( ゚∀゚) ジョルジュくんと渡辺さんのようです 从'ー'从

183: 1 ◆ps3CKPkBXI :2007/08/18(土) 22:07:17.19 ID:A8ZPIH/g0
__>>122から数週間が経っていた。




俺は体を許さない渡辺さんに嫌気がさし、アパートを飛び出していた。





('A`)「なあ…。まだ帰る気はないのか?」
  _
( ゚∀゚)「ないね。もうあんな奴キライさ」

('A`)「そうか…」

('A`)「渡辺さんってさ、確かにガード固いけどさ…」

('A`)「可愛いし、すっげーいい子だと思うぜ?」
  _
(  ∀ )「うるさいよ」



185: 1 ◆ps3CKPkBXI :2007/08/18(土) 22:09:03.65 ID:A8ZPIH/g0
とはいえ…。ドクオの家にいつまでも居候させてもらうのも、かなりの情けなさを感じていた。
外は大雨が降っている…。



('A`)「すげぇ雨だなー…」

('A`)「ほら、覚えてるか?去年のコミケ」

('A`)「帰ってきて、駅に着いた途端、物凄い勢いの夕立ちがきてさ!」

('A`)「でも、渡辺さんがすぐ駆け付けてくれたんだよな〜」

('A`)「はい!傘持ってきたよ!! …って」

('A`)「でも、それは自分がさしてる一本だけだったんだよなww」

('A`)「三人でちっさい傘の中に入ってさ、どしゃ降りの中帰ったよなー…

('A`)「しかも、柄を持ってるのは渡辺さんだから、彼女が結局一番濡れてねぇのwww」

  _
(  ∀ )「…」

  _
(  ∀ )「そんなことも、あったな」



188: 1 ◆ps3CKPkBXI :2007/08/18(土) 22:13:16.66 ID:A8ZPIH/g0
ドアが開く音が聞こえる。


从 ゚∀从「よぉ」

('A`)「あ、ねえちゃん」

从 ゚∀从「なんだよ、まだ帰ってなかったのか」


  _
(  ∀ )「…すいません」


从 ゚∀从「まあ、居候生活も今日で終わりだよ」

从 ゚∀从「入り口にさ、傘持って渡辺が待ってるぜ」


  _
(  ∀ )「!?」



俺は急いで玄関へと向かった。
なぜか勝手に… 体が動いた。



189: 1 ◆ps3CKPkBXI :2007/08/18(土) 22:16:48.75 ID:A8ZPIH/g0
  _
(  ∀ )「はあはあ…」


  _
(  ∀ )「!?」



道路に出て、周りを見渡す…。しかし、どこを見ても渡辺さんの姿はない。
くそ、あの貧乳め…。俺を閉め出すためにウソをついたな。





从 ゚∀从「おい、ジョルジュ」







後方から声がした。振り返ってみると、そこにはハインの姿があった。
ハインは腕を組んで、おもむろに喋り始める。
俺の身には激しい雨が打ち付けていた。



192: 1 ◆ps3CKPkBXI :2007/08/18(土) 22:20:43.24 ID:A8ZPIH/g0
从 ゚∀从「私なぁ…、前々から気になっていたんだが」


从 ゚∀从「おまえ、渡辺のどこが好きなんだ?」


  _
(  ∀ )「!?」


  _
(  ∀ )「お…、お…」



从 ゚∀从「おっぱいって言ったら殺すぞ」




  _
(  ∀ )「…」

  _
(  ∀ )「すっ、全てだ!!!」



193: 1 ◆ps3CKPkBXI :2007/08/18(土) 22:24:03.43 ID:A8ZPIH/g0
从 ゚∀从「ふん!!!」


从 ゚∀从「だったらなんで渡辺の全てを愛してあげないんだ?」


从 ゚∀从「…いつも私は渡辺から相談を聞いていたんだよ」


从 ゚∀从「ふえーん。ジョル君は、私の胸にしか興味ないみたーい… ってな」 


从 ゚∀从「渡辺が体が許さない理由もわかるよ」








  _
(  ∀ )「…」



197: 1 ◆ps3CKPkBXI :2007/08/18(土) 22:29:25.06 ID:A8ZPIH/g0
从 ゚∀从「おまえが風邪ひいたとき、冷たいタオルを替えてくれるのはおっぱいか?」

从 ゚∀从「おまえが大学行くとき、ときどきお弁当作ってくれるのはおっぱいか?」

从 ゚∀从「いつもおまえの隣で、幸せそうな顔で静かに寝息を立ててるのはおっぱいか?」




从 ゚∀从「違うだろ!?」



  _
(  ∀ )「…」




从 ゚∀从「わかったら行け」


从 ゚∀从「…これ以上あの子を泣かすんじゃねぇよ



202: 1 ◆ps3CKPkBXI :2007/08/18(土) 22:35:34.87 ID:A8ZPIH/g0
俺は小声で「ありがとう」と呟き、雨の街を走り出した。

泥が、水が、跳ね、俺のズボンの裾を水浸しにした。

髪がまるで、シャワーを浴びているときと大差ないくらいに濡れている。

雨が体を冷やし、貫き、蝕んだ。

それでも

ただ無我夢中で、走った。


はやくしないと、あの部屋から渡辺さんがいなくなってしまう。


そんな気がしたんだ。


やっと気付いた。


俺が愛していたのは___


いや、愛すべきものは______



209: 1 ◆ps3CKPkBXI :2007/08/18(土) 22:46:40.53 ID:A8ZPIH/g0
__

从'ー'从(大雨…。去年の今頃を思い出すなぁ…)










バタン!!!!!!!!!!!















从'ー'从「!?」



211: 1 ◆ps3CKPkBXI :2007/08/18(土) 22:48:59.37 ID:A8ZPIH/g0
  _
(;゚∀゚)ガチガチブルブルガチガチブル



从;'ー'从「わわっ!!! びしょ濡れだよジョル君!!??」







  _
( ゚∀;)「おっ…」

从;'ー'从「うん?」









  _
( ;∀;)「おっぱいなんかより、君が好きだああああああああああああああああああああああああああああ」



213: 1 ◆ps3CKPkBXI :2007/08/18(土) 22:49:43.00 ID:A8ZPIH/g0
  _
( ;∀;)「きっ、君の全てを……   愛しているよ!!!!!!」




  _
( ;∀;)「一万年と2千年前から…  愛してる…」




  _
( ;∀;)「…ひぐっ」




从;ー:从「……私も」





从;ー;从「ジョル君の全てが大好きだよ」



214: 1 ◆ps3CKPkBXI :2007/08/18(土) 22:50:21.94 ID:A8ZPIH/g0
そして二人は優しく強く抱き合った。

雨の勢いが弱まる。

小雨が地に落ちる音は軽快で、二人を祝福するメロディーのように聞こえてくる。






…これで四畳半の小汚いアパートに同棲しているある男女の物語はおしまい。



   大切なのは、相手の一部分だけを抜け出して愛でるのではなく

        その人のいいところも悪いところもまるごと受け止めてあげる気持ち。
 


                                             -fin-



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