( ^ω^)ブーンとツンξ゚听)ξの健康で病的な日常のようです
- 2: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/14(火) 22:08:12.51 ID:pEQ5rPqF0
第一話「思い日と、想い人」
小鳥「チュンチュン」
( ^ω^)「うーん、朝だお、あさごはん食べて学校いかなきゃ、だめだめお」
( ^ω^)「でも別に学校は存在しないから行かないお」
2ちゃんねるに連なるスレッドを住処とするAA達。
今、そんな中の一人が目を覚ましました
名をブーン、または内藤ホライゾンと人は呼びます。
( ^ω^)「さて、それじゃあ今日も行くとすますかお」
「ぶーーーーーーーーーーん!!!!」
そんな訳で目を覚ましたブーンは元気良く立ち上がると外の世界へと飛び出しました
向かう先は、幼馴染のツンデレの住むスレッド。
- 3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/14(火) 22:08:42.81 ID:pEQ5rPqFO
ここはネットの海に広がる広大な世界。
そこでは様々なAAが今も新たに生まれ、この世界に生きています。
ブーンは両手を広げ、そんなAA達が住まうスレを渡りながら彼女の元へ走るのでした。
街を抜け、山道を渡り、包丁飛び交う一軒家を命からがら逃げ出し
海を横目に、空を駆け、車を追い越し、ひたすら目的地へ向け全力疾走。
その果てに。
( ^ω^)「着いたお」
やがて到着したのか、立ち止まると周囲を一通り見渡し
その場に居ない事を確認すると、大きな声で彼女の名を呼びました。
( ^ω^)「ツン、きたおーーー!!」
ξ゚听)ξ「あら?」
- 5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/14(火) 22:09:06.80 ID:pEQ5rPqFO
すると何処からともなく、ひょっこりとツインカールのAAが顔を出しました
それを確認するとブーンはにっこり微笑み挨拶を交わします。
( ^ω^)「おはすー」
ξ*゚听)ξ「…今日も来たの、あんたも飽きないわね」
そう言うツンでしたがその表情はほころび、どこか嬉しそうです。
ξ゚听)ξ「それで、なn…っ」
ξ><)ξ「けほっ、けほっ」
と思いきや、ツンは咳き込み、苦しそうな呻き声をあげました
ブーンは側によると優しく背中を撫でながら、心配そうに問いかけます。
(;^ω^)「大丈夫かお?」
ξ゚听)ξ「…え、ええ、もう落ち着いたわ」
(;^ω^)「また風邪かお?」
- 7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/14(火) 22:09:52.93 ID:pEQ5rPqFO
ξ゚听)ξ「どうかな…わかんないけど」
( ^ω^)「最近は暑いから気をつけなきゃ駄目だお」
ξ;゚听)ξ「うん…そ、そんなの分かってるわよ」
彼女は生まれつき身体が弱く、こんな事は日常茶飯事でした
つい先日も40度の高熱を出して一週間ほど寝込んだばかりです。
そんな彼女にブーンは淡い恋心を抱き、その想いを届けようと毎日ツンの元へと通うのでした。
(;^ω^)「うーん、じゃあ今日は安静にしてた方がいいかお」
ξ゚听)ξ「変な気使わないでいいわよ、何? 今日はどうしたの?」
(;^ω^)「え、えと、特にはないんだけど……散歩でもどうかなー、なんて」
ξ゚听)ξ「散歩? そうね、どちらでも構わないけど」
ξ゚ー゚)ξ「…まあ…良いわよ、行っても」
( ^ω^)「お、けど体調悪いなら無理しない方が…」
ξ゚听)ξ「あら、軽い運動した方が身体にはいいのよ?」
(;^ω^)「そう、なら……いやでも」
- 8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/14(火) 22:10:17.36 ID:pEQ5rPqFO
ブーンは迷いました。
自分としては凄く行きたい、けれど彼女は無理をしているのではないか
そう思うと、ここで自分が取るべき行動は強引にでも休ませるべきなのでは、と思考をめぐらせます。
(;^ω^)(………どうしよう)
すると、ツンは悪戯めいた笑みを浮かべ、穏やかに言葉を投げかけました。
ξ゚ー゚)ξ「なに? 気が変わって行きたくなくなった?」
(;゚ω゚)「なっ! そんなわけないお! 行きたいお! 凄く行きたいお!!」
ξ^ー^)ξ「そう、なら決まりね」
(* ω )「う……」
( ━l *)「じじ、じゃあ、早速行くお!」
微笑む彼女に胸を打たれ、ブーンは内心小躍りしながら平静を装うのに必死でした。
そうして、ついついにやけてしまう表情を隠すべく背を向け出発を促し
そんな様子にツンもハッと気付き、わざと聞こえるように独り言を呟きました。
- 9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/14(火) 22:11:38.61 ID:pEQ5rPqFO
ξ*゚)ξ「もう、しょうがないんだから…ま、まあ、どうせ暇だったしちょうどい…ぃ」
ξ゚−゚)ξ「……?」
ξli゚听)ξ「hey!?」
と、そんなブーンの背に何を見たのか。
ツンは驚愕の声を上げ、真っ青な顔で再び苦しみはじめました。
━l( ;^ω)「お!?」
ξli><)ξ「ちょ、あん…げほ、げほっ」
(;^ω^)「ツン!? どうしたんだお!?」
ξli゚听)ξ「こほっ…ぜぇ、ぜぇ…ブー、ンあんたがどうしたのよそれ!」
(;^ω^)「へ…なんだお?」
ξ;゚听)ξ「背中! なんか刺さってるわよ!?」
(;^ω^)「背中…?」
- 10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/14(火) 22:12:50.95 ID:pEQ5rPqFO
ブーンが不思議そうな表情で背中をまさぐると、すぐに何かが手に触れました
まず感じたのは細身の直線物である事、そして硬く冷たい鉄の感触。
( ^ω^)「ペロ…これは包丁!!」
(li^ω^)(いて、切れた)
ξ;゚听)ξ「ちょ、おま…」
(;^ω^)「ああ、そういえば来る途中に包丁飛び交う中を通ってきたから…」
ξli゚听)ξ「……!!!」
ブーンが自分の背に深々と突き刺さる包丁をやれやれと言った様子で引き抜くと
それを見たツンは口をぱくぱくさせながら言葉にならない悲鳴を漏らし
ξ )ξ「…ぁ」
そのまま、ふっ…と急に意識を失い倒れこんでしまいました。
- 11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/14(火) 22:13:16.81 ID:pEQ5rPqFO
(;゚ω゚)「ツ、ツーーーーーーーーーーーーーン!!」
「ツン!! しっかりするんだおおおおおお!!!」
ブーンは背中から血を噴出させながら倒れた彼女へ駆け寄ります。
それからしばらくして。
( ;ω;)「ツン…目を覚ましてくれお!」
ξ--)ξ「ん…」
( ;ω;)「ツン! 平気かお!?」
ξ゚听)ξ「あ…ぶーん……?」
( ;ω;)「よかった…よかったお」
ξ゚ー゚)ξ「ばかね、なにないてるのよ…」
( ;ω;)「だって…急に倒れるから…僕は…」
- 12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/14(火) 22:13:36.92 ID:pEQ5rPqFO
ξ゚听)ξ「急に…? ああ、そういえば……あら?」
ξ;゚听)ξ「変ね、何かさっき凄いものを見た気がしたんだけど…何だったかしら」
( ;ω;)「何もないお! それより…」
どうやらツンは先程の出来事を忘れてしまっているようです
ブーンはそんな彼女に何も無かったんだと説き、今日はもう休むように促します。
ξ゚听)ξ「平気よ、むしろ今ので楽になったわ」
(;^ω^)「…」
しかし、ツンは大丈夫だの一点張り。
やがてブーンも根負けしたのか、二人は寄り添うように歩き始めました。
(*^ω^)
ξ*゚)ξ
最初はツンの身体を心配し、戸惑っていたブーンでしたが
しばらくすると一緒に居られる喜びの方が勝ったのか、すぐに会話も弾みます。
- 14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/14(火) 22:14:15.48 ID:pEQ5rPqFO
ξli--)ξ「ん…」
(;^ω^)「ツン?」
ですが歩いている途中、ツンは額に手をあて急に立ち止まりました。
ξ;゚ー゚)ξ「あ、大丈夫、ちょっと眩暈がしただけ…」
(;^ω^)「…」
やはり自分が無理をさせているのではないか、ブーンは気が気ではありません。
すると、ちょうど前方に自動販売機を見つけました。
( ^ω^)「お、ちょっと何か買ってくるお!」
ξ゚听)ξ「え、いいわよ別に」
( ^ω^)「いいから、待っててくれお!」
ξ゚ー゚)ξ「…もう」
ブーンはそう言うと赤い四角形を目指し、両手を広げ走りました。
ツンもゆっくりとその後を追います。
- 15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/14(火) 22:15:05.78 ID:pEQ5rPqFO
⊂二二二( ^ω^)二⊃「ぶーーーーーーーーーーん!!!」
⊂二二二( )二⊃「うわああああああああ」
ξ;゚听)ξ「…ぇ」
そんな彼女の目の前で、ブーンが消えました。
思わぬ出来事に声を失うツン。
なんと走るブーンの姿が突然、地面に吸い込まれるように消え去ったのです
いったい何が起きたのか、ツンは訳もわからず呆然と立ち尽くす事しかできませんでした。
。 。 。 。 。 。 。 。
(;´ω`)「うぅ……お?」
- 16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/14(火) 22:15:40.53 ID:pEQ5rPqFO
一方、ブーンは仰向けに倒れこんだ身体を起こし、周囲を見渡します
そこは薄暗い空洞が広がっていて、見上げれば遠く円形に穴が空いていました。
そう、ブーンは何故か開いていたマンホールらしき穴へと落下してしまったのです。
(;^ω^)「ああ、あそこから落ちたのかお…まあいいお、それより早く戻らないと」
「ダレダイ」
( ゚ω゚)「ぶるぁ!?」
(;'A`)「オイオイシツレイダナヒトノヘヤニイキナリアガリコンデオイテ」
(;^ω^)「…??? 人の部屋?」
('A`)「ソウダココハオレノイエニシテココロヤスマルリソウノバショダソコヘトツゼンオチテキヤガッテ、ノッククライシロヨ」
( ^ω^)「何いってんだお、日本語でおk」
('A`)「アン? …これでいいか?」
( ^ω^)「おk、それでなんだお、あんた誰だお」
('A`)「俺か、俺はドクオ…闇の住人にしてこの世を統べる影の支配者さ」
ドクオは口元を無理に吊り上げ、ひくついた笑みを浮かべながらそう言いました。
- 17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/14(火) 22:16:56.90 ID:pEQ5rPqFO
(;^ω^)「な、なんですって!?」
('A`)「実はこの世に夜が来るのも俺の仕業だ」
(;^ω^)「まさか…!」
('A`)「くくく…だがそれだけではないぞ」
(;^ω^)「・・・ごくり」
(;'A`)「・・・エート、ドウシヨウ」
('A`)「お…お前も俺の力の糧となるがいい!!」
(;゚ω゚)「ひぃいいい、勘弁してくださいいいい」
ちなみにドクオはただの引き篭もりの毒男
更には自分が特別だと信じて止まない中二病患者でしたが。
お馬鹿なブーンはすっかりその言葉を信じ込み、脅えきっています
そしてそんなブーンの様子はドクオを更に増長させるのでした。
- 18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/14(火) 22:18:07.17 ID:pEQ5rPqFO
('A`)「フゥーハハー!! 喰らうがいい、我が超炸裂暗黒奥義(ダーク・フォルトゥム・ゲイオス)を!!」
( ;ω;)(…ツン、せめて、せめて最後に君の顔が見たかったお…)
(♯'A`)「カ、ガ…ガオティック・アザファルードル!!!」
(;>ω<)「うっっっ!!」
ちょっと台詞を噛みながらも、大げさな手振りでよく分からない技名をドクオは叫びました
ブーンは目を閉じ、これから襲い来るのであろう何かに備え、ぐっと全身を強張らせます。
('A`)「…」
(li>ω<)「…っっ」
('A`)「……」
(li^ω^)「…????」
- 20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/14(火) 22:18:52.90 ID:pEQ5rPqFO
しかし、何時まで経っても何も起こらない事を不思議に思ったのか
ブーンが自分の身体を改めます、すると、何やらボキリと鈍い音が静かな空間に響きました。
('A`)「…」
( ^ω^)Λ「…」
見ればそこにはおかしな方向に折れ曲がるブーンの腕がありました。
ちなみにこれは先程の落下時の衝撃によるものでしたが、彼らにそれを知る術はありません。
(;゚ω゚)Λ「ぬおおおおおおおおおおおおおお!!??」
(;゚A゚)「ぎゃああああああああああああああ!!!!」
(゚ω゚;)Λ「おおおおおおおおおおおおおおおおーーーー!!??」
(;゚A゚)「うわあああああああああああああああああああああああーー!!!!」
- 21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/14(火) 22:20:04.73 ID:pEQ5rPqF0
⊂( ゚ω゚ )
ヽ Λ)
(⌒) | ダッ
三 `J
(゚A゚)っ
(彡 r ダッ
i_ノ┘
(;゚ω゚)「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
(;゚A゚)「あああああああああああああああああああああああああああ!!」
そうして二人は雄叫びを上げながら暗闇の中へと消えて行きました。
。 。 。 。 。 。 。
- 22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/14(火) 22:21:09.83 ID:pEQ5rPqFO
その頃、ツンは…。
ξ;凵G)ξ「けほっ、うっ…うっ、ごほっごほ…ひっく……」
ブーンが消えた辺りに来てみると、そこには謎の穴が地面に空いているだけで彼の姿はなく
いつまで待っても帰ってくる様子はありません、そうして訳もわからず一人取り残され
寂しさに耐え切れず、苦しげに咳き込みながらもさめざめと泣いていました。
「…君、大丈夫かい?」
ξ;凵G)ξ「ぇ?」
と、そこへ現れたのは、皮膚の光沢が輝く普通のマッチョでした。
(´・ω・`)「具合悪いの?」
ξ;凵G)ξ「ぇ、あ、あの…」
(´・ω・`)「ああ、ごめん僕は…まあショボンとでも名乗っておこうかな
それで、用があってここに来たんだけど…君が苦しんでるみたいだったからつい、ね」
ξつ凵G)ξ「それは、どうも…あ、でも…大丈夫ですから」
(´・ω・`)「ほんとに? 顔色悪いよ?」
- 23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/14(火) 22:22:16.37 ID:pEQ5rPqFO
マッチョは微かに笑みを浮かべながらツンへとにじり寄り
そんな様子に恐怖したのか、ツンは接近してくる筋肉の塊から逃れようと後ずさります。
(´・ω・`)「うーん…とりあえずさ、ここじゃ何だしどっか休める所に行こうか?」
ξ;゚听)ξ「いえっ、ひ、人を待ってますので…」
(´・ω・`)「こんな何も無い、道の途中で?」
ξ;゚听)ξ「それは…」
(´・ω・`)「ほら、いいからおいでよ、すぐ近くだから、ね?」
ξ;><)ξ「ちょ、ちょっ…やめ…っ」
マッチョは強引にツンの腕を掴むと、何処かへ向け歩き出しました
ツンも必死に抵抗をしますが、元々身体の弱い彼女が筋肉に適う筈も無く
そのまま何処かへ連れ去られてしまうのでした。
。 。 。 。 。 。
- 24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/14(火) 22:24:16.57 ID:pEQ5rPqFO
更に場面は戻り、ブーンはと言うと…
(;゚ω゚)「うおおおおおおおおおおおお!!!」
(;゚A゚)「はああああああああああああああ!!!」
まだ走っていました。
あれから複雑な通路を進み、やがて何処か知れぬ明るい場所に飛び出すと
いつの間にか治った腕を振り回し、そこら中を駆け回ります。
しかし、そこで一つの悲劇が…。
《イメージ図》
タクシー
('A`)ノ
ノ|ミ|
」L
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
_/ ̄ ̄\_
└-○--○-┘=3
('A`)ノ アイヨー
ギャー ノ|ミ|_/ ̄ ̄\_
//└-○--○-┘=3
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ミ
- 25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/14(火) 22:25:14.53 ID:pEQ5rPqF0
-
哀れドクオは車に轢かれ、全身を強打し病院に搬送されました。
(ちなみにニュース等で言われる○部を強打と言うのは大抵ミンチ状態だそうです)
ですがブーンはそれには目もくれず、走り続けます
全てはあの場所で待つ愛しいツンの為に…。
( ゚ω゚)「おおおおおおお!!!!」
やがて、ブーンは本来の目的地であった公園へと辿り着きました。
しかし今はこの場所に用はありません、彼女はこの道の先に居るのですから
そう思い、更なる加速度を持って走るブーンでしたが、ふと横目に園内を覗き見ると…
(;゚ω゚)「え!?」
(´・ω・`) n <ワンモアセッ
⌒`γ´⌒`ヽ( E)
( .人 .人 γ /
=(こ/こ/ `^´
)に/こ(
ξ ←
- 26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/14(火) 22:26:14.37 ID:pEQ5rPqFO
視界の中に、怪しいマッチョと見慣れたワンテールが飛び込んできました。
(;^ω^)「ツン!?」
ですが、どうも様子がおかしいです…。
ツンは公園のトイレの前にあるベンチに横になっており、その前には見知らぬマッチョが居たからです。
(;゚ω゚)「…!」
(*´・ω・)「ん?」
すると、当のマッチョがブーンに気付くと怪しく笑みを浮かべ
微かに頬を紅潮させながらゆっくりとこちらへと歩み寄ってきました。
(;゚ω゚)「ぁ…な…」
(*´・ω・)「やあ! 君がブーン?」
(;゚ω゚)「だ、お前誰だお!!」
(*´・ω・)「あ、やっぱりそうなんだ」
- 28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/14(火) 22:26:41.17 ID:pEQ5rPqFO
(♯゚ω゚)「誰だと聞いてるんだお!!」
(*´・ω・)「いやね、彼女、ずっとうわ言のように君の名を呼んでいたよ」
(;゚ω゚)「お前…っ、ツンに何したんだお!!」
(*´・ω・)「別に? ふふっ……それより」
( ゚ω゚)「ふざけんじゃねーお!!」
ブーンは思い切りマッチョに殴りかかります、ですがそれは容易く受け止められ
ぺちんと音を立てて筋肉の掌にそっと包まれました。
そして、そのブーンの身体を引き寄せると、耳元に息を吹きかけつつマッチョ言います。
(* ω )「あふんっ…」
(*´・ω・)「ドッきゅん…いやドクオはどこに居るのかな?」
全身に電気が流れ、ブーンの脳内が真っ白に染まっていきます
あらゆる抵抗する力を奪われ、成すがままに問われた言葉を返す事しかできません。
- 30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/14(火) 22:28:15.44 ID:pEQ5rPqF0
(* ω )「あ…あっちで…たくしーに…ひかれてましたぁ…」
(;´・ω・`)「なんてことだ…よし、ありがとう!」
するとマッチョは飛ぶようにブーンから離れ、指差す方向へと物凄い勢いで駆けていきました
ブーンはそのまましばらくマッチョが走り去った方向を眺めながら呆けていました。
「ブーン!?」
どれくらいそうして居たでしょうか、やがて一つの声がブーンの意識を現実へと引き戻します。
(;^ω^)「はっ!? 僕は何を!?」
ξ*゚听)ξ「ブーンなのね!?」
- 31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/14(火) 22:29:09.98 ID:pEQ5rPqFO
( ^ω^)「ツン! 僕だお!!」
そうして、悪戯な運命によって引き裂かれた二人はようやくの再会を果たしたのです
ブーンはもう一目散に彼女の下へと向かいます。
( ^ω^)ノシ「つーーーーーん!!」
ξ*゚听)ξ「ぶーん!!」
ツンもおぼつかない足取りながらも必死に彼の下へ向かい、そして――。
- 32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/14(火) 22:29:51.62 ID:pEQ5rPqFO
ド ン ! !
∩ ∩
| ∪ | ←ブーン ________
.. ノ ノ ―――――――、 ヽヽ
((つ ノ⊃ミ . /.  ̄ ̄ ̄//. ̄ ̄| ||____ヽヽ 三
/. ∧// ∧ ∧| || ヽヽ三
ヽ从 / [/___ (゚_//[ ].゚Д゚;,) || . | |
||_ _|_| ̄ ̄ ∪|.|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| | 三
lO|――|O゜.|____|.||.-――――┴―|
WW ヾ|_∈口∋ ̄_l__l⌒l | | コ□ニ//l⌒lソ
 ̄ ̄`ー' ̄ `ー' ̄ `ー' `ー' 三
(,;゚Д゚)「やべ! 今なんか轢いたぞゴルァ!」
(,,^Д^)「え?ほんと? 逃げなきゃだねアハハッ!」
- 34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/14(火) 22:31:17.75 ID:pEQ5rPqFO
∩ ∩
| ∪ | ミ ←スロー映像
.. ノ ノ
((つ ノ⊃ミ
ξ;゚听)ξ「え…っ」
突然響いたのは、まるで胸を打つ様に低く、鈍い音。
ツンはその光景を異様なまでにゆっくり感じていました
トラックに撥ねられた彼の体が回転しながら宙を舞い、吹き飛ばされていきます。
ξ;゚听)ξ「ぁ――」
やがてその身体が激しく壁に打ち付けられ、まるでピンボールの様に跳ね返り
激しく砂埃を巻き上げながら、そのまま数メートル地を転がりました。
- 35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/14(火) 22:32:28.67 ID:pEQ5rPqF0
そこへ、更にトラックが迫ります。
(,;゚Д゚)「おいこら何してんだ!そっち行くなゴルァ!!!」
(,,^Д^)「え? アハハッ、だって中途半端に生きてたらめちゃくちゃ金取られるんだよ!」
猛スピードで迫るトラックは、残酷にもそのままブーンの上を通過します、まさに外道。
そしてがたんと何かを踏み抜いた音を立てるとそのまま走り去ってしまい
後に残ったのは線状に伸びるタイヤの跡だけでした…。
ξli゚听)ξ「う、そ……」
横たわる彼は当然のようにピクリとも動きません
残酷すぎる現実に、ツンは茫然自失な様子でふらふらと一歩ずつ歩を進めました。
ξli;凵G)ξ「やだ…やだよ……」
どんなに願っても、目に見える物に変化は無く
すぐにツンの瞳には大量の涙粒が溜まり、溢れ出しました。
- 36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/14(火) 22:33:36.80 ID:pEQ5rPqFO
ξli;凵G)ξ「うっく…げほっ! げほっ!!」
真っ青な顔で咳き込み、苦し気な呻き声をあげながらも足を止めず
必死にブーンの下へと向かい…それを目の前にした時、がくんと膝を地に落としました。
ξli;凵G)ξ「がふ…っ…お、え…」
ツンは今にも吐きそうになるのを堪え、懺悔するように手をつき…何度も彼の名を呼び…
ξli;凵G)ξ「ぶーん……おきてよ…ぅ、ん……」
ξli;凵G)ξ「やだ、やだよ…こんなの…」
「…ぃ、いやあああああああああああああああああああ!!!」
遠く空に…ツンの、あまりに悲痛な声が響き渡りました。
- 37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/14(火) 22:35:30.03 ID:pEQ5rPqFO
( ゚ω゚)「うわっ!?」
(;^ω^)「あー、びっくりした…なんだお?」
ξ*;凵G)ξ「ブーン!! 良かった!!」
ブーンはがばっと身を起こすと、隣でうなだれるツンを心配そうに覗き込みました。
(;^ω^)「ツン、大丈夫かお!? なんか顔色悪いお!?」
ξli;凵G)ξ「わ、私はへい……」
ξli><)ξ「げほっ!」
ショックのあまり既に満身創痍なツン、精一杯の力で返事をしようとするも
気が緩んだせいか、一気に苦しみが襲い喋る事さえままなりません。
ξli><)ξ「がふっ…げふっ!」
(;^ω^)「ツン!! しっかりするんだお!!」
ξli <)ξ「けほっ、けほっ…ごふっ、ぜぇっ、ぜえっ…ぅ…」
- 38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/14(火) 22:37:19.54 ID:pEQ5rPqFO
ツンは口を手で覆い、聞いた事も無いような声で咳き込み続けます
そんな苦しみ呻く背をブーンが優しく摩りました。
「ご、ぽ…」
不意に奇妙な音が漏れると、口を押さえる指の隙間から赤い線がゆっくりと伸びて行き
やがて…ぽたりと、地に落ちる水音が数回響きました。
(;゚ω゚)「…血が!!!」
ξli--)ξ「ごほ、ごほっ…ぅ、も…だ、め…」
ツンは口から一筋の血を流し、最早どこを見ているかもわからぬ虚ろな目でどうにか言葉を紡ぎました
それきり、彼女は黙り込みゆっくりとその目を閉じていきます。
( ゚ω゚)「ツン…嘘だお!?」
ξ )ξ「がく」
((li゚ω゚))「あ、ああ、ツン…」
「つーーーーーーーーーーーん!!!!!!!」
遠く空に、二度目の悲痛な叫び声が響き渡りました。
- 39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/14(火) 22:38:27.64 ID:pEQ5rPqF0
。 。 。 。 。 。
ξ;--)ξ「…ふぅ、落ち着いたわ」
(;^ω^)「大丈夫かお?」
一度は気を失ったツンでしたが、なんとかすぐに目を覚ましほっと一安心です
病弱な彼女は血を吐く事も既に慣れっこだったのです、日常茶飯事なのです。
ξ゚ー゚)ξ「ええ、でも何だかもう、疲れちゃった」
(;^ω^)「むむ…じゃあちょっとあそこで一休みするお!」
そうして二人は再び公園へと入っていきます
日を避けながら進むと、ちょうど木陰にあるベンチを見つけ、座りました。
- 41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/14(火) 22:39:19.18 ID:pEQ5rPqFO
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ξ゚ー゚)ξ (^ω^*) .,.,,.、.,.,,.、
/ | と ) ,.,,.
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( ^ω^)「………だから、びっくりした時に寿命が縮むって言うのは
昔の人は心臓の鼓動する回数は決まってると思ってたからなんだお」
ξ゚听)ξ「へー」
穏やかに時を告げる木漏れ日の中、談笑は続きます
ツンも座って休んだおかげか大分楽になった様子です。
ちなみに、ブーンはツンが倒れたのはさっきのマッチョに何かされたのかと考え、問い詰めたところ…
どうやらあの筋肉は単純に具合悪そうなツンを心配しただけだったと分かりました
肉塊はツンを公園まで連れて来ると飲み物を買ってきたり、冷えたタオルを持ってきたりと
とにかく、怪しい見た目に反して非常に親切だったそうです。
- 42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/14(火) 22:40:25.81 ID:pEQ5rPqF0
( ^ω^)「…そうだったのかお、あのマッチョが…」
ξ゚ー゚)ξ「ええ、苦しむ私を…凄く元気の出る言葉で何度も励ましてくれたわ」
( ^ω^)「へぇ、なんだお?」
ξ^ー^)ξ「それはね…」
「 ワンモアセッ! 」
そうして、二人は陽が暮れるまで公園のベンチで過ごしましたとさ、めでたしめでたし。
一話 糸冬
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