ξ゚听)ξとダレカはネガティヴなようです
- 159: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/10(火) 00:59:38.35 ID:Pv4NqOkX0
- ――――― ―――――
僕も君と同じく、そのショットガンを映像越しに眺めている。
今の僕の気持ちは、何だろうか。
まるで説明できない事柄を無理矢理説明させられているかのような
そして削られない石を研ごうと無駄な努力を行っているかのような
いや、考えすぎた
つまり、説明出来ないヨロコビ。 だとしても、僕はネガティヴ
――――― ―――――
- 162: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/10(火) 01:02:26.68 ID:Pv4NqOkX0
- ・・・・ ・・・・・・・・・・・
ξ;゚听)ξ「な……なんで、こんなことに……」
わたしのせい?
Cカメラに写る内藤は、買い物を終え、駐車場に向かおうとする
ただのお客さんにさえ、ショットガンの火を噴かせ 命を奪っていく
。
そのまま、先ほどと変わらぬ要領で店内に侵入していく内藤。
渡辺さんは、あの最終手段に出た内藤の姿を見て気絶してしまった。
正常な心を保てる人間こそ、どうかしてる。。。。
わたしも。
まるで、爆発が起きたかのような音が店内から響き渡り
ここ、バックルームにまで聞こえる。
慌てて監視カメラ映像、Bを見る。
ξ;゚听)ξ「オ……オーナーさんッ!!???」
オーナーが居たはずのあの場所には、
血まみれのレジ台と、ここのコンビニの制服を着ている 頭の見えない人間が倒れていた。
- 167: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/10(火) 01:05:44.10 ID:Pv4NqOkX0
- ξ;;)ξ「オーナーさんッ!!!!」
私はバックルームから店内へ、戻ろうとした。
店内の音を支配する、お客さんの絶叫、金切り声が私の心を掻き毟る。。。
店内へ続く扉の、マジックミラーには
老若男女問わず、泣きじゃくる姿も、
腰を抜かし放心状態の姿も、まさに阿鼻叫喚のお客さんの姿が写る。
そして、どうしてかこの扉へ駆けるドクオ君の姿。
私はその姿に果てしない勇気を貰い、思わず扉を押そうとする。
しかし、私が扉に触れ、僅かな隙間が開いた瞬間、
ドクオ君の口が、「開けるな」と声を出さずに動く。
私は慌てて手を引っ込める。
そして、ドクオ君が扉の直ぐ傍に着き、
扉に付いているマジックミラーに、小声で語りかける。
('A`)「僕がデイリーコーナーで奴を足止めするから、
その間に酒類、雑誌コーナーを通って、そのまま店内から出てくれ」
ξ;;)ξ「ドクオ君……!」
どれだけ私が泣いても、彼からは見えない。。。
どれだけ感謝したい、と願っても 彼へは届かない。。
- 174: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/10(火) 01:07:47.82 ID:Pv4NqOkX0
- ドクオ君が、不思議なことに マジックミラー越しで私と目を合わせる。
彼には、分かりえないこと。
('A`)「好きでした! ずっと前から……」
ξ;;)ξ「え……?」
('A`)「それに、借りを返せる……」
それだけ呟くと、再び駆けた道を戻る。
彼を目で追うと、足を引きずるように動く、内藤の姿も見えた。
あの温厚そうな表情は消えうせ、
ショットガンを手にぶつぶつと口を動かしていた。
( ゚ω゚)「…………」
私はあの内藤へ、怒りの視線をありったけ送る。
当然、届かない。
ドクオ君が内藤の姿、目掛けて走っている。
内藤がショットガンの銃口を彼へと向ける。
ξ;;)ξ「だめえええええ!!!」
しかしドクオ君は身を屈め、飛び掛った。
内藤の腰を確実に捉え、2人して豪快な音を立てて倒れる。
- 177: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/10(火) 01:09:07.33 ID:Pv4NqOkX0
- 2人は倒れたまま、もがき合っていた。
ドクオ君の言うとおり、早く私は別ルートから店外へ逃げるべきだ。
タイミングを見計らう。
うまくいけば、内藤に気付かれずに出て行くことも可能だ。
ξ;;)ξ「……でも」
でも、渡辺さんを置いていくのことは……出来ない。
そう考えた瞬間、後頭部に鈍い感触が走った。
体の内部で頭蓋骨が何かと衝突したかのような音が、響き渡っている。
何がなんだか分からないまま、
私は地面に崩れ去った…………。
- 185: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/10(火) 01:13:58.94 ID:Pv4NqOkX0
- ・・・ ・・・・・・
ツンさんには、多分伝わったと思う。
そう思うしかない。 あの扉が開きかけた現象に全てを僕は賭けた。
( ゚ω゚)「離せお!! 離せェェェエエッ!!!!」
内藤が暴れるのを俺は必死で抑えこむ。
この……キチガイが、 オーナーさんを殺したんだ!
柔道は高校の授業でしかやったことはないが、
自分に不思議と才能のようなものがあったのか、
少しばかりの技なら、何年も経った今でも使えた。
俺の双手刈りで相当背中を痛めたのか、
内藤の呻き声が激しい。ショットガンも落とし、滑っていった。
この憎らしい男を、殴りつけてやりたい。
苦労しつつ、マウントポジションを取るのに成功する。
- 189: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/10(火) 01:16:57.87 ID:Pv4NqOkX0
- (#'A`)「この野郎がァ!!」
拳を握り締め、あらん限りの腕を伸ばす。
この男がしでかした行いが、走馬灯のように頭に流れ込む。
ツンさんに尾きまとい、恐怖を与え、
今日、ショットガンで、罪なきオーナーとお客さんを殺したんだ!!
許せるはずがない!
(#'A`)「死ね!!」
逆手でナイフを突き立てるような要領で、俺は拳を振り下ろした。
(;'A`)「 !? 」
だが背中に突如、意味の判らない衝撃を食らう。
その痛みに思わず痺れてしまい、俺は内藤に殴りつけることが出来なかった。
- 198: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/10(火) 01:21:59.17 ID:Pv4NqOkX0
- (;'A`)「な、なんだ……?」
後ろを振り向こうとした瞬間。
ガチャリ、と拳銃を動かす音が、
正面……まさしく内藤のそばから聞こえた。
そして見れば、内藤は357マグナムを俺へ
冷静に狙いを定めていた。
(;'A`)「お、おぃ……」
( ゚ω゚)「邪魔だお」
その弾は正確に俺目掛け ぶっ放された。
うあああああああああああああああぁぁああ!!!!
叫ばないと、気絶するほどの激痛。
喉に、喉に弾丸が食い込み、 貫通した。。。
ツンさんは……ちゃんと逃げ延びたんだろうか………
俺には、もう分からない。
- 207: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/10(火) 01:26:13.31 ID:Pv4NqOkX0
- ・・・・・・
あ、あの男は……狂っている。。。
ここの店のオーナーさんを躊躇なく、ショットガンで撃ち殺し、
騒ぎ逃げようと入り口の自動ドアへ進む客も、
2発、3発、 4発。
鼓膜も、涙腺もぼろぼろになりそうだ………。
入り口は血で塗りたくられ、
外の光景など見えやしない。
ただ、窓の方からは騒ぎが起き始め、パトカーも駆けつけている。
た、助か
( ゚ω゚)「逃げるなお!!」
金切り声のように、喉が擦れたように叫ぶ。
( ・∀・)「……は、はひ……」
小さく、誰にも聞こえないであろう声で私は呟き
地面に伏せた。
ただ、昼飯をここで買いに来ただけなのに……!
何で私が、何で私が!!!
- 211: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/10(火) 01:28:14.44 ID:Pv4NqOkX0
……そして、どれほどの時間が経ったのだろうか。
またも、銃が咆哮を挙げる音が聞こえたが、
ショットガンとは別の拳銃のように、思えた。
ちらり、と見ると
悪魔は壊れたぜんまい人形のように、ふらつき
( ゚ω゚)「もうお前ら、全員死んじまえ!」
とうとう男は無抵抗の人間すら、牙を向けた。
冷静に容赦なく、泣いている子供に狙いを定める。
( ;∀;)「ひい……!」
「やめてくれ!」と叫んだとき、銃弾が私の左胸目掛けて放たれた。
- 218: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/10(火) 01:30:42.44 ID:Pv4NqOkX0
- ・・・・・・
どれほどの時間が経ったのだろうか……
ξ゚听)ξ「ん、ぅうん………」
私は後頭部をさすりながら、よろよろと、起き上がった。
何があったのか……突然、後ろから殴られたかのようだった。誰だろうか。
私は、もしや……と思い、渡辺さんの方を向く。
ξ゚听)ξ「……彼女じゃない」
渡辺さんはまだ倒れていた。
……私は、ここを彼女を起こそうと決めた。
「私を助ける」と言ってくれた人を、見捨てることなんて絶対出来ない。
渡辺さんの頬を少し叩いて、「渡辺さん!」と問いかけるも、
完全に彼女は気絶したままで、起きはしなかった。
ξ゚听)ξ「……どうしよう」
何かないか、私はキョロキョロと周りを見渡したとき、
監視カメラの映像がとんでもないものを写しているのを発見した。
- 224: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/10(火) 01:33:51.58 ID:Pv4NqOkX0
- ξ゚听)ξ「……け、警察……」
駐車場を写すCカメラは、その場所にパトカーが何台も停まっていて
更に刑事が何人か、パトカーから出入りしているのも確認出来た。。
ξ゚听)ξ「……! ギコ刑事!!」
ギコ刑事が内藤の車の内部を物色していた。少しばかりの安堵感が現れる。
どうやらこの店のシャッターが降ろされているようで、
彼らには中の様子が分からないらしい。
だが……他の、店内を写すカメラは、地獄を鮮明に流し続けていた。
ξ゚听)ξ「……… そんな……」
とにかく、血と死体、流れ弾により崩れ落ち、乱雑とされている商品。
どれもこれも、凄惨な現実だった。。。
このコンビニ内で、生きているのは私と内藤、渡辺さんだけなのではないだろうか。
……私が、止めなければ。
雪崩のように襲い掛かる吐き気と恐怖を必死に抑えながら、
私はバックルームのマジックルームを覗き込む。
- 226: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/10(火) 01:36:23.72 ID:Pv4NqOkX0
- ξ゚听)ξ「……ど、ドクオ君!!」
血を流し、その体はうつ伏せに倒れていた。
私は無我夢中で扉を押し、彼の元へ走りこんだ。
ξ゚听)ξ「ドクオ君!! ドクオ!!!」
必死にゆり動かす。
だが……彼は2発の銃弾を体に打ち込まれていて、既にこと切れていた。。。
ξ;;)ξ「そ、そんな……!」
血生臭いこの店内で。
私は……襲撃者に気を配るのを、
忘れていた。
- 234: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/10(火) 01:38:52.64 ID:Pv4NqOkX0
- ドクオの体を抱きしめていたその時。
鼓膜が破れるかのような音が鳴り響いたかと思いきや、
肩にどうしようもない痛みと、血のどくどくと流れる、生々しい感触がする。
ξ;;)ξ「あ……ぁあが……!」
痛い、痛すぎる。
この痛み……銃弾は肉を切り裂き、骨に食い込んでいる。。。
私の意識は朦朧とし、何も考えられなくなっていく。
「これで僕のことを、いつまでも愛してくれるだろうか………」
意識が途切れる直前、そんな言葉を
耳にした。。。
- 241 名前: >>236 キニスルナ 投稿日: 2007/07/10(火) 01:42:22.70 ID:Pv4NqOkX0
- あの地獄。
犯罪史に残るかのような、大事件から……
……数週間後。
「……酷い事件でしたね」
「ああ……死亡者25名。生存者は僅か、2名。 挙句犯人が自殺を図るとは……な……」
「……ノストラダムスはこの事件のことを、予言してたんですかねぇ?……はは」
「滅多なことを言うな! デミタス!!」
っち……馬鹿な部下を持っちまったぜ。
俺はそんなことを考えながら、扉をノックする。
(,,゚Д゚)「失礼します」
中からの了承も得ず、俺はノブを回し部屋の中へ入る。
まず看護婦に、患者の状況を尋ねる。
(,,゚Д゚)「……具合は……どうですか?」
川 ゚ -゚)「いえ……証言を口に出来るどころか……まともにも……」
(,,゚Д゚)「……そうですか」
- 248: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/10(火) 01:45:20.37 ID:Pv4NqOkX0
- 俺は看護婦の傍、ベッドのリクライニングで半身を起こしている
ツン・デレンさん、その人を見る。
(,,゚Д゚)「……本当に、気の毒なこって……」
内藤の、ストーキング行為からの最悪の発展。
これを止めることが出来なかったのは、
俺達警察の……失態と言っても過言ではないだろう。
あの事件も……強行突破の判断がもっと早ければ………!
(´・_ゝ・`)「もう1人の証言を全面的に信じるべきですね……」
部下のデミタスが、感傷に浸っている俺を邪魔するかのように話しかける。
(,,゚Д゚)「……そうだな」
(´・_ゝ・`)「しかしあの人は、強いですよね……あんなことがあったってのに……」
(,,゚Д゚)「内藤の野郎に腕を撃たれたってのに……本当にな」
川 ゚ -゚)「その人はもしかして……この部屋によく来る……?」
- 251: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/10(火) 01:47:24.95 ID:Pv4NqOkX0
- (,,゚Д゚)「ええ。そうです。 現在左腕を包帯で巻いとる……」
川 ゚ -゚)「やはりそうですか……。デレンさんは……その人には、心を開いているんです」
(´・_ゝ・`)「えぇ!? じ、じゃぁ……デレンさんの証言も聞けるじゃないですか!?」
(,,゚Д゚)「アホかおめぇは!! いくらその娘に心開いていても、そりゃ無理ってもんがあるだろ!!」
俺は拳骨を部下に一発食らわせる。
どうもコイツの無神経な言動には、腹が立ってしょうがない。
川 ゚ -゚)「そうですね……仮に出来たとしても、何年も後……あ、しぃさん」
ん。どうやら……もう1人の生き残りの、しぃさんが来たようだ。
この娘の証言が、この事件の凄惨さを世間に知り得させた。
ストーカーという存在の狂気も……。
これがキッカケで、ストーカーに対する規正法も出来れば良いのだが……。
俺はデミタスの頭を無理矢理下げさせながら、挨拶をする。
(,,゚Д゚)「どうもこんにちわ」
- 259: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/10(火) 01:50:53.84 ID:Pv4NqOkX0
- (,,゚Д゚)「どうもこんにちわ」
(*゚ー゚)「こんにちわー皆さん!」
僕は明るく、刑事と看護婦へ挨拶をする。
(*゚ー゚)「クーさん、ツンの状態はどうですか?」
川 ゚ -゚)「いつも通りよ……」
ん? 愛しい人の呻き声が、ベッドの方から聞こえる。
僕はベッドへ駆け寄り、その者の手を握る。
ξ゚听)ξ「しぃ……!」
(*゚ー゚)「ツン!! 大丈夫!?」
ξ゚听)ξ「大……丈……夫……」
何やら後ろで、3人が話し込んでいた。
が、僕にとってはどうでもいい。
「たまたま買い物に来た矢先、内藤に撃たれたが奇跡的に生き延びた」
こんな証言を真に受けるような奴らの話なんて。
(*゚ー゚)「ツンは……僕の永遠の恋人なんだからね!」
ξ゚听)ξ「えぇ……そうよ……」
- 262: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/10(火) 01:52:34.81 ID:Pv4NqOkX0
- ツン……永遠となる、恋人よ。
僕はとうとう、君を手に入れた。
口数が少なくなってしまったのは玉に瑕、て思っていたけど
黙っている君も、狂うほどに可愛らしいよ。
ドクオ……なんていう、愚かな愚図に
尻尾を振った、消しようも無い罪は、
優しい僕が、許し 全てを許した。
"地獄とは、他者のことだ"
人生設計に楽しみを得るのは、
おそらく生まれて初めてのことだろう。
ツンという最愛の人を手に入れたんだ。
ネガティヴになるはずがない。
ところで、僕はポジティブなんだって。
――――――――――End
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