(´・ω・`) ショボンは風邪の料理人のようです〜FINAL〜

51: たろお ◆agZBhzWYDw :2007/08/23(木) 19:23:40.96 ID:1HdRkG7DO

3話

完全な、はじまり



52: たろお ◆agZBhzWYDw :2007/08/23(木) 19:24:48.93 ID:1HdRkG7DO


最近、子供が狂った様に「カレーが食べたい」と言う。
「三食カレーでもいいよ」とも。

そして―――

「ママのカレー、『無難』に美味しいんだもん」

無難だと。
私の専業主婦としての自尊心は、再び崩壊した。

(#゚ー゚) 「マジで美味いカレーを作ってやるよ…」

私は子供に復讐することを誓ったのだった。



54: たろお ◆agZBhzWYDw :2007/08/23(木) 19:25:44.52 ID:1HdRkG7DO
( ・∀・) ならばカレー粉から、本場のカレーを作れ

(*゚ー゚) 「あなた誰!?」

( ・∀・) 復讐神タートゥーだ

(#゚ー゚) 「わかったわ…
カレールーは使わない!見せてやるわよ!本場インド風!」



58: たろお ◆agZBhzWYDw :2007/08/23(木) 19:28:25.37 ID:1HdRkG7DO


そして、今に至る。

(;゚ー゚) 「カレー粉を買って来たのはいいけど…どうしよう」

カレー粉を前に、私は困っていた。
なぜなら、私はカレールーを使ってのカレーしか作ったことがなかったからだ。
しかも、先程の亀はいなくなっていた。



61: たろお ◆agZBhzWYDw :2007/08/23(木) 19:29:27.19 ID:1HdRkG7DO
その時だ。
あの男が現れたのは。

(´・ω・`) 「ゴホッゴホッ…風邪の料理人、ショボンだ」

男は裸だった。
いや、違う。靴下は履いている。

(*゚ー゚) 「来たな!性病野郎!」

私は男を罵倒した。
しかし、下のお口は正直なもので、濡れていた。



63: たろお ◆agZBhzWYDw :2007/08/23(木) 19:30:35.01 ID:1HdRkG7DO
(´・ω・`) 「カレールーをあまりバカにするものじゃない…」

(´・ω・`) 「カレールーを使って、『完全に美味いカレー』を作ることは可能だ」

『完全に美味いカレー』。それは一体。

(´・ω・`) 「まず、カレールーは違うメーカーで二種類用意しろ」

(;゚ー゚) 「なんで二種類なの?」

(´・ω・`) 「カレールーは、各社ごとに、味や香りに特徴がある。
それらを組み合わせることで、より深い味わいになる」



65: たろお ◆agZBhzWYDw :2007/08/23(木) 19:31:35.75 ID:1HdRkG7DO
一つ、私には気になることがあった。

(*゚ー゚) 「もし、同じメーカーのを二種類用意したらどうなるの!?」

(´・ω・`) 「どうなるだと…」

(´・ω・`) 「嫁にひっぱたかれるんだよ!!」

(´・ω・`) 「世紀末のはじまりだ!!」



69: たろお ◆agZBhzWYDw :2007/08/23(木) 19:33:15.23 ID:1HdRkG7DO
(´・ω・`) 「さて、続きだ。
ここまでカレールーをヨイショしてきたわけだが、欠点だってもちろんある」

(*゚ー゚) 「なんなのそれは!?」

ところが、男は私の質問には答えず、逆に私に質問をしてきた。

(´・ω・`) 「五味って知ってるか?」

私は激昂した。

(#゚ー゚) 「ゴミ!?私、肉便器だけど、そこまで言うことないじゃない!!」



70: たろお ◆agZBhzWYDw :2007/08/23(木) 19:34:16.51 ID:1HdRkG7DO
(´・ω・`) 「甘味・苦味・酸味・辛味・塩味」

私の怒りを、男は華麗にスルーしたのだった。カレーだけに(笑)

(´・ω・`) 「カレールーは、これらのバランスがあまりよくない。
塩味だけが異常に強い」

(´・ω・`) 「つまり、『不完全』だ」

(´・ω・`) 「そこでだ。
このバランスをよくする。そうすれば、カレールーを使ってのカレーでも、格段に美味くなる」



72: たろお ◆agZBhzWYDw :2007/08/23(木) 19:35:26.22 ID:1HdRkG7DO
(´・ω・`) 「まず、『甘味』だ。
タマネギを飴色になるまで炒めろ。
そうすることで、『苦味』も同時に生まれる」

(´・ω・`) 「次に、『酸味』だ。
赤ワインを使え。
ただし、入れ過ぎは禁物だ。
ビーフカレーの場合には、一晩牛肉を赤ワインに漬けておけ。
驚く程、牛肉が柔らかくなる」

(´・ω・`) 「そして、『辛味』だ」

そう言って、男は、私が先程買って来たカレー粉(S&B赤缶)を指差した。

(´・ω・`) 「カレー粉は、あくまで『辛味の補強』として使え」



77: たろお ◆agZBhzWYDw :2007/08/23(木) 19:36:31.98 ID:1HdRkG7DO
(´・ω・`) 「これで、五味のバランスが取れた『完全に美味いカレー』の、完成だ」

気付くと私は、またしても叫んでいた。

(*゚ー゚) 「抱いて!!」

男は一言残して消えた。

(´・ω・`) 「だから、(風邪が)うつるよ」

せめて、おちんぽペロペロしたいよぉ…



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