('A`)がコンビニ店員になったようです

23: 78 ◆pP.8LqKfPo :2006/09/10(日) 22:34:06.41 ID:u7SVCB4F0
  

 ――――――ξ゚听)ξ「9よ!」―――――――


数日後、怪我も多少回復した俺は、
コンビニの深夜バイトに復帰した。

数日前のあの出来事が嘘のように、俺の身辺は静かだ。


いつものように仕事をこなし、気がつくと客の少ないAM4:00。
そろそろ、ブーンがやってくる頃か。

そんなことを思いながら、バックスペースでタバコを吹かす。
すると、店内にいつもの電子音が鳴り響く。


ξ゚听)ξ「よっ! 」

(`・ω・´)「やあ! 」


これは・・・意外な組み合わせだ。



24: 78 ◆pP.8LqKfPo :2006/09/10(日) 22:38:18.57 ID:u7SVCB4F0
  
('A`)「あー、珍しい組み合わせですね。」

(`・ω・´)「そんなことより、怪我の方は大丈夫かい!?
     急いでいたから応急処置しかできなかったが。」

('A`)「おかげさまでこの通り、ピンピンしていますよ。」


そう言って、俺は大げさなアクションを見せる。


('A`)「それより、この前は仕事中に突然すまなかったな。」

ξ゚听)ξ「・・・こっちこそ、ごめんなさい。
    そんなひどい怪我までさせて、今まで顔出さなくて。」

('A`)「そんなことか。気にするなよ。」


それより、ツンの次の就職先の方が気になる。
それに、親父さんやお袋さんは大丈夫なのだろうか?



25: 78 ◆pP.8LqKfPo :2006/09/10(日) 22:42:28.00 ID:u7SVCB4F0
  
ξ゚ー゚)ξ「あのね、あたし、
      シャキンさんのお店で働かせてもらえることになったの!」

('A`;)「ほ、本当か!?」

(`・ω・´)「ああ。 それも時給××××円でね。」

('A`;)「そ、そんなに!?」


俺の時給の何倍だよ・・・。
でも、それだけあれば月にかなりの金になるはずだ。



26: 78 ◆pP.8LqKfPo :2006/09/10(日) 22:43:17.61 ID:u7SVCB4F0
  
(`・ω・´)「これだけの器量の良さだからね。
     うちのバーにとっては、かなりの戦力になるよ。」

('A`;)「でも、そんなに給料出して、お店の方は大丈夫なんですか?」

(`・ω・´)「大丈夫、大丈夫。
     そのかわり、ブーン君の給料を下げるから。」

ξ゚ー゚)ξ「時給300円らしいわよ。
    傑作よねw」

(`・ω・´)「ブーン君には内緒だよ。
     まだ彼には言っていないからね。」


そんな、殺生な・・・。
シャキンさん、労働基準法に真っ向勝負ですか?



28: 78 ◆pP.8LqKfPo :2006/09/10(日) 22:46:55.03 ID:u7SVCB4F0
  
(`・ω・´)「あ、そうそう。
     長岡組には話を付けてあるから安心しなよ。」

ξ゚ー゚)ξ「というわけだから、あんたもバーボンハウスに顔出しなさいよ。」


もう、何が起こっても俺は驚きませんよ。
そして、二人は店から出ていった。

すると入れ違いに、ブーンが店にやってきた。


( ^ω^)「おいすー。
     ドクオ、いつにもましてひどい顔だお?」

('A`)「名誉の負傷のおかげでな。」

( ^ω^)「おっおっお。 ドクオの脳内はいつでも平和だお。」


お前に言われたくないよ、時給300円。



29: 78 ◆pP.8LqKfPo :2006/09/10(日) 22:47:42.28 ID:u7SVCB4F0
  
( ^ω^)「それより、ツンがバーボンハウスで働けるようになったお! 」

('A`)「そりゃあ良かった。」


俺は、素知らぬ振りをして答えた。
こいつのうれしそうな顔をみれば、誰だってそうするだろう。


( ^ω^)「まあ、今日はそれだけだお。
     バイトの最中だから、これで失礼するお。」

('A`)「バイト、頑張っているみたいだな。」

( ^ω^)「おっおっお。 
     僕は、やっと熱くなれるものを見つけたんだお! 」


誇らしげにそう言うと、ブーンはコンビニから出ていった。

良かったな、ブーン。
今度は見失うなよ。


だけどさ、お前の時給って300円なんだぜ?



30: 78 ◆pP.8LqKfPo :2006/09/10(日) 22:48:41.89 ID:u7SVCB4F0
  
やがて、交代の時間が来た。
俺がバックスペースに入ろうとすると、パートのマダムが話しかけてくる。


「その怪我どうしたのよ、ドックン!?」

('A`)「ああ、ちょっと喧嘩しまして・・・。」

「まあ! あたしのドックンにそんな怪我をさせるなんて・・・。
 許せない!! そいつの名前、教えなさい!!」

('A`;)「いや、もう済んだことですから・・・。」

「大丈夫よ! こう見えても柔道2段なのよ、あたし♪」


なんで俺の身の回りには強者ばっかりいるのだろう?

いきり立つ麻子さんを何とかなだめると、
俺はいつものように、野菜ジュースを片手に店から出た。



33: 78 ◆pP.8LqKfPo :2006/09/10(日) 22:52:21.84 ID:u7SVCB4F0
  
すると、店の外には見慣れた顔があった。


( ^ω^)「おいすー。」
ξ゚听)ξ「やっほー。」


約二時間ぶりの再会だ。


('A`)「どうした? バイトはもう終わったのか?」

( ^ω^)「とっくに終わっちゃったお。
     それより、ツンが朝ご飯おごってくれるらしいお。」

('A`)「へー、そりゃどういう風の吹き回しだ?」

;゚听)ξ「あ、あんた達にはいろいろ借りがあるからね!
     それを返そうと思っただけよ! 」

( ^ω^)('A`)「はいはい、ワロスワロス。」

('A`)「でも、こんな朝早くに開いている飯屋なんてあるか?」

ξ゚听)ξ「うーん・・・牛の屋?」


ツン、牛丼再開まではまだ数日あるぞ。



34: 78 ◆pP.8LqKfPo :2006/09/10(日) 22:56:38.23 ID:u7SVCB4F0
  
ξ゚ー゚)ξ「ほーら、つべこべ言わずに、おねーさんについてきなさい! 」

( ^ω^)「牛丼屋でおごるくらいで、偉そうにするなお。」

#゚听)ξ「何ですって!! 」


そう言って、二人は取っ組み合いのけんかを始める。
まったく、仲のいいことで。

空を見上げた。
薄い青空の下、電線にスズメが2羽とまっている。



36: 78 ◆pP.8LqKfPo :2006/09/10(日) 22:57:13.58 ID:u7SVCB4F0
  
(#^ω^)「このオトコ女!!」

#゚听)ξ「黙れ、時給300円!! 」

(;^ω^)「な、なにそれ?」

ξ゚ー゚)ξ「あんたの給料、300円に下がったのよ。」

('A`)「らしいぜ。」

( ;ω;)「そんな馬鹿なああああああああああああああ!!」


早朝の街に、ブーンの叫び声が響く。


その声に驚いたのだろうか?
電線のスズメが二匹、仲良く空へと羽ばたいた。



第2部 完



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