荒波。落ちていく体。待ってるものは――――――

(;^ω^)「ちょおおおおおおおおおおおお!!」

広大で、恐怖しか待っていない

海。


('A`)「アムロ、いきまーす」

大きな水しぶきを立てて海へと落ちた僕に続いて、ドクオも落ちてきた。
必死に立ち泳ぎをするが、波が激しくて息継ぎがままならない。
え、ちょ、特訓とかそんなんじゃなくてこれ殺人じゃね?危なくね?



17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/02(金) 23:47:55.00 ID:TXFCkUGI0

('A`)「キーボード使え。キーボード」

やばい。これはやばい。とりあえずドクオの言うとおりにしよう。このままじゃ本当に死ぬ。

('A`)「んじゃ、次に
(;^ω^)「はやっく!してくれえぇ・・・・・・お!」

('A`)「【Internet option control net surfing】ほれ、打て」

( ゚ω゚)「なげえおおおおおお!!」

('A`)「カタカナでインターネット グーグル でもいいぜ」

( ゚ω゚)「ほあたぁっ!」

瞬間的にドクオに告げられた文字を必死に打つ。
そして、体を包み込む光り輝く球体。さっきまで感じていた息苦しさは全くなく、水の中とは思えないくらいに体が自然に動く。

('A`)「指輪マジすげー」

( ^ω^)「指輪マジヤベェ」

綺麗な海の世界。水の中をここまで自由自在に動けるなんて。
とても水力がかかっているとは思えない。というかかかってない。多分。
軽く足を動かしてみるが、問題ない。浮遊感はあるものの、普通に動く。
先ほどまでのあの苦しみはない。凄い。指輪って本当に凄い。有り得ないけど。



20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/02(金) 23:49:36.96 ID:TXFCkUGI0

('A`)「イルカの気持ちになって動けば動けるぜ!」

( ^ω^)「お!」

イルカの気持ち。多分ゆらゆらと揺らめく感じだろう。
集中して、自分に尾びれがあると思いながら脚を動かしてみる。

(;A;)「コイツほんとにやってるよwwwwバーカwwww」

( ^ω^)「そこを動くなよ小童」

「うひゃひゃwwww」と殴られても笑い続けるドクオ。
あれ


('A`)「な?動けただろ?別に集中しなくても自由に動けるんだぜ」

( ^ω^)「えー」

小難しく考えるだけ無駄だということが分かった。うん。
多分この指輪の力は思った以上に簡単に扱えるみたいだ。
・・・・・・でも、モララーさんやジョルジュさん。クーさんみたいに動けるのだろうか。


('A`)「あと、あれだ。あの人たちがとんでもねー速度で動いてたのも多分指輪の力だ。いわいちイメージがわかねーけどな」

( ^ω^)「ほえー」



21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/02(金) 23:50:34.44 ID:TXFCkUGI0

('A`)「さて」

ドクオが一呼吸置いて、ぐるぐると肩を回す。

('A`)「特訓開始だ」




瞬間、ドクオの拳が僕の眼前に迫っていた。









23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/02(金) 23:51:51.48 ID:TXFCkUGI0
( ゚ω゚)「おおおおおお!!」

とっさに体を前よりに折り、避ける。髪が少し切れた気がする。
間一髪、紙一重という奴だろう。

というか

(;^ω^)「突然なんだお!」

('A`)「あぁ?戦力にならねーから鍛えるんだろうが」

正直傷ついた。

('A`)「前だってロマネスク相手にお前だけ何も出来なかっただろ」

心が痛いです。

('A`)「おおおおお!!とか言って粉砕!玉砕!大喝采!と言わんばかりにボロクソだっただろ」

水の中だから流れないけど目から雫が溢れてる。絶対に溢れてる。

('A`)「つまりだ。今のお前は! 実に弱い!! 」

( ;ω;)「ちっくしょおおおおおおがああああああああ!!」

((#)A`)「ほわっぷちゃあ!」

( ^ω^)「あ」

感情のままに振るった拳がドクオの左頬に食い込んでいた。



24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/02(金) 23:54:28.11 ID:TXFCkUGI0
(#'A`)ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

(;^ω^)

(#'A`)ドドドドドドドドドドド

(;;^ω^)

(#'A`)「てめーは俺を怒らせた」

(;^ω^)「たんま!ちょ、たんま!」

後ろから、ドクオの後ろから!何か人がいる!

(#'A`)「【自主規制】」



( ^ω^)「体が動かないお!」

これはおそらく【自主規制】!確か【自主規制】が使ってる【自主規制】で【自主規制】
この【自主規制】は不味い。何故なら【自主規制】なのだから【自主規制】だから。



25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/02(金) 23:55:54.72 ID:TXFCkUGI0

('A`)「てりゃ」

( ^ω^)「あいた」

('A`)「どりゃ」

( ^ω^)「あたっ」


(#'A`)「しねええええええええええええええ!!」

( ゚ω゚)「真っ赤なちかあああああああああああああい!!」


僕の右頬に炸裂したドクオの右フック。これはとんでもなく痛い。
大体どれ位痛いかと言うと、やぶ蚊とかムカデとかに噛まれた並に痛い。
これ、明日脹れてるんじゃね?

('A`)「あ、ちなみに」

((#)^ω^)「お」

('A`)「集中力が切れると溺れ死ぬかも知れないから気をつけろな」



(;^ω^)「え」



28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/02(金) 23:57:09.28 ID:TXFCkUGI0
('A`)「今思いっきり食らったよな?」

(;^ω^)ウン

('A`)「痛いよな?」

(;^ω^)ウン

('A`)「集中、切れんじゃね?」



( ゚ω゚)イキグルチィー!!

(;'A`)「あ、やべ」

全身が重くて、自由に動けない。口に、鼻に、水が、しょっぱい。水が、入ってくる。
ドクオが言ったように、集中力が切れたみたいで、ぐらんぐらんと脳が波によって揺さぶられる。
身体の感覚がだんだんと奪われ意識が徐々に途切れて・・・・・・。

必死に身体を動かそうにも動けず、途切れる意識の中聞こえた言葉は――――

('A`)「さーて、回収回収」

( ゚゚ω゚゚ )

('A`)「キメェwwww」


酷く胸に染み渡っていった。



29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/02(金) 23:58:31.88 ID:TXFCkUGI0





('A`)「起きたか?」

( ゚ω゚)「ほわっちょ山田!」

目が覚めて、辺りを一瞥するとそこには綺麗な夜空が広がっていた。
満点の星空、月明かりが僕らを照らしながら三日月はうっとりと浮かんでいた。

ここまで考える意味はないんだけども。

('A`)「しかし、よくもまあここまで眠ってられるよな」

( ^ω^)「すまんこ」

('A`)「特訓!大失敗!」

( ^ω^)「いやまて、よく考え直すと無理矢理海に落とされて荒波の中
      「指輪使え!」とか言われて使った瞬間「特訓だ!」とか言われて攻撃された不受理さを思い出した」」

('A`)「アーアーキコエナーイ」

(#^ω^)ビキビキ



33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/03(土) 00:00:24.30 ID:TmeuX2SC0

('A`)「さー、失敗したけど気絶っていう体験も出来たし。まあ、上々の出来だな」

ということは、つまりこの気絶させたのもドクオの計算上?
だとしたら、本当に特訓だったのだろうか。

正直僕には遊ばれた感しか残らないんだけども。
いや、でも、一応聞いてみないと分からないし・・・・・・


( ^ω^)「成長したのかお?」

('A`)「馬鹿かお前。モンスタファームじゃあるまいし。そんな特訓一回で技覚えたり能力地あがんねーよ」

( ^ω^)「気絶した経験もしたお」

('A`)「気絶して悲惨だったお前にへと送るせめてもの慰めとして経験したという言葉を送った」

(#^ω^)「ふひひい、ぶっ殺してぶっ生き返さねぇ」

('A`)「ふひひひひwwwww」

( ゚ω゚)「まてえええい!」

砂浜を全力疾走して、ドクオを追いかける。
そういえば、こんな感じで外に出て無茶したのなんていつ頃だろうか。

懐かしくて、切なくて、でも、純粋に馬鹿やってた頃なんて戻ってこなくて。



35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/03(土) 00:01:24.47 ID:TmeuX2SC0

('A`)「んだよ。顔が納豆のおかめちゃんみたいになってんぞ」

( ^ω^)「うるせーお」

('A`)「だったら、俺を倒してみな!」

( ゚ω゚)「ワーム連打ァッ!避けてみせろい!」

(;'A`)「うわ、ちょっおま!」

懐かしいあの頃は、二度と戻ってこなくて。
こうやって馬鹿やってても、どうしても懐かしさは戻ってこなくて。あの頃の気持ちは戻ってこなくて。

( ^ω^)「哀愁!ワーム!哀愁のワーム!」

ひたすらにキーボードを打って、ドクオを戯れる。
当のドクオはというと、必死に避けながらキーボードを具現化させる。黒のオーラをまといながら、その姿を現したと思えば

鬼の形相だった。

(#゚A゚)「テメー!ブッイッキス!」

(;^ω^)「ちょ!マジギレたんまだお!」

(#゚A゚)「ぶるああああああああああ!!」



36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/03(土) 00:02:50.02 ID:TmeuX2SC0


あの頃の、懐かしさは戻ってこないけど
今は今で、楽しめているから。

だから、いいんだ。
この戦い完全に終わらせて、またこうして戯れよう。

だから、その前に。


( ^ω^)「ドクオ」

(#'A`)「ああん?」

( ^ω^)「遊んでる場合じゃなくなってるんだお」

('A`)「はッ・・・・・・わかってらい」


僕とドクオは目を合わせた後、振り返る。
その先に居た人。それは―――――


从 ゚∀从「・・・・・・よう」

いつもの覇気を感じない元気さのない女性だった。



39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/03(土) 00:04:24.27 ID:TmeuX2SC0

('A`)「何の用だよこんな海辺まで」

从 ゚∀从「指輪を貰いに来た。ちょっとのんびりしてられなくなってな」

('A`)「へぇ・・・・・・でもよ」

从 ゚∀从「渡さない。だろ。分かってるから言わなくていい。だからよお

     奪わせて貰うぜ!」

('A`)「ハッ!上等だ!だが――――お前の相手は俺じゃねぇ!コイツだ!」


从 ゚∀从「コイツ、か?」


( ^ω^)「え」


('A`)「おう」

(^ω^ )「ちょ」


从 ゚∀从「三分間でケリをつけてやるよ」

(;^ω^)「(何この展開―――――!!)」



40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/03(土) 00:04:46.88 ID:TmeuX2SC0


消える姿。
どこからか打たれるタイプ音。
途切れる音。

そして出でる


三発ほどの弾丸が。


( ^ω^)「そこだお!」

即座に打ったファイアーウォールを具現化させ、盾を右手で持ち、音のする方向へと振るう。
そして、響く金属音。
手ごたえがあった。だからこそ振り返っておそらくいるであろう女性へ盾を振るいながらその姿を確認すr――――


いない?

从 ゚∀从「とれぇんだよ」

背後から響いた声。急いで姿を確認しようと振り返ろうとするが
既に盾をふるってしまっている。
つまりそれは


大きな隙が生じてしまった。



41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/03(土) 00:05:03.14 ID:TmeuX2SC0


(;^ω^)「ちょ――――うぐっ!?」

从 ゚∀从「まだまだあッ!!」

大きく隙を与えてしまったが故に、直撃してしまった僕の顎を捉える純粋な拳。
そして、それから放たれたのは、超低空の回し蹴り。
避けられない。でも、でも


これは食らえない――――!!

(#^ω^)「おおおおっ!」

振りぬかれる前に、自ら飛び込んで威力を押し殺す。
そしてその間に振るう緑色の盾。

(#^ω^)「食らえおっ!」

从;゚∀从「ちぃッ!!」

当たった。確実に。確かな手応えが、僕の腕に残る。

いける、このまま押し切れば――――!!



43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/03(土) 00:06:52.82 ID:TmeuX2SC0






('A`)「よっこからソーイ!」

从 ∀从「うぐあ!」

( ゚ω゚)「何やってんのよ真面目な戦い中にいいいいいいい!!」

横から現れたドクオが撃った一発のワーム。
どうやらそれは散弾式になっているようで、衝撃を拡散させ、女性の全身を襲い、その身をふわりと宙に浮かせる。

いや、そんな強力なワームを撃ったとかそんなことよりも

( ^ω^)「おいこら」

('A`)「勝負あり、か。あっけねーな」

( ^ω^)「おいこら」

('A`)「やれやれ、これだからゆとりは」

( ;ω;)「僕主人公なのに・・・・・・」

('A`)「立場上のみ乙」

( ;ω;)「キシェー!」



46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/03(土) 00:08:23.40 ID:TmeuX2SC0
涙目になりながら、叫んだ僕の声に呼応するかのように女性にうめき声が耳へと届く。
視線を向けてみれば、今にも倒れそうな身体を起こし、震える足で立っている女性が居た。


从;゚∀从「くそ、がッ・・・・・・時間がねーのに・・・・・・!」

('A`)「ま、一人と二人じゃ力の差がありすぎる罠。お前じゃ勝てねーよ」

( ^ω^)「お前不意打ちやん」

从 ∀从「―――けられねぇ」

('A`)「あん?」


从#゚∀从「負けられねぇんだよっ!!」

(;'A`)(;^ω^)「!!」

月明かりが、不気味に煌く。女性の背後にそびえる二つほどの砂の塊。
触手のように揺らいでは、うねりくねりと捻じ曲がる。

从#゚∀从「手荒に片付けるのは好きじゃねぇ。だがな。

     負けるのはもっと好きじゃねええええ!!」

声に反応したのか、二本の触手――――砂の塊が飛んでくる。



48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/03(土) 00:09:39.81 ID:TmeuX2SC0

(;^ω^)「ドクオ!大型のファイアーウォールを!!」

(;'A`)「ちいっ、糞がッ!」

一陣の風が舞い、吹き荒れていく。海辺の砂が宙を舞い、吹き付けてくる。

目前まで迫ってきた触手は、先端が尖っており、太く長い。これは触手というより、
砂の槍。と呼ぶほうが正しいかもしれない。

だけど、それは眼前まで迫ったところでドクオの出したファイアーウォールに防がれ、ただの砂へと姿を変える。

朽ちていく砂を見ながら、そっとドクオはつぶやいた。

('A`)「んー。ちょっとやべーかもしらんね」

从#゚∀从「・・・・・・っ!!」

真顔で言葉を発するドクオに対して、女性は肩を震わせ怒りを露にする。
でも、それは逆に焦っているとも取れるかもしれない。さっき「時間がない」と言っていたんだから。



50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/03(土) 00:10:15.44 ID:TmeuX2SC0

しかし、ドクオはそんな相手を目の前に顔色を変えず一言僕に声をかけてきた。

('A`)「任せとけ。あとは俺が全部終わらせる」

(;^ω^)「お・・・・・・」

凄く安心できるはずなのに、何故だか不安しか残らずにいた。
胸中へ渦巻くこの不安は一体何なのだろうか。

そして、

気付けばドクオはキーボードを片手に女性に向かい駆け出していた。







十話 おわり。



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