( ^ω^)ブーンと鬼のツンξ゚听)ξ のようです

6: 序章 ◆HGGslycgr6 :2007/07/29(日) 01:41:53.05 ID:pvNpc7Oh0
 季節は巡り、庭先に積もる落ち葉の風に擦れる音に晩秋の訪(おとな)いを感じ乍(なが)ら、
男と女が二人肩を寄せ合い、互いの存在を確かめ合っていた。
 決して明るい道許(ばか)りではなかったが、彼等は今確かに幸せの陽だまりに居た。

 あの出来事から早三月。ブーンはツンと再婚し、今では片時も離れることはない。戸籍の無い
ツンとの婚姻は形だけのものであったが、二人は其(そ)れでも十分に満足していた。
 ブーンを誘って看板を設けたショボンは、気を利かせたのかブーンの家から立ち去っていった。
併(しか)し立ち去ったとは云(い)え遠くに行ったわけではなく、あろうことか事務所を隣に立ち上げて
しまった。今では度々酒も酌み交わす仲である。
 しぃは依然として行方を眩ませた儘(まま)であったが、つい先日葉書が一葉届いた。内容は
謝罪と祝詞(しゅうし)であった。依然見たしぃの字よりも幾分か綺麗になっていた其(そ)の字を見て
ブーンは少し複雑な心中であったが、何より無事であることが判り安心した。

 だが村の暮らしにも馴染み、二人の愛が益々深まりつつあった霜降(そうこう)の候(こう)。
肌寒く不安になる季節に、今其の陽だまりへ影が差し始めようとしていた。


※訪い=訪れ ※祝詞=祝いの言葉 ※霜降の候=霜の降り始める頃



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