( ^ω^)ブーンたちは漂流したようです

144: ◆xh7i0CWaMo :2008/07/02(水) 00:29:19.13 ID:ThFwTf7n0
エピローグ「ファンファーレ」

その瞬間、ツンは顔をそむけていた。
ブーンに告白されてしまった……それが自分の妄想か、或いは現実か判断できなかったのである。
何故なら、彼女もまた、ブーンのことを密かに想っていたから。

ξ////)ξ(え……どうすればいいの、私……)

とてもブーンを直視できそうに無かった。
いつも気丈に振る舞っている彼女であるが、こんな時はどうしても尻込みしてしまう。

だが、言わなければならない。
彼女は意を決した。

ξ////)ξ「私も、ブーンのことがっ!」

だが、そこにブーンは存在しなかった。

ξ゚听)ξ「……え?」

足下から血生臭いにおいが漂う。
見下ろすと、そこに引き裂かれた衣服と血に塗れた肉塊。
そして、サソリにも似た怪物が、やけに人間じみた両腕を掲げてツンを睨め付けていた。



150: ◆xh7i0CWaMo :2008/07/02(水) 00:29:53.13 ID:ThFwTf7n0
ツンが悲鳴をあげるよりも先に、怪物は彼女に飛びつく。
そして、反り返った尾の先端に付属する、巨大な針をその額に突き刺した。

ガクガクとツンの身体は痙攣し、やがて力無く崩れ落ちる。
怪物は、一連の動作を済ませると床に飛び降り、そのままじっと佇んでいた。

彼女の身体が背中から引き裂かれ始める。
程なくして彼女の体内から飛び出したのは、形状のほとんど変わらない、
硬質の鱗に大量の血糊をこびりつかせた怪物であった。

二匹の怪物は互いの姿を見るや、大きく奇声をあげた。
高らかに。まるで祝福をしているかのように。
そうしてそのまま、彼らは連れだって歩き出す。

この時、彼らは新しい歴史の創成者として、世界に迎え入れられたのである。
彼らが地球上の人間をほとんど全て殲滅し、
自らが高度知的生命体となって、この星の支配者となるまでには、
まだまだ気の遠くなるような時間がかかるのである。

・・・

・・



( ^ω^)ブーンたちは漂流したようです 終わり。



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