( ><)と(*‘ω‘ *)なようです

1: ◆bFlAm.bHJU :2007/07/27(金) 00:36:42.83 ID:eu45xnHlO
( ><)「ちんぽっぽちゃんちんぽっぽちゃん、なにを描いてるんですか? 」
(*‘ω‘ *)「……」

┌────────┐
│(::*::)上から │
│   みたみかん││
└────────┘

(;><)「……」



6: ◆bFlAm.bHJU :2007/07/27(金) 00:40:55.42 ID:eu45xnHlO
(*‘ω‘ *)「今日のおやつはみかんだっぽ」
( ><)「昨日も一昨日もみかんだったじゃないですか!!飽きますよいい加減」
(*‘ω‘ *)「みかんっぽみかんっぽ」
( ><)「……僕とみかんどっちが好きですか?」
(*‘ω‘ *)「みかんを買ってきてくれるわかんないんですっぽ」
( ><)「……ちょっと嬉しいのが悔しいです」



7: ◆bFlAm.bHJU :2007/07/27(金) 00:44:09.17 ID:eu45xnHlO
僕はわかんないんです。
親友のちんぽっぽちゃんと二人で暮らしているんです。
お母さんとお父さんは……ずっとまえにいなくなっちゃったんです。
だから僕たちは二人だけ。
僕がちんぽっぽちゃんを守るんです!!

( ><)「ちんぽっぽちゃん、僕から離れちゃ駄目なんですよ」
εεε(*‘ω‘ *)「ぽっぽ」
( ><)「……」
( ><)「……みかんあげますから」
(*‘ω‘ *)(。><)(強くなるんです……)



10: ◆bFlAm.bHJU :2007/07/27(金) 00:47:35.45 ID:eu45xnHlO
なんとなく解ってるかもしれないですけど、僕はちんぽっぽちゃんが大好きなんです。
だから守りたいんです。

( ><)「……いつか想いを伝えたいんです……」
(*‘ω‘ *)「……わかんないです」
( ><)「あ、な、なんですか?」

(*‘ω‘ *)「みかんなくなっちゃったっぽ」
( ><)「……はい……買ってきます」

……幸せだからいいんです。



12: ◆bFlAm.bHJU :2007/07/27(金) 00:52:46.27 ID:eu45xnHlO
さて、今日はちんぽっぽちゃんとデートなんです。
朝早く起きてお弁当作りました。
ちんぽっぽちゃんが大好きなみかんを使ったデザートもたくさん作りました。

……

外は、雨です。
まるで泣いているよう。

( ><)「……泣きたいのはこっちです。楽しみだったのに……」

(*‘ω‘ *)「……」



13: ◆bFlAm.bHJU :2007/07/27(金) 00:55:46.37 ID:eu45xnHlO
(*‘ω‘ *)「わかんないです、ぼくお腹が空いたっぽ」

( ><)「え、あの……」

(*‘ω‘ *)「ピクニックはできないけど、お弁当パーティーならできるっぽ」

( ><)「……ちんぽっぽちゃん……」

ちんぽっぽちゃんは優しいんです。
僕の心はちんぽっぽちゃんのおかげで晴れたんです。



14: ◆bFlAm.bHJU :2007/07/27(金) 00:58:33.30 ID:eu45xnHlO
( ><)「……」

おちんぽっぽちゃんが食べた弁当をみたら、みかん以外の物は綺麗に残されていました。

( ><)「……あれ、目から雨水が漏れてきたんです……」

(*‘ω‘ *)「おトイレいきなさいっぽ」

( ><)「……」

その日は枕が湿っていました。



16: ◆bFlAm.bHJU :2007/07/27(金) 01:02:40.81 ID:eu45xnHlO
まるがつばつにち

今日はちんぽっぽちゃんと川に遊びに来ています。

( ><)「うーん、ハタラケナイシャカイノゴミウオばっか釣れます……もっといい魚はいないですかね」

(*‘ω‘ *)「みかんおいしいっぽ」

( ><)「そればっかり……いつか体中が真っ黄色の黄レンジャイになっちゃいますよ!!全く……」

ちんぽっぽちゃんは川に来てもみかんを食べてばっかり……
一緒にいるだけで嬉しいけど、嬉しいと楽しいは違うんです。



17: ◆bFlAm.bHJU :2007/07/27(金) 01:07:57.52 ID:eu45xnHlO
(*‘ω‘ *)「お魚よりみかんのほうがおいしいっぽ。ぼくはお魚食べないし」

( ><)「……」

そんな言い方されたら、僕が無理やり誘って独りではしゃいでるみたいなんです。

……いや、本当に独りではしゃいでるだけなのかも……

( ><)「……情けないです」

(*‘ω‘ *)「ぽ?」

( ><)「盛り上がってるのは僕だけなんです。本当はちんぽっぽちゃんは楽しくないにきまってるんです……」

手から釣り竿が落ちても、僕は取りにいく気にすらならなかったんです。



18: ◆bFlAm.bHJU :2007/07/27(金) 01:12:02.40 ID:eu45xnHlO
(*‘ω‘ *)「……みかん食べるっぽ?」

( ><)「……っいい加減にして下さい!!あなたには空気というものがっ……!!」

思わず叫んでしまいました。

ちんぽっぽちゃんは僕がなんで怒ってるのかも解らないのかもしれません。

頭の片隅では謝ろうって思ってるのに

僕の口はこんな悪態をちんぽっぽちゃんにつくためにあるんじゃないはずなのに。



20: ◆bFlAm.bHJU :2007/07/27(金) 01:15:26.90 ID:eu45xnHlO
(*‘ω‘ *)「みかんはぼくの大好物だっぽ」

( ><)「そんなの嫌なほど解って……」

(*‘ω‘ *)「でもわかんないですも大好きだっぽ」

( ><)「!!」

(*‘ω‘ *)「だから大好きなわかんないですに大好きなみかんをあげるっぽ」

( ><)「……ちんぽっぽちゃん……ごめん……怒鳴ったりして」

やっとごめんなさいが言えたと思ったら、僕は泣いてました。

男の子なのに女の子のちんぽっぽちゃんに慰められて、ダメな男なんです。



21: ◆bFlAm.bHJU :2007/07/27(金) 01:18:54.77 ID:eu45xnHlO
そのあと釣れた魚たちを川に戻してやって、二人で八百屋さんでみかんを買って帰りました。

ちんぽっぽちゃんの喜ぶ顔が見れて嬉しいです。

……ほら、あんなににこにこして……

(*^ω^*)「っぽ」


…………

(;><)「みてないんです」


ともかく前より仲良くなれた気がするんです。


(::~::)みかん



32: ◆bFlAm.bHJU :2007/07/27(金) 01:24:41.99 ID:eu45xnHlO
( ><)「無職男性暴行容疑で逮捕ですって……いやなご時世なんです」

(*‘ω‘ *)「ぽ?」

( ><)「ちんぽっぽちゃんにはわかんないですね」

そのとき、ピンポーンとドアのチャイムが鳴りました。

( ><)「あ、すみませんちんぽっぽちゃん、ちょっと変わりに出てくれませんか?」

(*‘ω‘ *)「了解っぽ」

僕はキッチンにいたのでチャイムに出ることができませんでした。


あのとき……僕がでていればあんなことにはならなかったんです……



36: ◆bFlAm.bHJU :2007/07/27(金) 01:29:23.27 ID:eu45xnHlO

(*‘ω‘ *)「ねえねえ、わかんないです」

( ><)「ん?なんですか?」


(*‘ω‘ *)「なんか頭が痛いんだっぽ……みかんかみかんほしいっぽ」

( ><)「はいはい……いま持ってきますね」

最初はただのおふざけだと思ってたんです。



38: ◆bFlAm.bHJU :2007/07/27(金) 01:33:46.78 ID:eu45xnHlO
でもだんだんちんぽっぽちゃんの元気がなくなってきて、
ついにはちんぽっぽちゃんは倒れてしまいました。

(*‘ω‘ *)「ぽ……」

( ><)「ちんぽっぽちゃん……僕が気づいてあげれなかったから……」

もちろん僕はちんぽっぽちゃんを元気にするために、薬屋さんやお医者さんに聞きました。

でも、なぜかみんな 解らない しか言わないんです

もしかしたら……不治の病 か も です……



39: ◆bFlAm.bHJU :2007/07/27(金) 01:36:39.45 ID:eu45xnHlO
そのまま数週間が過ぎました。
いちおうお医者さんに薬をもらいました。
でも、全く効いてないようなんです。

それどころか悪化してるみたいで……

とうとうちんぽっぽちゃんは大好きなみかんも食べれなくなっていまいました。


( ><)「ちんぽっぽちゃん……」



40: ◆bFlAm.bHJU :2007/07/27(金) 01:41:47.11 ID:eu45xnHlO
いまはお医者さんが点滴をしてくれたから、ちんぽっぽちゃんは食べなくても大丈夫らしいんです。

でも、大好きなちんぽっぽちゃんが苦しそうにしているのを見るなんて嫌なんです。

( ><)「でも……どうすれば……」


苦しそうにしているちんぽっぽちゃんを見守ることしかできないのが、悔しかったです。


ξ゚听)ξ「こんにちは」


そんなある日、血も涙もないので有名なツン先生がうちに来ました。

……ツン先生はなんか怖いから診察してもらわなかったんです。



41: ◆bFlAm.bHJU :2007/07/27(金) 01:46:41.70 ID:eu45xnHlO
ξ゚听)ξ「……なるほど」

ツン先生はちんぽっぽちゃんを少しみて、うんうんと頷きました。

( ><)「先生……なにかわかったんですか?」

ξ゚听)ξ 「なんの病気か解ったよ。あn
( ><)「本当ですか!?治して下さい、お願いです!!」

ξ#゚听)ξ 「話をきけ!!」

ツン先生の握りしめられた右手が僕の頭に落ちました。

(。><)「いたた……」



43: ◆bFlAm.bHJU :2007/07/27(金) 01:52:39.15 ID:eu45xnHlO
ξ゚听)ξ 「いい?ここからずっと北に行ったところに谷があるの。
そこに病気にきく薬草が生えてるからそれをとってきなさい」

( ><)「谷……」

聞いたことがあります。
なんでもそこはすっっっごく深い谷で落ちたら助からないとか……
変な人がすんでるとか……


……でも


(*‘ω‘ *)「ぽ……ぽ……」


( ><)「ちんぽっぽちゃんを助けられるなら、例えどんなことがあろうとも負けないんです!!」

ξ゚听)ξ「よし、これが参考の写真と地図よ。頼んだんだからねっ!!」


ということで、僕の旅の始まりです!



47: ◆bFlAm.bHJU :2007/07/27(金) 01:58:25.13 ID:eu45xnHlO
途中川がありました

橋を渡りました。

途中いかがわしい街がありました。

ちんぽっぽちゃんの手作り写真集のおかげでなんとか乗り越えました。

途中色々ありました。



( ><)「そんなこんなで着いたんです」

僕は谷につきました。


そこは大地に亀裂が入ってて、底が見えませんでした。



54: ◆bFlAm.bHJU :2007/07/27(金) 02:02:33.51 ID:eu45xnHlO
( ><)「……絶対にありえないんです……」

その亀裂を覗き込むと、そこにピンクの小さい花があるんです。

そしてそれは、紛れもなくツン先生にとってこいと言われた薬草なんです。

( ><)「絶対とれないんです……でもとって帰らなきゃちんぽっぽちゃんが……」

他に生えてないか探しましたが、どこをみてもないんです……



58: ◆bFlAm.bHJU :2007/07/27(金) 02:06:42.42 ID:eu45xnHlO
仕方がありません、この谷もとい崖を降りてとるしかないです。

僕は近くの木に絡まっていたツタを自分に巻きつけ、そっと崖のでこぼこに足をかけていきます。

( ><)「ロッククライミングなんて初めてなんです……」

すぐ下には闇、僕の手足はガクガク震えています。



60: ◆bFlAm.bHJU :2007/07/27(金) 02:10:27.75 ID:eu45xnHlO
僕はもともと力なんてないんです。
だから岩を掴む手と足だけで体を支えるのはかなりきついんです。

( ><)「ううっ……手が……痛いんです……」

足も怖さと疲労で震えてます。

なにより死ぬかもしれないから……




( ><)「……ちんぽっぽちゃん……」

僕の頭に、ちんぽっぽちゃんの笑顔が浮かびました。



61: ◆bFlAm.bHJU :2007/07/27(金) 02:15:17.52 ID:eu45xnHlO
( ><)「ちんぽっぽちゃん……きっといまも、ちんぽっぽちゃんは苦しんでるんです……」

僕を待っているんです。

( ><)「僕はちんぽっぽちゃんを助けるんです!!」

そう思ったら、僕のなかの怖さとかはなくなりました。

僕は夢中で崖を降り、ついにその花を摘み取りました。

( ><)「やった……!!これでちんぽっぽちゃんは助かるんです!!」

上まで登りきり、
今度ちんぽっぽちゃんとロッククライミングでも習いに行こうかな
なんて考えながら家へ走りました。



63: ◆bFlAm.bHJU :2007/07/27(金) 02:21:50.04 ID:eu45xnHlO
ξ゚听)ξ「ほんとにとってきたのね。てっきり諦めたか落ちたかと」

(;><)「医者辞めろなんです」

帰ってきたら、ちんぽっぽちゃんのようすは変わりなく、相変わらず汗をかいて少し苦しそうでした。

( ><)「タオル、変えなきゃなんです……」

( ><)「あとは先生がなんとかしてくれるんです、安心しろなんです」

そう言いながら濡れタオルを頭に置いたら、ちんぽっぽちゃんがちょっと笑ったようにみえました。

早く本当の笑顔をまた見たいんです。



64: ◆bFlAm.bHJU :2007/07/27(金) 02:26:48.38 ID:eu45xnHlO
ξ゚听)ξ「うっし、できたわよー」

ツン先生は僕が持ってきた薬草を煎じて、緑色のドロドロしてる薬を作ってくれました。

……臭いが強烈なんです。

( ><)「……あ。先生……ちんぽっぽちゃんはそのままじゃ飲めないんです」

ξ゚听)ξ「大丈夫よ、これくらいなら口から投与しても問題ないわ」

( ><)「いえ……そうじゃなくて、ちんぽっぽちゃんはみかんじゃなきゃ食べないし飲まないんです。」

ξ゚听)ξ「あー……大丈夫よ、この子ならやれるわ」

( ><)「無理だと思うんです……」

まぁツン先生もああ言ってるし、僕はダメ元でちんぽっぽちゃんを起こして、薬を飲むように言ってコップを口元に持ってってあげたんです。



65: ◆bFlAm.bHJU :2007/07/27(金) 02:31:01.98 ID:eu45xnHlO
( ><)「え……」

びっくりしました。
ちんぽっぽちゃんが薬を飲んだんです。

いつも薬にはみかん汁を入れなきゃ飲まなかったちんぽっぽちゃんが……

( ><)「……えらいんです、ちんぽっぽちゃん!!ちゃんとみかんなしでも飲めたんです!!」

ちんぽっぽちゃんは目を僕の方に向けました。
口元は動かなかったけど、目をみて笑ってるのがわかりました。

きっと褒められて喜んでるんです。


ツン先生が帰ってからも、僕はずっとちんぽっぽちゃんの隣に居ました。


……なんとなく、体を動かすのが辛そうにみえるんです。



67: ◆bFlAm.bHJU :2007/07/27(金) 02:34:52.32 ID:eu45xnHlO
その日、ちんぽっぽちゃんが久しぶりにしゃべりました。

(*‘ω‘ *)「わかんない……です……」

( ><)「ちんぽっぽちゃん!!喋れるようになったんですね!!」

回復してるんです、よかったんです。

僕は嬉しくて嬉しくて、色々話したかったんです。でもちんぽっぽちゃんが

(*‘ω‘ *)「ちょっと……ひとりにしてっぽ……。パジャマも着替え……たいっぽ」

( ><)「わかりました!!なにかあったらすぐ呼んで下さいね!!」

そう言って僕は部屋を出ました。



69: ◆bFlAm.bHJU :2007/07/27(金) 02:39:10.80 ID:eu45xnHlO
早く話したいんです。
色々と話したいことがあるんです。


僕はそう思いながら、冷蔵庫にあったみかんをしぼってみかんジュースを作りました。

ジュースならきっとちんぽっぽちゃんも飲めるんです。

( ><)「きっと喜ぶんです!」

そして、ちんぽっぽちゃんの着替えが終わるのを待っていました。


……でも30分経っても1時間経っても、ちんぽっぽちゃんの合図がありません。



70: ◆bFlAm.bHJU :2007/07/27(金) 02:42:24.67 ID:eu45xnHlO
( ><)「……あ」

そうだ、ちんぽっぽちゃんは大きな声が出せないんです。

( ><)「僕ったらバカです……さ、はやくちんぽっぽちゃんにジュースを持っていくんです」

僕は鼻歌なんか口ずさみながらちんぽっぽちゃんの部屋に行きました。

( ><)「ちんぽっぽちゃん、入るんです」

二.三回ノックしてから、僕はちんぽっぽちゃんの部屋に入りました。



71: ◆bFlAm.bHJU :2007/07/27(金) 02:47:23.26 ID:eu45xnHlO
( ><)「あれ……また寝てる」

ちんぽっぽちゃんたら、僕を放置してまた眠って。

( ><)「……でも、表情が明るいです」

それは元気なちんぽっぽちゃんでもなかなか見ることができないような、暖かい笑顔でした。

( ><)「……あ、」

しばらく見ていましたが、ベッド脇のテーブルがごちゃごちゃしてるのに気がつきました。

もう、と片づけようとすると、テーブルの上にちんぽっぽちゃんの頭に置いていた濡れタオルが。

( ><)「あ〜もう、迷惑ばっかかけさせる人です……」

僕はそれをちんぽっぽちゃんの頭に乗せました。



73: ◆bFlAm.bHJU :2007/07/27(金) 02:51:05.81 ID:eu45xnHlO
( ><)「……え」

ちんぽっぽちゃんの頭に触れた手の感触が、僕には信じられませんでした。

( ><)「つめた……」

そう、まるで冷凍庫に突っ込まれたみたいに……冷たいんです。


僕はおそるおそるほっぺを触ってみました。



触ったそのほっぺに、
いつもの温かさは ありませんでした。



76: ◆bFlAm.bHJU :2007/07/27(金) 02:55:21.91 ID:eu45xnHlO
( ><)「……ぁ……ち、ちんぽっぽちゃん?」

僕はちんぽっぽちゃんを呼びました。
肩を掴んでゆさゆさと揺らしました。

でも、ちんぽっぽちゃんは反応もせず、かくんと首を傾けたまま動きませんでした。

( ><)「……………なんで……薬だって……よくなるはずなんです……」

ξ゚听)ξ「……わかんないです」


いつの間にか、部屋にツン先生が来ていました。



78: ◆bFlAm.bHJU :2007/07/27(金) 02:58:30.96 ID:eu45xnHlO
( ><)「ツン先生!!ちんぽっぽちゃんが!!ちんぽっぽちゃんが……!」

ξ゚听)ξ「……解ってるよ、ちんぽっぽちゃんが亡くなったのは」

( ><)「な……なく……」

さらりと言う先生に、僕は怒りがこみ上げてきました。

( ><)「先生は医者じゃないんですか!!ちんぽっぽちゃんを……助けてくれるんじゃないんですか!!」

僕は泣きながらツン先生に向かってまくしたてます。



85: ◆bFlAm.bHJU :2007/07/27(金) 03:07:44.59 ID:eu45xnHlO
ξ゚听)ξ「……不治の病、ってことなのよ」

ツン先生は、ちんぽっぽちゃんの衣服の乱れを直しながら、そう話しはじめました。

ξ゚听)ξ「どこの医者も取り次いでくれなかったんでしょ?
医者なんて大体不治の病だとなんもしてくれないのよ。
自分たちの株が下がる……とか言って。」

( ><)「だから……っでも、先生は薬を作ってくれたんです!!」

ξ゚听)ξ「あれはね、病気を治す効果はなかったのよ」

( ><)「……そんな……」



94: ◆bFlAm.bHJU :2007/07/27(金) 03:14:05.31 ID:eu45xnHlO
ξ゚听)ξ「この病気ね、進行するにつれて体の筋肉が固まってしまうのよ」

( ><)「……」

ξ゚听)ξ「んで、最後には体中が動かなくなって……ね。」

( ><)「一体それとこれが……どういう関係があったんですか」

ξ゚听)ξ「君が持ってきたこれはね、筋肉が固まるのを少し……
ほんのちょっとだけだけど、食い止められるの。
じゃなきゃ……こんなに安らかな顔はできなかったわ」

ツン先生は、そう言いながらちんぽっぽちゃんの顔を見ました。

僕が寝ているのと勘違いしたくらいです。
まだ生きてる気がするくらい、その顔は安らかなんです。



96: ◆bFlAm.bHJU :2007/07/27(金) 03:20:16.47 ID:eu45xnHlO
ξ゚听)ξ「……きっと、幸せだったからこんなに安らかな顔をしているのよ……
薬だけじゃないわ、きっと……絶対」

( ><)「……」

ちんぽっぽちゃんは、幸せだったんでしょうか。

そういえば僕はちんぽっぽちゃんから『幸せ』と聞いたことがありませんでした。

( ><)「……先生」

ξ゚听)ξ「なに?」

( ><)「人は幸せな時に、笑いますか?」

ξ゚听)ξ「……ええ、笑うわ。
ちんぽっぽちゃんだって、きっと幸せな時は笑ったわ」


( ><)「……ありがとうございます」

僕はちんぽっぽちゃんを幸せにできたかはわかんないです。

でも僕とちんぽっぽちゃんの思い出のなかには、確かに笑顔がありました。



100: ◆bFlAm.bHJU :2007/07/27(金) 03:24:18.80 ID:eu45xnHlO
ξ゚听)ξ「……じゃあ、あとのことは私がやるわ。
だからあんたは彼女のそばにいてあげなさい」

( ><)「はい……」

ツン先生はそう言って部屋から出ていきました。

僕はそのあともしばらくちんぽっぽちゃんを見ていました。

ツン先生がクーラーをかけていったので、さすがに肌寒いと毛布をとりに行こうとしたときに、
さっきは気づかなかったけど、手紙が置いてあるのを見つけました。



101: ◆bFlAm.bHJU :2007/07/27(金) 03:26:53.93 ID:eu45xnHlO
( ><)「これ……」

オレンジ色の封筒には、たどたどしい文字で『わかんないですへ』と書かれていました。

その封筒を開けて手紙を見ると、ちんぽっぽちゃんが気に入ってたみかんの絵が描かれた便箋に、
よれよれな文字が書かれていました。



104: ◆bFlAm.bHJU :2007/07/27(金) 03:33:09.62 ID:eu45xnHlO
わかんないです へ

いまごろ わかんないですはキッチンでみかんジュースでも作ってるのかな

もうすぐ わかんないですとはお別れだね

うまく話せない ぼくの言葉をわかってくれたのは わかんないですだけだったよ


僕はわかんないですと暮らした時間が すごく大好きだったよ
すごく楽しかったよ

だから 心配しないでね

つらいときは みかんを食べるといいんだよ


ありがとうね
              ちんぽっぽより


僕は、ちんぽっぽちゃんの冷たい手を握りしめて泣いてしまいました

……最後までダメな男でした



105: ◆bFlAm.bHJU :2007/07/27(金) 03:37:09.77 ID:eu45xnHlO
気づいたら僕は寝てたらしくて、ツン先生が起こしてくれました。


それからは、なんだか走馬灯のようで現実味がありませんでした。

だって頭のどこかでまだちんぽっぽちゃんが生きてると、信じているんです。


でも、空へ延びる煙を見ながら僕は決心しました。

きっとちんぽっぽちゃんみたいな人たちがほかにもたくさんいる。

( ><)「そんな人たちを救いたいです」



108: ◆bFlAm.bHJU :2007/07/27(金) 03:43:44.12 ID:eu45xnHlO


それから数年がたちました。



(*ノωノ)「あぷー」

(;><)「こらっ、逃げちゃだめなんです!!」

(´・ω・`)「先生、病院で鬼ごっこしないでください。患者さんに迷惑です」

(;><)「僕のせいですか!!」

僕は勉強して、医師免許をとり小さな病院を始めました。

ここにくる人たちはみんな、あの日の僕とちんぽっぽちゃんのように、
自分たちの名誉を守りたいがために医者に診察を断られた人たちです。

正直、まだあの病気を治す手だては見つかっていません。

でも、いつか救えるように、僕は頑張るんです。



110: ◆bFlAm.bHJU :2007/07/27(金) 03:49:50.06 ID:eu45xnHlO
( ><)「ちんぽっぽちゃん、僕が僕の夢を叶えられたら、
ちんぽっぽちゃんは僕を誉めてくれますかね?」

僕は時々、テーブルに置いたちんぽっぽちゃんの遺影を見ながら、そんな風に呟いてみます。

もちろん答えなんか帰ってきません。

でも、きっとちんぽっぽちゃんが誉めてくれる
そう信じてしまうんです。


「先生、患者さんですよー」

( ><)「あっハイ、いま行くんです!!」


窓から入ってくる風が、お供え物のみかんの香りを運んでくれます。

僕はその懐かしい匂いに押されて、今日も患者さんのために、ちんぽっぽちゃんのために頑張るんです。


おわり





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