( ^ω^)ブーンがハ○ゲームをはじめるようです
- 2: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 18:27:02.63 ID:VvyopmLm0
プロローグ
2005・夏〜東京〜
夕暮れ時の国道沿いを、制服を身に着けた二人の少年が歩いている。
その二人の体型は、とても対照的である。
( ^ω^) 「あ〜、オセロしたいお〜。でも相手いないお〜」
('A`) 「……ブーン、パソコンとかやる?」
( ^ω^) 「お!? やってるお! ソリティアとかマインスイーパとかだお!」
- 4: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 18:29:00.70 ID:VvyopmLm0
('A`) 「それはネットとは言わないけどな……。まあいいや、そんなにオセロやりたいならここへアクセスしろよ。常に人はいるみたいだぜ」
('A`)つ ハムゲーム
( ^ω^) 「ハムゲーム……? よくわからないけど、早速家に帰ってアクセスしてみるお!」
('A`) 「ああ、ID登録したら俺にメールで送ってくれよ。俺も一応ID登録してあるからさ」
( ^ω^) 「わかったお! それじゃあ早速家に帰るお!ドクオ、ばいぶー」
- 5: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 18:31:06.84 ID:VvyopmLm0
( ^ω^)ノシ
('A`)ノシ
太った少年ブーンは、痩せた少年ドクオに手を振ると走り出してしまった。
ドクオはその後姿を見送ると一言呟く。
('A`) 「ようこそ……厨集結サイト、ハムゲームへ……」
( ^ω^)ブーンがハ○ゲームをはじめるようです
- 7: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 18:34:32.21 ID:VvyopmLm0
第一話
その夜、ブーンは早速自分の部屋でパソコンのキーボードを叩いていた。
そのディスプレイに映っているサイトは、今日ドクオから教えてもらった例のサイトだ。
( ^ω^) 「あったお。えーとまずは会員登録っと……。おお、無料だなんてなんて親切なんだお!」
サイトに大きく表示されている、「無料会員登録」というところをクリックする。
すると、なにやら記入するところだらけのページへ飛んだ。
( ^ω^) 「えーと、希望のID、パス、性別、年齢、在籍地域、メアド、簡単なプロフィール……。多すぎだお」
- 8: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 18:36:06.20 ID:VvyopmLm0
(;^ω^) 「というかメアドって、悪用されたりしないか心配だお。ドクオに電話で聞いてみるお」
プルルルルルルルルルr、ガチャ
('A`) 「もしもし、鬱田ですけど」
( ^ω^) 「ドクオかお!? ブーンだお!!」
('A`) 「ああ、ブーン。ハムゲームには登録できたのか?」
- 9: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 18:38:00.99 ID:VvyopmLm0
( ^ω^) 「それについて電話したんだお……カクカクシカジカチンチンカユイ」
('A`) 「ああ、メアドね。フリーアドレスで大丈夫だよ。場合によっては実在しないメアドでも大丈夫。本登録とか無いからね」
( ^ω^) 「?? よくわからないけど、わかったお!!」
('A`) 「ああ、あと性別、年齢、地域とかは本当のことじゃなくても大丈夫。まあ本当のこと打ち込んでも問題ないけどな」
( ^ω^) 「わかったお!! じゃあまた後で連絡するお!」
('A`) 「わかった。じゃあな」
プツッ、ツーツーツー
- 10: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 18:40:02.71 ID:VvyopmLm0
( ^ω^) 「メアドはSMNでいいお、そんでこうしてあーして……ブツブツブツ」
―― 三十分後・ドクオの部屋
♪壊れたかんじょーはっ! 単純にっ!こーぼーれーる……
('A`) 「お、ブーンからメールだ。IDは……」
('A`;) 「……。とりあえずID検索してみるか」
カタカタカタ……
('A`;) 「これは……」
- 11: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 18:42:07.91 ID:VvyopmLm0
暗黒神黒竜 さんのプロフィール
性別:男
年齢:9008歳
血液型:悪魔と人間の混血
身長:東京ドーム10個分
体重:20kg(すごく痩せてます)
出身地:暗黒の地獄界
職業:学生
自己紹介
私には君たちとは異なる力を持っている。
現実世界では君たちと相容れることは出来ないだろう。
しかし、このネットという世界では存分に君たちと……グハッ
こ、こんなときに邪気眼が……さらばだッ!
- 12: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 18:43:34.38 ID:VvyopmLm0
('A`;) 「こりゃまた突っ込みどころ満載で……。お前はデーモン閣下かっつーの」
その直後、ブーンの部屋――
♪あっあ〜、なんか良い感j
( ^ω^) 「おっおっお! ドクオからメールだお!」
from:ドクオ
本文:厨二病乙
(;^ω^) 「やっぱり体重ごまかすのはまずかったかお……」
- 13: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 18:45:35.97 ID:VvyopmLm0
第二話
ブーンが己の邪気眼を存分に発揮した翌日、ブーンとドクオは教室でハムゲームの話をしていた。
('A`) 「いきなり暗黒神とは参ったぜ」
( ^ω^) 「けっこう気に入った名前だったんだお! なのにドクオが絶対ヤメロって言うから……」
('A`;) (恐るべし厨二病……)
- 14: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 18:47:01.78 ID:VvyopmLm0
ドクオはブーンのプロフィールを見てからすぐに、暗黒神黒竜のIDを消すことをやや強引に薦めた。
ブーンも最初は嫌がっていたが、ドクオが全く譲らなかったこともあってかとうとう折れた。今日新たにIDを作り直すらしい。
('A`) 「まあいいや、新しいIDできたらまたメールしてくれよな。そしたら今日はハムゲームで遊ぼうぜ」
( ^ω^) 「わかったお! 絶対オセロやるお!」
('A`) 「はいはい」
その直後、担任が入ってきて朝のHRを開始した。
それを尻目に、ブーンとドクオは深い眠りへと落ちていった。
- 16: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 18:49:02.99 ID:VvyopmLm0
そしてその夜。
ブーンは八時にハムゲームにログインした。
( ^ω^) 「よいしょっと……。オセロ〜、オセロ〜。ドクオはもういるかお……?」
ブーンはオセロロビー1で待機していた。
ドクオを探す……前にドクオのIDを知らない。
ブーンは自分のIDをメールで送りはしたが、ドクオからは返信未だ無しであった。
( ^ω^) 「これじゃいつ来るかわからないお。う〜、う〜、暇・だ・お」
- 17: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 18:50:37.54 ID:VvyopmLm0
( ^ω^) 「……なんか知らない人が試合の申し込みしてきたお」
相手は白シャツ、短パンの男。IDは「ヒットマン」
IDの横には「オセロ愛好家」と書いてある。
( ^ω^) 「よくわからないけど……ブーンはオセロには自信があるんだお!!」
ブーンは勢い良く、「OK」のボタンをクリックした。
( ^ω^) 「ブーンが先攻だお! 先手ひっしょおおおおおおおおおおおおお」
- 18: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 18:52:33.88 ID:VvyopmLm0
――十分後
(;゜ω゜) 「あれ……?」
画面に映るのはオセロ盤。しかし、普通のオセロ盤とは違い、真っ白である。
「あなたの負け」
無機質に浮かび上がる文字。ブーンはそれを見てただただ愕然としているばかりであった。
(;^ω^) 「これはひどい……。ん??」
画面を見てみると、相手がこっちに文字を送ってきていた。
いわゆる「チャットである」
- 19: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 18:54:44.32 ID:VvyopmLm0
《CHAT》
ヒットマン さん: あなた弱いですね
(♯^ω^) 「なんなんだお、こいつ……」
いきなりの惨敗と罵倒に、ブーンの怒りはすぐに頂点に達した。
ブーンは怒りに任せてキーボードを叩き始める。
- 20: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 18:56:53.35 ID:VvyopmLm0
《CHAT》
ヒットマン さん: あなた弱いですね
セフィ☆ロス さん: 本気出してないですけどね。
ヒットマン さん: ww
セフィ☆ロス さん: wってなんだよ。意味不明だから
ヒットマン さん: wwwwwwwwwwwwwwwww
- 23: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 18:58:30.56 ID:VvyopmLm0
セフィ☆ロス さん: きもい。まじきもい。死ね。
ヒットマン さん: 死ねって言うと、ID消されますよ^^もう通報しましたww
セフィ☆ロス さん: は? 意味わかんね。死ね死ね死ね死ね死ね
ヒットマン さん: まーそうゆう態度取ってもいいけど。もう通報したから
- 25: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 19:00:16.96 ID:VvyopmLm0
(;^ω^) 「通報? ID消される? これはまずいかもしれないお」
ブーンは相手の文の節々に散りばめられる、不穏な単語に不安を覚える。
(;^ω^) 「初日からトラブルは不味いお。ここは下手に出るお」
ブーンは悔しそうに、画面を見つめる。
そしてゆっくりとキーボードを叩いていく。
- 26: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 19:02:25.39 ID:VvyopmLm0
《CHAT》
セフィ☆ロス さん: ヒットマンさん。すいませんでした。
ヒットマン さん: あれ? いきなり態度変えてどうしたのかな?
セフィ☆ロス さん: いや、僕のほうが悪かったみたいなので。
ヒットマン さん: わかればいいんだよww 腰抜けチキンがwww さあちゃんと謝ってもらおうか
セフィ☆ロス さん: 本当に申し訳ありませんでした。僕が悪かったです。僕は汚いブタです。
- 27: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 19:04:14.69 ID:VvyopmLm0
(;^ω^) 「うう、クソ……。どうして僕がここまで……」
ネットでありながら、自分のプライドを捨ててしまったブーン。その姿はまさに負け犬の(ry
ブーンはじっと相手の返事を待っていたが、画面に表示された文は予想はずれのものだった。
《CHAT》
ヒットマン さん: んー、まだまだだな。やっぱりお前は不安すぐる
(;^ω^) 「???」
ブーンは疑問をそのまま文に変える。
- 29: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 19:07:25.47 ID:VvyopmLm0
《CHAT》
セフィ☆ロス さん: どうゆう意味ですか?
ヒットマン さん: ID消されてもメアド変えて登録しなおせばいいだけじゃん。実際、ID消されるなんて滅多に無いし
セフィ☆ロス さん: はあ。
ヒットマン さん: それにオセロも弱すぎだしなwwww ブーン
(;^ω^) 「なんで僕の名前を……」
- 30: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 19:08:29.79 ID:VvyopmLm0
ブーンは、あまりパソコンに詳しくない。
てっきり個人情報を調べられたのかと考え、焦り始めた。
(;^ω^) 「これはやばいお」
頭の悪いブーンは、再びキーボードを叩き始める。
- 31: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 19:11:18.91 ID:VvyopmLm0
《CHAT》
セフィ☆ロス さん: 僕の名前を調べるのはやめてください。お願いですから。
ヒットマン さん: やめろwwww 腹が痛いwwwww
セフィ☆ロス さん: 正露丸飲むといいらしいですよ。
ヒットマン さん: もう死ぬwwww ていうか、そろそろ気づけよwww
セフィ☆ロス さん: どういう意味でしょうか?
ヒットマン さん: 鬱だ……死のう
- 33: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 19:13:24.84 ID:VvyopmLm0
(;^ω^) 「……お?」
( ^ω^) 「おー……」
煤i ^ω^) 「おお!」
ブーンはここで初めて合点がいった。
ヒットマンが最後に打ってきた文は、いつもドクオが繰り返し言っている言葉だ。
そしてブーンの名前を知っている、ということは……。
- 34: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 19:15:06.21 ID:VvyopmLm0
(♯^ω^) 「ドクオ調子に乗るな!!!」
――ドクオの部屋
('A`) 「ひーっ、死ぬー。まじ笑い死ぬwwww」
――ブーンの部屋
ブーンは再びキーボードを叩いていた。
相手がドクオだから、遠慮の無い言葉をドンドン打ち込んでいく。
- 36: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 19:17:21.84 ID:VvyopmLm0
《CHAT》
セフィ☆ロス さん: ドクオ死ね。お前調子に乗りすぎ。バカ。いあkさqw
ヒットマン さん: 落ち着けww ちょっと試しただけだからwww
セフィ☆ロス さん: うるせしねしねしねしねしねしね
ヒットマン さん: ごめんごめん。その代わりと言っちゃあなんだけど、もっかい勝負しようや
( ^ω^) 「もう一回オセロできるのかお……」
- 39: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 19:19:28.06 ID:VvyopmLm0
そもそもブーンはオセロがやりたかったのだ。
実際誘いが来ると、ブーンの心はdkdkwktkしてきた。
( ^ω^) 「よし、もう一回だけならやってもいいお」
その後、ブーンは何回もドクオとオセロをやり続けた。
気づけば日付が変わっていたので、ブーンはそこでパソコンの電源を落とした。
布団に入ってからも、ブーンはずっとハムゲームのことばかり考えていたが、やがて眠りに落ちていった。
( −ω−) 「むにゃむにゃ……明日は絶対、ドクオに勝つお……」
- 41 名前: 誤爆った ◆bAt3E3sVXo 投稿日: 2007/08/11(土) 19:22:24.07 ID:VvyopmLm0
第三話
翌日、ブーンとドクオは休み時間にハムゲームの話で盛り上がっていた。
( ^ω^) 「……ハム(食いてぇ)」
('A`) 「……(王様)ゲームでパラダイスしてぇ」
すると二人に近づく人影が――
- 42: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 19:24:44.05 ID:VvyopmLm0
(´・ω・`) 「ちょ、ちょ、ちょ、ちょーーい!!11!!」
( ^ω^) 「お?」
('A`) 「ショボンじゃねぇか……。どうした?」
ドクオの言ったとおり彼の名はショボン。
クラスで一番パソコンに精通してるという噂の男だ。
パソコン=オタク、というイメージがこの中学では浸透しているので、ショボンはいつも大体一人でいることが多かった。
いや、それ自体は大した理由じゃない。彼が避けられてるその理由は――
- 43: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 19:26:28.26 ID:VvyopmLm0
(´・ω・`) 「き・み・た・ち、しろみ! 今、今今ジャストナウ! ハムゲームの話をしていらっしゃいましたNE?」
('A`;) 「え? あ、ああ……」
(;^ω^) 「池沼乙」
その意味不明なテンションの高さだった。
今日もそのテンションは変わらず、うざい。本人は自分が嫌われていることに気づいていないのだから、尚更厄介だ。
- 46: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 19:28:30.25 ID:VvyopmLm0
(´・ω・`) 「おお……まさかリアルでハムゲーム仲間、いや、ファミリーを見つけられるとは」
('A`;) 「は? 家族?」
( ^ω^) 「急に尿意を催してしまいました。私はトイレへ行ってきたいと思います」
('A`;) (ブーン逃げる気か、ずるいぞ……)
- 48: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 19:30:05.81 ID:VvyopmLm0
(´・ω・`) 「おおっと! 僕もちょうどW・Cへ行きたいところだったんだ! 一緒に体を並べながら語り合おうじゃないか!」
( ^ω^) 「おや? 便意も催してきました。個室へ入ってあらゆるものとの関わりを絶とうと思います」
(´・ω・`) 「んー……、SO−DA! 僕も隣の個室で白い汗を流そう! そしてベルリンという壁を挟んで語り合おうじゃないか!」
( ^ω^) 「ああ、残念です。もう既にこの場で全てを出し切ってしまいました。なので、あなたと語り合うことはできません」
(´・ω・`) 「なんという偶然……。僕も今興奮しすぎて出してしまったよ。ああ、これはもう語り合うしかないな」
- 51: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 19:32:19.43 ID:VvyopmLm0
( ^ω^) 「実際出すわけありません。やはり語り合うことはできないようです」
('A`) (そりゃ本当に出したらやばいだろ……ん?)
(´・ω・`) 「……」
(*´・ω・`) 「てへ」
( ^ω^) ('A`) 「……」
その日、教室では異臭騒ぎが起きた。
その日からショボンは「白の魔法使い」と呼ばれるようになったとさ。
- 52: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 19:34:38.80 ID:VvyopmLm0
――放課後・教室
( ^ω^) 「結局、今日ハムゲームでショボンと遊ぶことになってしまったお……」
('A`) 「まあ、ああなったのは俺らのせいだしな。罪滅ぼしってやつだ」
( ^ω^) 「しゃーないお。適当に遊んでさっさと落ちるお。ばいぶー」
('A`) 「じゃあな」
ブーンはダッシュで家へと帰った。
なんだかんだいってブーンはハムゲームを出来ることが楽しみで仕方が無かったのだろう。
しかしこの時から、ブーンの歯車は段々と狂い始めることとなる。
- 53: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 19:36:31.05 ID:VvyopmLm0
――そして夜
自室でパソコンに向かい合うブーン。
今日は先に一人でオセロをしていて、とうとう初勝利をすることができた。
( ^ω^) 「やべー、やっぱ僕天才だお……」
パソコンに向かって独り言。これはもう既に末期(ry
- 54: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 19:38:36.55 ID:VvyopmLm0
試合にも一区切りついたので、ブーンは一旦オセロロビーに戻ることにした。
するとまた試合の申し込みが来た。例の「ヒットマン」である。
( ^ω^) 「ふひひ、ドクオかお。OK、っと」
OKボタンをクリックすると、一瞬で対局部屋に移動する。
そこには前回と変わらず白シャツ、短パンのヒットマンがいた。
- 56: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 19:40:41.09 ID:VvyopmLm0
《CHAT》
ヒットマン さん: よお
セフィ☆ロス さん: おいすー
ヒットマン さん: お、勝ち星が一つついてるじゃないか
セフィ☆ロス さん: ドクオ、良く気づいた。僕はやればできる子。
ヒットマン さん: 負けは14だけどなwwwww
セフィ☆ロス さん: うるせー。
「ロビー」より、ウホッ魔人 さんが入室しました。
- 57: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 19:42:26.30 ID:VvyopmLm0
( ^ω^) 「お……?ウホッ魔人? 初めて見るIDだお」
ブーンは、IDをクリックしてみる。
するとプログラムが作動して、そのIDの簡易プロフィールが開かれた。
ウホッ魔人の姿は、ブーン達とは大分違っていた。
頭に巻きつけたターバン。魔法使いを連想させるローブ。そして、暗闇の背景。
( ^ω^) 「なんで僕達と違うんだお……?」
ブーンは今まで、白シャツと短パンの姿しか見たことが無かった。
ブーンが頭を捻っていると、チャットに動きが出てきた。
- 59: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 19:44:26.28 ID:VvyopmLm0
《CHAT》
ヒットマン さん: よお、ショボン
ウホッ魔人 さん: やあやあ、待たせたね諸君( ̄^ ̄)
( ^ω^) 「こいつショボンかお……」
魔人の正体にいささかガッカリしながらも、ブーンもチャットに参加する。
- 61: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 19:46:27.45 ID:VvyopmLm0
《CHAT》
セフィ☆ロス さん: 待ってないけどね
ヒットマン さん: ちょwww ショボン涙目wwww
ウホッ魔人 さん: 別に。悔しくないけどね。
セフィ☆ロス さん: 顔文字無くなったな
ヒットマン さん: ちょwww ショボンマジで涙目フラグwwwwwwww
- 64 名前: >>62覚えてくださってて光栄です ◆bAt3E3sVXo 投稿日: 2007/08/11(土) 19:48:20.58 ID:VvyopmLm0
――ショボンの部屋
(♯´;ω;`) 「くそ! くそ! 馬鹿にしやがって! こいつらにだってウィークポイントはあるはずだ!」
(♯´;ω;`) 「ん……? そうだ!!」
ショボンはもの凄い速さでキーボードを叩いていった。
- 66: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 19:51:31.34 ID:VvyopmLm0
《CHAT》
ウホッ魔人 さん: てゆーか君たちさぁ≧(´▽`)≦ ハムアイテムも持ってないわけ?(;^_^A
セフィ☆ロス さん: ハムアイテム?
ヒットマン さん: ショボンのキャラクターだけ格好が違うだろ? あれらをハムアイテムって言うんだ。
ウホッ魔人 さん: そーそー(◎_◎) 服とか、背景とか、アクセとかね(´ー+`)キラッ
セフィ☆ロス さん: へー。それお金かかるの?
ウホッ魔人 さん: もちのロン!!(o-ω-)o囿囿囿圄圄圄圉圉圉圀圀囮囮 圈 白服短パンは貧乏人の象徴(笑)
- 67: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 19:53:31.94 ID:VvyopmLm0
(´・ω・`) 「ククク……。奴ら悔しがってんだろーな」
(´・ω・`) 「ふふふ……はーはっは!!!」
――ブーンの部屋
(♯^ω^) ビキビキ 「ショボンまじでうぜえええええ! リアルでもネットでもうぜえええ!」
高笑いするショボンと、うなり声をあげるブーン。
そんな二人が見つめている画面に、新たな動きがでる。
- 68: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 19:54:49.57 ID:VvyopmLm0
《CHAT》
ヒットマン さん: でも正直な話、ネットにリアルのお金を継ぎこむのは痛いけどなwww
(´・ω・`) 「……」
(´゜ω゜`) 「くぁwせdrtgふじこlp;:」
(♯^ω^) 「……」
( ^ω^) 「プッ」
- 69: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 19:57:23.07 ID:VvyopmLm0
《CHAT》
セフィ☆ロス さん: 確かに痛い
ヒットマン さん: wwwwwwwwwwwww
ウホッ魔人 さん: 死ね! お前ら死ね!
ウホッ魔人 さんが退出しました。
セフィ☆ロス さん: 逃げた
ヒットマン さん: バロスwwwwwwww
- 70: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 19:58:29.68 ID:VvyopmLm0
結局その後、ブーンはいつも通りドクオとオセロをした。
今日も勝てずじまいだったが。
ショボンを馬鹿にしていたブーンだったが、頭の中にはある考えがよぎっていた。
( ^ω^) (僕も綺麗に着飾ってみたいお……。目立ちたいお)
そう考えることが、ネット廃人への第一歩である。
もちろんブーンはこの時、自分がそんなことになるなんて想像もしなかっただろう。
しかし、確実に――ブーンはハムゲームに侵食されてきている。
- 71: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 20:00:01.01 ID:VvyopmLm0
第四話
翌日、やっぱり休み時間に三人でハムゲームの話をして盛り上がっていた。
( ^ω^) 「ハムアイテムも持ってないわけ?」
('A`) 「白シャツ短パンは貧乏人の象徴(笑)」
( ^ω^) ('A`) 「でも、貧乏人の僕達はリアルとネットを混同させてませんから〜! 残念!」
(♯´・ω・`) 「うるさい! 死ね! 死ね!」
- 72: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 20:01:20.84 ID:VvyopmLm0
( ^ω^) 「必死だお」
('A`) 「あーあ、痛い痛い」
(♯´・ω・`) 「ホァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!」
ショボンがクラッシャーになったところで、授業が始まった。
みんなから白い目で見られているショボンをよそに、ブーンとドクオは席に着く。
ヒソ……白い……ヒソ……魔法使い……マジきもくない?
(♯´゜ω゜`) 「シィネェェェェェェェェェェェェェェェェェェ!!!」
その日ショボンは親御さんに迎えに来てもらって早退した。
しかし、担任が入ってきてからずっと寝ているドクオとブーンは全く知りもせず……知らぬが仏。
- 73: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 20:03:06.19 ID:VvyopmLm0
――その夜
ブーンは相変わらずパソコンに向き合っていた。
いつもと同じハムゲーム。しかし、今日はドクオがログインしないという話だった。
( ^ω^) 「ならひたすら試合して、勝率をあげていくかお……」
ブーンはどんどん試合をこなしていく。
昨日の時点で、1勝20敗の凄まじい負け越しだったが、今の時点では10勝24敗まで上げていた。
( ^ω^) 「ふんふ〜ん。今日は調子がいいお……ん?」
- 74: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 20:04:32.49 ID:VvyopmLm0
あるIDがブーンの目についた。
ΨおーちゃんΨ
ID自体は変哲も無いのだが、気になるのはその成績。
ブーンと全く同じ10勝24敗であった。
( ^ω^) 「試合を申し込んでみるかお……それ!」
相手のIDをクリックして、試合を申し込む。
するとすぐさま対局場へと移動した。
- 75: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 20:06:58.83 ID:VvyopmLm0
ΨおーちゃんΨは、女性で全身にハムアイテムを身に着けていた。
今風の髪型に、目がパッチリとした整った顔、なによりピンクの背景が可愛らしさを引き立たせている。
しかし、ブーンはショボンのせいでハムアイテム保有者に対する偏見を持っていた。
(♯^ω^) 「ハムアイテムなんか身に着けやがって……。つぶしてやるお!」
ブーンが先攻なので、ブーンは着手しようとしたが――その時相手がチャットを打ってきた。
- 76: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 20:09:49.50 ID:VvyopmLm0
《CHAT》
ΨおーちゃんΨ さん: よろしくd(・∀・*)ネッ
( ^ω^) 「……」
(*^ω^) 「よろしくだお」
《CHAT》
ΨおーちゃんΨ さん: よろしくd(・∀・*)ネッ
セフィ☆ロス さん: こちらこそ4649だぜ\(^0^)/
( ^ω^) 「決まった」
男なんてそんなものである。
- 79: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 20:12:12.79 ID:VvyopmLm0
その後、ブーンとΨおーちゃんΨは楽しくチャットしながらゲームを進めていった。
そしてそのチャットの中で、ブーンは様々なことを教えてもらった。
《CHAT》
ΨおーちゃんΨ さん: あ! 戦績同じですね!
セフィ☆ロス さん: そうなんだぜ(^0^)偶然なんだぜ(^0^)
ΨおーちゃんΨ さん: やっぱり私と同じ「オセロ初級者」ですね〜
セフィ☆ロス さん: それはなんなんだぜ?
ΨおーちゃんΨ さん: ハムゲームのオセロでの称号ですよ! 勝率によって変わるんです!
セフィ☆ロス さん: 教えてくれっぴ(^0^)q
ΨおーちゃんΨ さん: はい^^ いいですよ〜♪
- 81: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 20:14:13.45 ID:VvyopmLm0
( ^ω^) 「ふむふむ……。下から、初級者、中級者、上級者、愛好家、アマチュア、王様、神様、と」
(;^ω^) 「てことはドクオは意外と強かったんだお」
ブーンはそれからも夢中でチャットを続ける。
《CHAT》
セフィ☆ロス さん: ハムアイテムってお金かかるんでしょ?
ΨおーちゃんΨ さん: いや、無料のもあるんですよ^^@ 人からもらうって手もありますし
セフィ☆ロス さん: へ〜、じゃぁおれっちも揃えてみようかな^¥
- 82: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 20:15:54.14 ID:VvyopmLm0
ΨおーちゃんΨ さん: いいですね! そうだ、フレンドリストに入れてもいいですか?
セフィ☆ロス さん: なにそれ・
ΨおーちゃんΨ さん: ハムゲ内の友達の証ですよ^^@
セフィ☆ロス さん: あー、別に送ってもいいよ?
ΨおーちゃんΨ さん: じゃぁ送りますd(・∀・*)ネッ
- 83: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 20:17:10.66 ID:VvyopmLm0
( ^ω^) 「初めてのハムゲの友達……この子は大切にするお!」
(*^ω^) 「それにフラグも立ったりして。フヒヒ」
その日はΨおーちゃんΨ とチャットばかりをしていた。
試合結果のほうは互角だったので、決着をつける名目で明日もこの時間に会うことを決めた。
しかし、次の日に悲劇は起こったのだった。
- 84: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 20:18:44.32 ID:VvyopmLm0
第五話
今日は休日である。
部活動には全く縁の無いブーンは、お約束通り朝からハムゲをやっていた。
( ^ω^) 「ふんふ〜ん♪ 花びらの〜♪」
今ブーンはプロフィールの作り直しに励んでいる。
ΨおーちゃんΨになるべくレベルの高い人間に見られようと必死であった。
――三十分後
( ^ω^) 「できたお! これは素晴らしい!」
ブーンは画面に映し出されたプロフィールを見て、嬉しそうな顔をしている。
さてその内容は……
- 86: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 20:21:04.62 ID:VvyopmLm0
セフィ☆ロス さんのプロフィール
性別:男
年齢:14歳
血液型:微妙にハーフ、ていうかクォーター?(笑)
身長:187だぜ
体重:53 だけど筋肉が適度についてるから気にしない^皿^b
出身地:アメリカの首都、ニューヨークだぜ
職業:学生
- 87: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 20:21:43.29 ID:VvyopmLm0
自己紹介
この間はテスト学年一位だったわ^−^
体育祭のリレーアンカーで走ってもビリからトップまで抜いたし(笑)
あ〜誰か俺と一緒に手をつないで街を歩いてくれる子いないかな?
あ、これだけは言わせて。レンジちょ〜サイコ〜♪
- 89 名前: >>88あります ◆bAt3E3sVXo 投稿日: 2007/08/11(土) 20:23:03.25 ID:VvyopmLm0
これはひどい厨二病。
VIPで晒されたら、即凸だろう。いや、釣りと言われるかもしれない。
しかし、ブーンにはこれがプレイボーイのプロフィールにしか見えないらしい。
( ^ω^) 「あ〜、いい仕事したら眠くなってきたお。約束の時間まで寝るか……お……」
( −ω−)zzz
――十時間後
( ^ω^) 「……寝過ごした」
ブーンが起きた時間は、約束の時間を一時間過ぎていた。
ブーンは急いでオセロロビーへと急ぐ。そしてロビーを見渡すと……いた。
( ^ω^) 「試合もうしこみぃぃぃぃぃぃ!」
( ^ω^) 「試合対局上へわ〜ぷだお♪ こんばんわ、っと……」
- 91: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 20:24:55.08 ID:VvyopmLm0
《CHAT》
セフィ☆ロス さん: 遅れてごめんね^^; こんばんわ
ΨおーちゃんΨ さん: 遅いよ〜o(`ω´*)o でも来てくれたから許す!
(*^ω^) 「さすがおーちゃんは優しいお!」
その後、対局をしながらチャットを進めていく。
すると、しばらくしてリアル生活の話題になった。
- 94: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 20:26:10.06 ID:VvyopmLm0
《CHAT》
ΨおーちゃんΨ さん: そういうえばセフィさんて何歳?
セフィ☆ロス さん: え〜、14歳だけど。おーちゃんは?
ΨおーちゃんΨ さん: 私は13歳だよ☆
セフィ☆ロス さん: とし近いじゃんな! 部活は?
ΨおーちゃんΨ さん: (/o^)/ °⊥ \(^o\) バレー だよー! セフィさんは?
そこで一旦チャットの流れが止まった。
その原因は言わずもがな……
(;^ω^) 「しまったお。部活やってないのに、馬鹿な話題をふっちゃったお」
( ^ω^) (しかし……ネットの中の僕は――イケメンなんだお!)
- 96: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 20:27:29.81 ID:VvyopmLm0
《CHAT》
セフィ☆ロス さん: バスケ部のエース^^b
ΨおーちゃんΨ さん: まじで!? かっこい〜^^@
セフィ☆ロス さん: バスケ簡単だわ(笑)
ΨおーちゃんΨ さん: あはは^^;
( ^ω^) 「好感触……計画通り」
勘違いでブーンは有頂天になっていた。
しかし、そのとき――ブーンにとって最悪の時間がやってきた。
( ^ω^) 「お……? 誰か入ってきたお」
- 98: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 20:28:40.45 ID:VvyopmLm0
《CHAT》
阿倍高和 さんが入室しました。
阿倍高和 さん: こんばんは いきなりだけど、や ら な い か
(;^ω^) 「こいつなんなんだお……一体誰が」
- 100: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 20:29:59.53 ID:VvyopmLm0
――ショボンの部屋
(;´・ω・`) 「へへへ……ブーンのやろう、女の子とイチャつきやがって。めちゃくちゃにしてやる!」
(;´・ω・`) 「わざわざ俺のウホッ用のサブIDを使ってるんだ。存分に恐怖を味わわせてやる!」
――ブーンの部屋
(;^ω^) 「これはまずいお……なんとかするしかない!」
ブーンはキーボードを た た く !
- 101: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 20:31:34.26 ID:VvyopmLm0
《CHAT》
ΨおーちゃんΨ さん: なんなんですか!? 変なこと言うのはやめてください!
阿倍高和 さん: 変なこと?この言葉が?そう思ったならお前 痴女 だなwww
ΨおーちゃんΨ さん: は?意味わかんないし!
セフィ☆ロス さん: そうだぜ! やめるんだ!阿倍君!
ΨおーちゃんΨ さん: てゆーか私そーゆーの興味ないんで
セフィ☆ロス さん: それは残念! じゃあswどぇあdf
セフィ☆ロス さん: 今のうそぴょ〜ん
阿倍高和 さん: は? お前になんか興味ないですよ^^;
ΨおーちゃんΨ さん: は?
- 103: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 20:32:37.88 ID:VvyopmLm0
阿倍高和 さん: ウホッ、いい男がいるじゃねーの。さあ、今日も や ら な い か
セフィ☆ロス さん: は?
ΨおーちゃんΨ さん: セフィさん知り合い?
セフィ☆ロス さん: いや、いやいや^^b全然知らないから^^b
ΨおーちゃんΨ さん: その顔文字、オッケーみたいな意味ですよ
セフィ☆ロス さん: いや、本当にしらなあおあp
阿倍高和 さん: 動揺してんじゃないよ、昨日も俺と会ってたじゃないか
ΨおーちゃんΨ さん: セフィさん……今日は私帰ります
セフィ☆ロス さん: ちょ、っと、まって
ΨおーちゃんΨ さんが退室しました。
セフィ☆ロス さん: oiomaesineyo
阿倍高和 さん: 女といちゃついてんじゃねーよ、ばーかwww
阿倍高和 さんが退室しました
- 107: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 20:34:20.63 ID:VvyopmLm0
ただ一人残されたブーン。
その肩はワナワナと震えていた。
(♯^ω^) 「こいつ、ゆるせねーお……。これが荒らしってやつかお」
ブーンの怒りは収まらない。
そしてその怒りが――厨房のアイデアを生み出してしまった。
- 111: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 20:35:33.93 ID:VvyopmLm0
( ^ω^) 「そうだお、ハムゲ内で荒らし討伐同盟を結成するお」
( ^ω^) 「そうすればみんなからは信頼されて……一石二鳥だお!」
ブーンは自分のナイスアイデアに、段々とワクワクしてきた。
荒らし討伐同盟を作ってあれをしよう、これをしよう、と考えれば考えるほどワクワクしてくる。まさに厨房。
( ^ω^) 「阿倍……まずはお前からだお。 覚 悟 し と け ! 」
- 112: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 20:36:10.82 ID:VvyopmLm0
――ショボンの部屋
(*´・ω・`) 「でひゃはやははやはひゃひゃひゃひゃ!! ブーンざまあみろ!」
――階下・居間
父 「……」
母 「やっぱりあの子病院に行ったほうが……」
- 129: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 21:00:09.12 ID:VvyopmLm0
第六話
ゆとりは週休二日制。
ブーンも例外ではない。しかも部活には無所属なので、ハムゲームをする。
今日は朝からドクオとオセロをやっていた。
( ^ω^) 「やっぱりドクオにはなかなか勝てないお……」
しかし、それでも段々といい勝負になってきている。ブーンも段々と上達しているのだろう。
試合に一区切りついたところで、ブーンは今まで一切使わなかったキーボードに手をつけはじめる。
( ^ω^) 「ドクオには色々聞きたいことがあるんだお」
- 130: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 21:01:33.23 ID:VvyopmLm0
《CHAT》
セフィ☆ロス さん: あー疲れた。一旦チャットでもしながら小休止しよう。
ヒットマン さん: そうだなwwwそれにしてもお前随分戦績あがってるな!
セフィ☆ロス さん: ドクオとやる前はもっと良かったのに。
ヒットマン さん: そりゃお前、俺が強すぎるから
セフィ☆ロス さん: うっせ 死ね
ヒットマン さん: まあ、でも実際強くなってきてるよ
- 131: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 21:03:45.35 ID:VvyopmLm0
(*^ω^) 「ぶひひ、当然だお。って、そうだ質問忘れるところだったお……」
ブーンは昨日の悔しい思いと、厨二アイデアを思い出す。
そしてなるべく遠まわしに、ドクオに色々と聞いてみることにした。
《CHAT》
セフィ☆ロス さん: そーいえば、ハムゲってグループとか同盟みたいなの作れるの?
ヒットマン さん: ああ、サークルっていうのがあるよ
セフィ☆ロス さん: 具体的にはどんな感じ?
- 132: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 21:05:05.79 ID:VvyopmLm0
ヒットマン さん: 趣味別、ゲーム別に、人々が集まって一つの団体を作るんだ。まんま大学のサークルみたいなイメージだよ
セフィ☆ロス さん: なるほど。それって誰でも作れるの?
ヒットマン さん: ああ。作ってから人が集まらない場合も多いけどなwww まさかブーン作るつもり?
セフィ☆ロス さん: いやいや、興味無いよ
- 133: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 21:07:22.36 ID:VvyopmLm0
ヒットマン さん: ふーん。あ、そうだ。今このチャットで、CtrlとAltとDeleteを同時に押すと、別ウィンドウで細かい説明出るぞ
セフィ☆ロス さん: いや、興味無いから
セフィ☆ロス さんの接続が非常時切断されました。
- 140: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 21:10:08.11 ID:VvyopmLm0
( ^ω^) 「あれ? でてこないお??」
(;^ω^) 「それどころか、画面が暗くなっちゃったお! 急いで戻るお!」
――ドクオの部屋
(*'A`) 「でひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃwwww ちょwww ブーンさん興味津々じゃないすかwww」
(*'A`) 「強制終了も知らないとはなー。……」
(;'A`) 「それにしても、あいつ変なサークル作ってなんかやらかしそうだな」
(;'A`) 「……」
- 143: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 21:12:19.69 ID:VvyopmLm0
――ブーンの部屋
( ^ω^) 「やっと戻ることができたお。さて、もういっか(ry」
――二十分後
(;^ω^) 「ハァハァ、ゼェゼェ、何回やってもできないお……。今日は諦めるかお」
( ^ω^) 「お、それよりドクオはまだいるのかお!?」
ブーンは慌てて先ほどドクオといた部屋に戻る。
ドクオはまだいた。
- 147: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 21:14:46.08 ID:VvyopmLm0
《CHAT》
セフィ☆ロス さん: ごめん。なんかパソコンの調子が悪くて^^;
ヒットマン さん: そうだなwww 何回も接続切れで退出してるからなwwwwwww
セフィ☆ロス さん: ういるすでも入りこんだかも
ヒットマン さん: そうかもなwwwww それよりお前、サークル作ろうと思ってるだろ
セフィ☆ロス さん: はあ!? さっきから興味無いって言ってるだろ。調子にのるなよ、マジで。
ヒットマン さん: 嘘つくなよ。サークル作ってなんかやらかそうとしてるだろ
(;^ω^) 「こいつ……できるっ!」
- 148: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 21:16:08.56 ID:VvyopmLm0
ドクオの策略にまんまと乗らされたことに未だ気づかないブーン。
その後、ドクオの質問は全否定で乗り切り、お昼ごろになってドクオが落ちていった。
それからブーンは頑張った。
右も左もわからないハムゲの世界。
ドクオにもっと詳しく聞こうと思ったのが失敗したので、自分で色々と調べた。
- 150: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 21:18:11.26 ID:VvyopmLm0
( ^ω^) 「ハムゲの初心者質問インフォメーションで見てみるお!」
( ^ω^) 「ヤホーで調べるお!」
( ^ω^) 「辞書引いてみ(ry」
………
……
…
- 153: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 21:19:51.63 ID:VvyopmLm0
(;^ω^) 「結局サークルの作り方さえわからなかったお……」
(;^ω^) 「クソゥ! かくなる上は……」
ブーンは急いで部屋を探し回った。
普段は全く使わないものなので、どこにあるかは全く検討がつかない。
しかし、十分後――
( ^ω^) 「やば、昔のジャンプおもすれー」
(;^ω^) 「あ! こんなことしてる場合じゃないお!早くあれを探さないと!」
- 155: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 21:21:18.05 ID:VvyopmLm0
そして、更に二十分後――
( ^ω^) 「小ニの時の日記帳www 僕の黒歴史wwww」
( ^ω^) 「八月四日、天気はずっと家にいたのでわかりませんでしたwwww」
( ^ω^) 「僕この頃から引きこもりwwww」
- 156: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 21:23:21.81 ID:VvyopmLm0
そしてとうとう三十分後――
(;´ω`) 「やっと見つけたお……」
ブーンが一時間かけてまで必死に探したもの、それはクラスの連絡網であった。
それを何に使うのかというと……
(;^ω^) 「これだけはしたくなかったけど……ショボンに色々と聞くかお」
ブーンは連絡網に載っている、ショボン家の電話番号を押し始めた。
プルルルルル……
- 158: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 21:25:07.79 ID:VvyopmLm0
――ショボン宅
母 「はい、野沢です。ええ、はい……少々お待ちください」
ショボンの母は保留ボタンを押すと、二階に向かって叫ぶ。
母 「ショボンー! クラスメイトの内藤君から電話よー!」
- 159: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 21:26:15.11 ID:VvyopmLm0
すると、電話の親機から流れていた保留のメロディーが止み、ディスプレイに「通話中」と表示された。
おそらくショボンが、二階にある子機に切り替えたのだろう。
それを見たショボンの母は、フゥとため息をつく。そしてその瞳からは一筋の涙が零れ、痩せこけた頬を伝って落ちていった。
母 「うう……。ショボンにも友達がいたのね……良かった…ひっく……」
- 160: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 21:27:45.73 ID:VvyopmLm0
――ブーン宅
( ^ω^) 「おお、ショボン。手短に話すからな」
( ^ω^) 「あ? なんか文句あるのか? ああ、わかればいいんだよ」
( ^ω^) 「ちょっとハムゲの友達からサークルの作り方を教えて欲しいって言われてさ、俺見栄っ張りだからOKしちゃったんだよ」
( ^ω^) 「でも、ほら。俺初心者じゃん? だからショボン、ハムゲに精通してるお前に教えてほしいんだわ」
( ^ω^) 「いい返事だ。じゃあ早速……、長いから電話じゃ教えられない? メアドを教えろ?」
( ^ω^) 「しゃーない、わかったよ。xxxxxxxx@SMN.ne.jpだ。早く送れ」
プツッ、ツーツーツー
( ^ω^) 「ショボンなんか捨てアドで充分だお」
- 163: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 21:30:23.65 ID:VvyopmLm0
それからブーンは、ショボンから送られてきたメールの内容に従って事を進めていった。
サークルを作り終え、登録申請した頃には、既に夕方になっていた。
( ^ω^) 「これは人が集まる……間違いない!」
- 164: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 21:30:42.93 ID:VvyopmLm0
荒らし討伐同盟〜奴らにメテオを落としてやろう〜
オーナー: セフィ☆ロス
ジャンル: 仲間探し
参加人数: 30人まで
募集要項
○ 荒らしを許さないという正義の心をお持ちのかた
○ ログイン時間・参加頻度は問わない
サークル一言紹介
「私たちは荒らしを許さない」
それを合言葉に一緒に頑張ろう!!
- 166: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 21:32:45.27 ID:VvyopmLm0
突っ込みどころ満載である。ブーン本人としては最高の出来なのだろうが。
しかし、ハムゲームは厨の巣窟。つまりはブーンのような厨が沢山いるのだ。
そしてそれがまさかの事態を引き起こした。
――翌朝
ブーンは学校へ行く前に、ハムメール(ハムゲ内のメール)を確認しようとパソコンをつけた。
そして、そこにはありえない程のハムメールがあった。
- 168: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 21:35:43.34 ID:VvyopmLm0
(;^ω^) 「新着14通……。全部サークル参加申請メールだお」
この出来事が、とうとうブーンを本気で勘違いさせてしまった。
ハムゲを始めたばかりの人に良く起きやすい現象であるが……その後どう転ぶかは人次第である。
そんなこともつゆ知らず、ブーンはパソコンの前で高笑いをあげていた。
( ゜ω゜) 「フハハハハハ、これが力というものか! 美しい! 素晴らしい!」
J( 'ー`)し 「……」
( ゜ω゜) 「フハハ……ハハ、……」
- 171: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 21:37:11.26 ID:VvyopmLm0
J( 'ー`)し 「……ブーン」
(;^ω^) 「は、はひ! なななんでしょう?」
J( 'ー`)し 「学校で嫌なことがあったら言いなさい。それとも今日学校行くのやめる?」
(;^ω^) 「……いやいや! 学校は楽しいお! それじゃあいってきま〜す!!」
ブーンは通学バッグを持って、急いで家を飛び出した。
家にいるのはブーンの母一人。
J( ;─;)し 「今夜はブーンの好きなハンバーグにしてあげるからね。カーチャン、気づいてあげられなくてごめんね」
- 175 名前: >>172電池大丈夫っすか ◆bAt3E3sVXo 投稿日: 2007/08/11(土) 21:39:15.68 ID:VvyopmLm0
- 厨二病の子供を持つ親は大変である。
しかし、母親の勘(?)とは恐ろしいもので、この日学校でブーンに悲劇が起こるのであった。
- 178: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 21:39:51.62 ID:VvyopmLm0
第七話
その日学校に着くと、すぐにドクオがブーンの側に近づいてきた。
('A`) 「よお、ブーン」
( ^ω^) 「おいすー」
('A`) 「サークル作れたか?」
( ^ω^) 「もちろん、いや、あ、全然興味ないお」
- 184: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 21:42:05.54 ID:VvyopmLm0
('A`) 「ふーん……まあいいけど。言っとくがあまり変なことはしないほうがいいぞ」
(;^ω^) 「も、もちろんだお」
そしてドクオは自分の席へと向かっていった。
そしてドクオと入れ替わりに、ある人物がブーンのほうへ向かってくる。
(´・ω・`) 「ヘイ! ヨー! ディスイズアペン!? ノ〜、ヒーイズマイフレンド、ブーン!」
( ^ω^) 「……」
- 189: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 21:43:57.05 ID:VvyopmLm0
そう、ショボンこと白の魔法使いである。
メアドを教えてくれただけで、友達だと思ってしまった。ショボンはまさにぼっちの典型だった。
そして彼のスーパーハイテンション状態、いや、バーサク状態は誰も止めることができない。
(*´・ω・`) 「♪ キミとボクは友達なんだ(フ・フ・フレンド)そしてメアドも知ってる仲なんだ(メ・メ・メル友)」
( ^ω^) 「……」
(*´・ω・`) 「♪だ・か・ら手をつなGO! 心をつなGO! 一緒に歌おう、リピートアフターミー!」
( ^ω^) 「……」
(*´・ω・`) 「僕と君はマブダチさ(囁き口調で)」
( ^ω^) 「……は?」
- 195: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 21:46:06.96 ID:VvyopmLm0
ナリタドウムを思わせるラップを披露したショボン。
あたりは軽くざわついている。そしてショボンが次に起こした行動が、クラス中を騒然とさせた。
ショボンは黒板の前に立ち、教卓を思い切り叩く。
バン、と重い音が響き、クラス中がショボンに注目する。
(´・ω・`) 「はい、みんな注目〜」
- 200: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 21:47:28.91 ID:VvyopmLm0
('A`;) 「どうした、とうとう気が狂(ry」
(´・ω・`) 「ミスタードクオ! シャラップ! 僕はこれよりある宣言をいたす!」
(,,゚Д゚) 「ギコハハハ。白の魔法使いがご乱心か」
(´・ω・`) 「フッ、白の魔法使いね。ついこの間までは鬱陶しかったあだ名が、今では愛おしくてたまらないよ」
('、`*川 「……キモッ」
- 204: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 21:49:16.46 ID:VvyopmLm0
(´・ω・`) 「黙れ! 僕はもう理不尽な罵倒という凶弾の前には倒れないぞ!」
<丶`∀´> 「いいから早く宣言とやらをするニダ!」
(´・ω・`) 「いいだろう。いいか良く聞け、愚民ども……」
(´・ω・`) 「今日からこのクラスは、白の魔法使いが支配する!!」
ΩΩΩΩΩ<ま〜た始まった
- 210: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 21:51:19.13 ID:VvyopmLm0
ショボンのクラス支配宣言は、これでもう六度目だった。
クラス中はいつものことに呆れ返り、各々のしていた事に集中しようと向きを変えた。
しかし、今日のショボンはこんなことでは止まらない。
(´・ω・`) 「ここまでは想定の範囲内さ。しかし、今日はもう一つ言うべきことがある」
(´・ω・`) 「実はこのクラスには、僕の協力者を潜ませているんだ!!」
再びショボンに注目が集まる。
一体誰が、ショボンの的にされたのか。クラスのみんなはそれを期待しているのである。
再びクラスの注目を浴びたショボンは、満足そうに頷く。
- 214: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 21:53:09.19 ID:VvyopmLm0
(´・ω・`) 「そいつの通称は、黒の魔法使い。僕とは対称な存在さ。しかし、お互いの弱点を補えば! 僕たちは最強!」
<丶`∀´> 「で、そいつは誰ニダ!? 画面から出てこないとかいうオチは無しニダ!」
(´・ω・`) 「はっはっ、彼は実在するよ。そろそろ発表しようか。そう、彼の名は……」
(´・ω・`) 「そこにいるブーン様さ!」
(;^ω^) 「は?」
ΩΩΩΩΩ<ま〜た始まっ……
ΩΩΩΩΩ<な、なんだってー!!!
- 218: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 21:55:43.44 ID:VvyopmLm0
この発言には、クラス中が騒然となった。
クラスではあまり存在感が無いが、嫌われてもいないブーン。
そのブーンがまさか黒の魔法使いだったなんて。
ヒソ……白い……ヒソ……魔法使い……と黒い……魔法使い……キモッ……
(;^ω^) 「これはまずいお、どうにかしないと」
ブーンは勘違いされてはたまらん、とみんなに向かって叫ぶ。
- 224: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 21:57:51.58 ID:VvyopmLm0
( ^ω^) 「みんな!! 僕とこいつが友達だっていう証拠がないお!!」
ヒソ……確かに……ヒソ……ショボンって妄想癖が……
(´・ω・`) 「フハハハ! 僕はブーンのメアドを知っている! それにハムゲでも遊んだ!」
ヒソ……それは……ヒソ……ちょっとアウト……
(´・ω・`) 「それにブーンのハムゲIDは、《セフィ☆ロス》だ! まさに黒の魔法使いじゃないか!!」
- 228: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/11(土) 21:59:59.73 ID:VvyopmLm0
この一言で、クラス中は完全にショボン側へ傾いた。
みんなブーンを白い目でみている。そして体は確実に避けている。
しかし、一人だけブーンへと近づいてくる人がいた。
(*゚ー゚) 「ブーン君、友達なの?」
クラス委員長のしぃである。
彼女は明るい性格で、みんなから好かれている。
- 235: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 22:02:02.74 ID:VvyopmLm0
( ;ω;) (しぃさん……やっぱいい子だお)
ブーンはこの状況で、あるシーンがフラッシュバックしてきた。
ハムゲのチャットで、阿倍と名乗る男が乱入してきたときのこと。
阿倍という男が、変ないいがかりをつけて、おーちゃんとブーンの仲を悪くさせようとした。
そしてその時のおーちゃんの一言、「セフィさん知り合い?」
ブーンは一人で勝手に、その考えを肯定してしまった。
( ^ω^) 「しぃさん、君はもしかして《ΨおーちゃんΨ 》かお?」
- 237: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 22:03:09.06 ID:VvyopmLm0
(*゚ー゚) 「は?」
( ^ω^) 「絶対そうだお! ほら、僕はセフィだお!!」
(*゚ー゚) 「なに言ってるの? 私は知らないわ」
( ゜ω゜) 「嘘つくなお!!!」
- 252: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 22:06:38.84 ID:VvyopmLm0
(*;−;) 「エグッ、わけのわからないこと言わないで……」
( ^ω^) 「あ……」
ブーンはやってはいけないことをしてしまった。
それは、人気のある女子を泣かすこと。
これは女子はもちろん、男子まで敵に回してしまう。
そして、まず一番最初に襲ってくるのは……女子からの集中砲火。
- 257: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 22:09:22.89 ID:VvyopmLm0
ξ゚听)ξ 「内藤、サイッテー!!」
从'ー'从 「しぃちゃん大丈夫?すぐに内藤懲らしめてあげるからね〜」
(*‘ω‘ *) 「ちんぽっぽ!」
∬ ´_ゝ`) 「女の子を泣かすなんて、無粋ね」
- 258: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 22:10:01.32 ID:VvyopmLm0
- 女子からの容赦ない罵声。
しかし、それはまだまだ続く。
- 261: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 22:12:31.75 ID:VvyopmLm0
从 ゚∀从 「死ね! このオタク!」
('、`*川 「……キモッ」
川д川 「サイテーね、おーちゃんは私なのに」
ブ ー ン の H P は も う 1 だ !
- 275: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 22:15:36.36 ID:VvyopmLm0
( ´ω`) 「もうだめぽ……ん?」
ブーンの耳に、ある言葉がリピートされる。
それは女子の罵倒に混じって聞こえた、ある言葉。
川д川 「サイテーね、おーちゃんは私なのに」
川д川 「サイテーね、おーちゃんは私なのに」
川д川 「サイテーね、おーちゃんは私なのに」
( ´ω`) 「そ、そんな……」
- 282: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 22:19:27.42 ID:VvyopmLm0
彼女は貞子。通称、クラスの空気。
いつも一人で、当然部活になんか入っていない。
ΨおーちゃんΨ さん: 私は13歳だよ☆
ΨおーちゃんΨ さん: (/o^)/ °⊥ \(^o\) バレー だよー! セフィさんは?
ΨおーちゃんΨ さん: まじで!? かっこい〜^^@
( ω ) 「……お」
ブ ー ン の 目 の 前 が 真 っ 暗 に な っ た !
- 286: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 22:22:04.54 ID:VvyopmLm0
その日、ブーンはカーチャンに迎えに来てもらって早退した。
そしてその晩、家族会議を経て、ブーンは本当に学校へ行かなくなってしまった。
ブーンは引きこもりとなってしまった。そしてそれをきっかけに、ハムゲにドップリと浸かることとなってしまった。
( ゜ω゜) 「……」
- 293: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 22:25:17.55 ID:VvyopmLm0
《CHAT》
セフィ☆ロス さん: では今日の報告をしたまえ
嵐潰し幹部一号 さん: はい、荒らしを三名ほど確認しました。
嵐潰し幹部二号 さん: チャット荒らし、掲示板荒らしなどです。
セフィ☆ロス さん: よかろう。その三名にはハムメールで警告文を送れ。
嵐潰し幹部三号 さん: わかりました。反抗した場合にはいかがなされますか?
セフィ☆ロス さん: ふん、その時は……メテオを落とすまでだ。
阿倍高和 さん: 恐ろしいやつだぜ……俺もそのメテオで惚れちまったんだがな
- 302: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 22:28:22.13 ID:VvyopmLm0
黒い背景、白い仮面、青いローブを纏ったセフィ☆ロスの名は、急速にハムゲ内で広がっていった。
変な信者を連れて、荒し撃退を名目に荒らしをしている、最悪の人物として。
そしてブーンは、それに耐えることが出来なかった。
ハムゲだけがブーンの世界。ここを失ってはブーンのアイデンティティを確立する場は無くなってしまう。
そしてこの時、ブーンは初めてサブIDを作った。
- 304: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 22:31:06.25 ID:VvyopmLm0
そのIDを表の顔とし、セフィ☆ロスを裏の顔とする。
ここからブーンの泥沼ハムゲ生活が始まった。
- 320: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 22:38:47.92 ID:VvyopmLm0
第八話
季節は春で、ブーンは一応進級して中学三年生となっていた。
もちろん毎日ネット三昧である。人のいない朝はセフィ☆ロス、人が集まる夜はもう一つのIDを使いこなして。
( ^ω^) 「今日もみんないるかお〜♪ 挨拶、っと」
- 322: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 22:40:59.98 ID:VvyopmLm0
《CHAT》
☆けろ太★ さん: (。・ω・)ノ゙ こんばんわ!
ヨット大好きおっちゃん さん: よお! けろちゃん!
夏姫 さん: あ、けろちゃん(* ・。・)ノこんばんわぁ♪
ミラー少年15歳 さん: こんばんわーっす^^
ウホッ魔人 さん: よお!
- 326: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 22:43:15.80 ID:VvyopmLm0
ブーンは、☆けろ太★というIDで明るい少年として振舞っていた。
そのお陰かハム友も沢山でき、ハムゲ内で充実した日々を送っていた。
しかし、少しでも嫌なことがあると……
- 328: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 22:45:24.70 ID:VvyopmLm0
《CHAT》
☆けろ太★ さん: ていうかこの間、また彼女がさ〜
ミラー少年15歳 さん: またその話ですか^^; 会話のレパートリー少ないっすねwww
ヨット大好きおっちゃん さん: wwwww
夏姫 さん: あはは^^@
ウホッ魔人 さん: 空気嫁
( ゜ω゜) 「ミラー少年、調子に乗るなお……」
すぐさま行動に移した。
- 331: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 22:47:17.49 ID:VvyopmLm0
セフィ☆ロスの暗黒ブログ
題名:ミラー少年15歳は荒らし 4/12
今日の荒らしはこいつだ。
ミラー少年15歳 。
こいつはひどい暴言と、破廉恥な言葉で周囲に迷惑をかけている。
いわゆる「チャット荒らし」だ。
このIDを見かけたら、関わらないで頂きたい。
参考までに、荒らしリストを載せておこう。
雪ん子
よっちゃん!!
竜神の魂
クラ★ウド
ヒットマン
・
・
・
ミラー少年15歳 NEW!
コメント(18)
- 337: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 22:50:32.61 ID:VvyopmLm0
このようにして、すぐにそのIDを晒しあげする。
コメントは自作自演とセフィ☆ロス信者による、晒されたものの叩き。
こうした晒されたものの三割は、実際にそのIDを捨てることとなっていた。
そんな調子で、ブーンはどんどん時間とお金をハムゲームにつぎ込んでいく。
まんまとハムゲに乗せられた厨房である。
- 338: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 22:50:55.26 ID:VvyopmLm0
表では☆けろ太★として、ドンドン人気を伸ばしていき、裏ではセフィ☆ロスとしてドンドン悪名を広がらせていく。
ブーンは自分がハムゲの神にでもなったかのような錯覚を起こしていた。
( ^ω^) 「ハムゲ、おもすれー」
- 341: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 22:52:39.71 ID:VvyopmLm0
――ある喫茶店
J( 'ー`)し 「ええ、うちの息子も引きこもりになってしまって……」
ショボ母 「うちのショボンも……。今年は受験だというのに」
J( 'ー`)し ショボ母 「はぁ……」
- 344: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 22:53:41.05 ID:VvyopmLm0
――ショボンの部屋
(´゜ω゜`) 「それ、メテオ! メテオ! ミラー少年潰す!!」
(´゜ω゜`) 「セフィロス様! セフィロスさまああああああああ、あ、あ」
ビクビクッ……フキフキ
(´・ω・`) 「ふぅ、さてと、フォルダ消すか」
- 352: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 22:57:27.98 ID:VvyopmLm0
ブーンは表のID☆けろ太★と、裏のIDセフィ☆ロスを使いこなす。
ショボンはメインIDウホッ魔人と、ウホッ用ID阿倍高和を使いこなす。
ブーンはショボンのメインIDは知っているが、サブの阿倍がショボンだと言うことは知らない。
ショボンはセフィ☆ロスがブーンだということは知ってるが、☆けろ太★がブーンであることを知らない。
なんとも複雑な関係だが、なんという偶然、☆けろ太★とウホッ魔人はハムゲ内で周囲公認の親友となっていた。
ブーンはウホッ魔人がショボンであるということは知っていたが、引きこもりという接点のお陰で、決して避けることはしなかった。
二人は、SMNのIDを共有するほどの仲になっていた。
- 355: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 22:59:58.53 ID:VvyopmLm0
ブーンとショボンは共に、この自堕落かつ醜悪な生活を続けていた。
そしてとうとう夏休みを迎える。
そしてこの夏休みに、二人の生活を揺るがすある出来事が起こった。
- 356: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 23:00:19.56 ID:VvyopmLm0
第九話
夏休みには沢山の人間が集まってくる。そして厨がもっとも繁殖する時期であるとも言える。
そしてその厨の頂点である、ショボンとブーンはまさに水を得た魚のようであった。
( ^ω^) 「今日はこいつを晒しage!」
(´・ω・`) 「さて……ギガメテオを落とすか」
しかし、夏休みも中盤にさしかかった頃、一つの不穏な出来事が起こる。
- 359: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 23:01:39.97 ID:VvyopmLm0
それはブーンの表ID、☆けろ太★でブログを公開したときの事であった。
その内容は他愛も無いものであったが、ハムゲでの友達が多いので、コメントが沢山ついていた。
( ^ω^) 「やっぱり僕って人気者だお……ん?」
ブーンは見つけた。
その中に一つだけ、ブーンに対して批判的なコメントがある。
- 360: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 23:02:37.23 ID:VvyopmLm0
○夏姫 さんのコメント:8/14 20:37
楽しそうだね^^@また今度遊ぼう!!
○クッさん! さんのコメント:8/14 20:54
いいね、これぞまさに夏の風物詩
○南無三 さんのコメント:8/14 22:13
☆けろ太★ってさ、絶対ニートだよなwww
今は夏休みだから誤魔化されているけど、4月〜6月くらいまでも、平日の昼間からログインしてたしwww
こいつ……キモいNE☆★
〜ニートより〜
- 368: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 23:04:51.94 ID:VvyopmLm0
( ゜ω゜) 「……いい度胸だお。って、クソ! こいつは晒しあげ出来ないお」
南無三のプロフィールを見ると、白シャツ短パンでなんの戦績もついていなかった。
つまり、つい最近登録したばっかの、誰かの捨てIDであるということだ。
これを晒しあげしても、また違う捨てIDを使われることだろう。
だからこの時は、セフィ☆ロスを使うことはしなかった。
それが不幸中の幸いだったのだが、翌日に再び事件は起こった。
今度は、ブログでの攻撃だった。
- 372: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 23:05:59.12 ID:VvyopmLm0
亀田四男のブログ
題名:☆けろ太★はニートwwwwww 8/15
こいつ絶対ニートwww
4月らへんから、毎日朝からログインwww
☆けろ太★は毎日が日曜日www
夏休みだから堂々ログインwwww
ニートの俺が言うんだから間違いないwwww
サーセンwwwww
コメント(23)
- 375: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 23:08:11.03 ID:VvyopmLm0
(;^ω^) 「くそっ、こいつなんなんだお」
そのブログに書かれたコメントには、ほとんどがブーンのハム友による、ブログ主への批判だった。
しかし、中にはその内容を全面的に認めている輩もいた。
( ^ω^) 「これはまじぃお……」
- 381: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 23:09:50.52 ID:VvyopmLm0
ブーンとてハムゲを純粋に楽しみたい部分はある。
そしたら表の顔を持つ☆けろ太★が絶対的に必要であった。
(;^ω^) 「僕が約半年をかけて集めた、200人のハム友、1500の人気度、ここで終わらせるわけにはいかないお……!」
(;^ω^) 「ここは……とりあえずコメントに理由をつけとくお。バカどもは、これで信用するはずだおwwww」
ブーンは無い頭を精一杯捻って、言い訳を考える。
そして「これしかないお!」と叫ぶと、ブーンは急いでブログにコメントをつけた。
- 385: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 23:10:49.77 ID:VvyopmLm0
○夏姫 さんのコメント:8/15 18:33
けろちゃんはあなたが思っているようなニートでは無いです。
このような誹謗中傷は、辞めてください。
○十三仮面工房 さんのコメント:8/15 19:44
確かに、彼はいつもログインしてますね^^;
一度自分が一週間ほど入院したときに、暇でハムゲを巡回していた時は、常に彼はいましたし^^;
○☆けろ太★ さんのコメント:8/15 20:44
あらら、なんか色々と誤解を招いてしまったようですね^^;
実は、僕はあまり名の知られていない小説家なんです。
暇も多くて、よくハムゲに息抜きに来たりしています。
だから決してニートではありませんよ^^@それにある作品が今度新人賞候補にあがっていますし。
この事は一部のハム友にしか教えてないので、誤解を招いてしまったようですね^^@
それでは失礼します。
- 392: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 23:13:19.88 ID:VvyopmLm0
( ^ω^) 「完璧だお……」
ブーンは満足げに、自分のコメントを眺める。
( ^ω^) 「これでみんなは騙されるはず……ん?」
ブーンが画面を下にスクロールすると、ブーンと同時刻にコメントがつけてあった。
そして、その内容は……
- 394: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 23:13:39.68 ID:VvyopmLm0
○☆けろ太★ さんのコメント:8/15 20:44
あらら、なんか色々と誤解を招いてしまったようですね^^;
実は、僕はあまり名の知られていない小説家なんです。
暇も多くて、よくハムゲに息抜きに来たりしています。
だから決してニートではありませんよ^^@それにある作品が今度新人賞候補にあがっていますし。
この事は一部のハム友にしか教えてないので、誤解を招いてしまったようですね^^@
それでは失礼します。
○ウホッ魔人 さんのコメント:8/15 20:44
このブログ主はなんも知らないんだな〜^^;
けろ太さんの職場は、一人最低二台のパソコンを確保されているんだ(σ・∇・)σYO
だから、片方のパソコン(プライベート用)でログインして、ずーっと放置しているわけ(。・ω・)。_ _)
彼はとてもエリートのIT関連に勤めているんだよ^^@
まあ、これはごく一部の彼のハム友にしか話されていないことだけどね(▼∀▼)
けろっぴに代わって代弁したから、みんな理解しろよ〜★
わかったら、さっさとブログ消すんだな!
( ^ω^) 「……」
(^ω^)
- 405: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 23:16:12.60 ID:VvyopmLm0
――ショボン宅
(*´・ω・`) 「くくく……これで、僕の評価もアップだ。臨機応変のきく、最高の親友だってね。……ん?」
(;´・ω・`) 「あ……」
(´゜ω゜`) 「アーッ!!」
見事に矛盾した二人の弁解。
唯一、一致しているのは「一部のハム友にしか教えていない」という所だけ。
- 408: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 23:18:01.16 ID:VvyopmLm0
さらに、☆けろ太★とウホッ魔人はハムゲ内でも最高の仲と知られていた。
普通の人がこれらの事を考慮すれば……答えは明瞭である。
その後のコメントは凄まじい勢いでついっていった。
- 411: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 23:19:12.24 ID:VvyopmLm0
○うどんの山 さんのコメント:8/15 20:47
↑二つ……
○蓬☆姫 さんのコメント:8/15 20:48
なんかおかしいですね^^;
○南無三 さんのコメント:8/15 20:49
はい、これで本性でましたwww
ウホ魔人の必死の盾が、けろ太のとどめを刺すまさに矛となってwww
これぞまさに矛盾www
あ、もうキャプ画とったからコメント消しても意味ないよ^^;
○ 夏姫 さんのコメント:8/15 20:51
すいません^^; ハム友解除するね〜^^;;
- 415: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 23:22:12.04 ID:VvyopmLm0
( ^ω^) 「\(^0^)/オワタ」
(´・ω・`) 「/(^0^)\フッジサーン」
- 417: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 23:22:35.76 ID:VvyopmLm0
ブーンとショボンはその後、色んなところで弁明したが結局信頼を得ることはできなかった。
ブーンの表ID、☆けろ太★からは沢山のハム友が去っていき、毎日例のキャプチャー画像が貼られたブログも乱立した。
ハムゲにしか居場所の無かったブーンは、とうとうハムゲ内でも肩身を狭くして過ごすことになってしまった。
そしてブーンの精神は――それに耐えることはできなかった。
( ゜ω゜) 「こいつら全員潰してやるお……。久々のセフィロスでメテオを落としてやるお」
- 421: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 23:24:48.49 ID:VvyopmLm0
その日、ブーンは数時間パソコンに向かっていた。
それはセフィ☆ロスで、ブーンを批判したみんなを潰すため。
そして、ブーンはかつないほど最低最悪な、メテオブログを作り上げた。
- 427: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 23:27:27.71 ID:VvyopmLm0
セフィ☆ロスの暗黒ブログ
題名:ハムゲは混沌の世界へと堕ちていくだろう。
ここしばらく自粛していた私だが、久しぶりに私の出番が来たようだ。
ここ最近のハムゲには、自分の存在理由を認識せず、他人を叩く外道が多すぎる。
そんなお前たちには、私の暗黒法を教授してやろう。
其の一、私には逆らわない
其の二、善良な人間を虚言で叩かない
其の三、以降晒しブログは禁止とする
たった三つだけだ。これに反したものは私のメテオを食らわしてやろう。
いっておくが、私のは晒しブログでは無い。必要悪だ。
以下、醜悪なIDを連ねた荒らし一覧表とする。
- 429: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 23:29:52.55 ID:VvyopmLm0
その荒らし一覧には、今までブーンを馬鹿にしたIDが全て載っていた。
そしてこの元凶となるショボンのID、ウホッ魔人は大体的に晒した。
このメテオブログには沢山の人からの批判がついた。
もちろんショボンとて例外では無い。
- 434: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 23:32:15.58 ID:VvyopmLm0
(;´・ω・`) 「ブーンのやろう! 俺のIDまで晒しやがって!!!」
このブログは、ハムゲ内で数々の論争をまき起こした。
ブーンの予言どおり、混沌の世界へとなってしまっていた。
しかし、ある時にその騒ぎを更に大きくするブログが投稿された。
- 442: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 23:34:53.44 ID:VvyopmLm0
ミラー少年15歳のブログ
題名:この騒ぎについて気づいたことがあるんだ
みんな最近、この騒ぎにまきこまれて周りが見えなくなっていると思う。
四ヶ月ぶりにハムゲをやった人としての、率直な感想だ。
そもそもなんで僕が長期にわたって、ログインしなかったか?
それは今回の騒ぎの元凶である、セフィ☆ロスに晒されたからだ。
そして俺はセフィ☆ロスの荒らし一覧表と、今までの流れのまとめを見て気づいた。
セフィ☆ロスが晒しているほとんどのIDが、☆けろ太★を吊るしあげたIDなんだ。
言いたいことはわかると思う。
俺自身、☆けろ太★の機嫌を損ねる行為をしてしまったことがある。
セフィ☆ロスに晒されたのは、その直後のことだ。
それじゃあみんなもう一度考え直してほしい。
- 449: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 23:37:17.05 ID:VvyopmLm0
これこそが真実であった。
不条理に晒されたものが、辿り着いた唯一の真実。
これにはほとんどのハムゲユーザーが賛同した。
- 453 名前: >>450お帰り ◆bAt3E3sVXo 投稿日: 2007/08/11(土) 23:38:23.61 ID:VvyopmLm0
(;^ω^) 「あうあう……こればっかりは反論しなくては」
焦るブーン。彼は急がば回れ、という諺を知らないのだろうか。
焦りはミスを生む――ブーンはとうとうやらかしてしまった。
- 462: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 23:41:48.65 ID:VvyopmLm0
- ○夏姫 さんのコメント:8/25 17:22
なんか最低な人ですね
○南無三 さんのコメント:8/25 17:55
厨房発狂www
○ ☆けろ太★ さんのコメント: 8/25 18:22
ふむ、我輩を☆けろ太★のような弱輩と同一人物とするか。
笑止千万。くだらない。
私の名は、セフィ☆ロス。暗黒の帝王だ。
下らない虚言を抜かすなら、貴様には再びメテオを落としてやろう。
○ 南無三 さんのコメント: 8/25 18:26
はいwwwキャプGETwwww
焦って、IDを変えずにコメントしちゃったんだNE☆
○ ☆けろ太★ さんのコメント: 8/25 18:26
セフィ☆ロスならこう言うんじゃないでしょうか。
と思いました。決して同一人物ではありません。
- 476: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 23:46:04.88 ID:VvyopmLm0
( ^ω^) 「……もう死ぬしかないかもわからんね」
――ショボンの部屋
(♯´・ω・`) 「なに!! けろ太もブーンだったのか!! あの野郎、許さん!!!」
(´・ω・`) 「しかし、どうすれば……そうだ!」
- 484: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 23:48:23.08 ID:VvyopmLm0
ショボンはSMNのサイトへとアクセスする。
そして、確認するのは☆けろ太★と共有していたSMNIDの――パスワード。
(´・ω・`) 「あいつは単純だから……もしかしたら」
ショボンはそのままハムゲへアクセスする。
まず、IDのところにセフィ☆ロスと打ち込み、例のパスワードを打ち込む。
画面に出てきたのは――ログイン完了の文字。
- 490: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 23:51:00.39 ID:VvyopmLm0
そして、ショボンはすぐさまログアウトする。
次に試すのは――☆けろ太★のIDだ。
さっきと同じ手順で事を進めていく。そして、結果は――
(´・ω・`) 「……ビンゴ!」
- 496: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 23:53:16.07 ID:VvyopmLm0
(*´・ω・`) 「フハハハハ! 僕はスーパーハカーだ!」
(´・ω・`) 「さぁ、今すぐIDを消して……いや、待てよ。もっといい方法があるはずだ……」
次の日、ショボンが起こした最後の祭りをもって――この一連の出来事は終焉を迎えることとなった。
- 508: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 23:56:52.84 ID:VvyopmLm0
第十話
ショボンが思いついたのは、手に入れたIDを悪用することだった。
主になにをするかというと――ブログを書くこと。
- 516: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 23:59:30.42 ID:VvyopmLm0
ショボンは一生懸命になって書きまくった。
キーボードは垢で黒ずんでしまうほどだった。ショボンはそれほど憎かったのだろうか。
そして――それを投稿した。
- 521: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/12(日) 00:02:00.03 ID:XtnWE7VA0
☆けろ太★のブログ
どうも、今回は大騒ぎしてすいません。
心の底から、ケツの穴から精神誠意謝りたいと思います。
その証として、ここに僕の全てを曝け出したいと思います。
本名:内藤ホライゾン あだ名はブーン
VIP中学に通う三年生(現在は登校拒否中)
住所:東京都VIP区3−33−33
電話番号:△△△…
最後に一言謝ります。
おちんちんびろ〜ん!!!全員死ね!!!
(*´・ω・`) 「あははははは、ブーンはこれでおしまいさ! あははははは!」
- 541: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/12(日) 00:05:41.30 ID:XtnWE7VA0
あはははははは!
あはははは……
あはは…
あ・・は・・・
……
- 550: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/12(日) 00:08:13.90 ID:XtnWE7VA0
エピローグ
月日は流れる。たとえどんなことがあろうとも。
東京の、ある喫茶店に対照的な体型の、二人の男が座っていた。
- 560: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/12(日) 00:12:02.83 ID:XtnWE7VA0
('A`) 「お前は就職したのか……」
( ^ω^) 「そうだお。小さな工場だお。低賃金だけど、それなりに充実してるお」
('A`) 「そうか。それにしても二年ぶりか」
( ^ω^) 「そうだお。もう二年経つんだお……」
- 568: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/12(日) 00:14:52.37 ID:XtnWE7VA0
ブーンはそっと目を閉じ、過去を思い出す。
楽しかった小学校時代を経て、期待を胸に進学した中学校。
そこで友・ドクオと出会い、ハムゲームを知り……
('A`) 「どうした?」
ドクオが怪訝そうに、ブーンの顔を覗いている。
そしてブーンはゆっくりと窓の外の景色を眺めた。
- 576: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/12(日) 00:17:36.32 ID:XtnWE7VA0
( ^ω^) 「なんでもないお。過去の黒歴史を思い出しただけだおwww」
('A`) 「過去は過去さ」
( ^ω^) 「そうだお。さて、そろそろお迎えに行くかお」
ブーンは時計を確認して、席を立つ。つられてドクオも立ち上がった。
会計で少し揉めたが、初任給が出たから、とブーンが全額負担した。
- 580: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/12(日) 00:20:25.13 ID:XtnWE7VA0
二人が外に出ると、雲ひとつない青空が広がっていた。
今日はなにかいいことがありそうだ、そう思わせる天気である。
二人は目的地へ向かいながら、会話に花を咲かせた。
('A`) 「それにしても、一昨年の夏は大変だったな」
( ^ω^) 「おっおっ。過去は過去じゃないのかお?」
- 584: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/12(日) 00:23:03.14 ID:XtnWE7VA0
('A`) 「そーだったなwww すまんwww あいつは……バカだったな」
( ^ω^) 「いいんだお、過ちは誰にでもあるお」
( ^ω^) (それにしてもドクオは偉いお……。あのハムゲ騒ぎもスルーできる技術を持っていて)
- 585: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/12(日) 00:24:44.70 ID:XtnWE7VA0
友達とはすばらしいものだ。こうやって過去のことも水に流せる。
ドクオとはこれからも友達でいよう、ブーンはそう心に誓った。
あ、もちろんショボンも。
('A`) 「おっ! 着いたぞ」
二人の目の前にあるのは、少年院だった。
二人は全く臆することなく、中へ進んでいき、受付にいく。
受付のおじさん達が、こちらに気づいたので話しかける。
- 596: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/12(日) 00:26:50.47 ID:XtnWE7VA0
( ^ω^) 「すいません、今日出所する人のお迎えできたんですけど」
( ´_ゝ`) 「ふーん、どんなやつ?」
('A`) 「えーと、二年前に個人情報保護法かなんかに触れた、当時中学生だったやつです」
- 607: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/12(日) 00:30:30.29 ID:XtnWE7VA0
(´<_` ) 「あー、あいつか。もうちょっとで来ると思うよ。一応、君達の名前を控えておくから言ってくれる?」
( ^ω^) 「あ、内藤ホライゾンですお。あだ名はブーンだお」
('A`) 「鬱田ドクオです。えーとあだ名は……」
( ^ω^) (そういやこいつあだ名ねぇwwww)
- 617: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/12(日) 00:32:55.87 ID:XtnWE7VA0
その時、ドクオの口元がニヤリとしたのをブーンは見た。
ブーンの心とは裏腹に、ドクオがゆっくりと口を開いた。
あだ名は―― ミ ラ ー 少 年 1 5 歳
END
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