(´・ω・`) ショボンは地獄の料理人のようです

22: たろお ◆Q2s0JfcmvM :2007/09/02(日) 18:18:07.38 ID:ZcbY48nWO

1話

裏切りの暗殺者



28: たろお ◆Q2s0JfcmvM :2007/09/02(日) 18:23:00.88 ID:ZcbY48nWO


ふと、俺は思い出した。

('A`) 「師匠が死んで、もう一週間か」

あの男は死んだ。
すごく、すごく悲しい。
だが、今はそんなことどうだっていい。
なぜなら、先日、俺は史上最強の兵器を手に入れたのだから。

('A`) 「兵器の名は、ホットプレート。その名を口に出すだけで、夢と希望が溢れ出す」

焼きそばを作るか?
お好み焼きを作るか?
いや、答えは一つ。

('A`) 「焼肉以外考えられん」

焼肉大国日本万歳。



32: たろお ◆Q2s0JfcmvM :2007/09/02(日) 18:25:50.54 ID:ZcbY48nWO
しかしだ。

('A`) 「一人焼肉とはこれいかに」

ちょっとばかりさびしい。
俺は、一緒に焼肉してくれる友人(毒男)に電話することにした。

('A`) 「あ!もしもし、毒男A?今日焼肉するけどウチ来る?」

返事はイエスだった。いや、イエス以上の返事を毒男Aは用意していた。

('A`) 「え?知り合いにワインもらったの?しかも持って来てくれるだなんて!」

その後、毒男Aを褒めちぎるだけ褒めちぎって、電話を切った。
この魚を逃がす訳にはいかなかったからだ。



33: たろお ◆Q2s0JfcmvM :2007/09/02(日) 18:27:22.16 ID:ZcbY48nWO
('A`) 「ちょろいもんだぜ」

俺は一人、ほくそ笑んだ。
ところが、同時に問題も発生した。

('A`) 「ワインに合う焼肉?知らんがな」

まさか、エバラ焼肉のタレという訳にはいかないだろう。

('A`) 「どうしよう」

俺は頭をひねっていた。



36: たろお ◆Q2s0JfcmvM :2007/09/02(日) 18:29:03.71 ID:ZcbY48nWO
その時だ。

(´・ω・`) 「帰って来たぜ!地獄の料理人、ショボンだ」

なんだこいつは?
人の家(アパート)に勝手に上がり込みやがって。

そんな奴には―――

('A`) 「パンチしてやろうか?」

次の瞬間、俺は宙を舞った。フライパンでぶん殴られたのだ。
この男、容赦を知らない。
だが、ありがたいことに、ちょっとばかしの記憶を思い出した。

('A`) 「あ!師匠じゃないっすか!もう忘れてましたよ〜」

(´・ω・`) 「ショボーン」

男のさびしそうな顔を、俺は生涯忘れないだろう。



43: たろお ◆Q2s0JfcmvM :2007/09/02(日) 18:36:51.76 ID:ZcbY48nWO
('A`) 「そんなことより、ワインに合う焼肉を教えてください」

(´・ω・`) 「お前なんか一生エバラ焼肉のタレで焼肉してろ」

('A`) 「そんなこと言って、しっかり小鍋握ってるじゃないっすか」

まったく、素直じゃないんだから。

(´・ω・`) 「よし、はじめるぞ」



46: たろお ◆Q2s0JfcmvM :2007/09/02(日) 18:38:18.16 ID:ZcbY48nWO
(´・ω・`) 「今日は3種類、ワインに合う焼肉のタレを教える」

(´・ω・`) 「まず1つ目。牛肉用のタレだ」

(´・ω・`) 「赤ワイン:3
バルサミコ酢:1
砂糖:1
の割合で合わせて、鍋に入れて1/3の量になるまで煮詰めろ」

(´・ω・`) 「粗熱を取って、みじん切りのエシャロットをどっさり入れたら、完成だ」

(´・ω・`) 「牛肉にからんだ甘酸っぱいタレと、シャリシャリのエシャロットの爽快感。
これがワインを引き立てる」



49: たろお ◆Q2s0JfcmvM :2007/09/02(日) 18:39:19.44 ID:ZcbY48nWO
(´・ω・`) 「次に2つ目。鶏肉用のタレだ」

(´・ω・`) 「たっぷりのオリーブオイルと、たっぷりのみじん切りのニンニク。
これを、鍋に入れて弱火にかけ、ニンニクが茶色くなるまで煮ろ。
これで、完成だ」

(´・ω・`) 「間違っても強火で煮るな。
あっという間にニンニクが黒焦げになって苦味がやばい。
やばい。マジやばい。苦味やばい」

(´・ω・`) 「淡白な鶏肉にからんだ、ニンニクオイルのコクと香り。
ワインだけじゃなく、ビールにも合う」



50: たろお ◆Q2s0JfcmvM :2007/09/02(日) 18:40:27.82 ID:ZcbY48nWO
(´・ω・`) 「最後に3つ目。豚肉用だ」

(´・ω・`) 「赤ワイン:3
黒酢:1
黒砂糖:1
醤油:0.5
の割合で合わせて、鍋に入れて1/3の量になるまで煮詰めろ」

(´・ω・`) 「マスタードを、タレがトロッとするくらい入れたら、完成だ」

(´・ω・`) 「どこか懐かしい味だ。
うん、そんだけ」



51: たろお ◆Q2s0JfcmvM :2007/09/02(日) 18:41:29.70 ID:ZcbY48nWO
(´・ω・`) 「牛肉用のタレは、ワインの名産地、ボルドーの名物料理
『牛肉のステーキ ボルドー風』
をイメージした」

(´・ω・`) 「鶏肉用のタレは、居酒屋メニュー
『ガーリックチキン』
をイメージした」

(´・ω・`) 「豚肉用のタレは、個人的に好きな
『黒酢の酢豚』
をイメージした」

(´・ω・`) 「肉には、塩胡椒でしっかり下味をつけろ。
タレをつけるからって薄味にすると、タレの味に負けて、肉の味がぼやけるからな」



55: たろお ◆Q2s0JfcmvM :2007/09/02(日) 18:42:33.29 ID:ZcbY48nWO
ひさしぶりに、俺は叫んでいた。

('A`) 「こんなにいろいろ材料ないよ!」

男は一言残して消えた。

(´・ω・`)mg 「プギャーwwwwwwwwwwww」

エバラ焼肉のタレで我慢します。



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