('A`)がコンビニ店員になったようです
- 107: 78 ◆pP.8LqKfPo :2006/10/01(日) 04:11:27.44 ID:CUor4Esb0
-
―――――――('A`)「3。」―――――――
( ^ω^)「あ、ドクオだお」
ξ゚听)ξ「あのバカ、こんな大事な日に遅刻なんて……
おーいドクオー!! こっちよー!!」
空港のロビーに入るとそこは人であふれかえっていた。
そんな中にもかかわらずブーンとツンは目ざとく俺を見つけ、叫ぶ。
('A`)「あれ、クーさんは?」
ξ゚听)ξ「搭乗手続きに行ったわ」
('A`)「それにしても、なんでお前ら二人も見送りに来たんだ?」
( ^ω^)「クーさんと出版社の人の話し合いが毎回バーボンハウスで行われていたから
なんだかんだで僕たちも仲良くなったんだお」
- 108: 78 ◆pP.8LqKfPo :2006/10/01(日) 04:12:14.86 ID:CUor4Esb0
- ξ゚听)ξ「あ、クーさーん!!」
俺のときと同様に人ごみの中から目ざとくクーさんを見つけ、ツンは彼女の方へ駆け出す。
( ^ω^)「特にツンはクーさんにべったりなんだお」
('A`)「へー」
俺たちの視線の先では、ツンがクーさんに抱きついていた。
それを受け止めるクーさんの顔も、なんだかうれしそうだ。
しかしこの二人の光景、なんだかエロいぞ。
- 126: 78 ◆pP.8LqKfPo :2006/10/01(日) 04:41:08.20 ID:w26ZGshe0
- 川 ゚ -゚)「やあドクオ君。 わざわざ見送りに来てもらってスマンな」
('A`)「気にしないでください」
傍らにツンをじゃれつかせながら、クーさんが俺のほうへと向かって歩いてくる。
それからしばらくどうでもいい会話を俺たちは交わした。
ブーンがとぼけた発言をして、それにツンが激しく突っ込む(バイオレンス的な意味で)。
それを見て俺とクーさんが笑っていると、ブーンが俺に助けを求めてくる。
脚をつかんで助けを請うブーンをあしらう俺を見て、クーさんとツンが笑う。
この上なく幸せなひととき。失いたくない大切な時間。
それも、もうすぐ終わる。
- 127: 78 ◆pP.8LqKfPo :2006/10/01(日) 04:42:12.90 ID:w26ZGshe0
- やがて、クーさんの出発の時間が30分を切った。
あと30分後には彼女はゲートをくぐり、飛行機に乗っていってしまう。
そんな中、ツンが口を開いた。
ξ゚听)ξ「あたし、ちょっと飲み物買ってきますね。 ブーン、行くわよ」
(;^ω^)「はい? なぜに僕も?」
ξ゚听)ξ「いいから来るのよ! この元ピッツァ!!」
(;^ω^)「痛い痛い! いやーん、だお!」
じたばたするブーンの耳を引っ張りながら、ツンは自動販売機のほうへと歩いていく。
俺がその様子を半ばあきれながら眺めていると、振りむいたツンが俺にウインクする。
('A`)「ちっ………余計な気を利かせやがって」
- 129: 78 ◆pP.8LqKfPo :2006/10/01(日) 04:43:56.50 ID:w26ZGshe0
- 残された俺とクーさんは、ロビーにたたずんでいた。
さすがに二人きりになると緊張するな……。
そう思っていると、クーさんが俺のほうを振り向いた。
川 ゚ -゚)「ちょっとタバコでも吸いに行かんかね?」
('A`;)「あ、ああ、いいですね」
そんな少しぎこちない感じで喫煙所へとやってきた。
クーさんが、ポケットから取り出したタバコをくわえる。
ぽってりとした柔らかそうなその唇に、俺はつい見入ってしまった。
- 130: 78 ◆pP.8LqKfPo :2006/10/01(日) 04:45:37.59 ID:w26ZGshe0
- 川 ゚ -゚)「……なんだ?」
('A`;)「あ、いやなにも……」
川 ゚ -゚)「そうか? へんなヤツだな」
変なヤツ呼ばわりされてしまった…orz
最後の最後まで俺はこんな感じなのかなぁ……
少し、というかかなりへこんでいると、クーさんが話しかけてくる。
川 ゚ -゚)「……向こうに行ったら、手紙を書くよ」
('A`)「それは楽しみですね。 写真も同封してくださいよ」
川 ゚ -゚)「ああ、もちろんだ。
君にはとても世話になったからな。 それとアイツにも……」
そう言って、彼女は少し遠い目をした。
- 132: 78 ◆pP.8LqKfPo :2006/10/01(日) 04:47:15.75 ID:w26ZGshe0
- ('A`)「……結局最初に行ったクリスマスの日以来、
シャキンさんにはあっていないんですか?」
川 ゚ -゚)「ああ……まあ、久しぶりの再会でひどいことを言ったからな。
会えないのも仕方ない。」
彼女はタバコを灰皿にこすり付けると、もう一本取り出して火をつける。
彼女は指に挟んだタバコを見つめているが、その目はどこかうつろだ。
きっと、シャキンさんのことを考えているのだろう。
その証拠に、燃えて短くなったタバコの灰が落ちるのにも彼女は気づいていない。
やれやれ……本当、シャキンさんにはかなわないよなぁ。
- 133: 78 ◆pP.8LqKfPo :2006/10/01(日) 04:48:48.09 ID:w26ZGshe0
- ('A`)「大丈夫ですよ」
川 ゚ -゚)「………」
('A`)「シャキンさんも応援してくれているに違いありませんよ。
そうじゃなきゃ、わざわざ紹介状の手配なんてしてくれませんよ。
少なくとも、俺だったら絶対にしません!」
川 ゚ -゚)「……そうか」
('A`)「ええ。 断言します!」
川 ゚ー゚)「ふふふ。 頼もしいことだ」
彼女がうれしそうな笑みを浮かべると同時に、
空港内のアナウンスで、クーさんの乗る飛行機への搭乗が指示される。
タバコを灰皿にこすり付けて、俺たちは喫煙所をあとにした。
- 134: 78 ◆pP.8LqKfPo :2006/10/01(日) 04:50:28.13 ID:w26ZGshe0
- ξ;凵G)ξ「ふえーん……クーさ〜ん」
川 ゚ー゚)「泣くんじゃない。 またすぐに会えるさ」
泣きじゃくるツンの頭をなでながら、クーさんは優しくツンに語りかける。
いつの間に二人はこんなに仲良くなったんだろう?
クーさんに頭をなでられるツンに少し嫉妬しながらその様子を眺めていると、
涙で顔をぐしゃぐしゃにしたツンを、ブーンがクーさんから引き取る。
( ^ω^)「ほらほら、泣いてないでちゃんとクーさんに言うんだお」
ξ;凵G)ξ「……うん……うん…」
鳴き声でまともにしゃべれないツンを、ブーンは優しくあやしている。
ブーンも成長したもんだ。 すこし、ブーンが遠くに行ってしまった感じがした。
- 135: 78 ◆pP.8LqKfPo :2006/10/01(日) 04:52:06.23 ID:w26ZGshe0
- ξ;凵G)ξ「クーざん……がんば…でぎでぐだざい……」
川 ゚ー゚)「ああ、ありがとう」
言い終えるとツンは、ブーンの胸でわんわんと泣き出す。
意外だ。いつもは勝気なツンの別の一面を見た気がする。
そんなツンをブーンは落ち着いて受け止めている。
やれやれ、本当に成長しやがったなブーン。
うれしさ半分、寂しさ半分で二人を見つめていると、ブーンがクーさんにむけて言う。
( ^ω^)ノ「クーさんバイブー」
いや、それは違うだろうブーン。
前言撤回。 やっぱりこいつ成長してねぇわ。
- 149: 78 ◆pP.8LqKfPo :2006/10/01(日) 05:13:46.02 ID:QSe0OOW80
- 川 ゚ -゚)「ありがとうみんな。 それじゃあ、行ってくるよ」
ああ……クーさんが行ってしまう。
やばい、泣きそうだ。
顔を見られないようにと、俺は顔をしかめる。
………よし、何とか涙もおさまった。
俺は顔を上げた。
すると俺の目の前にクーさんの顔があった。
川 ゚ー゚)「ありがとうな、ドクオ」
そう言うと、彼女の顔が俺に接近する。
そして、俺の頬にやわらかいものがあたる。
このやわらかいものは………くくくくくくくちびるwせdrftgyふじこ
川 ゚ー゚)「………じゃあな」
ひらひらと手を振りながらゲートをくぐっていく彼女の後ろ姿を、俺はただ呆然と見送った。
- 157: 78 ◆pP.8LqKfPo :2006/10/01(日) 05:19:37.31 ID:QSe0OOW80
- ('A`;)「………俺、ちょっとトイレ行ってくるわ」
俺のほうをニヤニヤと眺めるブーンを尻目に、俺はトイレへと駆け出した。
ξ゚听)ξ「……あいつ、トイレに何しに行ったの?」
( ^ω^)「……処理だお」
ξ゚听)ξ「処理?」
( ^ω^)「きっと、元気になっちゃったんだお」
後にツンから聞いたが、そのときブーンはとても優しい目で俺の後姿をみつめていたらしい。
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