普通の人がエロゲーっぽい世界の主人公になったようです

240: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/03(火) 04:00:28.44 ID:ufRg5Jdv0
(エピローグ)


あれから、十年の月日が経過した。

俺は、小説家として、社会に身を置いている。
あのレジュメもどきをもとにして小説を描き、出版社にもっていった結果がそれだ。

最初は、あまりに下手なので、つっぱねられた。
それがなんか悔しくて、書いて書いて勉強して……気付けば、こんな立場になっていた。

俺の小説は、あまり売れていないが、少しだけならば見てくれる人はいる。
文を書くことにやりがいを見つけた。それだけで、素敵なことだと思う。


人は、変わることが出来る。


社会的外聞は相変わらず気にする俺だけれど、こんな不安定な職に就いた辺り、ちょっと変わったんだと思う。
昔、うざったく思っていたやつらも、今は変わったのかもしれない。



245: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/03(火) 04:03:01.49 ID:ufRg5Jdv0
金髪は……噂によると、抹茶と一緒に、施設に入れられたらしい。
なんでも、人に馴染めない、精神的な病があるそうだ。
まあ、だいたいそんなことになると思っていたけれど。

しかし、ふたりは楽しくやっているようなので、良しとする。


接着剤は、この世にはもういない。
深夜のファーストフード店で喧嘩した奴を、変な正義感触発されて止めた結果、肋骨折られて、それが内蔵に刺さったらしい。
病院をたらい回しにされることもなく、逝ったそうである。



円谷は、その子供っぽい性格をとがめられてか、修道院に入れられたらしい。
親に、そのパンクロッカー髪を全て両断されて。なんでも、俗なほどに長い髪は煩悩の証左、らしい。
坊主円谷の行方はしれないが、それでも彼女は彼女なりの道を見つけた。それでいいと思う。



人は、それぞれに自分の道を見つける。

俺も、自分の道を見つけた。



249: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/03(火) 04:04:52.65 ID:ufRg5Jdv0
この世界に生きる人に、言いたい。言葉を、進呈したい。


生きましょう。

人は、変わることが出来ます。人は、色々な道に進むことが出来ます。
他人に庇護されても、決して恥じることはありません。

自分が、自分のままに生きる。

それだけで、尊い財産である、俺は、そう思います。


――どう転ぶか分からない、人の生に、一抹の祝福を。


どうか、皆、生きてください。
ゆっくりと、それでいて、忙しく。

人は……。

人は、変わることが、出来るのだから。




(やたら美辞麗句ならび立てて、サナトリウム文学的におわり。
つーか、主人公、説得力ねえぇぇぇぇ! あっははははは!)



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