('A`)がコンビニ店員になったようです

16: 78 ◆pP.8LqKfPo :2006/09/24(日) 00:36:46.90 ID:+G7i6fxm0
  

 ―――――――川 ゚ -゚)「2だ。」―――――――


それからまた数週間がたった。
季節はもう完全に冬。
独身男には死のイベントであるクリスマスもあと数週間後にせまった。

この時期、俺は殺気立つ。
特に深夜に来店するカップルや、近藤さんを買っていく男にはどうしてもぞんざいな対応をしてしまう。


('A`)「ふ……おれもまだまだ坊やだな」



20: 78 ◆pP.8LqKfPo :2006/09/24(日) 00:39:08.10 ID:+G7i6fxm0
  
やがて客足も途絶えた。
暇なのでバックスペースで週刊誌を流し読みする。


('A`)「どれもこれもクリスマス特集かよ…
  どうせ最後にはホテルに行くんだから、ラブホ特集でもしていやがれってんだ」


クリスマスなんて本当に大嫌いだ。
日本人がなんでキリスト教の祭りを祝うんだよ。

死ね! 
氏ねじゃなくて死ね!!

そんな風に神につばを吐きかけるようなことを考えていると店内に電子音が響いた。
バックスペースから出ると、そこにはやつがいた。


( ^ω^)「おいすー」

('∀`)「ブーン…」



21: 78 ◆pP.8LqKfPo :2006/09/24(日) 00:41:06.73 ID:+G7i6fxm0
  
そういえば、こいつも毒男の仲間だった。
俺の顔も自然にほころぶ。


('∀`)「よく来たなw 今日はバイト休みか?  
  お前もこんな寒い深夜に一人で寂しいなw
  よーし、今日はパパが廃棄の肉まんとコーヒーおごっちゃうぞー!
  クリスマス撲滅についてバックスペースで語り明かそうじゃないか!」

( ^ω^)「だが断る! 実はこれからツンとデートなんだおw
      ここで待ち合わせしているんだお」


てめぇ、ぶち殺すぞ。



23: 78 ◆pP.8LqKfPo :2006/09/24(日) 00:42:42.02 ID:+G7i6fxm0
  
ξ゚听)ξ「なーにがデートよ」

(;^ω^)「あ、ツン」


いつの間にかブーンの背後にいたツンがブーンの後頭部をはたいた。
それから痴話げんかを始める。
毎度毎度仲のいいことで。

…てめぇら、俺が生粋の毒男と知っての狼藉か!?


(#'A`)「…なんだ、お前ら付き合ってるのか? 」

ξ゚听)ξ「そんなわけ無いでしょ! 」

( ^ω^)「おっおっお。 ご名答! 」


どっちだよ。
そんな俺の疑問をよそに、しばらくして2人は夜の街へと消えていった。
どうでもいいがこんな深夜に2人はどこに行くのだろう?

ホテルだったら、本当にぶち殺す。



24: 78 ◆pP.8LqKfPo :2006/09/24(日) 00:44:20.45 ID:+G7i6fxm0
  
('A`)「これください」

('A`)「120円です」

('A`)「はい」

('A`)「80円のおつりです。本当にありがとうございました」


一人寂しい俺は自分で缶コーヒーをレジに持って行き、自分でレジを打った。
誰もいない深夜のコンビニで、俺は何をやっているのだろう?
あまりのむなしさに、誰もいない店内でorzと俺はうなだれた。

………泣いてなんかいないやい!!

すると後ろから声をかけられた。


川 ゚ -゚)「…取り込み中のところすまないがレジを頼む」



25: 78 ◆pP.8LqKfPo :2006/09/24(日) 00:45:05.54 ID:+G7i6fxm0
  
('A`)「………」


美しい。
女性にしては高い身長に無駄な贅肉の無いすらりとした身体。
腰の辺りまで伸びたまっすぐできれいな黒髪。
そして、理性的な整った顔立ち。

俺の好みどストライクな女性がそこにいた。


川 ゚ -゚)「…どうした? 私の顔に何か付いているのか? 」

(;'A`)「い、いえ、どうぞこちらに」


その女性のあまりの美しさに俺はつい見とれてしまっていた。
俺は急いでレジに入る。



27: 78 ◆pP.8LqKfPo :2006/09/24(日) 00:46:52.85 ID:+G7i6fxm0
  
(;'A`)「おおおおつりです。どどどどうぞ」

川 ゚ -゚)「うむ。ありがとう」


礼儀もきちっとしている。
すばらしい。非の打ち所の無い女性だ。
彼女はおつりを受け取ると、その長い黒髪をひるがえしながら外へと出て行った。

俺は彼女が店外に出てからもその姿を見続けていた。
すると彼女は、店の扉の前に止めてあったバイクの前で立ち止まる。
フルフェイスのヘルメットを手に取りその美しい顔にかぶる。
そしてバイクにまたがる。
甲高エンジン音が、ガラスで隔てられた店内にもこだまする。

そして彼女は、ヘルメットからはみ出した黒髪をなびかせながら、
さっそうと深夜の街へと消えていった。



28: 78 ◆pP.8LqKfPo :2006/09/24(日) 00:47:55.43 ID:+G7i6fxm0
  
('A`)「………」


俺は彼女の美しい姿と、さっそうと駆け抜けて行ったバイクにただ見とれていた。
俺の頭の中は彼女とそのバイクのことでいっぱいだった。


('A`)「決めた! バイクを買おう!」


俺はバイトが終わると、コンビニでバイク雑誌を数冊買って帰った。



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