( ^ω^)ブーンがタッチタイプをマスターしたようです

83: ◆fMqrvr1rTs :2008/02/21(木) 03:03:23.62 ID:/bL7QPqQ0




さて、今僕は何故だか知らないがモララーさんとジョルジュさんに説教を受けている。
隣にドクオもいるのだけど、ドクオに関しては今ぼーっと携帯ゲーム機でカチャカチャやっている。

( ・∀・)「君はいつもそうだ。なんだって他人のせいに……」

獣が鳴く絶命の叫びと、肉を切り裂く音を出す辺り恐らくモンスターハンターであろうと思う。多分Gだ。最新の奴だ。
  _
( ゚∀゚)「もっと主人公としての自覚をだな……」

考えれば、僕とドクオでよくセカンドを二人でプレイしていたんだった。
足りない素材があれば、二人で仲良く取りに行って、先に出すと嫉妬を少しこめた声で「おまwwww」とか笑っていた。

( ・∀・)「ヒートが真面目に人の話を聞かないのは別にいい。むしろ可愛いから許す。というか抱きしめたい。ちゅっちゅしたい。あの柔らかな唇に包まれたい。
      だけど君はなんだね。その服装は。不審者じゃないか。ドクオ君は、まあなんか許すとして。
      もっとしゃんとしたまえよ」



85: ◆fMqrvr1rTs :2008/02/21(木) 03:04:14.84 ID:/bL7QPqQ0




さて本題に戻ろう。何故僕は今説教を食らっているのだろうか。
それも、なんか凄く関係のないことを言われてる気がしてならない。
ジョルジュさんはなんか結構的を得たことを言って来るのだけれど、モララーさんに関しては半分以上が娘の話になってくる。
お前いい加減子離れしろよ。ヒートさんよく反抗期にならなかったな。自分の父親がこんなだったら僕は間違いなくぐれるな。

('A`)「そうだぞブーン。もっとちゃんとしろよ」

(;^ω^)「説教中にモンハンやるお前に言われたくはないお」

( ・∀・)「人のせいにするんじゃない!」

( ^ω^)「オトナっていつも理不尽」



86: ◆fMqrvr1rTs :2008/02/21(木) 03:05:29.02 ID:/bL7QPqQ0







十二話 頑張る私へのご褒美(笑)






87: ◆fMqrvr1rTs :2008/02/21(木) 03:06:16.48 ID:/bL7QPqQ0

そろそろ、何故説教を食らっているのかを言ってもいいのだろうか。
いや、むしろそろそろ言わなくちゃ不味い気がする。話が前に進まない。

( ・∀・)「それじゃ本題に移ろうか」
  _
( ゚∀゚)「そうだな。これ以上話してもキリがないしな。カメラのないとこでゆっくり二日間くらいかけて話そうか」

( ^ω^)「オトナの事情(笑)」

( ・∀・)「それじゃ、そろそろ本題に入るからドクオ君ゲーム機を切ってね」

('A`)「あ、ちょっと待ってください。もう少しでラオジャン倒せそうなんで」

( ^ω^)「うるせえセーフモードにしてろお」

('A`)「いやんいけずう」

携帯ゲーム機の端末をセーフモードにして、ポケットの中へと押し込ませる。
ただ説教を垂れるためだけに呼んだわけじゃないんだな。



89: ◆fMqrvr1rTs :2008/02/21(木) 03:07:33.26 ID:/bL7QPqQ0

一応、今いる場所はモララーさんのお店である。
随分前に空き巣に入られてヒートさんが捕まえようとしたところ、犯人が暴れてヒートさんを殴ったらしい。
それでその現場を見たモララーさんが発狂しながら犯人をフルボッコにして店の壁やら窓やらが破損していたんだけど、どうやら修理したみたいだ。
ちなみに今その犯人は病院で全治三ヶ月の重症を負っている。アカンよヒートさんを傷つけたら。この人ほんと見境なくすんだから。

( ・∀・)「まあ、今日呼んだのは君たちの戦力うpのためさ」
  _
( ゚∀゚)「ドクオに関しては頭の回転が速いから別に問題はあまりないんだが。
     ブーン、お前の力がちょっと足りないからな」

( ・∀・)「ほんと大事なとこで何もできないわ、ほとんど僕かジョルジュかドクオ君かで片付けるかだから、もういい加減 
      ('A`)ドクオがタッチタイプをマスターしたようですに改名してもいいんじゃないかって裁判起こそうと思ったくらいだよ」

うわ、なんかすっごいフルボッコにされてるよ僕。
べっ、別にアンタなんかに言われても悲しくなんてないんだからねっ! あれ、目から汗が……

それはそうとして、今日はじゃあ特訓、とかになるのかな。
前にドクオに特訓にされて、成果は一応あったんだよね。一応水中戦も可能になったわけだし。人生初の気絶体験までしたし。

で、今回は何だろうか。どうせ拷問に近い何かなんだろうな。



91: ◆fMqrvr1rTs :2008/02/21(木) 03:09:53.95 ID:/bL7QPqQ0

( ^ω^)「で、何をするんですかお」

( ・∀・)「む。開き直るとは。まあいいや。ではジョル君説明してくれ」
  _
( ゚∀゚)「なんだよその呼び方……。まあいいや。
     とりあえず今回はお前ら独自の『必殺技』みたいなものを編み出してもらう」

('A`)「必殺技っておま……引くわ」
  _
( ゚∀゚)「うるせー。そこのピザ野朗の妹も既に使えるんだぞ」

(;^ω^)「そ、そんな! どうしてツンが……」

僕にとって大事なのは妹が戦いに巻き込まれているとかではなく
何故僕より先に妹がそんなもんを覚えているのかということだ。
これじゃますます僕は空気じゃないか。

どう考えてもこの特訓でまず最初に必殺技を編み出すのはドクオだろう。
で、次に僕がやっとのことで覚えるみたいな。



93: ◆fMqrvr1rTs :2008/02/21(木) 03:12:05.72 ID:/bL7QPqQ0

( ・∀・)「いや、店に手伝いに来てもらった時に」

( ・∀・)『ツンちゃん。必殺技とか覚えてみない?』

ξ゚听)ξ『えー? なんでそんな物騒なものを』

( ・∀・)『覚えたら今日のおやつをケーキにしてあげよう!』

ξ゚听)ξ『さあはじめましょう』

( ・∀・)「といった感じで普通に覚えたよ。別に名前はないけどなかなか凄い技だったね」
  _
( ゚∀゚)「ああ、半径10メートルくらいを包み込む大爆発だもんな」

( ・∀・)「ファイアーウォール貫通するしね。ただまあ、やっぱり連続しては使えないみたいだけど」

よし。今日ツンにケーキでも買って帰ってもう二度と逆らわないようにしよう。殺されてしまう。
流石にそんな物騒なものを覚えられたらもうどうしようもない。



94: ◆fMqrvr1rTs :2008/02/21(木) 03:12:52.73 ID:/bL7QPqQ0

('A`)「ちなみに、モララーさんとジョルジュさんは覚えてるんですか?」

( ・∀・)「勿論。……ただ僕のは単純に剣なんだけどね」
  _
( ゚∀゚)「俺のは……見せたほうが早いな。外出るか」

('A`)「寒いから嫌です」
  _
( ゚∀゚)「るせーキリキリ働け」

('A`)「働きたくないでござる! 絶対に働きたくないでござる!!」

ノパ听)「いいから行くぞ。ほら」

('A`)「お、おう……」

あらやだ。この子達ったら手なんか繋いじゃって。ほんと御暑いことね。オホホホホ……
って



96: ◆fMqrvr1rTs :2008/02/21(木) 03:14:02.10 ID:/bL7QPqQ0

(#゚ω゚)(#・∀・)「「何いちゃついとんじゃゴルァアアアアアアアアアアアアアア!!」」

僕の叫びとモララーさんの叫びは店内に轟き、店の外まで及んでいた。

从 ゚∀从「ちーっす」

そして来たる僕のマイハニー。設定上だけど。あくまでフラグが立てばだけど。
あーフラグ立てばキャッキャウフフが誰にも邪魔されることなくできるのにな。

だというのになんだこの目の前に広がる地獄絵図は。
ドクオとヒートさんのいちゃつくこの絵図は。
僕よりもモララーさんのほうが怒りを隠しきれていない。怒りの限界沸点が100だとすればもうモララーさんは150を超えているだろう。

拳を握り、ぷるぷると肩を震わせながら、目を真っ赤にして血の涙を流すその様は今の僕には少し輝かしかった。
でも同時にこの人とは正直関わりあいたくないとも思った。



98: ◆fMqrvr1rTs :2008/02/21(木) 03:16:44.67 ID:/bL7QPqQ0

('A`)「ほら、あーん」

ノパ听)「あーん」

('A`)「うまいか?」

ノハ*゚听)「うまい……うまいぞおおおおおおおおおおお!!!」

(*'A`)「へへ、そりゃ良かった」

ノハ*゚听)「はははっ!!」

(*'A`)「ははっ」

どこまでいちゃつくのだろうか。
ファックしたい。こいつらを僕は今肉片一つ残さずファックしたい。
だがしかし、ここで憎むべきはヒートさんではなくドクオだ。
お前の名前はなんだ。ドクオだろう。独身男性だからドクオだろ。またモテない男性だからドクオだろ?
それなのになんだこの本末転倒のこの状態は。お前今すぐ改名しろ。許すまじ。許すまじドクオ。



100: ◆fMqrvr1rTs :2008/02/21(木) 03:18:14.72 ID:/bL7QPqQ0


(#´゚∀゚)「ブツブツブツブツブツブツ…………」


ほれみろモララーさんが狂ってらっしゃる。いや、でもいい。今ならばいい。
容赦なくやってくれて構いません。むしろやってください。あの馬鹿どもをどうぞ存分にやってください。
蹴散らせ! 公衆の面前でいちゃつくカポーを全て蹴散らせ! 奴等は害悪だ! 僕らのゴミだ!

从;゚∀从「……えーっと、今北産業」
  _
( ゚∀゚)「ドクオとヒート
     いちゃつく
     モララーブーン発狂」

間違ってない。間違ってないけど言葉に出されたらなんか辛い。
こういうのは胸のうちに秘めてるからこそ効果があるんじゃないか。自己満足言うな。

くそ! もういいよ!
誰も僕のことなんて分かってくれないんだ! 分かってくれるのは先生だけ、先生だけなんだ! 髪を切れば許してくれるはずなんだ!



102: ◆fMqrvr1rTs :2008/02/21(木) 03:19:55.50 ID:/bL7QPqQ0

……さっさと必殺技覚えて帰ろう。ツンといちゃつこう。ぶん殴られるだろうけど。アイツツンデレというかツンだし。
最近ほんとただのツンだし。「私の半径10m以内に近づかないこと。殺すわよ」とか平気で言ってくるし。ほんとに今なら殺され兼ねないからやっぱ止めよう。

あー

ほんと、辛いことだらけだな。いいよもう。あずまんがでも見て癒されるからいいよ……

( ^ω^)「……特訓しましょうお」

('A`)「俺はいいや」

ノパ听)「じゃあ私もいいや」

('A`)「二人で考えるから」

ノパ听)「それはナイスアイディアだ!」

(#・∀・)「(うちのヒートが……うちのヒートがああああああああ)」

僕には届いたよモララーさんの心のメッセージ。あの二人がこれ以上発展するようなら僕は全力でモララーさんのお手伝いをします。



104: ◆fMqrvr1rTs :2008/02/21(木) 03:21:59.91 ID:/bL7QPqQ0
  _
( ゚∀゚)「んじゃ、特訓すっか。ほれピザ。外出るぞ」

(;^ω^)「さっきブーンって言ってたのにどうしてピザなんだお……」
  _
( ゚∀゚)「細かいこと気にするなよ。だから モ テ な い ん だ」

( ゚ω゚)「さっさと必殺技体得するおっ!!」

从 ゚∀从「ん? 必殺技?」
  _
( ゚∀゚)「ん? ああ。今必殺技みたいなものを覚えてもらうようにしてんだよ
     タッチタイプマスターは結構いるからな。もし街中で暴れだしたら止めなきゃならないだろ?
     そのとき覚えてたら結構役立つからな」

从 ゚∀从「ああ、なるほどな。よし。じゃ、俺も手伝ってやるよ」

こ、これはまさか……。ふ……フラグがたった! なんというイベント!
もしこのまま二人で仲良くできれば僕にももれなくフラグが立つんじゃないか?
これで僕もリア充の仲間入りじゃないのか?



106: ◆fMqrvr1rTs :2008/02/21(木) 03:23:18.59 ID:/bL7QPqQ0

だって考えたら ドクオ×ヒート ジョルジュ×クー の二つが組みあがってるわけだろう?死ねばいいのに。
だとしたら 僕×ハインリッヒ これは……なかなかアリじゃないですか? 素晴らしい。金髪でいかにも馬鹿そうな人だけど、アリだ。むしろ最高だ。

( ^ω^)「ああ、ありがとうございますお!」

从 ゚∀从「よっしゃー! ならやろうぜー! 善は急げってな。さっさと外出てやろうか!」

(;^ω^)「あっ、ちょっ、後ろ首掴まないで下さいお! 痛い痛い! 髪一緒に掴んでる! はげる! この若さではげちゃうお!」

僕の叫びもむなしく涙目になりながら店の外へと出た。
店外に出る直前までドクオとヒートさんのキャッキャウフフという声は聞こえたが、何も聞かなかったことにした。
これ以上まともに聞くと本当に発狂しそうだったからだ。ではモララーさん。あとはお願いします。

ああ、今僕は凄く幸せだ……

手を繋いでなくても、僕等は心で繋がっているから(笑)



108: ◆fMqrvr1rTs :2008/02/21(木) 03:23:59.68 ID:/bL7QPqQ0

  _
( ゚∀゚)「ではレッスンその1」

( ^ω^)「はいですお」
  _
( ゚∀゚)「自分の得意な操作は?」

(;^ω^)「そ、操作?」
  _
( ゚∀゚)「そうだ。操作だ。ワーム型の発射タイプだとか、電子操作型だとか、色々あるだろ? その中でどれが一番得意かってこった」

やべえ。割と真面目な講義だ。

(;^ω^)「えっと、僕はワームくらいしか扱えないですお」
  _
( ゚∀゚)「お前はこの十二話の間何をやってきてたんだ。このゴミクズめ」

( ;ω;)「だって気付いたらドクオかアンタかモララーさんが全部倒してるんだから仕方ないじゃないのよ!」

从;゚∀从「泣くなよ……」



110: ◆fMqrvr1rTs :2008/02/21(木) 03:24:48.13 ID:/bL7QPqQ0


  _
( ゚∀゚)「得意な能力の判定がつかないから、レッスン2に移動」

( ^ω^)「はいですお」
  _
( ゚∀゚)「自分の性格は?」

(;^ω^)「自分の性格なんてわかんないですお」
  _
( ゚∀゚)「お前はこの十二話の間何をやってきたんだ。このキモピザめ」

( ^ω^)「間違ってないから反論はできない」

从;゚∀从「開き直るなよ……」



112: ◆fMqrvr1rTs :2008/02/21(木) 03:25:49.20 ID:/bL7QPqQ0
  _
( ゚∀゚)「段々オチが読めてきたが、レッスンその3」

( ^ω^)「はいですお」
  _
( ゚∀゚)「必殺技のイメージとかあるか?」

(;^ω^)「え、えっと必殺技だから相手が死ねばそれでいいんじゃないですかお?」
  _
( ゚∀゚)「もうちょい具体的になんかないか?」

( ^ω^)「エターナル・フォース・ブリザードとかかお」
  _
( ゚∀゚)「お前はこの十二話の間何を考えてきたんだ。この邪気眼中め」

( ;ω;)「またこのオチかおっ!」

从;゚∀从「気持ちはわかるわ……」



114: ◆fMqrvr1rTs :2008/02/21(木) 03:26:34.93 ID:/bL7QPqQ0
  _
( ゚∀゚)「じゃ、最終レッスン。次実戦な」

( ^ω^)「はいですお」
  _
( ゚∀゚)「お前の心は何で構成されているんだ?」

( ^ω^)「愛」
  _
( ゚∀゚)「じゃあ、脳内は?」

( ^ω^)「おっぱい」



116: ◆fMqrvr1rTs :2008/02/21(木) 03:27:29.36 ID:/bL7QPqQ0
  _
(* ゚∀゚)「合格だああああああああああああ!!!!」

( ^ω^)「いえーい」
  _
( ゚∀゚)「好きなカップは?」

( ^ω^)「B〜Cの間」
  _
(* ゚∀゚)「合格だああああああああああああ!!!!」

从;゚∀从「駄目だこいつら早くなんとかしないと……」



118: ◆fMqrvr1rTs :2008/02/21(木) 03:29:05.64 ID:/bL7QPqQ0

き、厳しいレッスンだった。
僕は少し成長したような気がする。大体レベル2くらい上がったと思う。
つ、疲れた……。精神的にかなり……。
  _
( ゚∀゚)「んじゃ。実戦練習すんぞー」

( ・∀・)「それじゃ、僕も手伝うとしようかな」

(;^ω^)「いつの間に……」

( ・∀・)「神出鬼没が僕の代名詞なんだZE!」

从 ゚∀从「おっさん、それ古いし気持ち悪い」

( ;∀;)「うっせ! うっせ! 三十八だからって軽蔑すんじゃない!」

三十八なんだこの人……。なんというかもう……
見てられないよね……。頑張ってくださいほんとうに。



120: ◆fMqrvr1rTs :2008/02/21(木) 03:30:28.38 ID:/bL7QPqQ0

从;゚∀从「ま、まあ、その、頑張れよ……」

( ;∀;)「どっくんにヒート取られるし、最近ヒートってば冷たいし。
       僕の入った後の風呂は入ってくれないし。ヒートのパンツ被ってたら殴られたし……」

最後は確実にあんたが悪い。
  _
( ゚∀゚)「ああもういいから、さっさとやるぞ」

( ^ω^)「はいですお」

从 ゚∀从「んじゃ、俺も手伝うとするかー。で、何すんの?」
  _
( ゚∀゚)「まあ、まず……」

( ^ω^)「まず?」
  _
( ゚∀゚)「避け続けろ」

(;^ω^)「はい?」



122: ◆fMqrvr1rTs :2008/02/21(木) 03:31:31.62 ID:/bL7QPqQ0

そして眼前に現れた弾幕。いや、いやちょ―――――――!!

(#)#゚ω(#))「うひょおおおおおおおおおおおおおおあぶふぇしやあああああああ!!」

叫び声と共に避けようと思った僕が馬鹿だった。ただ幸いしたのはゴム弾だったことだ。
いや……痛いのには変わりないんだけどね……

从;゚∀从「うっわ、顔の原型留めてないじゃん……」
  _
( ゚∀゚)「ほーれー避けないと死ぬぞー」

(メメ;^ω^)「ちょっ! へいやっ!」

軽やかなホップ、ステップ、ジャンプ!
ああ、カーチャン。僕今すごく輝いてるよ―――――!!

ほら、こんな二つの弾だって……

((#)゚ω゚(#))「なんのそぶへらっしゃあい!!」



124: ◆fMqrvr1rTs :2008/02/21(木) 03:33:05.82 ID:/bL7QPqQ0

从;゚∀从「まーた派手にやったなー」

アカン。節子これ以上はアカン。にーちゃん逝ってまう。
ギブアップ。そうだとりあえずギブアップをっ……

(メメメ;^ω^)「ギブアッープ! ジョルジュ先生っ! もう止めてー! 俺のライフはゼロよーっ! だからギブアップです!」
  _
( ゚∀゚)「はン……」

(メメメ;^ω^)「ギブアッープ!」
  _
( ゚∀゚)「ギブアップだ? 馬鹿が。プロレスでもあるまいし、真剣特訓にそんなものがあるか。馬鹿が」

(メメメ^ω^)「……」

この時僕は悟った。

駄目だこの人。止める気全くない。というか楽しんでる。
そして僕は動くのを止めて、全てを諦めた。
よし、気絶をしてしまおう。そうすればきっと止まるはずなのだと。



126: ◆fMqrvr1rTs :2008/02/21(木) 03:34:47.79 ID:/bL7QPqQ0

(メメメ-ω-)「南無ッ!」
  _
( ゚∀゚)「あ?」

意識を落として、目を瞑る。あとは我慢して、ただただ我慢してればそのうち気絶するから……
ゴム弾が直撃して、直撃して、直撃して――――

(メメメ;゚ω゚(#)「いてえっ!!」

我慢できずそのまま意識を取り戻した。

从;゚∀从「青アザだらけじゃねーか……」
  _
( ゚∀゚)「(そろそろか……)
     ピザ野朗! お前は何のために指輪を持ってるんだ!?」

(メメメメ;゚ω゚)「さ、さあ!? ぽ、ポテチ十年分かお!?」
  _
(;゚∀゚)「そうじゃなくてよ……」



136: ◆fMqrvr1rTs :2008/02/21(木) 03:42:23.52 ID:/bL7QPqQ0

期待はずれの言葉が返ってきて表情が少し落ちているものの、攻撃の速度が落ちることはない。
弾幕も全く減ってはいない。もはや、避けることに精一杯で頭など回せやしないんだから。
でも、声は正常に発せないくせに妙に冷静なんだよな今。

……何のために指輪を持ってるんだろうか。
確かに集めたらポテチ十年分という、まあ多少なり魅力的なものはあるが。
でも、それだけで暴れまわる奴らが現れるのだろうか。宇宙から侵略してくる奴は出てくるのだろうか。
いや、それはない。

きっと裏に何か大きなものがある。
そうでなければ、そこまで人を大きく動かすことなんてできない。

莫大な金がかかっているだとか、そういうものでなければ……。

――――! そうか。なるほど。もし、願いが一つ叶うなんて設定だとしたらどうする?

そうだとしたら、みんな血眼になって探すだろう。必死に奪うだろう。
既にこの指輪が常識を大きく無視しているんだ。だとしたら、願いが一つ叶うなんて造作もないことじゃないか?



141: ◆fMqrvr1rTs :2008/02/21(木) 03:44:11.13 ID:/bL7QPqQ0

だとしたら、危険だ。
もし、危険思考の働く暴君だった場合どうなる?

そんな奴にこの指輪が渡ったりなんかしたら……


大切な人達はどうなる?


ヒートさんといちゃついているとはいえ、なんだかんだで居て当然の存在になってるドクオは?
この街の秩序を必死に守ろうとしているジョルジュさんとクーさんは?

モララーさんとヒートさんの平和な日常は?
なんでかんだで可愛い妹のツンは?

そしてその輪の中にいることができる僕は?



144: ◆fMqrvr1rTs :2008/02/21(木) 03:45:40.31 ID:/bL7QPqQ0

駄目だ。

絶対に駄目だ。


そんなこと、許してたまるか。

守る。守り抜く!

この日常を。この生活を。とても安定した生活とはいえない。


でも!

そんな生活に今僕は満足してるんじゃないか?

なんだかんだで、満足してこの毎日を送っているんじゃないか?
多少の非現実さを帯びているこの日常を。



146: ◆fMqrvr1rTs :2008/02/21(木) 03:46:43.92 ID:/bL7QPqQ0

だとしたら、

意地でも、是が非でも

守りぬかなきゃならないんだ―――――!!

(メメメメ#゚ω゚)「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」

何かが、こみ上げてくる。
僕の体から何かがこみ上げてくる。

初めてキーボードを具現化させたときのような何かに包まれる感覚が、僕の全身に駆け巡ってきている。

(メメメメ#゚ω゚)「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」



148: ◆fMqrvr1rTs :2008/02/21(木) 03:47:55.15 ID:/bL7QPqQ0

 僕が望んだものは?


                 今求めているのは?


     指輪を持つ意味は?


                     何のために戦っているんだ?

――――全部

(メメメメ#゚ω゚)「この生活を守りたいからだおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
  _
(;゚∀゚)「なんかカッケェ!」

しかし待ってるのは辛い現実だった。



151: ◆fMqrvr1rTs :2008/02/21(木) 03:50:33.04 ID:/bL7QPqQ0

(メメメメ#)゚ω゚(#)「ひでぶっ!」

ああもう……主人公補正とかないのかよ……
どう考えても今のは覚醒フラグだろうに……ぐふ

ああ、なんだよ。あの叫びはさ。あの回想シーンみたいなのは……
誰がどう考えてもあそこは覚醒してジョルジュさんが「よく……頑張ったな」とか言う場面だろ。

んであわよくばハインさんに
「ったく! 無理すんじゃねーよ! この……ばか」とか言われてタオルを渡されるべきだろ……。

あ、駄目……痛みがしびれて、感覚が……あかんわ……

意識が……



僕の めのまえ は まっくら に なった 。



157: ◆fMqrvr1rTs :2008/02/21(木) 03:55:32.94 ID:/bL7QPqQ0

「おーい。大丈夫かー?」

ううん……? 誰だ……? 僕の眠りを妨げる者は……
今はただ眠いというのに……

ただ、この体中にある痛みで二度寝は無理そうだけどもね……

从 ゚∀从「ほれい。おきろって」

( つω-)「らめえ……カーチャンあと三分だけぇ……」

从#゚∀从「誰がカーチャンかっ!」

(メメ;゚ω゚)「俺の痛覚デラベッピンッ!」

うう、痛いよ。こんな死人にムチを打つなんて酷いよ。
いや、でも死人じゃないからいいのか? いや、よくない。痛いだけじゃないのよ。

っていうか……



160: ◆fMqrvr1rTs :2008/02/21(木) 04:01:44.42 ID:/bL7QPqQ0

(メメ;^ω^)「ハインさん何してはるんですかお!?」

从 ゚∀从「え? 乗ってるんだけど?」

そう! ハインさんは僕の体の上に乗っているのだ!
何これ!? 何この超展開! いや、アリだけど!
そりゃフラグボッキボッキだし僕の息子もボッキボッキだからいいけど!

でも!

(メメ;^ω^)「あばばばばば、あばばばばば」

ぜ、全然まともに喋れないんだ! だって、僕……彼女いない暦=年齢だよ?
そんな女性経験が全くない僕にこんなステキイベントがいきなり発生しても、どうしようもないじゃない! これなんてエロゲ!?



161: ◆fMqrvr1rTs :2008/02/21(木) 04:03:31.41 ID:/bL7QPqQ0

从 ゚∀从「んだよー変な声だしやがってー」

(メメ;^ω^)「ちょ、ちょ、いいからおお、降りてくだい、くださいお!」

それ以上下に下がっちゃうと僕のマイサンとあなたの大事なものが合体しちゃうから。
だから余計に危ない。いや、そりゃ僕としてはあなたと合体したい気分だけども。

の、脳内エレクチオン! じゃなくて、早く! 早く降りて!

从 ゚-从「……。俺のこと、嫌いか?」

(メメ ^ω^)「ドキン」

そんなことないですお!

あれ……。なんか間違えた。



165: ◆fMqrvr1rTs :2008/02/21(木) 04:13:29.92 ID:/bL7QPqQ0

  _
( ゚∀゚)「お、やっと起きたか……って、お前ら何やってんの?」

(メメ;^ω^)「え!? いやこれは、親睦を深める立派な行為であって、別にそれは行為に小と生がくっついたりするわけでは決してないですお!?」
  _
( ゚∀゚)「はっはーん。なるほど。いやー、若いってのはいいねー」

(メメ;^ω^)「や、ですから僕とハインさんは別にそういうアレがあるわけせもう、ないわふぇでひぃて」
  _
(;゚∀゚)「わーった。わーったから。それより、いいか? ちょっと痛むぞー?」

そういうとジョルジュさんは僕の頭に手を添えた。ちなみにハインさんはまだ僕のおなかの辺りに乗っている。
何これ。何この変なプレイ。エロゲでもこんなシーン見たことないよ僕。

……。ん、あれ。痛みが引いていく。



168: ◆fMqrvr1rTs :2008/02/21(木) 04:16:06.56 ID:/bL7QPqQ0

( ^ω^)「あれ? お? 痛みが……」
  _
( ゚∀゚)「バックアップ。知ってるだろ? 一応応急処置としてだからあまり効果はねーけどな」

( ^ω^)「そんなことないですお! もう全然痛くな痛い!」
  _
(;゚∀゚)「無理すんなっての」

情けないなほんと。
なんか特訓したっていうのにまたドクオの時と同じように気絶したしさ。

っていうか



169: ◆fMqrvr1rTs :2008/02/21(木) 04:18:07.34 ID:/bL7QPqQ0

(;^ω^)「まだ乗ってるんですかおハインさん」

从 ゚∀从「え? いやなんかお前の腹に乗ってると落ち着くんだ」

(;^ω^)「そうですかお……」

まあいいや。このまま寝ててもいいだろう。多少人の目が痛いけど。
それに、この視点からだと見事にハインさんのスカートからぱんちゅが見えるわけだしね。
……ほう、縞パンか。なかなかいい趣味をしていらっしゃる。ぐへへ……

从 ゚∀从「……とう!」

(;^ω^)「痛っ! な、なななんですかお!」

从 ゚∀从「なんか鼻伸びてたぞ」

(;^ω^)「そ、そそそんなことな、ななないですお」

从 ゚∀从「この変態が」



172: ◆fMqrvr1rTs :2008/02/21(木) 04:20:48.54 ID:/bL7QPqQ0

確かに、変態かもしれない。でも僕は変態ではない。変態であれど、変態ではない。
だって僕は

(;^ω^)「し、失敬な! 僕はキモピザでオタであって、多少破廉恥な心を持っていても変態では決してないですお!」
  _
( ゚∀゚)「人はそれを変態と呼ぶ」

(;^ω^)「うっ……」

( ・∀・)「あーやだやあーだ。ほんと最近の子はすぐにいちゃつくんだから……死ねばいいのに」

从 ゚∀从「いちゃつくー?」

( ・∀・)「……無自覚とは……恐ろしい子!」



175: ◆fMqrvr1rTs :2008/02/21(木) 04:27:40.98 ID:/bL7QPqQ0

というか、あれ? これってさ……もしかして、フラグじゃね?

先生。とうとう僕にも春が来ました。ようやく青い春がやってきそうです。
そう、今宙に浮いているUFOのように……


ん?


UFO?


(;^ω^)「ハインさんっ! 降りて下さいお!」

僕の中にある危険信号が大きく鳴る。危ない、危険だ、と。
この展開的に、次来るとしたら何かを打ってくる。

从 ゚∀从「へ?」

(;^ω^)「はやくっ!」



176: ◆fMqrvr1rTs :2008/02/21(木) 04:28:14.19 ID:/bL7QPqQ0

急いでハインさんを降ろして、ハインさんを抱きしめて、亀のように腰をかがめ蹲る。
僕はともかく、この人は―――――! 敵キャラが仲間になる=死亡フラグだなんて成立させてたまるものか!

しかし、僕の危険信号は全くハズレを引いており、聞こえてきたのはなんとも間抜けな声で……

「とうっ!」

何かがUFOから飛び降りてくる。
その影は徐々に大きくなって……


地面に衝突した。



179: ◆fMqrvr1rTs :2008/02/21(木) 04:31:24.00 ID:/bL7QPqQ0


(;^ω^)「……」
  _
(;゚∀゚)「……」

( ・∀・)「お、可愛らしいぬこが一匹」

モララーさん……。それぬこじゃなくて、正真正銘の変態です……
というか……

(;^ω^)「あ、ごめんなさいですお!」

咄嗟にハインさんを抱きしめてたなんて……
ちょっと強引過ぎたかもしれない。反省しないと……

从* ゚∀从「……」

(;^ω^)「ハインさん?」

从;゚∀从「え!? なんだ!?」



182: ◆fMqrvr1rTs :2008/02/21(木) 04:36:46.43 ID:/bL7QPqQ0

(;^ω^)「え? いや、いきなりすみませんでしたお」

从;゚∀从「いやっ、全然気にしてないからっ! うんっ!」

ああ、やっぱ怒ってるよなぁ。
そりゃいきなりだもんな。それも正当に何か攻撃があったとかならまだしも……

地面で這い蹲ってるのがこの攻撃の正体だしなぁ……


( ФωФ)


くそ、忌々しい。とりあえず踏みつけてやろう。
この猫人間め……っ!

( ФωФ)「なんつってな。我輩はそうそう気絶などせぬわ!」

(;^ω^)「お、起きてたのかお!?」



185: ◆fMqrvr1rTs :2008/02/21(木) 04:43:56.20 ID:/bL7QPqQ0

不味いことになった……。ちょっと久しぶりにほのぼのとした雰囲気を楽しみながら
ちょっと恋愛コメディっぽい感じでいられると思ったのに……

あ、なんかすごい腹立ってきた。今はなんというかこの猫畜生に恐怖とかいうより異常に腹が立ってきた。

でも足が震えるあたり僕は非常に臆病だと思う。だがそこがいい。

( ФωФ)「ふん、真昼間から堂々といちゃつきやがる糞どもがいると聞いて飛んできたのだ」

( ・∀・)「……よし、今日限定で君の味方につこう」

(;^ω^)「なんで!?」

(#´゚∀゚)「てっめえらがいちゃつくからだっろおがああああああ!! ファアアアアック!!」

駄目だ。狂ってらっしゃるわこのお方。



188: ◆fMqrvr1rTs :2008/02/21(木) 04:49:33.13 ID:/bL7QPqQ0

(;^ω^)「何がですかお」
  _
( ゚∀゚)「お前の特訓の成果を試すいい機会じゃねーか」

(;^ω^)「え、でも僕気絶しただけだお……」

そうだよ。特訓っていってもただジョルジュさんの弾を避けて……。いや避けれてなかったけど。
思いっきり顔面に命中してたけどね。で、挙句気絶したんだから……
  _
( ゚∀゚)「お前は、充分成長した。心配すんな」

(;^ω^)「んなこと言われても……」
  _
( ゚∀゚)「来るぞっ!」

(;^ω^)「え!?」



191: ◆fMqrvr1rTs :2008/02/21(木) 04:55:12.60 ID:/bL7QPqQ0

从 ゚∀从「へっ……この変な感情とともに取っ払ってやらあ!」



モララーさんが白と黒に近い灰色の双剣を構え走ってくる。
そして、猫のおっさんもキーボードを構え走ってきていた。

それに対してジョルジュさんは何かを打ち込み、大きな空間を作って……

って何!? あの魔法みたいな紋章何!? なんかすっごい必殺技っぽいんですけど!?
 _
( ゚∀゚)「見とけブーン。これが俺の必殺技だ!」

異空間。とでも呼ぶべきか。小型のブラックホールのような空間がジョルジュさんの前に出来上がり、何かをそこから吸収している。

(;・∀・)「ちょ、いきなり本気かい!?」
 _
( ゚∀゚)「俺は最初っから最後まで……クライマックスだぜっ!」



194: ◆fMqrvr1rTs :2008/02/21(木) 04:58:54.13 ID:/bL7QPqQ0

(;・∀・)「くっ! 秘儀! ぬこ星人シールド!」

( ФωФ)「え?」

一緒に走っていた猫のおっさんの背後に回りこみ、がっしりと捕まえているモララーさん。
文字通り、おっさんを盾にしている。

……この人ほんと最悪だ。

そんなことを思っている最中にも、ジョルジュさんの前にある空間は何かを飲み込んでいる。
  _
( ゚∀゚)「死んでくれるなよ! モララー!」

(;ФωФ)「いや、ちょ! 危ないの我輩だから! お、落ち着こうぞ! 話合えば――――」



197: ◆fMqrvr1rTs :2008/02/21(木) 05:02:28.33 ID:/bL7QPqQ0
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              ノi|lli; i . .;, 、    .,,            ` ; 、  .; ´ ;,il||iγ
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                `;;i|l|li||lll|||il;i:ii,..,.i||l´i,,.;,.. .il `,  ,i|;.,l;;:`ii||iil||il||il||l||i|lii゙ゝ
                 ゙゙´`´゙-;il||||il|||li||i||iiii;ilii;lili;||i;;;,,|i;,:,i|liil||ill|||ilill|||ii||lli゙/`゙
                    ´゙`゙⌒ゞ;iill|||lli|llii:;゙i|||||l||ilil||i|llii;|;_゙ι´゚゙´


                            ちゅどーん



200: ◆fMqrvr1rTs :2008/02/21(木) 05:06:23.18 ID:/bL7QPqQ0

視界全体を奪うだけの光が真っ白に白光し、前が見えなくなった瞬間。
轟音と共に、風が吹き荒れた。荒れた空気が僕の視界を更に奪う。

爆発音、それに近い音だ。

恐らくあの空間から何かを射出して、それをぶつけたのだろう。
多分モララーさんは無事だろうけど、あの猫のおっさんは……

生きてる、かねぇ。

視界が段々と元に戻ってきて、猫のおっさんの方を見てみると

(  ω )「ぐべら……」

なんとか生きていた。
ただ、着衣していた服は全て燃え尽きており、残っているのは赤色のふんどしのみだった。
ちなみにモララーさんはぼろぼろの猫のおっさんの後ろでピンピンしている。

……まあ、とりあえず猫のおっさんはもう戦えないだろうなあ。



203: ◆fMqrvr1rTs :2008/02/21(木) 05:12:50.64 ID:/bL7QPqQ0
  _
(;゚∀゚)「はあ……はあ……」

( ・∀・)「はは、自慢の必殺技も利かなかったねジョル君よ!」

あんた後ろで隠れてただけだろうが。
  _
(;゚∀゚)「あー……ブーン」

(;^ω^)「はいですお」
  _
(;゚∀゚)「これ使うとしばらく動けないんだわー。あと頼んだぜー……」

(;^ω^)「ちょ! 絶対無理っ!」

とりあえず、地面で蠢いているおっさんをちょっと見てみる。
モララーさんは、まあなんとか口で押さえられればそれでなんとかなるだろうし。



206: ◆fMqrvr1rTs :2008/02/21(木) 05:16:23.68 ID:/bL7QPqQ0

(  ω )「ひ、さしぶりの……出番だったのに……がく」

(;・∀・)「ぬ、ぬこくん―――――!!」

なんか……敵なのに……ここまで悲惨だと可哀相になってきた。

从 ゚∀从「終わったなー」

(;^ω^)「ええ、一応は……」

(# ∀ )ゴゴゴゴゴゴゴゴ「やい……てめえら……なあにが終わっただと……」

あ、あれ。モララーさんがなんか凄く怒ってらっしゃる。
あれー……? 終わった、はずだよね?

(#´゚∀゚)「ぬこくんの仇討ち……!! 弔い合戦じゃああああああああああ!!」

(;^ω^)「原因はあんただろうがああああああ!!」



208: ◆fMqrvr1rTs :2008/02/21(木) 05:20:10.30 ID:/bL7QPqQ0

モララーさんの握る双剣が、白光する。
白の剣は白く。灰色に近い剣はクリアブラック色に。

血眼になりながら、血の涙を流しながら僕等に向けて駆け出すモララーさん。

まさに、鬼の如く。

……っていうか、なんで僕の覚醒フラグは立たなかったのにモララーさんは覚醒してんの?
この人フラグ立つ要素もなかったはずなのに……。

(#・∀・)「るああっ!」

(;^ω^)「ほわっちょ山田!」

やばい、やばいやばいやばい――――!! この人本気と書いてマジだ。
今本当に容赦なく双剣を振るってきよった! モーション的には三国無双の陸孫的な感じで!

……ふと考えたら僕の知ってる中で一番強いのってモララーさんだったような気がするんだけど。

これ……実はめちゃくちゃピンチじゃね?



211: ◆fMqrvr1rTs :2008/02/21(木) 05:29:46.10 ID:/bL7QPqQ0


―――――でも、今やらなきゃ終わる。

モララーさんは本気だ。本気のモララーさんと対峙することになるとすれば、こっちは普段の三倍以上の力が必要だろう。
だったら、今僕にできる精一杯を。

精一杯の努力を。やれるだけのことを―――――やらなきゃならないんだ!!

( ^ω^)「ハインさんっ! 僕は前線に立って守りますおっ!」

从 ゚∀从「よしきた! 攻撃は任せとけ!」

僕は体を前へと突き出し、モララーさんと睨み合う。
……ほんとは怖い。かっこつけても、やっぱこの人は事実上最強なのだから。

でも、でもっ!



213: ◆fMqrvr1rTs :2008/02/21(木) 05:34:12.99 ID:/bL7QPqQ0

(#^ω^)「役立たずと呼ばれ……攻撃もできない僕の力を……」

(#・∀・)「うるあっ!」

(#^ω^)「見せてやるおおおお―――――!!」

振るわれた双剣。いまだに白光は続いている。右手は下から上へ。左手は胴を裂くようにして横一閃。
しかし、その剣が僕の体を切り裂くことはなく……

(;・∀・)「んな……!」

(#^ω^)「今だおっ! ハインさんっ!」

何が起きたか分からず、うろたえているモララーさんを尻目に僕はハインさんに攻撃を求める。
何故、僕の体を切り裂かなかったのか。
答えは単純だ。

(;・∀・)「それが君の力か! ブーン君!」

(#^ω^)「僕は攻撃には向いてないですお……だからっ! 僕はみんなを守るためにこの力を選んだだおっ!」



215: ◆fMqrvr1rTs :2008/02/21(木) 05:37:50.55 ID:/bL7QPqQ0

具現化せず、目で見ることはできない体全体を包み込む盾。
ジョルジュさんや、モララーさんも恐らく使っていると思えるものだけども

僕のは、一部分の空間を作りだし、攻撃を防ぐ仕組みになっている。

いうなれば、空間防御壁。……痛い名前だ。

でも今は……

(;・∀・)「くっ!」

モララーさんを全力を以って止めることが先決だ。

砂の触手がモララーさんを襲う。しかし、モララーさんとてそう易々と食らうほど甘くはない。
双剣を振るい、向かってくる触手を薙ぎ倒している。いくら砂とはいえども、束になれば強度はかなり増す。それをも切り裂くのだ。
まともに食らえば致命傷どころか、一瞬で絶命に至るかもしれない。



217: ◆fMqrvr1rTs :2008/02/21(木) 05:43:05.45 ID:/bL7QPqQ0

(#^ω^)「おおっ!」

(;・∀・)「くっ! 腕が……動かない!?」

空間をモララーさんの両腕に作り上げ、腕を宙に固定させる。
そうなれば、触手を防ぐ術はなく

(; ∀ )「ぐ、あああ!?」

わけが分からないまま、モララーさんの体を締め上げる触手。

(;^ω^)「はあ……はあ……」

便利な力ではあるけれども、なかなか体力を使うものだということを身をもって知った。
これ……ほんと疲れるな……

ミシ、ミシ、といった痛々しい音色を奏でながらモララーさんの悲痛な叫びを耳にする。
そして、静かにモララーさんの目から光が消えたのを確認すると触手が音もなく消えた。



219: ◆fMqrvr1rTs :2008/02/21(木) 05:47:31.39 ID:/bL7QPqQ0


从 ゚∀从「ほい、いっちょあがりっと」

(;^ω^)「や、ったお……」
  _
( ゚∀゚)「よくやったなブーン。少しシリアスだったのが痛いところだ」

(;^ω^)「いや……シリアスじゃなかったら……駄目な雰囲気でしたお……」
  _
( ゚∀゚)「まあ、よくやった。モララーとあのおっさんは任して、ゆっくり休みな」

そんなわけには、と言いたかったが、想像以上に体力を使ったらしく身動きが取れない。
まともに喋ることもできないみたいだ。

(;-ω-)「……お、言葉に……甘えます……お」

そこで、僕の意識は途絶えた。



221: ◆fMqrvr1rTs :2008/02/21(木) 05:51:08.17 ID:/bL7QPqQ0
  _
( ゚∀゚)「ったく……。これじゃどっちが勝者かもわかんねーな」

(メ ・∀・)「全くだね」

从;゚∀从「うお!? おっさんいつの間に!?」

(メ ・∀・)「ははは、君たち如きに負けるわけないだろう。全部事前にジョル君と組んでた計画さ」
  _
( ゚∀゚)「なかなか上手だったぜ」

(メ ・∀・)「さーていい感じの傷も出来たし、ヒートに手当てして貰おうっと」
  _
(;゚∀゚)「……お前はいい加減子離れしろよな」

(メ ・∀・)「アーアーキコエナーイ」
  _
( ゚∀゚)「やれやれ……」



222: ◆fMqrvr1rTs :2008/02/21(木) 05:54:01.05 ID:/bL7QPqQ0






从 ゚-从「ブーン」

( -ω-)「すー。すー」

从 ゚ー从「お疲れ」





僕が目を覚ました時、そこには膝枕をしていたハインさんの姿があった。
僕はそれを夢だと勘違いして、頭をごろごろと転がしていると思いっきり顔面めがけて拳骨を食らった。
本当に、フラグってのは立ったり成立したりするもんなんだなあ。しみじみ。

そして再び、僕の意識はまた闇の中へと落ちていった。無論、ハインさんの膝の上での話しだけども。ふひひ



224: ◆fMqrvr1rTs :2008/02/21(木) 05:54:31.56 ID:/bL7QPqQ0





十二話 おわり



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