(´・ω・`) ショボンは地獄の料理人のようです

62: たろお ◆Q2s0JfcmvM :2007/09/02(日) 18:47:58.25 ID:ZcbY48nWO

2話

悪意ある利用



63: たろお ◆Q2s0JfcmvM :2007/09/02(日) 18:48:56.61 ID:ZcbY48nWO


ふと、僕は思い出した。

( ^ω^) 「師匠が死んで、もう一週間だお」

あの男は死んだ。
すごく、すごく悲しい。
だが、今はそんなことどうだっていい。
なぜなら、今、僕はデート中だからだ。

( ^ω^) 「ぶひひwwwwww女と潮干狩りうめぇwwwwww」

ξ゚听)ξ 「車持ちうめぇwwwwwwwwwwww」



66: たろお ◆Q2s0JfcmvM :2007/09/02(日) 18:50:10.65 ID:ZcbY48nWO
足替わりに、彼女が僕を使っているのは知っている。

正直、悲しい。

だが、このデートの後、僕は彼女を落とす。
その方法が、僕にはある。
酔わせて襲う。
否、パスタだ。パスタで彼女を落とす。

そのためだけに、僕は今まで修行して来たのだから。



68: たろお ◆Q2s0JfcmvM :2007/09/02(日) 18:51:15.91 ID:ZcbY48nWO


時は満ちた。

( ^ω^) 「採って来たあさりで、ボンゴレ作るお」

ξ゚听)ξ 「へぇ〜、料理出来るんだ」

( ^ω^) 「もちのろんだお!」

一呼吸間を開けて、僕は言い放った。

( ^ω^) 「得意料理はパスタだお」

決まった。

早速、僕はボンゴレ作りに着手した。



70: たろお ◆Q2s0JfcmvM :2007/09/02(日) 18:52:39.87 ID:ZcbY48nWO
( ^ω^) 「まず、パスタを沸騰したお湯に投入だお」

( ^ω^) 「パスタを茹でてる間に、オリーブオイルで、あさりを炒めるお。
あさりの口が開いたら、水を入れてあさりを煮るお」

( ^ω^) 「茹で上がったパスタと、あさりをからめて…」

(;^ω^) 「あれ?からまないお…」

(;^ω^) 「あ!殻からあさりの身が!」

(;^ω^) 「殻が割れたお!カルシウム入りパスタの完成だお!」



(;^ω^) 「やべぇお…」



73: たろお ◆Q2s0JfcmvM :2007/09/02(日) 18:56:03.34 ID:ZcbY48nWO
僕がテンパっていた、その時だ。

(´・ω・`) 「帰って来たぜ!地獄の料理人、ショボンだ」

なんだこいつは?
なんとなくは覚えているのだが。

(´・ω・`) 「ほれ、靴下返しに来たぞ」

僕は全てを思い出した。そして、懇願した。

( ^ω^) 「ボンゴレの作り方教えてくれお」

(´・ω・`) 「じゃあ、靴をくれ」

僕は苦悩の果て、苦渋の決断をしたのだった。

( ^ω^) 「片方だけなら…」

(´・ω・`) 「よし、はじめるぞ」



76: たろお ◆Q2s0JfcmvM :2007/09/02(日) 18:57:49.22 ID:ZcbY48nWO
(´・ω・`) 「まず、パスタを茹でる。
この、パスタを茹でてる間が勝負だ」

(´・ω・`) 「包丁の腹でつぶしたニンニクと、オリーブオイルを、火にかける前のフライパンに入れろ。
そして、弱火にかけて、ニンニクの香りをオリーブオイルに移す」

(´・ω・`) 「間違っても強火にかけるなよ。
あっという間にニンニクが黒焦げになって苦味がやばい。
やばい。マジやばい。苦味やばい」

(´・ω・`) 「あれ?これさっきも言ったな…」



77: たろお ◆Q2s0JfcmvM :2007/09/02(日) 18:58:55.80 ID:ZcbY48nWO
(´・ω・`) 「次に、先程のニンニク油で、あさりを炒める」

男は手際よく、あさりを炒めていた。
だが、あさりの口が開く前。その異常事態は始まった。

(´・ω・`) 「ここで、小麦粉を軽く振り入れろ」

(´・ω・`) 「小麦粉でつなぎを作ってやれば、パスタとあさりが、よくからむ」

なんという強固な姿勢だ。
無理やりすぎて失禁した。



79: たろお ◆Q2s0JfcmvM :2007/09/02(日) 19:02:20.22 ID:ZcbY48nWO
(´・ω・`) 「油と小麦粉がなじんで来たら、白ワインを入れろ」

(´・ω・`) 「白ワインを入れるのは、旨味付けと、粉っぽさと生臭さを消すためだ」

(´・ω・`) 「白ワインが煮詰まって来たら、水と、種を取り除いた赤唐辛子を入れろ」

(´・ω・`) 「フライパンにフタはしないで、中火で、あさりの口が開くまで煮ろ」

(´・ω・`) 「ある程度煮詰めたら、煮汁を味見して、塩胡椒で味を調えろ」

(´・ω・`) 「ここで、茹で上がったパスタをフライパンに投入だ」



80: たろお ◆Q2s0JfcmvM :2007/09/02(日) 19:03:55.98 ID:ZcbY48nWO
(´・ω・`) 「パスタとあさりをからめながら、バターをちょこっと投入。
バターとあさりの相性は異常。
うん、異常」

(´・ω・`) 「仕上げにパセリを振り撒いて、完成だ」

素敵だ。パスタとあさりが一体となっている。
思わず、生唾を飲んだ。



83: たろお ◆Q2s0JfcmvM :2007/09/02(日) 19:04:51.03 ID:ZcbY48nWO
ひさしぶりに、僕は叫んでいた。

( ^ω^) 「パスタはやっぱりアルデンテだお!」

男は一言残して消えた。

(´・ω・`) 「芯のある男は、好きだ」



ξ゚听)ξ 「ボンゴレまだー?」



90: たろお ◆Q2s0JfcmvM :2007/09/02(日) 19:13:23.65 ID:ZcbY48nWO
( ^ω^) 「あさりの砂だしは、車の中でしたお」

( ^ω^) 「よい子は静かな暗い所で、砂だししてくださいお」



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