( ^ω^)ブーンがハ○ゲームをはじめるようです
- 41: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 19:22:24.07 ID:VvyopmLm0
第三話
翌日、ブーンとドクオは休み時間にハムゲームの話で盛り上がっていた。
( ^ω^) 「……ハム(食いてぇ)」
('A`) 「……(王様)ゲームでパラダイスしてぇ」
すると二人に近づく人影が――
- 42: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 19:24:44.05 ID:VvyopmLm0
(´・ω・`) 「ちょ、ちょ、ちょ、ちょーーい!!11!!」
( ^ω^) 「お?」
('A`) 「ショボンじゃねぇか……。どうした?」
ドクオの言ったとおり彼の名はショボン。
クラスで一番パソコンに精通してるという噂の男だ。
パソコン=オタク、というイメージがこの中学では浸透しているので、ショボンはいつも大体一人でいることが多かった。
いや、それ自体は大した理由じゃない。彼が避けられてるその理由は――
- 43: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 19:26:28.26 ID:VvyopmLm0
(´・ω・`) 「き・み・た・ち、しろみ! 今、今今ジャストナウ! ハムゲームの話をしていらっしゃいましたNE?」
('A`;) 「え? あ、ああ……」
(;^ω^) 「池沼乙」
その意味不明なテンションの高さだった。
今日もそのテンションは変わらず、うざい。本人は自分が嫌われていることに気づいていないのだから、尚更厄介だ。
- 46: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 19:28:30.25 ID:VvyopmLm0
(´・ω・`) 「おお……まさかリアルでハムゲーム仲間、いや、ファミリーを見つけられるとは」
('A`;) 「は? 家族?」
( ^ω^) 「急に尿意を催してしまいました。私はトイレへ行ってきたいと思います」
('A`;) (ブーン逃げる気か、ずるいぞ……)
- 48: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 19:30:05.81 ID:VvyopmLm0
(´・ω・`) 「おおっと! 僕もちょうどW・Cへ行きたいところだったんだ! 一緒に体を並べながら語り合おうじゃないか!」
( ^ω^) 「おや? 便意も催してきました。個室へ入ってあらゆるものとの関わりを絶とうと思います」
(´・ω・`) 「んー……、SO−DA! 僕も隣の個室で白い汗を流そう! そしてベルリンという壁を挟んで語り合おうじゃないか!」
( ^ω^) 「ああ、残念です。もう既にこの場で全てを出し切ってしまいました。なので、あなたと語り合うことはできません」
(´・ω・`) 「なんという偶然……。僕も今興奮しすぎて出してしまったよ。ああ、これはもう語り合うしかないな」
- 51: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 19:32:19.43 ID:VvyopmLm0
( ^ω^) 「実際出すわけありません。やはり語り合うことはできないようです」
('A`) (そりゃ本当に出したらやばいだろ……ん?)
(´・ω・`) 「……」
(*´・ω・`) 「てへ」
( ^ω^) ('A`) 「……」
その日、教室では異臭騒ぎが起きた。
その日からショボンは「白の魔法使い」と呼ばれるようになったとさ。
- 52: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 19:34:38.80 ID:VvyopmLm0
――放課後・教室
( ^ω^) 「結局、今日ハムゲームでショボンと遊ぶことになってしまったお……」
('A`) 「まあ、ああなったのは俺らのせいだしな。罪滅ぼしってやつだ」
( ^ω^) 「しゃーないお。適当に遊んでさっさと落ちるお。ばいぶー」
('A`) 「じゃあな」
ブーンはダッシュで家へと帰った。
なんだかんだいってブーンはハムゲームを出来ることが楽しみで仕方が無かったのだろう。
しかしこの時から、ブーンの歯車は段々と狂い始めることとなる。
- 53: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 19:36:31.05 ID:VvyopmLm0
――そして夜
自室でパソコンに向かい合うブーン。
今日は先に一人でオセロをしていて、とうとう初勝利をすることができた。
( ^ω^) 「やべー、やっぱ僕天才だお……」
パソコンに向かって独り言。これはもう既に末期(ry
- 54: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 19:38:36.55 ID:VvyopmLm0
試合にも一区切りついたので、ブーンは一旦オセロロビーに戻ることにした。
するとまた試合の申し込みが来た。例の「ヒットマン」である。
( ^ω^) 「ふひひ、ドクオかお。OK、っと」
OKボタンをクリックすると、一瞬で対局部屋に移動する。
そこには前回と変わらず白シャツ、短パンのヒットマンがいた。
- 56: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 19:40:41.09 ID:VvyopmLm0
《CHAT》
ヒットマン さん: よお
セフィ☆ロス さん: おいすー
ヒットマン さん: お、勝ち星が一つついてるじゃないか
セフィ☆ロス さん: ドクオ、良く気づいた。僕はやればできる子。
ヒットマン さん: 負けは14だけどなwwwww
セフィ☆ロス さん: うるせー。
「ロビー」より、ウホッ魔人 さんが入室しました。
- 57: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 19:42:26.30 ID:VvyopmLm0
( ^ω^) 「お……?ウホッ魔人? 初めて見るIDだお」
ブーンは、IDをクリックしてみる。
するとプログラムが作動して、そのIDの簡易プロフィールが開かれた。
ウホッ魔人の姿は、ブーン達とは大分違っていた。
頭に巻きつけたターバン。魔法使いを連想させるローブ。そして、暗闇の背景。
( ^ω^) 「なんで僕達と違うんだお……?」
ブーンは今まで、白シャツと短パンの姿しか見たことが無かった。
ブーンが頭を捻っていると、チャットに動きが出てきた。
- 59: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 19:44:26.28 ID:VvyopmLm0
《CHAT》
ヒットマン さん: よお、ショボン
ウホッ魔人 さん: やあやあ、待たせたね諸君( ̄^ ̄)
( ^ω^) 「こいつショボンかお……」
魔人の正体にいささかガッカリしながらも、ブーンもチャットに参加する。
- 61: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 19:46:27.45 ID:VvyopmLm0
《CHAT》
セフィ☆ロス さん: 待ってないけどね
ヒットマン さん: ちょwww ショボン涙目wwww
ウホッ魔人 さん: 別に。悔しくないけどね。
セフィ☆ロス さん: 顔文字無くなったな
ヒットマン さん: ちょwww ショボンマジで涙目フラグwwwwwwww
- 64: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 19:48:20.58 ID:VvyopmLm0
――ショボンの部屋
(♯´;ω;`) 「くそ! くそ! 馬鹿にしやがって! こいつらにだってウィークポイントはあるはずだ!」
(♯´;ω;`) 「ん……? そうだ!!」
ショボンはもの凄い速さでキーボードを叩いていった。
- 66: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 19:51:31.34 ID:VvyopmLm0
《CHAT》
ウホッ魔人 さん: てゆーか君たちさぁ≧(´▽`)≦ ハムアイテムも持ってないわけ?(;^_^A
セフィ☆ロス さん: ハムアイテム?
ヒットマン さん: ショボンのキャラクターだけ格好が違うだろ? あれらをハムアイテムって言うんだ。
ウホッ魔人 さん: そーそー(◎_◎) 服とか、背景とか、アクセとかね(´ー+`)キラッ
セフィ☆ロス さん: へー。それお金かかるの?
ウホッ魔人 さん: もちのロン!!(o-ω-)o囿囿囿圄圄圄圉圉圉圀圀囮囮 圈 白服短パンは貧乏人の象徴(笑)
- 67: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 19:53:31.94 ID:VvyopmLm0
(´・ω・`) 「ククク……。奴ら悔しがってんだろーな」
(´・ω・`) 「ふふふ……はーはっは!!!」
――ブーンの部屋
(♯^ω^) ビキビキ 「ショボンまじでうぜえええええ! リアルでもネットでもうぜえええ!」
高笑いするショボンと、うなり声をあげるブーン。
そんな二人が見つめている画面に、新たな動きがでる。
- 68: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 19:54:49.57 ID:VvyopmLm0
《CHAT》
ヒットマン さん: でも正直な話、ネットにリアルのお金を継ぎこむのは痛いけどなwww
(´・ω・`) 「……」
(´゜ω゜`) 「くぁwせdrtgふじこlp;:」
(♯^ω^) 「……」
( ^ω^) 「プッ」
- 69: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 19:57:23.07 ID:VvyopmLm0
《CHAT》
セフィ☆ロス さん: 確かに痛い
ヒットマン さん: wwwwwwwwwwwww
ウホッ魔人 さん: 死ね! お前ら死ね!
ウホッ魔人 さんが退出しました。
セフィ☆ロス さん: 逃げた
ヒットマン さん: バロスwwwwwwww
- 70: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/08/11(土) 19:58:29.68 ID:VvyopmLm0
結局その後、ブーンはいつも通りドクオとオセロをした。
今日も勝てずじまいだったが。
ショボンを馬鹿にしていたブーンだったが、頭の中にはある考えがよぎっていた。
( ^ω^) (僕も綺麗に着飾ってみたいお……。目立ちたいお)
そう考えることが、ネット廃人への第一歩である。
もちろんブーンはこの時、自分がそんなことになるなんて想像もしなかっただろう。
しかし、確実に――ブーンはハムゲームに侵食されてきている。
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