(´・ω・`) ショボンは風の料理人のようです

34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/14(火) 20:36:45.17 ID:zBBNL6LBO
三話
眠れぬ夜は君のせい



35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/14(火) 20:38:00.01 ID:zBBNL6LBO


それにしても、ウチの子供と旦那は中華が好きだ。
私は今、二人のリクエストで麻婆茄子を作っている。

(*゚ー゚) 「ニンニク、ショウガ…」

(*゚ー゚) 「豆板醤と甜麺醤…」

(*゚ー゚) 「挽き肉と茄子を炒めて…」

(*゚ー゚) 「片栗粉…」

(*゚ー゚) 「完成!」



37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/14(火) 20:40:18.34 ID:zBBNL6LBO
しかしだ。

(;゚ー゚) 「なんか辛すぎるし色が汚いなぁ」

子供にはかわいそうなぐらい辛く、茄子はドス黒くて汚い。
これでは専業主婦である私のプライドが許さない。

(;゚ー゚) 「でも、どうしたらいいのかしら?」

(´・ω・`) 「茄子が油と相性がいいのは知ってるか?」

突然、背後から現れた男。私の心臓は、危うく停まりかけた。



38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/14(火) 20:41:37.57 ID:zBBNL6LBO
(;゚ー゚) 「だれ!?」

(´・ω・`) 「質問に答えろ。
茄子が油と相性がいいのは知ってるか?」

有無を言わさず、男は私に迫ってくる。仕方なく私は質問に答えた。

(;゚ー゚) 「知ってます」

(´・ω・`) 「ならばなぜ茄子を揚げない?」

(;゚ー゚) 「それは…」

(´・ω・`) 「面倒臭いからだろ?」



39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/14(火) 20:43:48.76 ID:zBBNL6LBO
見透かされていた。私は羞恥心に耐え、「はい」と答えた。
すると、男は頬をゆるめる。意外だった。

(´・ω・`) 「わかってて聞いたんだ。
家庭のキッチンで揚げるのは、正直骨が折れるからな」

男の言う通り、家庭のキッチンで揚げ調理すると、油はねや後始末が大変なのだ。

(´・ω・`) 「しかし、油通しすることで出来上がりの茄子の色は間違いなく映える」

ならばどうしろと言うのだろうか。
私は首をひねった。



40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/14(火) 20:45:14.97 ID:zBBNL6LBO
(´・ω・`) 「色良く仕上げたいのなら、油通しならぬ、『油湯通し』をしろ」

油湯通し。それはいったい。

(´・ω・`) 「鍋に湯を沸かせ」

私は男に従う。

(´・ω・`) 「沸騰してる湯に、油をサジで二杯程度入れろ」

すると不思議なことに、お湯単体の時よりも激しく沸騰し始めた。

(´・ω・`) 「お湯の沸点を上げたんだ。
さぁ、茄子を入れろ」



42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/14(火) 20:47:05.60 ID:zBBNL6LBO
信じられないことが私の目の前で起きた。

(*゚ー゚) 「きれい…」

茄子は色鮮やかにゆだっていた。

(´・ω・`) 「茹で過ぎは禁物だ。
茄子を上げろ」

(*゚ー゚) 「はい」

(´・ω・`) 「後は簡単だ。『COOKDO』の麻婆茄子のモトを用意しろ」



45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/14(火) 20:50:23.49 ID:zBBNL6LBO
ここまで来て、この男は何を言っているのだろうか。
私は耳を疑った。

(´・ω・`) 「タレは手作りじゃないのか?そう言いたそうだな」

(;゚ー゚) 「えぇ」

(´・ω・`) 「中華の味付けの基本を知ってるか」

私は首を横に振った。知る由もないことだ。



46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/14(火) 20:53:35.25 ID:zBBNL6LBO
(´・ω・`) 「『万人受け』だ」

(´・ω・`) 「だからこそ、中華は子供から大人まで幅広く支持を受ける」

(´・ω・`) 「企業は中華に関しては、常に『万人受け』を意識している」

(´・ω・`) 「『確実に美味い料理』と、合わせ調味料を作るといった『煩わしい手間の除去』。
この二つの希望を同時に叶えてくれる『COOKDO』は、家庭料理では最高の武器になる」



47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/14(火) 20:55:27.43 ID:zBBNL6LBO
いとも簡単に、私の世界は崩壊した。
私の世界を壊した男。私はこの男を深く知りたくなった。

(*゚ー゚) 「あなた、名前は?」

(´・ω・`) 「風の料理人、ショボンだ」

男は静かに消えていった。
私の股間は濡れていた。



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