('A`)がコンビニ店員になったようです

165: 78 ◆pP.8LqKfPo :2006/10/01(日) 05:24:39.75 ID:QSe0OOW80
  
 
 ―――――――('A`)「4。」―――――――


ドクオ君たちに見送られ、私は空港のゲートをくぐった。
その先に設けられた待合室で少し待っていると、飛行機へと向かうバスに乗せられた。

そのバスに揺られながら、私は思う。


私にバイクの魅力を教えてくれたアイツ。
日本の行く先を憂いて、私を捨て、自衛隊のレンジャー部隊へと入ったアイツ。

アイツは今、なにを思ってバーのマスターなんかをやっているのだろう?
なにを思って、私に紹介状を手配してくれたのだろう?



169: 78 ◆pP.8LqKfPo :2006/10/01(日) 05:27:27.68 ID:QSe0OOW80
  
行き先に迷い、夢をあきらめかけていた私を導いてくれた一枚の紙。

それを届けてくれたのはドクオ君。
そして、それを用意してくれたのは、アイツ……


本当にアイツはなにを思っているのだろうか?
ドクオ君は、アイツは私を応援してくれていると言った。

だけど………

それならなぜ、見送りに来てくれない?
それならなぜ、私に姿を一度も見せてくれない?



172: 78 ◆pP.8LqKfPo :2006/10/01(日) 05:30:00.88 ID:QSe0OOW80
  
やがて、飛行機のそばについたバスの扉が開く。
前のほうに乗っていた私は、前方の出口から外に出ようとする。

外に出ようとする人の列に流されながら、私は運転席のそばを通り過ぎた。

そのときだった。



「がんばれよ」



177: 78 ◆pP.8LqKfPo :2006/10/01(日) 05:33:53.86 ID:QSe0OOW80
  
昔、何度も聞いた声に思わず振り返る。
そこには運転手の格好をしたアイツが、バスの運転席から手をふっていた。


川 ゚ー゚)「ふ………バカが……」


そうつぶやいて、私はひらひらと手を振る。
そして、自然と顔がほころんでいく。


まったくなにを考えているんだ、あのバカは……w


やがて人の列が私を飛行機の入り口へと押しやり、アイツの姿は見えなくなった。


飛び立った空は、見たこともないほどの美しい蒼だった。



第4話:完



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