ξ゚听)ξとダレカはネガティヴなようです
- 5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/09(月) 21:08:46.55 ID:/7Yydd+X0
- おかしいことに、あの娘は
かなしいことに、他の男と会話していた
くるしいことに、その顔は光悦の顔であった
そして見たろう、僕の存在はまるで蚊帳の外
くるしい、分かり合えないことが、こんなにもくるしい
痛々しい、僕の胃液の臭いは鼻腔を刺激する
8マイル上空の踊る金平糖が影響させて僕は嘔吐した
- 7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/09(月) 21:10:21.87 ID:/7Yydd+X0
- ―――じゃ、時間になったので……
……あぁ、はい! お疲れ様でーす
「お疲れ様です、先に上がりまーす」
時間は22時5分。バックルームにあるコンピューターに
退勤時間、休憩時間を入力していく。
私がその作業をしている間に、
先ほどまで、ともに働いていたしぃは日報を手に取っていた。
ξ゚听)ξ「はい、打ち終わったよ」
(*゚ー゚)「ん。ありがとう」
空返事をしつつ、しぃはひたすら共有ノートに日報を書き込んでいた。
それだけではない。右手にケータイ。左手にペンという神業である。
この分では、私が日報を書けるのは
もう少し時間が経ってからであろう。
椅子に座ったまま、伸びをしてみる。
- 8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/09(月) 21:12:13.72 ID:/7Yydd+X0
- 伸びと同時に、無意識の内に長い溜息もついてしまう。
ξ゚听)ξ「今日も疲れたなぁ……」
今日は15時から22時までの7時間労働だった。
7時間程度で溜息をつくのか? とビジネスマンは一笑してしまうかもしれないが、
何せ今日の検品作業は、ぐうの音が出ないほどの肉体作業だったのだ。
花の女子大生という部分を、彼らに考慮してもらわねばならないだろう。
(*゚ー゚)「はい! 僕のは書けたよ!」
しぃが私に日報を書き連ねるノートを手渡すと、
コンピューターへ向かい、退勤時間等々を軽やかに打ち込みだす。
ノートへ目を移す。ありがたいことに、しぃは所感欄以外を既に埋めていてくれた。
私が日報を書いている途中、
しぃは私に話しかけてきた。
(*゚ー゚)「ね! ね! 昨日の合コン、どうだった!?」
俗っぽい質問かと思いきや、しぃに限ってはそうでもない。
しぃは私の保護者というか、高校の頃から今の大学も、更にこのバイトにおいても
ひたすら男に対しては過保護だった。
しかし不思議なことに、その過保護をうっとうしいと思ったことは一度もない。
私は恋愛自体、あまり経験したことがなく少し怯えている部分があるからだろう。
- 9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/09(月) 21:15:11.15 ID:/7Yydd+X0
- ξ゚听)ξ「う〜ん……どうだろう」
大学の1年先輩のペニサスさんに、はんば強制的に誘われたあの合コンは、
一次会の時点でカラオケというラフな形式の割には
男陣は誰も彼も一流企業に勤めている人ばかり、という不思議なものだった。
その男の中の1人、ガイドライン商事に勤めているという内藤と名乗る男に
何度もアタックされたのが印象的だった。てくらいの感想だ。
ξ゚听)ξ「1人、何か凄く好意を持たれてたくらいかなぁ……」
(*゚ー゚)「え〜!? どんな人、どんな人!?」
やたらはしゃいで食いついてくるけど、心配の色が目に浮かんでいた。
ξ゚听)ξ「どんな人って……ガイドライン商事の人なんだって」
(*゚ー゚)「あのガイタの?! へ〜。それ以外のことも教えてよ!」
ξ゚听)ξ「それ以外のこと?」
(*゚ー゚)「例えば、その男の人の特徴とかさぁ!」
何でそんなことを聞くんだ、と思うが
確かにあの男の人には気になっている部分があった。
- 10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/09(月) 21:21:00.41 ID:/7Yydd+X0
- どこかで、見たことがある―― ……いや、会っているのだ。
しかし、それを思い出せない。 そのもどかしさが、どうしようもなかった。
ξ゚听)ξ「何かね。 どっかで会ったことのあるような人なのよ」
(*゚ー゚)「どっかで? その人は教えてくれなかったの?」
ξ゚听)ξ「うん……。あっちも、私のこと知ってる感じだったけど」
(*゚ー゚)「ふーん……もしかしてさ、このコンビニの常連、とかじゃないの?」
え?
そう思った瞬間、全てが氷解した。
そうだ、このコンビニにたまに足を運ぶ、あのサラリーマン風の!!
ああ、そうだ、そうだ、 やっと思い出した!
ξ゚听)ξ「そうそう! 思い出した、このコンビニに来てるの!」
(*゚ー゚)「え!? 本当に?」
ξ゚听)ξ「うんうん! 間違いないわ、あの語尾が特徴的なサラリーマン風の!」
(*゚ー゚)「あ〜……週一くらいで見かけるね、あの人ね」
ξ゚听)ξ「そうなの! あぁ〜よかった、やっとスッキリした〜!!」
ならあの男の人――内藤さんも、教えてくれればいいのに。
しぃと一緒にバイト先のコンビニを後にしながら、私はそう考えた。
- 12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/09(月) 21:27:48.29 ID:/7Yydd+X0
- 家に帰って、部屋で寛ぎながら、少しあの内藤さんのことを考えてみる。
しぃの言う通り、確かにあの男の人は あのコンビニの常連さんだ。
つまり、これからも接触するのかもしれない。
ξ゚听)ξ「どうしようかなぁ……」
正直言って、あまり好きになれないタイプだった。
一見快活そうに見えるが、あの男の人は奥底に何か、暗いものを閉じ込めている。
そんな雰囲気を漂わせていたのだ。
ξ゚听)ξ「ほんっとどうしよう………」
幸い名刺を貰っただけで、携帯の電話番号は交換してない。
まぁ……何とかなるもんかなぁ。
ξ゚听)ξ「……っあ、そうだ」
ゴミをまとめなきゃ。
明日は休みだし、出来れば遅寝をしたい。
今のうちにまとめて出しておこう。
今は、もう10時か。。。早いなぁ。
1人暮らしをしていると、どうも時間の感覚が分からなくなる。
ξ゚听)ξ「よいしょっと……」
まとめたゴミを持ち、私はマンション外の収集場所へ向かう。
- 14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/09(月) 21:30:17.43 ID:/7Yydd+X0
ξ゚听)ξ「えいっ」
遠心力をかけて、私はゴミ袋を収集場所へ叩き付ける……いや、放り投げた。
ちょっとマズいことをしたかな、と思ったが、幸いなことに袋が破れてるということはなかった。
ホっとしながらも、私は少し缶コーヒーが飲みたくなったので、
少し歩いた先にある、自動販売機へと向かった。
ξ゚听)ξ「……プハァー。やっぱ無糖が一番美味しいな」
もう闇夜だと言うのに、一人言を発しながら私は飲み歩く。
その後、無性に恥ずかしくなってしまった。
ふぅ。と溜息をつくと白い靄が上空に浮かぶ。
そろそろ冬なんだなぁ。
私はマンションのエントランスに差し掛かった。
- 15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/09(月) 21:33:53.27 ID:/7Yydd+X0
- ξ゚听)ξ「……ん?」
私は暗証キーを押してエントランスの扉を開けた瞬間、
奇妙な音を聞いた。
カサ、カサという擦れるような音と、何かを探るようなごそごそという音だ。
そしてその音というのは、あのゴミ収集場所が発信源のようだった。
何だろう、と考えているうちに、開けた扉が再び閉じてしまった。
それでも、奇妙な音が鳴り止む気配はない。まだ聞こえている。
ξ゚听)ξ「……よし」
小声で自分自身に確認すると、私は忍び足で収集場所へ向かった。
収集場所はエントランスの玄関の左を曲がれば直ぐに、見える。
私の心臓は勝手にドキドキという音を増させている。
私は角に立ち、首を少しだけ覗かせて収集場所を見た。
ξ゚听)ξ「 !! 」
うずくまって背を向けて、ゴミ袋から何かを探している何者かの姿が見えた。
小柄なような気がするが、何せこの暗闇では男女の区別すら付かないほどだ。
恐ろしいもの見たさで、私はその人物を眺め続けていた。
- 18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/09(月) 21:37:17.52 ID:/7Yydd+X0
- その人間はゴミ袋を漁っては、選別しつつゴミを自分の横に置いていた。
置かれているゴミは紙類、それも請求書らしきモノが多く
他には割り箸などが目立つ。
ξ゚听)ξ「(何してるんだろう……?)」
と、更に注意深く観察していると、あることに気付く。
今日私がまとめたゴミと 内容がそっくりだった。
ξ;゚听)ξ「 ……! 」
思わず息を呑み、体の隅々が震えだす。。。
あの不審者は、私のゴミを漁っている………?
体が動かない。どれだけ時間が経っても動かないのでは、と心配するほどに。
そのうち、しばらくすると 駆け出したような音が聞こえる。
たったったった……その音が聞こえなくなると、ようやく体の動きが自由になった。
私は恐る恐る、収集場所に行き、自分の出したゴミ袋を見る。
袋の縛り方が、変わっていた。
周りにカスが散乱していた。
明らかに小さくなっていた。。。。
- 19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/09(月) 21:40:02.39 ID:/7Yydd+X0
- 次の日。せっかくの休日だというのに、
私は一歩も外に出ることはなかった。
自分のゴミ袋が漁られていた。
警察は取り合ってくれるだろうか? ……多分、取り合ってくれやしない。
そんなことを悶々と考えながら、私は夜まで時間を潰した。
そして夜の報道番組を見た時、私はふいにその内容に気を取られた。
「ニュー速区ストーカー殺人事件」
ξ゚听)ξ「ストーカー………?」
どこかで聞いたような、 単語。 何処だったかな、いや、誰かから聞いたんだ。
しばらくテレビを眺めていると、犯罪心理学の大学教授が
ストーカー……付きまとい、 について解説を始めていた。
"歪んだ形の権力の誇示、情報把握による心理的優越感を目的とし
被害者の生活に影響を与え、自分の存在をそこで認識して快感を得ようとする"
ξ゚听)ξ「ふぅん……」
今の自分には関係のなさそう―――
そう思いたいのに、どうにも、本能が忘れるな、と警告してるかのようだった。
明日は朝6時からバイトだってのに……この番組が終わるまでは、眠れそうにない。
ストーカー……もっと前に、身近な人間から聞いたはず。
……そうだ、ジョルジュだ!! 弟のジョルジュが、確か教えてくれたんだ。
- 21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/09(月) 21:43:39.67 ID:/7Yydd+X0
- ジョルジュは、最近ストーカーの事件が急激に表面化している、と教えてくれた。
ストーカー。あのゴミ荒らしも、これなのだろうか。
自分は、ストーカーの被害に会っているとでも?
報道番組の舞台は、教授の説明を終え
再びスタジオに戻り、議論を繰り返していた。
( ,'3 )「いや、ですからね! 国は早く規正法なり作るべきなんですよ!」
( ^Д^)「しかし、いくら最近増加したからといって、現在の刑法でも
対応出来る部分はありますよ! むしろ、精神疾患の一面を見られる以上……」
ξ゚听)ξ「………」
私は何の気もなく、その論争を眺めていた。
( ,'3 )「いや、背徳症候群には責任能力は認められていますよ!」
( ^Д^)「それは今回の件に限っての話でしょう!?
ストーカー事件の大半を占めているのは妄想型分裂病という証拠があるんですよ!」
議論は段々と、エスカレートしていった。
そしてそのうち、1人の温厚そうな老人の言葉が、どうにも気になった。
/ ,' 3「私の敬愛する哲学者、ジャン・ポール・サルトルの言葉の中に、こんなのがあります。
"地獄とは、他者のことだ" 、と ………――.....……
- 22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/09(月) 21:45:30.59 ID:/7Yydd+X0
- 台無しな休日を過ごし終え、私は朝勤のため、バイト先へ向かった。
ξ゚听)ξ「……おはようございます」
(´・ω・`)「あ、おはよう。……どうしたのツンさん? なんか気分悪そうだけど……」
深夜勤をもうじき終える、オーナーのショボンさんが気遣ってくれた。
ξ゚听)ξ「あ、いえいえ。久しぶりの朝勤だから……」
(´・ω・`)「あぁ! 朝6時に出社だもんね。そりゃ大変だなぁ」
オーナーがそう言ってカラカラと笑っていると、
同じくアルバイトのドクオ君が私に話しかけてきた。
('A`)「あの、ツンさん一昨日はありがとうございました!」
一昨日、私は本来19時から22時までの3時間労働だったのだけど、
ドクオ君がどうしてもバイトに出れなくなったため、彼の15時から19時まで引き受けてしまい
結果、7時間労働となってしまったのだった。
ξ゚听)ξ「いやいや〜。ちょっと借りが出来たかなって喜んでるとこだから」
('A`)「か、借りですか……ははは」
(´・ω・`)「そりゃあ怖い。ドクオ君も大変だなぁ。わっはっは!」
- 24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/09(月) 21:48:38.50 ID:/7Yydd+X0
- ('A`)「でも、ちゃんと返しますよ……はは……」
・・・・・・・
ξ゚听)ξ「いらっしゃいませー」
重いまぶたを無理やり開けながら、私は接客を続けていた。
朝のお客さんは、夜勤に比べると、態度が優しい人が多い。
そこは朝勤の好きな部分だった。
从'ー'从「あ、ツンちゃん。肉まん2個、補充して貰える?」
ξ゚听)ξ「あ、はーい」
パートの渡辺さんも、凄く優しい。
そろそろ10時に差し掛かる。
私の眠気も治まり客のラッシュもなくなった頃だった。
すると
ガァー。自動扉が開く。お客さんが来た。
ξ゚听)ξ「いらっしゃいませー、おはようございまーす」
( ^ω^)「やぁツンちゃん。おはよう」
合コンで会った、ガイドライン商事に勤めているという内藤ホライゾン。
その人が来た。
- 25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/09(月) 21:51:16.36 ID:/7Yydd+X0
- ξ;゚听)ξ「あ、こんにちわ………内藤さん」
自分の顔が強張るのが感じ取れる。
正直言って、あまり好きではないからだ。
合コンのときの、あのねっとりとした粘着質なアタックを思い出し、体も固まる。
( ^ω^)「この前言ってなかったけど、実は前々から君のことは知ってたんだお」
私の居るレジ台へ、ナメクジを連想させる速度で近づいてくる。
( ^ω^)「でも、君自身に思い出して貰おうって思ってたんだお」
ξ;゚听)ξ「あ、はは……。私も、ええと 思い出しましたよ」
( ^ω^)「それはよかったですお! いや、僕は合コンに行って
君を見かけたとき、"あぁ。神は居るものだな"と思ったんだお!」
そう言えば、あの合コンのとき「運命」だの「神」だの、言っていた気がする。
ξ;゚听)ξ「そ、そうですか」
( ^ω^)「うん。 そうなんだお」
そういって内藤はニヤリと頬を上げ、私を見つめる。
その瞳は私を舐め回すかのように蠢いた。
( ^ω^)「本当に。そうなんだお」
- 27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/09(月) 21:53:00.50 ID:/7Yydd+X0
- ξ;゚听)ξ「………」
この圧倒的に陰湿な空気は、
コンビニ内の数少ないお客さんにも伝わっていたようで
皆、この内藤と私をおどおどと見つめていた。
渡辺さんも、心配そうにオロオロしている。
やがて、内藤はその視線に気付いたのか、
店内のその送り主達に一瞥すると、私に振り向き
「じゃあ。またね」 と囁いた。
ξ;゚听)ξ「あ、はい……」
( ^ω^)「アルバイトがんばってね」
最後に私の肩に手を乗せた後に、何も買わずに帰っていった。
肩に置かれた、あの内藤のさするような感覚が今も疼いていた。
そして、私は思い始める。
「あの男が、ゴミ荒らしの犯人では?」 と………。
- 28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/09(月) 21:55:16.23 ID:/7Yydd+X0
- 11時前になり、私のシフトは終わりを迎えようとしていた。
代わりに11時から仕事のしぃが、バイト先にやってきた。
(*゚ー゚)「おはようございま〜す」
从'ー'从 ξ゚听)ξ「おはようございまーす」
(*゚ー゚)「……ん? ツン?」
ξ゚听)ξ「え? どうかした……?」
(*゚ー゚)「凄い汗……。大丈夫?」
「へ?」
どうか、したのか。 ど
・・・・・
ここから先の記憶は、よく覚えていない。
どうやってあのしぃを納得させただとか、
どうしてそんな状態で運転が出来ただとか。
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